インフルエンザ予防薬について(院内処方もしております)|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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インフルエンザ予防薬について(院内処方もしております)|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

インフルエンザ予防薬について(院内処方もしております)

インフルエンザは家庭内や職場で急速に感染が広がる可能性があり、特に受験生や免疫力が低下している方にとって予防が重要です。当院では、インフルエンザ予防薬として以下の薬剤を院内処方で提供しております(健康保険適用外、自費診療)。

費用(税込)

  • オセルタミビル(タミフル®の後発品)(10錠):8,000円(診察料込)
  • ゾフルーザ®(2錠):10,000円(診察料込)
     ※1錠:6,000円/4錠:19,000円
  • イナビル®(10歳以上2キット):10,000円(診察料込)
     ※10歳未満1キット:5,500円

※院内でお薬をお渡し致します。

 

薬剤の用法・特徴

■ タミフル®(オセルタミビル)

  • 用法:体重37.5kg以上の方に対し、曝露後48時間以内に1日1カプセルを7~10日間服用します。
  • 予防効果:家庭内曝露によるインフルエンザ発症リスクを13.6%減少(NNT:7)。
  • 特徴:経口薬で、長年の臨床実績がある。

 

■ ゾフルーザ®(バロキサビル マルボキシル)

  • 用法
    • 12歳以上
       体重80kg未満:20mg錠2錠を1回内服
       体重80kg以上:20mg錠4錠を1回内服
    • 12歳未満
       体重20~40kg未満:20mg錠1錠
       体重40kg以上:20mg錠2錠
      ※20kg未満の小児は治療のみ対応。
  • 予防効果:家庭内曝露による発症リスクを86%減少(NNT:9)。
  • 特徴:1回の内服で10日間効果を持続。

 

■ イナビル®(ラニナミビル)

  • 予防効果:吸引から10日間インフルエンザ発症リスクを7.6%減少(NNT:13)。
  • 用法:吸入薬で、10歳以上は2キット(10歳未満は1キット)を吸引。
  • 特徴:1回吸入で完結し、水なしで服用可能。

 

インフルエンザ予防薬の比較

薬剤名 成分名 用法 費用(税込) 予防効果 NNT
タミフル® オセルタミビル 1日1回10日間服用 8,000円 13.6% 7
ゾフルーザ® バロキサビル マルボキシル 1回経口投与 10,000円(2錠の場合) 86% 9
イナビル® ラニナミビル 1回吸入 5,500円~10,000円 7.6% 13

 

【注意事項】

感染予防の基本

  • いずれの薬剤も健康保険適用外となり、自費診療での提供となります。
  • 薬剤の使用はインフルエンザ曝露後48時間以内に開始する必要があります。
  • 副作用には軽度の胃腸症状や頭痛、まれに重篤なアレルギー反応が含まれる場合があります。
  • お薬は院内でお渡しします。

予防薬の利用に加え、以下の対策を併用することが推奨されます:

  • ワクチン接種:インフルエンザ予防の最も効果的な方法です。
  • 手洗い:石鹸と流水でこまめに手を洗うこと。
  • マスク着用:家庭内や外出時の感染リスク軽減に有効。

 

お問い合わせ

インフルエンザ予防薬のご相談や詳細については、当院までお気軽にお問い合わせください。

 インフルエンザ予防薬の効果比較:タミフル®、イナビル®、ゾフルーザ®
インフルエンザの予防は、特に家庭内での曝露リスクが高い場合において重要です。本記事では、主要なインフルエンザ予防薬であるタミフル®(オセルタミビル)、イナビル®(ラニナミビル)、ゾフルーザ®(バロキサビル マルボキシル)の予防効果を、発症率減少(絶対リスク減少, ARR)および治療必要数(NNT)を指標にし、医学研究に基づいて比較します。

 

1. タミフル®(オセルタミビル)

予防効果
家庭内曝露を対象とした研究では、タミフルはインフルエンザ発症リスクを13.6%減少させました(プラセボ群と比較)。

NNT
タミフルのNNTは7であり、これは7人にタミフルを投与することで1人のインフルエンザ発症を予防できることを意味します。

エビデンス

  • Hayden FG, et al. (2004). Prevention of influenza in households by oseltamivir. New England Journal of Medicine, 351(23): 2406-2416.

 

2. イナビル®(ラニナミビル)

予防効果
臨床比較試験では、イナビルを吸入投与した群(40mgおよび20mg)では、インフルエンザ発症率が4.5%であり、プラセボ群の12.1%と比較して7.6%の絶対リスク差(ARR)が確認されました。

NNT
イナビルのNNTは13であり、13人に治療を行うことで1人の発症を予防できる計算です。

エビデンス

  • Ishiguro N, et al. (2010). Phase III randomized, double-blind study of laninamivir octanoate for postexposure prophylaxis of influenza. Antiviral Therapy, 15(3): 429-438.

 

3. ゾフルーザ®(バロキサビル マルボキシル)

予防効果
BLOCKSTONE試験によると、ゾフルーザは家庭内曝露によるインフルエンザ発症リスクを86%減少させ、ゾフルーザ群での発症率は1.9%、プラセボ群では13.6%でした。

NNT
ゾフルーザのNNTは約9であり、9人に投与することで1人の発症を予防できます。

エビデンス

  • Ikematsu H, et al. (2020). Baloxavir marboxil for prophylaxis against influenza in household contacts. New England Journal of Medicine, 383(4): 309-320.

 

比較まとめ

薬剤名 成分 発症率減少 NNT 特徴
タミフル® オセルタミビル 13.6% 7 実績豊富、経口投与可能
イナビル® ラニナミビル 7.6% 13 吸入投与、1回で完結
ゾフルーザ® バロキサビル マルボキシル 86% 9 1回経口投与で効果発揮

 

使用のポイント

  • タミフル®: 長年の臨床実績があり、家庭内感染予防においても13.6%の発症率減少(NNT 7)という高い予防効果が示されています。そのため、一般的に第一選択とされます。
  • イナビル®: 吸入薬であり、1回の吸入で7.6%の発症率減少(NNT 13)が確認されています。服薬が難しい患者や1回で完結したい場合に適しています。
  • ゾフルーザ®: 家庭内感染予防において86%という顕著な発症率減少(NNT 9)を示しており、特に1回経口投与で効果を発揮する点がアドヒアランスが重要な場面に適しています。

 

結論

インフルエンザ予防薬の選択は、患者の年齢、投与方法の適応性、費用対効果を考慮して行う必要があります。いずれの薬剤も、適切な使用によりインフルエンザ発症リスクを効果的に低下させることができます。