インフルエンザの合併症|肺炎・脳症・心筋炎と重症化しやすい人、すぐ受診すべきサインを理事長 五藤良将が解説【2026年9月 東京都注意報・白金高輪】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

〒108-0074
東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
03-6432-5353
人のアイコンスタッフ募集 WEB問診 オンライン診療 instagtamのアイコン Xのアイコン
ヘッダー画像

ブログ

インフルエンザの合併症|肺炎・脳症・心筋炎と重症化しやすい人、すぐ受診すべきサインを理事長 五藤良将が解説【2026年9月 東京都注意報・白金高輪】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

インフルエンザの合併症|肺炎・脳症・心筋炎と重症化しやすい人、すぐ受診すべきサインを理事長 五藤良将が解説【2026年9月 東京都注意報・白金高輪】

「インフルエンザは数日寝ていれば治る病気」と考えている方は多いと思います。実際、健康な成人の多くは1週間ほどで回復します。しかし、インフルエンザは肺炎・インフルエンザ脳症・心筋炎・心筋梗塞などの合併症を起こし、ときに命に関わることがある感染症です。特に高齢の方、小さなお子さん、妊娠中の方、糖尿病や心臓・肺の持病がある方は注意が必要です。

東京都では2026年9月17日にインフルエンザの「注意報」基準を超えたと発表され、例年より1か月以上早い流行となっています。この記事では、インフルエンザで起こりうる主な合併症と、重症化しやすい方の特徴、「すぐに受診すべきサイン」、合併症を防ぐためにできることを、白金高輪・港区で内科・糖尿病内科を担当する理事長 五藤良将が解説します。

五藤 良将

THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY

医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将

日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は五藤良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。

🚨 【東京都】インフルエンザ注意報基準を超過(2026年9月17日発表)

2026年第37週(9月7日〜13日)の都内定点当たり患者報告数は9.53人。31保健所のうち14保健所で注意報基準(定点当たり10人)を超え、その管内人口の合計が都全体の47.87%に達したため、都の注意報基準(管内人口の合計が都全体の30%以上)を満たしました。前シーズン(2025年第43週)より1か月以上早い注意報です。検出ウイルスはA(H1pdm09)型が85.7%を占めています。
出典:東京都「都内のインフルエンザ、注意報基準を超える」(2026年9月17日報道発表)、東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」2026年9月17日更新・第37週分(2026年9月27日に当院で確認)

📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)

1. 2026年9月、東京都の流行状況

東京都感染症情報センターによると、都内では2026年8月27日に「流行開始」が発表され、その約3週間後の9月17日に「注意報基準を超えた」と発表されました。通常、インフルエンザの流行は秋の終わりから冬にかけて本格化しますが、今シーズンは夏の終わりから流行が続いている、異例の状況です。

項目 東京都の状況(第37週:2026年9月7日〜13日)
定点当たり患者報告数 9.53人(419定点医療機関)
注意報基準を超えた保健所 31保健所中14保健所(管内人口の合計は都全体の47.87%)
報告数の多かった地域 町田市17.31人、荒川区13.71人、北区13.45人、江東区13.43人、中野区13.40人
学級閉鎖など(8月31日〜9月13日) 臨時休業107施設(小学校88・中学校9・高校6・幼稚園4)。前年同期は13施設
集団感染の報告 学校・社会福祉施設などから225件
主な検出ウイルス A(H1pdm09)型が85.7%

出典:東京都「都内のインフルエンザ、注意報基準を超える」(2026年9月17日)、東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」(2026年9月17日更新分を2026年9月27日に確認)。注意報基準は定点当たり10人、警報基準は定点当たり30人。

全国の入院例では「高齢者」と「10歳未満」が目立っています

国立健康危機管理研究機構(JIHS)の集計では、全国の2026年第35週(8月24日〜30日)の定点当たり報告数は1.76で、この時期としては1999年の調査開始以降、2009年(新型インフルエンザ流行時)に次ぐ水準でした。同週の入院報告213例のうち70歳以上が108例(約5割)を占め、入院例に占める10歳未満の割合は前シーズンの20.2%から36.8%に増加しています。
出典:JIHS 感染症発生動向調査週報(IDWR)2026年第35号「注目すべき感染症 インフルエンザ」(2026年9月2日掲載)

