FreeStyleリブレ2 選定療養完全ガイド|インスリン未使用でもCGMが使える2024年新制度を理事長が徹底解説
医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
「インスリンを打っていないから、リブレは使えないですよね?」――糖尿病外来でこのご質問をいただく機会が、2024年以降一気に増えました。実はこの常識は、2024年4月から大きく変わっています。
厚生労働省は2024年4月1日付で、「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)に係る選定療養」を新設しました。これにより、これまで保険適用の対象外だった「経口薬のみの方」「GLP-1注射のみの方」「健診で予備群を指摘された方」でも、保険診療と組み合わせる形でFreeStyleリブレ2が使えるようになっています。本記事では、日本糖尿病学会の公式運用通知を一次情報として、制度の仕組み・対象・費用構造・受診の流れを、白金高輪・三田・芝浦・港南エリアの患者さん向けに丁寧に解説します。
「保険」と「自費」の境界線、そして混合診療例外の正しい使い方。
1. CGMの保険適用と「選定療養」――2024年4月の制度新設
FreeStyleリブレ・リブレ2に代表される間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM:intermittently scanned CGM)は、もともと保険診療では「C152-2 持続血糖測定器加算」として算定されてきました。診療報酬上の対象は、インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている糖尿病患者に限られます。
この適用範囲は2型糖尿病でインスリンを使っていない方には届かず、「自分の血糖を見たくても保険では使えない」というギャップが長年指摘されていました。そこで厚生労働省は2024年4月1日付で「間歇スキャン式持続血糖測定器に係る選定療養」を新設し、保険対象外の患者さんでもリブレ2が使える公式ルートを整備しました。日本糖尿病学会も2024年7月1日付で運用通知を会員に発出しています。
📌 2つのルートが併存する時代へ
① 保険適用ルート(C152-2、1,250点/月):インスリン1日1回以上自己注射の患者
② 選定療養ルート(2024年4月新設):上記の算定要件を満たさない患者
どちらも院内で同じFreeStyleリブレ2を装着しますが、立て付け(料金・領収書・院内掲示)はまったく異なります。
2. なぜ「混合診療」が例外的に認められたのか
日本の医療制度では、保険診療と自費診療を同じ受診の中で組み合わせる「混合診療」は原則禁止です。仮に一部だけ自費の検査・治療を受けると、本来保険適用だった部分まで全額自費になってしまう、というのが原則ルールです。
しかしこの原則には例外があります。それが「保険外併用療養費制度」です。具体的には「評価療養」(先進医療・治験など)と「選定療養」(差額ベッド代・歯科の金属冠など)が代表例で、厚労省が告示した項目に限り、保険診療と自費を併用できます。
• 200床以上の病院での紹介状なし初診
• 歯科の金属冠・前歯の被せ物
• 予約に基づく診察・時間外診察
• 間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)の使用 ← 2024年4月新設
isCGMがこの仲間入りをしたという事実は、「保険のフレームには収まりきらないが、患者さんの選択肢として価値がある医療技術」として国が公式に認めたことを意味します。これが、選定療養の本質的な意義です。
3. 学会が示す「良い適応」――4つの臨床場面
日本糖尿病学会は2024年7月1日付の通知で、選定療養が「良い適応」となる4つの臨床場面を明示しています。これは「闇雲に売るものではない」という釘でもあります。
| 場面 1 | 食事・運動療法の効果評価 食生活や運動を見直したときに、本当に血糖変動が改善しているかをCGMで「見える化」して確認する。 |
| 場面 2 | 現在使用中の内服薬の効果評価 HbA1cだけでは見えない、薬効の時間帯別パターンを把握する。 |
| 場面 3 | 内服薬の増量・追加・切り替え時の評価 SGLT2阻害薬・DPP-4阻害薬・GLP-1経口薬などの導入・変更前後で、血糖変動がどう変わるかを比較する。 |
| 場面 4 | 健診で保健指導判定値を超えた人の食後高血糖評価 HbA1c・空腹時血糖が「予備群」や「軽度異常」の段階で、食後血糖スパイクの実態を本人が把握する。 |
⚠️ 「ダイエット目的」「予防的な常用」だけでは適応外
学会は「持続グルコースモニタリングデバイス適正使用指針」(2024年5月15日改訂)の遵守を求めています。痩身目的・趣味的な常時装着・無症状者へのルーティン使用は、選定療養の本来の趣旨から外れます。
4. 対象患者:誰が使えて、誰が使えないのか
学会通知では、選定療養の対象は「C150に掲げる血糖自己測定器加算の算定要件を満たさない患者」と定義されています。これは「インスリン製剤の自己注射を行っていない糖尿病患者」とほぼ同義です。
| 患者の状況 | リブレ2の使い方 | 月額負担(目安) |
|---|---|---|
| 1型糖尿病・インスリン強化療法中 | 保険適用(C152-2) | 3割負担で約3,750円 |
| 2型糖尿病・インスリン1日1回以上自己注射 | 保険適用(C152-2) | 3割負担で約3,750円 |
