「内視鏡検査を受けよう!」Vol.1 当院の内視鏡の特徴
■ 内視鏡検査とは?

内視鏡検査は、先端に高解像度カメラを内蔵した細長いスコープを口、鼻、または肛門から挿入し、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の状態を直接観察する検査です。
この検査では、がんを含む消化器疾患の早期発見が可能であり、特に食道がん、胃がん、大腸がんの診断に極めて有効です。これらの疾患は進行するまで自覚症状がほとんどなく、早期発見こそが治療成功の鍵となります。
「内視鏡検査は痛い」「苦しい」というイメージを持たれている方も多いですが、当院では最新の鎮静技術と高度な内視鏡機器を導入し、患者様の負担を最小限に抑えた快適な検査を提供しています。鎮静剤を使用することでリラックスした状態で検査を受けることができ、多くの患者様から「こんなに楽に受けられるとは思わなかった」との声をいただいています。
また、豊富な経験を持つ内視鏡専門医が在籍しており、一人ひとりの患者様に合わせた最適な検査を実施しています。患者様の不安を軽減し、安心して検査を受けられる環境を整えています。
最新のがん統計データ(2022年)
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胃がん罹患者数: 約125,000人(国立がん研究センター「全国がん登録 2023年版」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
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大腸がん罹患者数: 約155,000人(国立がん研究センター「全国がん登録 2023年版」)
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胃がん死亡者数: 40,038人(厚生労働省「令和4年人口動態統計」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html)
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大腸がん死亡者数: 51,737人(厚生労働省「令和4年人口動態統計」)
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胃がんの5年生存率: 72.6%(ステージⅠでは約95%)(国立がん研究センター「全国がん登録 2023年版」)
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大腸がんの5年生存率: 72.1%(ステージⅠでは約92%)(国立がん研究センター「全国がん登録 2023年版」)
また、以下の研究により、定期的な内視鏡検査が胃がんや大腸がんの発生率および死亡率を大幅に低減することが報告されています。
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胃がんの内視鏡検査による死亡率低減: “Choi IJ, Kim YW, Shin DW, et al. “Screening for gastric cancer: The Korean perspective.” Gastroenterology. 2021;161(2):368-376.
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Tsukuma H, Oshima A, Narahara H, et al. “Natural history of early gastric cancer: A non-concurrent, long-term, follow-up study.” Gastroenterology. 2000;118(1):87-92.
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大腸がんのスクリーニング効果: “Bretthauer M, Løberg M, Wieszczy P, et al. “Effect of colonoscopy screening on risks of colorectal cancer and related death.” N Engl J Med. 2022;387(17):1547-1556.
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Guaiquil VH, López-Kostner F, Poklepovic J, et al. “Meta-analysis of colorectal cancer screening with colonoscopy: mortality and incidence reduction.” Lancet Gastroenterol Hepatol. 2023;8(5):390-402.
当院では、豊富な経験を持つ内視鏡専門医が在籍しており、最先端の医療機器を活用した内視鏡検査を実施しています。患者様の負担を最小限に抑えつつ、正確な診断を可能にする環境を整えています。
■ 当院の内視鏡の特徴
①経験豊富な内視鏡専門医による診療
当院には消化器内視鏡学会専門医および指導医として豊富な経験を持つ医師が複数在籍しています。内視鏡技術は診断精度に直結するため、当院では長年の経験を持つ内視鏡専門医が一人ひとりの患者様に適した検査を実施します。
また、女性医師による内視鏡検査にも対応しており、「男性医師の検査に抵抗がある」という患者様にも安心して検査を受けていただけます。
②鎮静剤・鎮痛剤を使用

内視鏡検査に対する不安の一つに、「痛みや苦しさ」があります。当院では、鎮静剤(ドルミカムやプロポフォール等)および鎮痛剤を使用した検査が可能であり、検査中の違和感や苦痛を大幅に軽減することができます。
さらに、リカバリー室を完備しており、検査後も安心して休息を取ることが可能です。実際に検査を受けた患者様からは、「想像以上に楽だった」「気づいたら終わっていた」といったお声を多数いただいています。
③最新の内視鏡機器による高精度診断
当院では、富士フィルムの最新鋭内視鏡システム「ELUXEO 7000」を導入しています。
このシステムは、
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4LED光源による高コントラスト・高解像度画像
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BLI(Blue Light Imaging)やLCI(Linked Color Imaging)を活用した微細な病変の発見
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Full HDによる高精度な診断
といった機能を備えており、より正確で詳細な診断を可能にします。
また、AIを活用した診断補助システムを導入し、病変の早期発見率を向上させています。特に、早期大腸がんや微小ポリープの検出において、AI技術が医師の診断をサポートすることで、見逃しを最小限に抑えています。
・Full HDモニター対応の画面表示
患者様情報や主な設定項目は画面右側にまとめて表示可能。
ワイドモニター使用時は直近4コマのインデックス画像を右端に表示できます。

