秋の花粉症(ブタクサ・ヨモギ)にゾレア注射|自費診療の料金・流れ・注意点を理事長 五藤良将が解説

「市販薬や処方薬を飲んでも、秋になると鼻水・くしゃみ・目のかゆみが止まらない」——そのような重い秋の花粉症でお悩みの方に向けて、五良会クリニック白金高輪では抗IgE抗体製剤「ゾレア(一般名:オマリズマブ)」による注射治療を、自費診療(保険が使えない診療)で開始しました。
ただし、ゾレアの保険適用はスギ花粉症に限られているため、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの秋花粉では全額自己負担になります。また、秋花粉に対する効果を直接確かめた臨床試験のデータは限られています。この記事では、料金・治療の流れ・効果の根拠・リスクを包み隠さずご説明します。納得したうえで選んでいただくための記事です。
THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY
医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は五藤良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。
⚠️ はじめにご確認ください(自費診療について)
・本治療は健康保険が適用されない自費診療です。ゾレア治療に関わる当日の診察・検査・処方はすべて自費となります。
・費用の目安:初回適応判定 11,000円+注射1回 16,500円〜114,400円(投与量により異なる)。詳細は料金表をご覧ください。
・治療期間・回数:花粉の飛散時期のみ、2週間または4週間ごとに注射します。
・主なリスク:注射部位の痛み・腫れ、頭痛、まれにアナフィラキシー(重いアレルギー反応)など。詳細は副作用の項をご覧ください。
1. ゾレアとはどんな薬か
ゾレアは、花粉症の原因となるIgE抗体のはたらきをブロックする抗IgE抗体製剤です。もともとは重症の気管支喘息や慢性じんま疹に使われてきた薬で、日本では2019年12月11日に「季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)」への効能追加が承認されました。花粉症に対する抗体医薬としては初めての薬です。
飲み薬(抗ヒスタミン薬)や点鼻薬が「アレルギー反応が起きたあとの症状を抑える」薬であるのに対し、ゾレアはアレルギー反応の上流でIgEを捕まえ、反応そのものを起こりにくくする点が大きく異なります。ゾレアは今までの治療に置き換えるのではなく、上乗せする位置づけの薬です。
📖 用語解説
IgE抗体(免疫グロブリンE):花粉などに反応して作られる抗体です。鼻や目の粘膜にある肥満細胞にくっつき、花粉が来るとヒスタミンなどを放出させ、くしゃみ・鼻水・かゆみを引き起こします。
総IgE:血液中のIgE全体の量です。ゾレアの投与量を決めるために必要です。
特異的IgE:特定の花粉(ブタクサ、ヨモギなど)に対するIgEの量です。何の花粉が原因かを判定する指標になります。
抗IgE抗体製剤:IgEに結合してはたらきを止める注射薬です(生物学的製剤の一種)。
2. なぜ秋花粉は「自費」になるのか
ゾレアの添付文書(薬の公式な説明書)では、効能は「季節性アレルギー性鼻炎」と書かれており、花粉の種類そのものは限定されていません。一方で、保険診療で使う際のルールである厚生労働省の最適使用推進ガイドラインでは、対象がスギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎に限定されています。
このため、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの秋花粉にゾレアを使う場合は、保険が使えず自費診療となります。
効果の根拠について、正直にお伝えします
ゾレアの花粉症への承認は、スギ花粉症の患者さんを対象とした臨床試験の結果に基づいています。IgEを抑えるという作用の仕組みは花粉の種類を問いませんが、秋花粉で効果を直接確かめた国内の臨床試験データは限られています。当院では、この点をご理解いただいたうえで治療をお受けいただいています。
📖 用語解説
最適使用推進ガイドライン:高額な新薬を適切に使うため、厚生労働省が対象患者・施設の要件を定めた指針です。保険診療ではこの要件を満たす必要があります。
混合診療:同じ病気の一連の治療で、保険診療と自費診療を組み合わせることです。原則として認められていないため、当院のゾレア治療は検査を含めて完全自費で行います。
秋花粉の原因植物や飛散時期、「長引く風邪」との見分け方については、グループの竹内内科小児科医院のブログで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
▶ 【2026年秋】秋の花粉症 完全ガイド|ブタクサ・ヨモギ・カナムグラの時期と対策(竹内内科小児科医院)
3. 対象になる方・ならない方
自費診療であっても、当院では添付文書に沿った条件で投与します。目安は次のとおりです。
・抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などを使っても症状が十分に抑えられない、重症〜最重症の秋の花粉症の方
・血液検査で、原因となる花粉(ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなど)の特異的IgEが陽性の方
・総IgE値と体重が、投与量換算表の範囲内にある方
対象とならない・慎重な判断が必要な方
・12歳未満の方
・秋花粉の特異的IgEが陰性の方(症状の原因が花粉以外である可能性があります)
・総IgE値が高すぎる・低すぎるなど、換算表の範囲外の方
・過去にゾレアの成分で過敏症を起こしたことがある方
・妊娠中・授乳中の方、他の病気で治療中の方は、診察時に必ずお申し出ください
4. 治療の流れ(なぜ採血が必要か)
ゾレアは、総IgE値と体重から1回の投与量(75〜600mg)と投与間隔(2週間または4週間ごと)が決まる薬です。また、原因花粉に対する特異的IgEが陽性であることが投与の前提となります。そのため、当院では投与前の血液検査を必須としています。検査結果は数日後に判明するため、原則2回の来院が必要です。
| STEP 1 | ご予約・WEB問診 WEB予約またはお電話でご予約ください。予約時に「ゾレア(秋花粉)希望」とお伝えください。 |
| STEP 2 | 1回目:診察・採血(適応判定) 症状や治療歴を伺い、総IgE、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラの特異的IgEを測定します。来シーズンに備えてスギの特異的IgEも同時に測定することをおすすめしています。 |
| STEP 3 | 2回目(数日後):結果説明・初回投与 結果をご説明し、適応がある場合は投与量・費用をご確認いただいたうえで同意書に署名いただき、皮下注射を行います。 |
| STEP 4 | 投与後30分の経過観察 アナフィラキシーなどの副作用がないか、院内で30分程度様子を確認してからお帰りいただきます。 |
| STEP 5 | 2回目以降の注射 花粉の飛散が続く間、2週間または4週間ごとに投与します。 |
💡 他院の検査結果をお持ちの方
他院で測定した総IgEと秋花粉の特異的IgEの結果をお持ちいただき、内容から投与可能と判断できた場合は、初診日に投与できることがあります(この場合の診察料は5,500円)。結果の測定時期によっては再検査をお願いすることがあります。
5. 料金(税込)と治療期間・回数
基本料金
| 項目 | 料金(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 初回適応判定 | 11,000円 | 診察+血液検査(総IgE、秋花粉・スギの特異的IgE) |
| 他院結果持参時の診察料 | 5,500円 | 検査結果の確認と適応判定 |
| ゾレア 75mg | 16,500円 | 薬剤費・注射手技料・投与後30分の経過観察を含みます |
| ゾレア 150mg | 30,800円 | |
| ゾレア 300mg | 57,200円 |
投与量ごとの1回あたりの費用
1回の投与量は、上記の75mg・150mg・300mgを組み合わせて決まります。
| 1回の投与量 | 組み合わせ | 1回あたり(税込) |
|---|---|---|
| 75mg | 75mg | 16,500円 |
| 150mg | 150mg | 30,800円 |
| 225mg | 150mg+75mg | 47,300円 |
| 300mg | 300mg | 57,200円 |
| 375mg | 300mg+75mg | 73,700円 |
| 450mg | 300mg+150mg | 88,000円 |
| 525mg | 300mg+150mg+75mg | 104,500円 |
| 600mg | 300mg×2 | 114,400円 |
💴 費用の例と治療期間・回数
例:投与量150mg・4週間ごとと判定され、今シーズン1回投与した場合
初回適応判定 11,000円+注射 30,800円=合計 41,800円
治療期間:原因花粉の飛散時期のみ(秋花粉はおおむね8〜10月)
投与回数:2週間ごとなら月2回、4週間ごとなら月1回。今シーズン(10月中旬以降の開始)は1〜2回程度が目安です。
※実際の投与量・間隔は検査結果と体重で決まります。投与前に必ず費用をご提示し、ご同意をいただいてから治療します。
6. 副作用・リスクと注意点
主な副作用・リスク
・注射部位の反応:痛み、腫れ、赤み、かゆみ
・全身の症状:頭痛、発疹、だるさなど
・アナフィラキシー(まれですが重大な副作用):じんま疹、息苦しさ、血圧低下などが急に起こる重いアレルギー反応です。投与後しばらくしてから起こることもあるため、帰宅後に異変を感じたらすぐに当院または救急医療機関へご連絡ください。
📖 用語解説
