循環器内科
循環器内科
循環器内科は、心臓と血管(動脈・静脈)に関連する疾患を専門的に診療する科です。日本人の死因の上位を占める心疾患・脳血管疾患は、いずれも循環器系の異常が関与しており、早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。
当院では、循環器内科専門医が在籍し、高血圧・脂質異常症などの生活習慣病から、狭心症・急性心筋梗塞・心不全(HFpEF, HFrEF)・不整脈・末梢血管障害(PAD/ASO)まで、心臓と血管に関わるあらゆる疾患の診断・治療を行っております。心エコー・ホルター心電図・血圧脈波検査(ABI/PWV)など各種精密検査にも院内で対応しており、必要に応じて近隣の大学病院・基幹病院と速やかに連携いたします。
循環器疾患は、初期にはほとんど自覚症状がないことも多く、健康診断で初めて異常を指摘されるケースも少なくありません。以下のような症状や指摘がある場合は、循環器内科へのご相談をお勧めします。
当院では、循環器疾患全般の診療を行っております。代表的な対象疾患は以下のとおりです。
| 疾患 | 概要 |
|---|---|
| 高血圧症 | 本態性高血圧から二次性高血圧まで、JSH2025(高血圧管理・治療ガイドライン2025)に基づき、家庭血圧を重視した治療を行います。生活習慣の改善と適切な降圧薬の選択で、脳卒中・心筋梗塞のリスクを下げます。 |
| 脂質異常症 | LDLコレステロール・中性脂肪の高値、HDLコレステロールの低値を改善し、動脈硬化の進行を抑制します。スタチン・エゼチミブ・PCSK9阻害薬・選択的PPARαモジュレーターなど、最新の治療薬に対応します。家族性高コレステロール血症(FH)の精査・治療も可能です。 |
| 狭心症 | 労作性狭心症・冠攣縮性狭心症(異型狭心症)の診断と治療を行います。心電図・運動負荷・心エコー・冠動脈CTで評価し、必要に応じて連携医療機関でのカテーテル検査・治療(PCI)に紹介します。 |
| 急性心筋梗塞 | 急性期は連携医療機関で緊急カテーテル治療(PCI)を行います。退院後の二次予防(抗血小板薬・スタチン・β遮断薬・ACE阻害薬/ARB)と心臓リハビリテーションの継続管理を当院で担当します。 |
| 心不全 (HFpEF・HFrEF) |
心不全は、左室駆出率(LVEF)によりHFrEF(収縮能低下)・HFmrEF(軽度低下)・HFpEF(収縮能保持)に分類されます。心エコー・BNP/NT-proBNPで評価し、ARNI・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬の「Fantastic Four」を中心とした標準治療を行います。HFpEFに対してもSGLT2阻害薬の有効性が確立されています。 |
| 不整脈 | 心房細動・期外収縮・房室ブロック・洞不全症候群などを診療します。ホルター心電図で診断し、心房細動に対してはDOAC(直接経口抗凝固薬)による脳梗塞予防、必要に応じてカテーテルアブレーションを連携医療機関に紹介します。 |
| 末梢血管障害 (PAD/ASO) |
足の動脈硬化により血流が悪化する閉塞性動脈硬化症(ASO)/末梢動脈疾患(PAD)を診療します。ABI/PWV検査でスクリーニングし、下肢動脈エコーで評価。重症例は血行再建術が可能な施設に紹介します。 |
| 弁膜症 | 大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症の経過観察を行います。心エコーで重症度を評価し、手術・TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)の適応がある場合は専門施設に紹介します。 |
| 動脈硬化症 | 頸動脈エコー・血圧脈波(ABI/PWV)で動脈硬化の進行度を評価し、生活習慣指導と薬物療法で進行を抑制します。 |
当院では、循環器内科の診療に必要な基本検査を院内で即日施行できます。多くの結果が当日中に判明し、診断・治療方針の決定をスピーディに行えます。
| 検査項目 | 内容 |
|---|---|
| 安静時12誘導心電図 | 不整脈・心筋虚血・心肥大・脚ブロックなどを評価します。胸痛・動悸・健診異常時の第一選択検査です。 |
| ホルター心電図 (24時間心電図) |
24時間装着して日常生活中の心電図を記録します。動悸・失神・期外収縮・発作性心房細動の検出に有用です。 |
| 心エコー (心臓超音波検査) |
心臓の動き・大きさ・弁の働き・心嚢液の有無を非侵襲的に評価します。心不全・弁膜症・心筋症の診断、LVEFの計測に必須の検査です。 |
| 頸動脈エコー | 頸動脈のIMT(内膜中膜複合体厚)・プラーク・狭窄を評価し、全身の動脈硬化の進行度を把握します。脳梗塞のリスク評価にも有用です。 |
| 下肢動脈・ 下肢静脈エコー |
閉塞性動脈硬化症(ASO)や深部静脈血栓症(DVT)の評価を行います。 |
| 血圧脈波検査 (ABI/PWV) |
ABI(足関節上腕血圧比)で末梢動脈疾患を、PWV(脈波伝播速度)で血管年齢・動脈硬化度を評価します。短時間・無侵襲の検査です。 |
