【徹底解説】貧血の鉄剤が合わない方へ|飲み方のコツと注射治療という選択肢|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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【徹底解説】貧血の鉄剤が合わない方へ|飲み方のコツと注射治療という選択肢|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

【徹底解説】貧血の鉄剤が合わない方へ|飲み方のコツと注射治療という選択肢

貧血の治療といえば鉄剤の飲み薬が一般的ですが、「胃がムカムカする」「吐き気がする」「便秘になる」など、副作用で続けられない方も少なくありません。

そんな方におすすめなのが、鉄剤の注射・点滴治療です。五良会クリニック白金高輪では、従来のフェジン注射に加え、最新の静注鉄剤であるフェインジェクトモノヴァーによる治療が可能です。

鉄欠乏性貧血の治療の基本

鉄欠乏性貧血の治療は、不足している鉄分を補充することが基本です。治療法は大きく分けて2つあります。

治療法 投与経路 代表的な薬剤
経口鉄剤 飲み薬 フェロミア、フェルムなど
静注鉄剤 注射・点滴 フェジン、フェインジェクト、モノヴァー

基本的には経口鉄剤(飲み薬)が第一選択となりますが、副作用で続けられない場合や、吸収が悪い場合には静注鉄剤(注射・点滴)を使用します。

経口鉄剤(フェロミアなど)について

経口鉄剤の代表がフェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)です。日本で最も広く使われている鉄剤のひとつで、鉄欠乏性貧血の標準治療薬です。

フェロミアの特徴

項目 内容
一般名 クエン酸第一鉄ナトリウム
鉄の価数 Fe2+(2価鉄)※吸収されやすい形
剤形 錠剤(50mg)、顆粒
用法・用量 1日100〜200mg(鉄として)を1〜2回に分けて服用
特徴 胃酸の影響を受けにくく、胃切除後や高齢者にも使いやすい
治療期間 ヘモグロビン正常化後も3〜6ヶ月継続(貯蔵鉄の回復のため)

フェロミアのメリット

  • 通院回数が少なく、自宅で服用できる
  • 他の鉄剤に比べて胃腸障害が比較的少ない
  • 胃酸分泌が低下している高齢者や胃切除後でも吸収されやすい
  • 費用が安い(保険適用)

その他の経口鉄剤

※命名法について:「第一鉄」はFe2+(2価鉄)、「第二鉄」はFe3+(3価鉄)を指します。Fe2+の方が吸収されやすいですが、胃腸への刺激も強い傾向があります。

薬剤名 一般名 鉄の価数 特徴
フェルム フマル酸第一鉄 Fe2+ 徐放性製剤で1日1回服用。副作用が出にくい
フェロ・グラデュメット 硫酸第一鉄(乾燥硫酸鉄) Fe2+ 徐放性製剤。鉄イオンがゆっくり溶け出し副作用軽減
インクレミン 溶性ピロリン酸第二鉄 Fe3+ シロップ剤で小児にも使いやすい。胃腸障害が少ない
リオナ クエン酸第二鉄 Fe3+ Fe3+製剤で胃腸障害が少ない。腎臓病の高リン血症にも

経口鉄剤の副作用と上手な飲み方

フェロミアをはじめとする経口鉄剤は有効な治療薬ですが、約30〜40%の方が副作用により服用を継続できないと言われています。しかし、飲み方を工夫することで副作用を軽減できることがわかっています。

経口鉄剤でよくある副作用

  • 胃腸障害:吐き気、胃痛、胃もたれ、むかつき
  • 便通異常:便秘、下痢
  • 便の変色:便が黒くなる(これ自体は問題ありません)
  • 金属味:口の中に金属のような味がする

これらの副作用は、鉄イオンが胃腸粘膜を刺激することで起こります。特に2価鉄(Fe2+)は3価鉄(Fe3+)よりも刺激が強く、悪心・嘔吐の頻度が高いとされています。

副作用を軽減する飲み方のコツ

1. 食直後に服用する

空腹時の方が吸収率は高いですが、副作用も出やすくなります。食直後に服用すると胃腸への刺激が軽減され、長期間継続しやすくなります。吸収率は若干下がりますが、治療に必要な量は十分確保できます。

2. 1日1回の服用にまとめる

最新のガイドラインでは、分服(1日2〜3回)よりも1日1回の服用が推奨されています。分服しても吸収される鉄の総量はあまり変わらず、副作用だけが増える可能性があります。

3. 隔日投与(1日おき)を試す

副作用が強い場合は、隔日投与(1日おきに服用)が有効です。2021年の英国消化器学会ガイドラインでも推奨されています。意外なことに、隔日投与の方が鉄の吸収効率が良いというデータもあります(後述)。

4. 服用時間を変えてみる

朝食後に副作用が出る場合は、夕食後や眠前に変更すると軽減されることがあります。

エビデンス:隔日投与の方が吸収効率が良い?