2. インフルエンザの合併症|全体像

インフルエンザの合併症は、ウイルスそのものが臓器を傷つけるもの(ウイルス性肺炎・脳症・心筋炎など)と、インフルエンザをきっかけに別の病気が起こる・悪化するもの(細菌による二次性肺炎、心筋梗塞、持病の悪化など)に大きく分けられます。厚生労働省も「こどもではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方は細菌による肺炎を伴う等、重症になることがあります」と注意を呼びかけています。

合併症 起こりやすい方 起こりやすい時期・サイン
肺炎(ウイルス性・細菌性) 高齢者、慢性の肺・心臓の病気、糖尿病、免疫が低下している方 発症数日後〜。息苦しさ、痰の増加、解熱後の再発熱
インフルエンザ脳症 主に乳幼児〜小児(成人例もあり) 発熱後早期。意識がおかしい、けいれん、意味不明な言動
心筋炎・心筋梗塞 心筋炎は年齢を問わず。心筋梗塞は高齢者・動脈硬化リスクのある方 胸痛、動悸、息切れ、強いだるさ
筋炎 主に小児(特にB型) 解熱前後のふくらはぎの痛み、歩きたがらない
中耳炎・副鼻腔炎 小児に多い 耳の痛み、耳だれ、長引く鼻汁
持病の悪化 糖尿病、喘息・COPD、心不全、慢性腎臓病など 血糖値の急上昇、喘鳴、むくみ、尿量減少

3. 肺炎|「いったん良くなって再び熱」は要注意

インフルエンザの合併症として最も多く、特に高齢の方で問題になるのが肺炎です。肺炎には大きく2つのタイプがあります。

(1) ウイルス性肺炎(原発性インフルエンザ肺炎)

インフルエンザウイルスそのものが肺に炎症を起こすタイプです。発症から数日のうちに高熱が続いたまま息苦しさ・呼吸が速い・唇の色が悪いといった症状が強くなり、急速に進行することがあります。

(2) 二次性細菌性肺炎

インフルエンザで気道の粘膜が傷ついたところに、肺炎球菌・黄色ブドウ球菌・インフルエンザ菌などの細菌が感染して起こる肺炎です。典型的には、熱が下がって一度楽になったのに、数日後に再び発熱し、咳や色のついた痰が増えてくるという経過をとります。高齢者の肺炎では熱があまり上がらず、「食欲がない」「元気がない」「なんとなくぼんやりしている」といった症状だけのこともあるため、ご家族の気づきが大切です。

こんなときは肺炎を疑って受診してください

● 解熱後2〜3日して再び38℃前後の熱が出た
● 咳がひどくなり、黄色や緑色の痰が増えた
● 息苦しい、少し動くだけで息切れがする、呼吸が速い
● 高齢の家族が食事をとらず、反応が鈍い

肺炎の診断には聴診に加えて、胸部X線検査や血液検査(白血球数・CRP)、酸素飽和度(SpO2)の測定が役立ちます。細菌性肺炎と判断した場合には抗菌薬による治療を行い、重症度に応じて入院可能な医療機関へご紹介します。

4. インフルエンザ脳症|子どもだけではありません

インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかったあと、主に発熱から早い段階で意識障害・けいれん・異常な言動などが現れる重い合併症です。乳幼児から小学生に多いことが知られていますが、成人にも起こります。

🔬 データで見るインフルエンザ脳症
● 2025/26シーズン(2026年第35週時点)のインフルエンザ脳症の報告は176例、うち死亡14例(JIHS IDWR 2026年第35号)。
● 2009/10〜2014/15シーズンの全国748例の解析では、0〜19歳が大半を占める一方、成人例も各シーズンの10〜35%を占めていました。
● 同解析での致命率は、20〜59歳で9.7%、60歳以上で15.2%と、年齢が高いほど高い傾向でした。
出典:JIHS IDWR 2026年第35号(2026年9月2日)、国立感染症研究所(現JIHS)IASR「インフルエンザ脳症について」