| BNP/NT-proBNP | 心不全のマーカーです。息切れ・浮腫の原因として心不全を疑う際に測定し、重症度評価・治療効果判定にも用います。 |
| LOX-index® | 採血のみで脳梗塞・心筋梗塞の将来発症リスクを評価できる検査です。動脈硬化の進行を早期に捉えることが可能です。 |
| 脂質・血糖関連検査 | LDL/HDLコレステロール、中性脂肪、HbA1c、空腹時血糖、尿酸など、動脈硬化リスクを総合的に評価します。 |
これらの高度検査が必要と判断した場合は、画像診断クリニックや連携大学病院・基幹病院に紹介状を発行し、当院で結果説明・継続管理を行います。
循環器疾患の治療は、生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物療法・カテーテル治療・手術を組み合わせて行います。当院では、ガイドラインに基づく標準治療をベースに、患者様一人ひとりの病態・年齢・合併症・生活背景に応じたオーダーメイドの治療をご提案します。
JSH2025(高血圧管理・治療ガイドライン2025)に基づき、診察室血圧だけでなく家庭血圧を重視した治療を行います。第一選択薬としてCa拮抗薬・ARB/ACE阻害薬・サイアザイド系利尿薬を、合併症や患者背景に応じて使い分けます。難治性高血圧の場合は二次性高血圧(原発性アルドステロン症・腎血管性高血圧など)の精査も行います。
| 薬剤 | 特徴 |
|---|---|
| スタチン | LDLコレステロールを強力に低下させる第一選択薬。心血管イベント抑制効果が確立されています。 |
| エゼチミブ | 小腸でのコレステロール吸収を抑制。スタチンとの併用で効果増強。 |
| PCSK9阻害薬 | 家族性高コレステロール血症や高リスク症例に対する強力な注射薬。 |
| 選択的PPARαモジュレーター (ペマフィブラート) |
中性脂肪を強力に低下させる新世代の薬剤。 |
| EPA/DHA製剤 | 中性脂肪低下と抗動脈硬化作用。 |
心不全は、左室駆出率(LVEF)により治療方針が異なります。
HFpEF(駆出率の保たれた心不全:LVEF 50%以上)
近年、SGLT2阻害薬の有効性が確立され、第一選択として推奨されています。利尿薬、原疾患(高血圧・心房細動・肥満など)の管理も重要です。
急性期治療(PCI・冠動脈バイパス術)後、再発予防のための長期管理を当院で行います。
心房細動に対しては、CHADS2/CHA2DS2-VAScスコアで脳梗塞リスクを評価し、適応があればDOAC(直接経口抗凝固薬:エリキュース、リクシアナ、イグザレルト、プラザキサ)による抗凝固療法を行います。レートコントロール・リズムコントロールの方針に応じて薬剤を選択し、必要に応じてカテーテルアブレーションを連携医療機関に紹介します。
禁煙・運動療法(監視下歩行運動)を基本に、抗血小板薬(シロスタゾール、クロピドグレル)・スタチン・ACE阻害薬/ARBで薬物療法を行います。重症例(Fontaine III度以上)では血行再建術が可能な施設に紹介します。
急性心筋梗塞・大動脈解離・重症心不全など、入院加療や緊急カテーテル治療・手術が必要な場合は、近隣の大学病院・基幹病院と速やかに連携いたします。当院は紹介・逆紹介のシームレスな循環体制を構築しています。
急性期の入院・カテーテル治療(PCI/アブレーション)・心臓手術・TAVIなどが必要な場合は、上記の高度専門医療機関に紹介状(診療情報提供書)を発行します。治療後、状態が安定した段階で当院へ逆紹介を受け、内服管理・定期検査・生活指導を継続いたします。
| 心筋梗塞・PCI後 | 抗血小板薬・スタチン・β遮断薬・ACE阻害薬/ARBによる二次予防 |
| カテーテルアブレーション後 | 心房細動の再発チェック、DOAC・抗不整脈薬の調整 |
| 慢性心不全(HFpEF/HFrEF) | Fantastic Four等の薬物調整、体重・症状モニタリング |
| 心臓手術後 | 術後経過観察、心エコーフォロー、抗凝固療法管理 |
| TAVI/弁膜症治療後 | 定期心エコー、薬物療法の継続管理 |
お電話またはWeb予約にてご予約ください。健康診断の結果やお薬手帳、他院の診療情報提供書・心電図・画像データをお持ちの方は、ご持参いただくと診療がスムーズです。
症状・既往歴・家族歴・生活習慣・服薬状況などを詳しくお伺いします。血圧・脈拍・聴診で心音・呼吸音を確認します。
必要に応じて、12誘導心電図・心エコー・頸動脈エコー・血圧脈波検査(ABI/PWV)・血液検査(BNP/NT-proBNP・脂質・腎機能など)を院内で施行します。ホルター心電図は装着後ご帰宅いただき、翌日返却となります。
検査結果をその場でご説明し、患者様の生活背景やご希望を考慮しながら治療方針を決定します。生活習慣の指導から薬物療法まで、エビデンスに基づく治療をご提案します。
循環器疾患は継続的な管理が大切です。病態に応じて1〜3ヶ月ごとの定期受診で、血圧・症状・検査値をモニタリングしながら治療を調整していきます。