・高出力4LED光源で多彩な観察モード
Multi-LightTechnology を もちいて、通常の観察に加え、粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する「Blue Light Imaging(BLI)機能」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する画像処理機能「Linked Color Imaging(LCI)」という特殊な観察方法が可能であり、多彩な観察もモードにより、炎症の診断や微小な病変の発見に有効です。
(Multi-LightTechnologyとは、LEDやレーザー等の複数の光源を高精度に制御するとともに、画像処理を組み合わせることで、目的に応じた観察画像を作り出す技術のこと)

短波長狭帯域光と白色光の成分をバランスよく照射。
そのあとソフトウェアにより、赤みを帯びた色はより赤く、白っぽい色はより白くなるように色の拡張・縮小を行い、粘膜の微妙な色の違いが分かりやすく表示されます。


・経鼻スコープ

経鼻内視鏡の最新鋭機種であるEG-840Nを導入し、LED光源による高度な観察が実現可能。先端部径5.8mmの極細スコープでありながら、経口スコープに迫る広角高画質を実現しています。
近接から遠景まで,高精細な画像を提供し、微細な近接2mmの画質実現により食道の詳細な観察もサポートする。また、上記の「BLI」や「LCI」といった特殊光観察モードにも対応可。
・経口スコープ
経口はEG-760Rにより胃カメラを実施しております。
早期胃癌の内視鏡的治療は、経鼻より経口が適しております。
経鼻内視鏡と経口内視鏡はそれぞれにメリットとデメリットを持ち合わせいますので、お気軽にご相談下さい。
・下部消化管用スコープ

EC-760ZP-V/Mを使用しております。硬度調整機能、高追従挿入部、カーブトラッキング技術により、術者の操作性が大きく向上しました。また、従来のスコープより視野角が広がったことから、観察が困難な粘膜の襞の裏側などの見逃しやすい病変の発見が可能となりました。
微小な病変の見逃しがないよう、ウォータージェットで逐一粘膜をきれいに洗浄しながら念入りに大腸粘膜の観察を行っています。
・拡大倍率
光学拡大倍率最大約145倍を実現し、粘膜表層を詳細に観察できるため、微小病変の早期発見への貢献が期待されます。また、近接1.5mmからの観察が可能なレンズを採用し、粘膜表層の微細な血管模様や構造の視認性向上が期待できます。

・170°広視野角
従来の下部スコープ*7から30°視野角が広がったことにより、観察が困難な襞の裏側などへのアプローチが可能です。

・硬度調整機能
軟性部の硬さを、操作部に組み込まれた硬度調整リングを回すことで任意に調整できる「硬度調整機能」により、腸管の屈曲や形状、術者の好みに合わせて曲がりやすさを選択することができ、スコープ先端部の大腸深部への挿入をサポートします。


④炭酸ガスシステムを導入
内視鏡観察をする際に、空気の代わりに生体吸収性に優れている炭酸ガス(CO2)を送気する装置です。
大腸の内腔を観察しやすくするために、『送気』を行いますが、空気だとお腹がパンパンに張ってしまい、患者様が苦しくなってしまいます。
空気よりも約200倍吸収の早い炭酸ガス送気システムを取り入れ、お腹のハリを減らす工夫をしております。
⑤高水準洗浄基準の洗浄・消毒

高い感染管理に応える内視鏡洗浄消毒システムを導入しております。
内視鏡用の高水準消毒剤として実績のある「過酢酸」を使用しています。
過酢酸は殺菌力が強く、5分間の浸漬で高水準消毒が可能であり、肝炎ウイルス、HIV、結核などの「内視鏡を介して感染を起こす既知の病原体」について、すべてに殺菌効果があります。
内視鏡は粘膜に直接接する検査であるため、常に高水準消毒を行います。
最終的には酢酸と水と酸素に分解され、環境中に排出しても影響が少ないとされています。
※内視鏡検査はご予約が必要です。
お電話にてお問合せ下さいませ。03-6432-5353
「内視鏡検査を受けよう!」Vol.2 胃がん・大腸がん死亡数
「内視鏡検査を受けよう!」Vol.3 胃がん・見逃してはいけない初期症状5選
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