「異常行動」と「脳症」の違い

インフルエンザでは、治療薬の使用の有無や種類にかかわらず、急に走り出す・部屋から飛び出そうとするといった異常行動が報告されています。厚生労働省は、少なくとも発熱から2日間は、玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う、ベランダに面していない部屋で寝かせる、一戸建ての場合はできるだけ1階で寝かせるなど、転落などの事故を防ぐ対策をとるよう呼びかけています。

一方、呼びかけへの反応が鈍い・意識がはっきりしない状態が続く、けいれんが起こる、けいれん後に意識が戻らない場合は、脳症の可能性があります。この場合は様子を見ずに、夜間・休日でも救急受診(必要に応じて119番)をしてください。

⚠️ 解熱剤の選び方に注意

小児のインフルエンザでは、一部の解熱鎮痛薬(ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など)が脳症の重症化との関連を指摘されており、使用は避けることとされています。一般的にはアセトアミノフェンが用いられます。大人用に処方された解熱剤や、家に残っている市販薬をお子さんに使うのは避け、判断に迷うときは医師・薬剤師にご相談ください。

5. 心筋炎・心筋梗塞・筋炎|心臓と筋肉の合併症

インフルエンザの直後は心筋梗塞のリスクが上がります

インフルエンザは呼吸器の病気と思われがちですが、心臓にも負担をかけます。感染による全身の炎症、血管の収縮、血小板の活性化などが重なり、もともと動脈硬化がある方では心筋梗塞の引き金になることがあります。

🔬 エビデンス:インフルエンザ確定診断後7日間の急性心筋梗塞
カナダ・オンタリオ州で検査確定されたインフルエンザ患者を対象とした研究では、インフルエンザ確定後7日間の急性心筋梗塞による入院の発生率は、その前後の対照期間と比べて約6倍(発生率比6.05)でした。リスクの上昇は、診断後の最初の1週間に集中していました。
出典:Kwong JC, et al. Acute Myocardial Infarction after Laboratory-Confirmed Influenza Infection. N Engl J Med. 2018;378(4):345-353.

高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満など、動脈硬化の危険因子をお持ちの方は、インフルエンザの最中や直後に胸の痛み・圧迫感、冷や汗、強い息切れがあれば、「インフルエンザのせい」と自己判断せずに、すぐに医療機関を受診してください。

心筋炎

ウイルスが心臓の筋肉に炎症を起こす心筋炎は頻度こそ高くありませんが、年齢を問わず起こり、まれに急激に悪化する「劇症型」もあります。熱が下がっても続く強いだるさ、動悸、脈の乱れ、息切れ、胸の痛みは、心電図や血液検査で確認すべきサインです。

子どもの心筋炎|どのくらい起こり、どんな子が注意すべきか

お子さんのインフルエンザで保護者の方から多いご質問が「心筋炎は子どもにも起こるのか」です。結論から申し上げると、頻度はまれですが、起こると劇症化しやすく、しかも基礎疾患のない健康なお子さんにも起こります。そのため「リスクのある子だけが気をつける病気」ではなく、すべてのお子さんで危険なサインを知っておくことが大切です。

項目 わかっていること(疫学)
小児心筋炎全体の頻度 原因を問わず年間10万人あたり1〜2人程度(米国心臓協会 科学声明 2021)
年齢の山 乳児期と思春期〜若年成人の2つの山(二峰性)。思春期以降は男性に多い傾向があります
インフルエンザ入院児での合併率 米国の入院データ(20歳以下のインフルエンザ入院 24,415例)で心筋炎は0.2%、頻脈性不整脈1.0%、徐脈・房室ブロック0.5%(BMC Cardiovasc Disord. 2024)
国内の小児インフルエンザ心筋炎 小児循環器診療施設を対象とした国内調査(2009/10〜3シーズン、286施設回答)で報告された15例のうち12例が劇症型でした
重症化した場合 国内の小児急性・劇症心筋炎の全国調査(2002〜2004年)では劇症型が約4割、生存率は約75%。一方、急性期を乗り切れば心機能が正常まで回復する例が多いのも特徴です
発症のタイミング かぜ症状の出現からおおむね4〜9日後が典型的。熱が下がった頃に心臓の症状が表に出ることがあります
🔬 エビデンス:米国 2024/25シーズンの小児インフルエンザ死亡
米国CDCの報告では、2024/25シーズンの小児インフルエンザ関連死亡は280例(2004年の集計開始以降、パンデミック期を除き最多)。合併症が記録された218例のうち心筋炎・心筋症は28例(13%)、脳症は40例(18%)でした。亡くなったお子さんの44%には基礎疾患がなく、接種対象で接種歴が判明した子の89%はワクチンを完了していませんでした。
出典:CDC. MMWR 2025;74(36). 2025年9月25日公表