鉄剤を服用すると、体内で「ヘプシジン」というホルモンが分泌されます。ヘプシジンは鉄の吸収を抑制する働きがあり、鉄剤服用後24時間は鉄の吸収率が35〜45%低下することがわかっています。

2017年のLancet Haematology誌に掲載された研究では、同じ総量の鉄剤を連日投与した群と隔日投与した群を比較したところ:

  • 連日投与群の生物学的利用率:16.3%
  • 隔日投与群の生物学的利用率:21.8%

つまり、隔日投与の方が鉄の吸収効率が約33%高かったのです。さらに、副作用(吐き気など)も隔日投与群の方が少ない傾向がみられました。

よくある疑問:緑茶やビタミンCとの関係は?

Q. 鉄剤と緑茶を一緒に飲んではいけない?

A. 最新のエビデンスでは「同時でなければ問題なし」とされています。
以前は「鉄剤服用後30分間は緑茶禁止」と指導されていましたが、実際には緑茶のタンニンが鉄の吸収を阻害する影響は限定的というデータが出ています。鳥取県医師会なども「同時摂取でなければ特に禁止する必要はない」としています。ただし、念のため服用の前後30分程度はお茶類を避けると安心です。

Q. ビタミンCと一緒に摂ると良い?

A. はい、特にFe3+製剤や食事からの鉄吸収に有効です。
ビタミンC(アスコルビン酸)は、吸収されにくい3価鉄(Fe3+)を吸収されやすい2価鉄(Fe2+)に還元する働きがあります。フェロミアやフェルムなどの第一鉄製剤(Fe2+)はすでに吸収されやすい形ですが、リオナなどの第二鉄製剤(Fe3+)食事からの非ヘム鉄の吸収にはビタミンCが有効です。また、Fe2+が胃腸内でFe3+に酸化されるのを防ぐ効果もあります。オレンジジュースや柑橘類と一緒に摂ると良いでしょう。

これらの工夫でも改善しない場合は…

  • フェロミアを飲むとどうしても胃が痛くなる
  • 隔日投与でも吐き気がして続けられない
  • 何度も飲み忘れてしまう
  • 長期間の服用が負担
  • 胃腸の手術後で吸収が悪い
  • 炎症性腸疾患があり経口摂取が難しい

このような方には、静注鉄剤(注射・点滴)という選択肢があります。

静注鉄剤とは?

静注鉄剤とは、鉄分を点滴で直接血管内に投与する治療法です。胃腸を通さないため、消化器系の副作用がほとんどなく、効率よく鉄分を補給できます。

静注鉄剤のメリット

  • 胃腸への負担がない
  • 吸収率が高く、効果が早い
  • 服薬管理の負担がない
  • 経口鉄剤で効果不十分な場合にも有効

従来の静注鉄剤:フェジン

フェジン(含糖酸化鉄)は、日本で長年使用されてきた静注鉄剤です。安全性が確立されており、多くの医療機関で使用されています。

フェジンの特徴

項目 内容
一般名 含糖酸化鉄
1回投与量 40〜120mg(通常40〜80mg)
投与方法 静脈注射(2分以上かけてゆっくり)または点滴静注
投与頻度 週1〜3回程度
総投与回数 10〜20回以上(必要鉄量による)

フェジンの注意点

  • 1回の投与量が少ないため、通院回数が多くなる
  • 急速投与で血圧低下などの副作用が起こることがある
  • 必要な鉄量を補充するのに時間がかかる

新しい静注鉄剤:フェインジェクト・モノヴァー

近年、1回で大量の鉄を投与できる新しい静注鉄剤が登場しました。当院ではフェインジェクトモノヴァーを使用しています。

フェインジェクトの特徴

項目 内容
一般名 カルボキシマルトース第二鉄
1回投与量 最大500mg
投与時間 15分以上かけて点滴
投与間隔 1週間以上あける

モノヴァーの特徴

項目 内容
一般名 デルイソマルトース第二鉄
1回投与量 最大1000mg
投与時間 15〜30分程度で点滴
特徴 1回で必要量を補充できる場合も

静注鉄剤の比較(フェジン vs フェインジェクト vs モノヴァー)

