花粉症・舌下免疫療法
花粉症・舌下免疫療法
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー性疾患です。正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、日本人の約40%(推定4,000万人以上)が罹患しているとされる「国民病」です。
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体の免疫システムがこれを「異物」と認識し、排除しようとして過剰に反応します。この反応により、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状が引き起こされます。
当院の花粉症治療の特徴
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー性疾患です。正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、日本人の約40%(推定4,000万人以上)が罹患しているとされる「国民病」です。
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体の免疫システムがこれを「異物」と認識し、排除しようとして過剰に反応します。この反応により、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状が引き起こされます。
当院の花粉症治療の特徴
花粉症の原因となる植物は、スギ・ヒノキだけではありません。以下のカレンダーで、主な花粉の飛散時期をご確認ください。
| 花粉 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スギ | △ | ● | ● | ○ | △ | △ | ||||||
| ヒノキ | ○ | ● | ○ | |||||||||
| ハンノキ | ○ | ○ | ● | ○ | ||||||||
| イネ科 | △ | ● | ● | ○ | △ | |||||||
| ブタクサ | ○ | ● | ○ | |||||||||
| ヨモギ | ○ | ● | △ |
●:飛散ピーク ○:飛散多い △:飛散少量 ※気象条件により変動します。
スギ・ヒノキ花粉症の方へ
スギ花粉は2月〜4月、ヒノキ花粉は3月〜5月がピークです。両方に反応する方は、2月〜5月の長期間にわたって症状が続きます。スギとヒノキは花粉の構造が似ているため、スギ花粉症の方の約70%がヒノキ花粉にも反応するといわれています。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| くしゃみ | 連続して何度も出る。朝起きた時に特にひどい(モーニングアタック) |
| 鼻水 | 水のようにサラサラ。透明で大量に出る |
| 鼻づまり | 鼻粘膜が腫れて空気が通りにくくなる。口呼吸になりやすい |
| 鼻のかゆみ | 鼻の中がムズムズする |
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 目のかゆみ | 最も多い症状。こすると悪化する |
| 充血 | 白目が赤くなる |
| 涙 | 涙が止まらない |
| 異物感 | 目がゴロゴロする |
花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)
花粉症の方の中には、特定の果物や野菜を食べると口や喉がかゆくなる方がいます。これは花粉と果物・野菜のタンパク質の構造が似ているために起こる「交差反応」です。
| 花粉 | 交差反応を起こしやすい食物 |
|---|---|
| スギ・ヒノキ | トマト |
| シラカンバ・ハンノキ | リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、大豆(豆乳) |
| イネ科 | メロン、スイカ、トマト、オレンジ |
| ブタクサ | メロン、スイカ、キュウリ、バナナ |
花粉症の診断には、問診と検査を組み合わせて行います。原因となる花粉を特定することで、適切な治療や対策が可能になります。
| 検査名 | 内容 | 結果判明 |
|---|---|---|
| View39 (39項目アレルギー検査) |
1回の採血で39種類のアレルゲン(吸入系19項目+食物系20項目)に対する反応を調べます。花粉だけでなく、ダニ・ハウスダストなども同時に検査できます。 | 約1週間 |
| 特異的IgE抗体検査 | 特定の花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサなど)に対するIgE抗体の量を個別に測定します。 | 約1週間 |
| 総IgE検査 | 血液中のIgE抗体の総量を測定します。アレルギー体質の評価に用います。 | 約1週間 |
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| 樹木花粉 | スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ |
| イネ科花粉 | カモガヤ、オオアワガエリ |
| 雑草花粉 | ブタクサ、ヨモギ |
| その他(通年性) | ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト、ネコ、イヌ、ゴキブリ、ガ、カビ類など |
花粉症の治療は、大きく「対症療法」と「根本治療」に分けられます。症状の程度やライフスタイルに合わせて、最適な治療法をご提案します。
症状を抑えるための治療です。花粉シーズン中に使用します。
| 薬剤分類 | 主な薬剤 | 効果・特徴 |
|---|---|---|
| 第二世代 抗ヒスタミン薬 |
ビラノア、デザレックス、ルパフィン、アレグラなど | くしゃみ、鼻水、目のかゆみに効果的。眠気が少ない |