📌 子どもの心筋炎で注意したい「背景」

インフルエンザ心筋炎そのものの発症を予測できる、確立したリスク因子はまだありません。以下は心筋炎の年齢の山や、インフルエンザの重症化と関連が報告されている背景です。
①インフルエンザワクチン未接種(小児の重症・死亡例の多くが未接種)
②先天性心疾患・心筋症など心臓の病気がある
③免疫の働きが低下する病気や治療、喘息などの慢性疾患がある
④乳児、または思春期の男の子(心筋炎の年齢の山)
⑤抗インフルエンザ薬の開始が遅れた(一般に発症48時間以内の開始で効果が期待されます)
ただし、重症例の半数近くは健康なお子さんです。「うちの子は元気だから大丈夫」とは考えず、下のサインに気をつけてください。

🚨 子どもの心筋炎を疑うサイン(熱が下がった後も要注意)

✔️ 熱のわりに脈が速い、熱が下がっても脈が速いまま
✔️ 顔色が悪い(青白い)、手足が冷たい、ぐったりしている
✔️ 息が速い、横になると苦しがる、少し動いただけで息切れする
✔️ 何度も吐く、おなかを痛がる(子どもの心筋炎は胃腸炎と間違われやすい症状で始まることがあります)
✔️ 「胸が痛い」「ドキドキする」と訴える(小さな子はうまく言えないことが多いです)
これらがあれば早めに受診を。意識がおかしい、呼吸が苦しそう、顔色が土気色のときは迷わず救急要請(119番)してください。

📖 用語解説

劇症型心筋炎:心筋炎のうち、数時間〜数日で急激に心臓のポンプ機能が落ち、ショックや重い不整脈に至るタイプ。集中治療が必要になります。
心筋症:心臓の筋肉そのものが厚くなる・薄く伸びるなどして、働きが落ちる病気の総称です。
二峰性:発症する年齢の分布に山が2つあること。小児心筋炎では乳児期と思春期以降に山があります。
トロポニン:心筋が傷つくと血液中に出てくるたんぱく質。心筋炎や心筋梗塞の診断に使う血液検査の指標です。
ECMO(エクモ):体外式膜型人工肺。弱った心臓や肺の代わりに、機械で血液に酸素を送り循環を支える装置です。

当院は小児科・循環器内科を標榜しており、心筋炎が疑われるお子さんには心電図・血液検査で初期評価を行い、必要と判断した場合は小児循環器診療が可能な専門医療機関へ速やかにご紹介します。

筋炎(特に子どものB型インフルエンザ)

お子さんでは、解熱する頃にふくらはぎを痛がって歩きたがらないことがあります。これは良性急性筋炎と呼ばれ、B型インフルエンザで比較的多いとされています。多くは数日で自然に回復しますが、尿の色が赤褐色(コーラ色)になった場合は、筋肉が大きく壊れる横紋筋融解症の可能性があるため、早めに受診してください。

6. 持病の悪化|糖尿病・喘息・COPD・心不全

インフルエンザの「合併症」には、もともとお持ちの病気が悪化することも含まれます。当院の内科・糖尿病内科に通院されている方にとっては、実はこちらの方が身近な問題です。