3つの静注鉄剤を比較してみましょう。患者さんの状態や必要な鉄の量に応じて、最適な薬剤を選択します。

項目 フェジン フェインジェクト モノヴァー
一般名 含糖酸化鉄 カルボキシマルトース第二鉄 デルイソマルトース第二鉄
1回最大投与量 120mg 500mg 1000mg
投与時間 2分以上(静注)
または点滴
15分以上 15〜30分
必要な通院回数
(1000mg補充の場合)
10回以上 2回 1回
遊離鉄の放出 やや多い 少ない 少ない
アナフィラキシーリスク 低い 非常に低い 非常に低い
低リン血症 まれ 注意が必要 少ない
使用実績 長い(国内で豊富) 海外で豊富 海外で豊富

どの静注鉄剤を選ぶ?

フェジンが適している方

  • 少量ずつ慎重に投与したい方
  • 定期的に通院できる方
  • 透析患者さん(透析時に投与可能)

フェインジェクト・モノヴァーが適している方

  • 通院回数を減らしたい方
  • 短期間で鉄補充を完了したい方
  • 手術前に早急に貧血を改善したい方
  • 仕事が忙しく、何度も通院できない方

どんな方に静注鉄剤が適しているか

静注鉄剤は、以下のような方に特に適しています。

静注鉄剤が適している方

  • フェロミアなど経口鉄剤で副作用(胃腸障害)が出る方
  • 経口鉄剤を飲んでも貧血が改善しない方
  • 胃切除後など、鉄の吸収が悪い方
  • 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の方
  • 透析患者さん
  • 妊娠中で早急な鉄補充が必要な方
  • 手術前に短期間で貧血を改善したい方
  • 何度も通院するのが難しい方

当院での治療の流れ

五良会クリニック白金高輪では、血液内科専門医の安達弘人先生による診察のもと、患者さんに最適な鉄剤を選択して治療を行っています。

治療の流れ

STEP 1 診察・血液検査
貧血の程度や原因を調べ、必要な鉄の量を計算します
STEP 2 治療方針の決定
経口鉄剤か静注鉄剤か、どの薬剤を使用するかを決定します
STEP 3 治療開始
経口鉄剤の場合は処方、静注鉄剤の場合は点滴投与を行います
STEP 4 経過観察
静注鉄剤の場合は投与後しばらく院内で様子を見ます
STEP 5 フォローアップ
数週間後に血液検査で効果を確認します

五藤理事長より

「鉄剤の飲み薬が合わず、貧血を放置してしまっている方は少なくありません。まずは飲み方の工夫(食直後に服用、隔日投与など)を試してみてください。それでも難しい場合は、フェインジェクトやモノヴァーなど新しい点滴治療で、少ない通院回数で効率よく鉄分を補給できます。貧血でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。」

血液内科専門外来のご予約

鉄剤の飲み薬が合わない方、貧血がなかなか改善しない方は
血液内科専門医にご相談ください。

お電話でのご予約:03-6432-5353(1階・保険診療)
WEB予約も受付中

まとめ

  • 鉄欠乏性貧血の治療は、まずフェロミアなどの経口鉄剤が基本
  • 副作用軽減のコツ:食直後に服用、1日1回にまとめる、隔日投与を試す
  • 隔日投与の方が鉄の吸収効率が高いというエビデンスがある
  • 緑茶は同時でなければ問題なし、ビタミンCとの併用は吸収率UP
  • 経口鉄剤で副作用が出る方には、静注鉄剤(注射・点滴)という選択肢がある
  • フェジンは1回投与量が少なく通院回数が多い
  • フェインジェクト・モノヴァーは1〜2回の点滴で治療完了
【当院の血液内科専門外来のご案内】

五良会クリニック白金高輪では、毎週日曜日・木曜日に血液内科専門医による外来診療を行っております。

  • 健康診断で血液検査の異常を指摘された方
  • 貧血や出血傾向が気になる方
  • リンパ節の腫れが気になる方
  • 血液疾患の経過観察中の方

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