アナフィラキシー:アレルギーの原因物質などをきっかけに、皮膚・呼吸器・循環器など複数の臓器に急激に症状が出る重いアレルギー反応です。迅速な治療(アドレナリン注射など)が必要です。
⚠️ その他の注意点
・ゾレアは今までの治療(飲み薬・点鼻薬)に上乗せする薬です。自己判断で中止しないでください。
・効果には個人差があり、すべての方に十分な効果が出るわけではありません。
・気管支喘息などでゾレアを使用中・使用歴がある方は、必ずお申し出ください。
・寄生虫感染の流行地域への渡航予定がある方は、事前にご相談ください。
7. 今シーズンと来シーズンの考え方
秋花粉の飛散のピークは、ブタクサが9月前後、ヨモギ・カナムグラが9〜10月です。10月上旬の現在から検査を始めると、初回の投与は10月中旬以降になります。今シーズンは、症状が特に強く、残りの飛散期間をしのぎたい方が主な対象です。
一方で、今回の採血には大きな意味があります。総IgEと原因花粉がわかっていれば、来シーズンは飛散が始まる前から計画的に準備できるからです。
8〜10月(秋花粉):自費診療。来年は8月中の受診で、飛散のピーク前から治療を始められます。
8. よくあるご質問(FAQ)
9. 理事長コメント
10. まとめ
✅ 保険適用はスギ花粉症のみ。秋花粉(ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ)は完全自費です
✅ 秋花粉での有効性を直接確かめたデータは限られています
✅ 投与量は総IgEと体重で決まるため、投与前の採血が必須(原則2回の来院)
✅ 費用は初回適応判定11,000円+注射1回16,500円〜(税込)
✅ 今回の検査は、来年8月からの秋花粉対策と2月からのスギ花粉シーズンの備えにもなります
AUTHOR / SUPERVISOR
医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)
- 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
- 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
- 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
- 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
- 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
- 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数
執筆・監修責任について
本記事は、五藤良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良会クリニック白金高輪(03-6432-5353)までお知らせください。
🏥 11. 白金高輪で診るという選択(当院が選ばれる理由)
重い秋の花粉症の治療は、検査・判定・注射・経過観察と、複数回の通院が必要になります。当院では、通いやすさと説明のわかりやすさを重視して体制を整えています。
理由① 白金高輪駅 徒歩1分
東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口から徒歩1分。2〜4週ごとの注射でも通いやすい立地です。
理由② 土・日・祝も診療
土・日・祝日も10:00〜15:00で診療しています。平日にお時間を取りにくい方も、検査と注射の日程を組みやすくなっています。
理由③ 料金を事前にすべて公開
注射の料金には薬剤費・手技料・経過観察を含めています。投与量ごとの金額もこの記事で公開し、投与前に必ず費用をご提示します。
理由④ スギ花粉シーズンまで見据えた検査
秋花粉に加えてスギの特異的IgEも同時に測定し、2月からのスギ花粉シーズン(保険でのゾレア治療の判定)にもつなげます。
理由⑤ グループ内の小児科と連携
ゾレアの対象外となる12歳未満のお子さんの花粉症は、グループの竹内内科小児科医院(小児科)にお繋ぎできます。
薬を飲んでも秋の花粉症がつらい方は、まず検査からご相談ください。
ご予約の際は「ゾレア(秋花粉)希望」とお伝えください。
参考文献・出典
1. 厚生労働省.最適使用推進ガイドライン オマリズマブ(遺伝子組換え)〜季節性アレルギー性鼻炎〜
2. 医薬品医療機器総合機構(PMDA).ゾレア皮下注 添付文書・患者向医薬品ガイド(ノバルティス ファーマ株式会社)
3. ノバルティス ファーマ株式会社.ゾレア 季節性アレルギー性鼻炎の効能追加承認に関する発表(2019年12月11日承認)
4. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会.鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版.金原出版,2024年4月5日発行
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