持病 インフルエンザで起こりやすいこと 気をつけたいこと
糖尿病 感染のストレスで血糖値が上がる。食事がとれずに低血糖になることも。脱水・ケトアシドーシスのリスク シックデイルールに沿った薬の調整(特にSGLT2阻害薬・メトホルミン・インスリン)、水分補給、こまめな血糖測定
気管支喘息・COPD 発作・急性増悪(ゼーゼー、息切れの悪化) 吸入薬を自己判断で中断しない。発作時の対応を事前に確認
心不全・冠動脈疾患 心不全の悪化(むくみ、体重増加、横になると苦しい)、心筋梗塞 毎日の体重測定、胸痛・息切れがあれば早期受診
慢性腎臓病 脱水による腎機能の悪化 腎機能に応じた治療薬の用量調整が必要。受診時に必ず申告
ステロイド・免疫抑制薬を使用中 重症化・細菌性肺炎を起こしやすい。熱が出にくいことも 症状が軽くても早めに受診

糖尿病の方へ|「シックデイ」の準備を今のうちに

発熱・食欲低下のときに、どの薬を続け、どの薬を休むか(シックデイルール)は、お使いの薬によって異なります。流行期に入った今こそ、かかりつけの糖尿病内科で「熱が出たときの対応」を確認しておくことをおすすめします。当院の糖尿病内科では、通院中の方の個別のシックデイ対応についてもご相談を受け付けています。

7. 重症化しやすいのはどんな人?

厚生労働省、日本小児科学会、米国疾病予防管理センター(CDC)などが示している、インフルエンザで重症化・合併症を起こしやすい方は次のとおりです。当てはまる方は、「軽いうちに早めに受診」と「ワクチンによる予防」が特に大切です。

📌 重症化リスクが高い方
● 65歳以上の高齢者(全国の入院例では70歳以上が約半数)
● 乳幼児(特に5歳未満、中でも2歳未満)
● 妊娠中・出産後間もない方
● 慢性の肺の病気(気管支喘息、COPDなど)
● 心臓の病気(心不全、冠動脈疾患など)
● 糖尿病などの代謝性疾患
● 慢性腎臓病・肝臓病
● 免疫が低下している方(ステロイド・免疫抑制薬・抗がん剤の使用中、血液疾患など)
● 高度の肥満の方
● 高齢者施設などで集団生活をしている方

VACCINATION

重症化を防ぐ一番の備えは、流行が本格化する前のワクチンです

当院では、注射のインフルエンザワクチンに加えて、鼻にスプレーするタイプの「フルミスト点鼻液」(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン・対象は2歳以上19歳未満)も入荷しており、ご予約を受け付けています。ご家族で接種のタイミングを合わせたい方、どちらのワクチンが適しているか迷う方も、お気軽にご相談ください。

8. すぐに受診すべき危険なサイン(大人・子ども)

厚生労働省は「高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう」としています。具体的には、次のような症状があれば、合併症を起こしている可能性があります。

大人 子ども
● 息苦しい、呼吸が速い
● 胸の痛み・圧迫感
● 意識がもうろうとする、つじつまの合わない言動
● けいれん
● 水分がとれない、半日以上尿が出ない
● 解熱後に再び発熱し、咳・痰が悪化
● 持病(糖尿病・喘息・心臓病など)の明らかな悪化
● 呼びかけに反応が鈍い、視線が合わない
● けいれん、けいれん後に意識が戻らない
● 意味不明な言動が続く
● 呼吸が速い、肩で息をする、顔色・唇の色が悪い
● 水分がとれない、おしっこが出ない
● 何度も吐く
● 足を痛がって歩けない、尿がコーラ色

意識の異常・けいれん・強い呼吸困難は救急へ

意識の異常、けいれん、唇が紫色になるほどの呼吸困難、強い胸痛がある場合は、クリニックの受診を待たずに救急受診(必要に応じて119番)してください。判断に迷う場合は、東京消防庁救急相談センター(#7119)に相談する方法もあります。

発熱・咳・息苦しさ…「いつもと違う」と感じたらご相談ください

当院は土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療しています(火曜休診)。当日のご来院は、CLINICSの当日WEB予約(順番受付)をご利用いただけます。