| 点鼻ステロイド薬 | アラミスト、ナゾネックス、エリザスなど | 鼻づまりに特に効果的。局所作用のため全身への影響が少ない |
| 抗ロイコトリエン薬 | シングレア、キプレス、オノンなど | 鼻づまりに効果的。喘息を合併している方にも有用 |
| 点眼薬 | パタノール、アレジオン、フルメトロンなど | 目のかゆみ、充血に効果的 |
| 漢方薬 | 小青竜湯、麻黄附子細辛湯など | 水様性鼻水、くしゃみに効果的。西洋薬との併用も可能 |
アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ投与し、体を慣らしていく治療法です。唯一の「根本治療」であり、長期的な効果が期待できます。
詳細は次のセクション「舌下免疫療法(SLIT)」をご覧ください。
従来の薬物療法で十分な効果が得られない重症のスギ花粉症に対して、オマリズマブ(ゾレア)という注射薬が保険適用となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 既存治療で効果不十分な重症スギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎) |
| 投与条件 | ・スギ花粉特異的IgE抗体がクラス3以上 ・抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬を使用しても症状がコントロールできない |
| 投与方法 | 2週間または4週間ごとに皮下注射 |
| 投与期間 | スギ花粉飛散時期(約2〜4ヶ月間) |
| 費用 | 体重・総IgE値により投与量が決まるため、個人差あり(保険適用3割負担で月1〜4万円程度) |
舌下免疫療法(SLIT:Sublingual Immunotherapy)は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含む薬を舌の下に置いて服用することで、体の免疫システムを徐々に慣らしていく治療法です。
毎日少量のアレルゲンを投与し続けることで、アレルギー反応を根本から改善することが期待できます。治療には3〜5年の継続が必要ですが、治療終了後も長期間にわたって効果が持続します。
| 薬剤名 | 対象アレルゲン | 対象年齢 | 開始時期 |
|---|---|---|---|
| シダキュア | スギ花粉 | 5歳以上 | 6月〜12月(花粉飛散時期を避ける) |
| ミティキュア | ダニ | 5歳以上 | 通年可能 |
| アシテア | ダニ | 12歳以上 | 通年可能 |
1診察・検査
問診と血液検査(特異的IgE抗体検査)を行い、スギ花粉またはダニに対するアレルギーがあることを確認します。
2初回投与(院内)
初回は院内で投与し、30分間経過観察を行います。副作用(口のかゆみ、腫れなど)がないことを確認します。
3自宅での毎日の服用
2回目以降は、毎日ご自宅で服用していただきます。1日1回、舌の下に薬を置き、1〜2分間保持してから飲み込みます。
4定期通院
月1回程度の通院で、効果や副作用を確認しながら治療を継続します。
5治療終了(3〜5年後)
3〜5年間の治療を終えると、治療終了後も長期間にわたって効果が持続することが期待できます。
効果について
効果には個人差があります。約70〜80%の方に効果が認められています。
| 主な副作用 | 頻度 | 対応 |
|---|---|---|
| 口の中のかゆみ、腫れ、違和感 | 比較的多い | 多くは軽度で、継続とともに軽減 |
| のどのかゆみ、イガイガ感 | 比較的多い | 多くは軽度 |
| 耳のかゆみ | 時々 | 自然に軽減することが多い |
| アナフィラキシー | まれ | 投与後30分以内に症状が出た場合は直ちに医療機関へ |
舌下免疫療法を受けられない方
「初期療法」とは、花粉が本格的に飛散する前から薬を服用し始める治療法です。花粉シーズン中の症状を軽減する効果があり、ガイドラインでも推奨されています。
| 花粉 | 飛散開始 | 初期療法開始の目安 |
|---|---|---|
| スギ花粉 | 2月上旬〜 | 1月下旬〜2月上旬 |
| ヒノキ花粉 | 3月中旬〜 | 3月上旬(スギと連続する場合は継続) |
| イネ科花粉 | 5月頃〜 | 4月中旬〜下旬 |
| ブタクサ花粉 | 8月下旬〜 | 8月上旬〜中旬 |
スギ花粉症の方へ
スギ花粉症の方は、1月下旬〜2月上旬に受診されることをおすすめします。当院は土日祝も診療していますので、平日お忙しい方もお気軽にご来院ください。
薬物療法と合わせて、日常生活での花粉対策を行うことで、症状をより効果的にコントロールできます。
花粉症の診療は、原則として保険適用です。以下は3割負担の場合の目安です。
| 項目 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|
| 初診料 | 約850円 |
| View39(39項目アレルギー検査) | 約5,000円 |
| 処方箋料 | 約200円 |
| 合計 | 約6,000円〜 |
| 項目 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|
| 再診料 | 約220円 |
| 処方箋料 | 約200円 |
| 合計 | 約420円〜 |
※別途、薬局での薬代がかかります。
| 項目 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|
| 診察料+処方箋料(月1回) | 約500〜1,000円 |
| シダキュア(約1ヶ月分) | 約1,500〜2,000円 |
| ミティキュア(約1ヶ月分) | 約2,000〜2,500円 |
| 月額合計 | 約2,000〜3,500円程度 |
お支払い方法
現金、クレジットカード、PayPay、交通系ICカードに対応しています。
参考文献 / References