【Yahoo!ニュース掲載】女優・広末涼子さんの暴行事件に医師としてコメントしました
2024年4月8日深夜に起きた、女優・広末涼子さんの病院内での暴行事件が報道され、大きな話題となっています。
五良会クリニック白金高輪 理事長(内科医ごっち)がこの件について、Yahoo!ニュース(FLASH記事)にて、医師としての見解・医学的解説をコメントさせていただきました。
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広末涼子、看護師に“蹴り”入れて逮捕「暴れだす患者はいる」医師が危惧する点とは
■ 病院で突然暴れだす患者は、実際に存在する
今回のように、「救急搬送された病院で、患者さんが暴れる」という事態は、実は医療現場では珍しくありません。
こうしたケースにおいて多いのは、
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違法薬物の使用中
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アルコール中毒
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急性のメンタルの悪化(パニック障害・躁状態・せん妄など)
といった原因です。
中には、抗不安薬・睡眠薬の使用による「逆説的反応(paradoxical reaction)」で、不安・興奮・暴力的になるケースもあります。また、意外にも花粉症の薬などでも、稀に「せん妄(delirium)」のような反応を示すこともあります。
■ 「薬のせいではない」場合も、心の不調によるサインの可能性がある
今回の報道では、「薬物使用の可能性」や「パニック状態」といった情報が錯綜していますが、いずれにしても、精神的・神経的な不調が背景にある可能性は否定できません。
一見“奇行”や“奔放な行動”と見なされるものの中には、医学的なケアや治療が必要な状態が隠れていることも少なくありません。
■ 医療従事者への暴力は深刻な問題
看護師や医師に対する暴力行為は、医療現場の安全性やスタッフの精神的負担に直結する重大な問題です。
その背景にある原因を正しく理解し、適切な対応と支援体制の整備が求められます。
■ 社会全体での「理解と支援」が大切
私たちは、「芸能人の奇行」「一時の異常行動」として一蹴するのではなく、
それが“疾患のサイン”である可能性に目を向け、社会全体で理解を深めることが重要です。
五良会クリニック白金高輪では、心と体の不調のサインを見逃さない医療を目指しています。
今後も、社会的な注目を集めるニュースの背景に、医学的な視点で冷静に光を当てる情報発信を続けてまいります。