9. 合併症を防ぐためにできること

対策 1 インフルエンザワクチンを接種する
2026/27シーズンのワクチンは3価で、製造株はA/H1N1pdm09(A/スイス/6849/2025)、A/H3N2(A/ミシガン/105/2025)、B/ビクトリア系統(B/東京/EIS13-175/2025)です(厚生労働省、2026年5月26日決定)。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化の予防が期待されます。注射型は生後6か月以上、フルミスト(経鼻)は2歳以上19歳未満が対象です。
対策 2 高齢の方は定期接種と肺炎球菌ワクチンも確認
65歳以上の方(60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に一定の障害がある方を含む)は、インフルエンザワクチンの定期接種の対象です。港区での対象・期間・自己負担額は港区ホームページでご確認ください。二次性細菌性肺炎の主な原因である肺炎球菌に対するワクチンも、あわせて接種歴を確認しておくと安心です。
対策 3 重症化リスクのある方は早めに受診する
抗インフルエンザ薬は、一般に発症から48時間以内に開始すると効果が期待できるとされています。持病のある方・高齢の方は「様子を見る」より「早めに相談」を優先してください。
対策 4 持病のコントロールを整えておく
血糖値・血圧・喘息のコントロールが安定している方が、感染時の悪化を抑えやすくなります。流行期こそ定期通院を途切れさせないことが大切です。
対策 5 家庭内での感染対策
手洗い、咳エチケット、室内の換気と適度な加湿、可能であれば療養する部屋を分けるなど、ご家族の中の高齢者・乳幼児・妊婦さんへの感染を防ぐ工夫をしましょう。

10. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「今シーズンは、東京都で例年より1か月以上早く注意報が出る異例の流行となっています。インフルエンザそのものは多くの方が回復する病気ですが、私が糖尿病内科の外来で特に気をつけているのは、感染をきっかけに血糖値が大きく乱れたり、肺炎や心臓の病気につながったりする方がいることです。
熱が下がったあとに再び熱が出た、息苦しい、ご家族の様子がいつもと違う――そのようなときは、遠慮せずにご相談ください。当院は白金高輪駅から徒歩1分、土日祝も診療しています。流行が本格化する前のワクチン接種と、持病のある方のシックデイへの備えも、あわせてお手伝いします。」

11. よくある質問(FAQ)

Q. インフルエンザの合併症で最も多いのは何ですか?
A. 成人、特に高齢の方では肺炎が代表的です。ウイルスそのものによる肺炎と、インフルエンザで弱った気道に細菌が感染して起こる二次性細菌性肺炎があります。小児では中耳炎が比較的多く、まれに重い合併症としてインフルエンザ脳症があります。
Q. 熱が下がったのに、また熱が出てきました。大丈夫でしょうか?
A. 一度解熱してから数日後に再び発熱し、咳や痰が増えてきた場合は、二次性細菌性肺炎や中耳炎・副鼻腔炎などの合併症の可能性があります。インフルエンザの経過の一部と決めつけず、医療機関で診察を受けてください。
Q. インフルエンザ脳症は大人でも起こりますか?
A. 起こります。主に小児に多い合併症ですが、全国の報告では成人例がシーズンによって10〜35%を占めており、致命率は20〜59歳で9.7%、60歳以上で15.2%と報告されています(国立感染症研究所〔現JIHS〕の解析)。意識の異常やけいれんがあれば、年齢にかかわらず救急受診してください。
Q. 糖尿病があると、インフルエンザは重症化しやすいのですか?
A. 糖尿病は、国内外の保健機関が示す「重症化リスクの高い基礎疾患」のひとつです。感染によって血糖値が上がりやすく、食事がとれないと低血糖や脱水、ケトアシドーシスにつながることもあります。ワクチン接種に加えて、発熱時の薬の調整(シックデイルール)を主治医と事前に確認しておくことをおすすめします。
Q. インフルエンザのあとに胸が痛いのですが、関係ありますか?
A. 関係している可能性があります。インフルエンザの確定診断後7日間は急性心筋梗塞の発生率が約6倍に高まったとする研究があり、また心筋炎を起こすこともあります。胸痛・動悸・息切れ・冷や汗がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。強い胸痛が続く場合は救急要請をためらわないでください。
Q. 子どもがインフルエンザで心筋炎になる確率はどのくらいですか?どんな子が危ないですか?
A. 頻度はまれで、米国の入院データではインフルエンザで入院したお子さんの約0.2%です。ただし国内調査では、報告された小児インフルエンザ心筋炎の多くが劇症型でした。発症を予測できる確立したリスク因子はなく、ワクチン未接種、心臓の病気、免疫の低下、乳児・思春期の男の子などは重症化との関連が報告されていますが、健康なお子さんにも起こります。熱が下がっても脈が速い、顔色が悪い、何度も吐く、ぐったりしている場合は早めにご相談ください。
Q. 家族みんなでワクチンを受けたいのですが、まとめて予約できますか?
A. 当院は内科と小児科を併設しており、ご家族での接種のご相談を承っています。注射型(生後6か月以上)に加え、2歳以上19歳未満のお子さんは経鼻ワクチン「フルミスト」も選べます。WEB予約またはお電話(03-6432-5353)でご相談ください。
Q. ワクチンを打てば合併症は防げますか?
A. インフルエンザワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化を防ぐ効果が期待されています。特に重症化リスクの高い方や、その方と同居するご家族の接種が勧められます。当院では注射型ワクチンと、2歳以上19歳未満の方が対象の経鼻ワクチン「フルミスト点鼻液」のご予約を受け付けています。
Q. 子どもに市販の解熱剤を使ってもよいですか?
A. 小児のインフルエンザでは、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸などの解熱鎮痛薬は使用を避けることとされています。一般的にはアセトアミノフェンが使われます。市販薬には複数の成分が含まれていることがあるため、使う前に薬剤師または医師にご確認ください。
Q. 白金高輪・港区周辺で、土日にインフルエンザの診察は受けられますか?
A. 五良会クリニック白金高輪は、東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口から徒歩1分で、土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00に診療しています(火曜休診)。当日のご来院はCLINICSの当日WEB予約、ワクチン接種は前日までのWEB予約をご利用ください。

12. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 東京都は2026年9月17日にインフルエンザ注意報基準を超過(第37週 定点当たり9.53人、A(H1pdm09)型が85.7%)
✅ 主な合併症は、肺炎・インフルエンザ脳症・心筋炎・心筋梗塞・筋炎・中耳炎、そして持病の悪化です
✅ 「解熱後の再発熱」は二次性細菌性肺炎のサインのことがあります
✅ インフルエンザ脳症は小児に多いものの成人にも起こり、年齢が高いほど致命率が高い傾向があります
✅ 確定診断後1週間は心筋梗塞のリスクが約6倍に高まるという研究があります
✅ 高齢者・乳幼児・妊婦・糖尿病や心臓・肺の病気がある方は、早めの受診とワクチンが重要です
✅ 意識の異常・けいれん・強い呼吸困難・胸痛は救急受診を
医療法人社団 五良会・正友会 理事長 五藤 良将

AUTHOR / SUPERVISOR

医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)

  • 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
  • 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
  • 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
  • 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
  • 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
  • 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数

執筆・監修責任について

本記事は、五藤良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良会クリニック白金高輪(03-6432-5353)までお知らせください。

13. 参考文献・出典

  1. 東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」(2026年9月17日更新・第37週分、2026年9月27日確認)
  2. 東京都「都内のインフルエンザ、注意報基準を超える」報道発表(2026年9月17日)/「東京都内でインフルエンザが流行開始」(2026年8月27日)
  3. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症発生動向調査週報 IDWR 2026年第35号「注目すべき感染症 インフルエンザ」(2026年9月2日掲載)
  4. 国立感染症研究所(現JIHS)病原微生物検出情報(IASR)「インフルエンザ脳症について」
  5. 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
  6. 厚生労働省 予防接種課「2026/27シーズンの季節性インフルエンザワクチン」(製造株:2026年5月26日決定)
  7. 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」
  8. Kwong JC, et al. Acute Myocardial Infarction after Laboratory-Confirmed Influenza Infection. N Engl J Med. 2018;378(4):345-353.
  9. フルミスト点鼻液 電子添文(PMDA):対象年齢 2歳以上19歳未満
  10. 日本循環器学会「2023年改訂版 心筋炎の診断・治療に関するガイドライン」(2023年3月発行)
  11. 日本小児循環器学会 学術委員会「小児期急性・劇症心筋炎の診断と治療の指針」日本小児循環器学会雑誌 22(4)(全国調査 2002〜2004年)
  12. Law YM, et al. Diagnosis and Management of Myocarditis in Children: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. 2021;144.
  13. Khanal S, et al. Comparison of mortality and cardiovascular complications due to COVID-19, RSV, and influenza in hospitalized children and young adults. BMC Cardiovasc Disord. 2024.
  14. CDC. Influenza-Associated Pediatric Deaths — United States, 2024–25 Influenza Season. MMWR. 2025;74(36).(2025年9月25日公表)
  15. 日経メディカル「小児のインフルエンザ心筋炎合併、特にパンデミック時の増加に留意を」(2013年7月)
  16. 日本医事新報「インフルエンザの心臓および筋肉合併症」[特集:インフルエンザ合併症にいち早く対処する]

🏥 白金高輪で診るという選択(当院が選ばれる理由)

合併症を防ぐ柱は、「流行前のワクチン」と「発症後48時間以内の受診」の2つです。当院では、この2つを同じクリニックで、ご家族そろって受けられる体制を整えています。

💉 当院でインフルエンザワクチンを受けるメリット

理由① 注射型と経鼻「フルミスト」の両方に対応

注射型(生後6か月以上)に加え、2歳以上19歳未満のお子さんは鼻にスプレーする経鼻ワクチン「フルミスト点鼻液」を選べます。注射が苦手なお子さんのご相談も承ります。

理由② 内科・小児科を併設、ご家族で接種

お子さんから高齢の方まで、同じ日にご家族でご相談いただけます。65歳以上の定期接種や肺炎球菌ワクチンの確認も一緒に行います。

理由③ 持病のある方は主治医の視点で接種

糖尿病内科は日本糖尿病協会登録医の理事長が担当。血液内科・循環器内科も標榜しており、重症化リスクのある方の接種時期やシックデイの備えまでご相談いただけます。CGM(FreeStyleリブレ2)にも対応しています。

🌡️ 当院の発熱外来を受診するメリット

理由④ 土・日・祝も10:00〜15:00で診療

週末に発熱しても「48時間以内」を逃しにくい診療日程です(火曜休診)。当日はCLINICSの当日WEB予約(順番受付)をご利用いただけます。

理由⑤ 検査から合併症の初期評価まで院内で

インフルエンザ・新型コロナの検査に加え、心電図・血液検査を院内で実施できます。心筋炎や肺炎などの合併症が疑われる場合の初期評価につなげます。

理由⑥ 専門医療機関への速やかな紹介体制

重い肺炎、脳症、劇症型心筋炎が疑われる場合は、入院・集中治療が可能な連携医療機関へ速やかにご紹介します。

理由⑦ 白金高輪駅2番出口から徒歩1分

東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口から徒歩1分、プレミストタワー白金高輪1F。体調が悪いときも移動の負担を抑えられます。

流行が本格化する前のワクチン接種と、発熱時の早めの受診を。ご家族の分もまとめてご相談ください。

ワクチンのご予約は前日までのWEB予約から。発熱時は当日WEB予約(順番受付)またはお電話で。

GORYOKAI CLINIC SHIROKANE-TAKANAWA
五良会クリニック白金高輪
内科・小児科・消化器内科・血液内科・内視鏡検査・糖尿病内科・アレルギー科

内科 小児科 消化器内科 血液内科 内視鏡
糖尿病内科 アレルギー科 予防接種 健康診断 渡航医学

〒108-0074 東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分

診療時間 月 火 水 木 金 土 日・祝
10:00〜13:00 ○ 休 ○ ○ ○ 10:00
〜
15:00
10:00
〜
15:00
14:30〜19:00 ○ ○ ○ ○

休診日:火曜日/土・日・祝は10:00〜15:00(最終受付14:30)


メディカル革命 byGMO
WEB予約
前日まで

CLINICS
当日WEB予約
CLINICS(当日順番)

melmo
WEB問診
事前入力でスムーズ


LINE
公式アカウント

Instagram
1F公式

電話
03-6432-5353

理事長 五藤 良将