| 2型糖尿病・GLP-1注射のみ(インスリン未使用) | 選定療養(自費購入) | 約12,500円/月+保険診療部分 |
| 2型糖尿病・経口薬のみ | 選定療養(自費購入) | 約12,500円/月+保険診療部分 |
| 健診で保健指導判定値を超えた方(境界型・予備群) | 選定療養(要医師判断) | 約12,500円/月+初診・診察料 |
| 健康な方(糖尿病・予備群いずれにも該当しない) | 完全自費(医療機関で扱わない場合あり) | 医療機関ごとに設定 |
5. 料金の二段構え:保険分と選定療養分の正確な理解
選定療養の最大のポイントは、「通常の糖尿病外来部分(診察料・採血・処方)は3割の保険診療のまま、リブレ2のセンサー代だけが選定療養=自費」という二段構えになっている点です。これが、選定療養が「混合診療の例外」として成立する根拠です。
領収書のイメージ(経口薬のみの2型糖尿病患者の例)
| 区分 | 内容 | 負担 |
|---|---|---|
| 保険診療 | 再診料・特定疾患療養管理料・処方料・院外処方箋料・採血・HbA1c等 | 3割負担 |
| 選定療養 | FreeStyleリブレ2 センサー1個(14日分) | 全額自費(C150-7の1,250点相当=約12,500円が標準) |
必ず「区分された領収書」を受け取ってください
学会通知でも「保険診療に係る徴収額と選定療養に係る徴収額を明確に区分した領収書」の交付が義務付けられています。区分されていない領収書を渡された場合、その医療機関の運用に問題がある可能性があります。
6. 医療機関側に課される厳格な要件
選定療養としてisCGMを扱える医療機関は、誰でも参入できるわけではありません。学会通知では以下の要件が明記されています。
• 院内掲示:選定療養に係る費用を、院内の見やすい場所に分かりやすく掲示
• ウェブサイト掲載:自院ウェブサイトに料金等を掲載(2025年5月31日まで経過措置)
• 行政報告:料金設定・変更時に地方厚生(支)局長へ報告。年1回の実施状況報告も義務
• 領収書区分:保険診療と選定療養の徴収額を明確に区分した領収書を交付
• 適正使用指針の遵守:日本糖尿病学会「持続グルコースモニタリングデバイス適正使用指針」に従う
五良会クリニック白金高輪は、糖尿病協会登録医(理事長・五藤良将)が常勤し、糖尿病療養指導経験のある看護師が在籍するC150算定可能施設です。選定療養の運用要件を満たしており、現在ホームページにて料金等の掲示準備を進めています。
7. 患者側に求められる「自由意思による同意」
選定療養の根幹には、「患者の自由な選択と同意」という原則があります。学会通知でも明確に「患者に対して間歇スキャン式持続血糖測定器の選定療養に関する十分な情報提供がなされ、選定療養の実施に関して患者の自由な選択と同意があった場合にのみ適応される」と書かれています。
具体的には、当院では以下の流れでご説明します。
| 説明 1 | 制度の趣旨説明 「保険適用ではないが、選定療養という制度で自費購入が可能」と明示。 |
| 説明 2 | 料金の事前提示 選定療養部分(センサー代)と保険診療部分(診察料等)の見積もりを別個に提示。 |
| 説明 3 | 代替選択肢の提示 「使わずに通常の血糖測定だけで様子を見る選択肢もある」ことを明確に伝える。 |
| 説明 4 | 同意書の作成 選定療養を希望される場合のみ、同意書にご署名いただく。 |
8. 受診から装着・振り返りまでの実務フロー
| STEP 1 | 初回受診・問診 HbA1c・空腹時血糖・腎機能・脂質を確認。糖尿病・予備群の有無を判定し、選定療養の良い適応に該当するかを医師が判断。 |
| STEP 2 | 制度説明・同意取得 選定療養の趣旨・料金・代替選択肢を説明し、ご納得いただけた場合のみ同意書を作成。 |
| STEP 3 | センサー装着・スマホ設定 FreeStyleリブレ2を上腕後面に装着。スマートフォンアプリ「FreeStyle LibreLink」とLibreView共有コードを設定。 |
| STEP 4 | 14日間の装着・記録 食事・運動・薬・睡眠を一緒に記録。ラーメン・夕食・飲酒・運動などのイベントとグラフを後で照合できるようにする。 |
| STEP 5 | 振り返り外来(AGP解析) 14日間のグラフ(AGP:Ambulatory Glucose Profile)を一緒に見て、食事・運動・薬の最適化プランを立てる。必要に応じて追加装着の相談。 |
| STEP 6 | 領収書の発行 保険診療分と選定療養分を区分した領収書をお渡しします(医療費控除の確定申告でも区分が必要)。 |
9. 「保険」と「選定療養」、どちらを選ぶべきか
基本的には、患者さんが選べるのは「選定療養を使う/使わない」だけです。「保険適用にするか選定療養にするか」を選ぶことはできません。これは制度の前提条件によって決まります。
| あなたの状況 | 取り得る選択肢 |
|---|---|
| インスリン1日1回以上を自己注射中 | 保険適用一択(自費にする必要なし。保険適用の方が安い) |
| インスリン未使用(経口薬・GLP-1注射のみ等) | ① CGMを使わない/② 選定療養で1〜数か月使う/③ 完全自費で長期使用 |
| インスリン未使用だが、薬の効果を細かく確認したい | 選定療養で「薬剤切り替え時の評価」として2〜4週装着するのが王道 |
| 健診で「予備群」と言われ、生活習慣を見直したい | 選定療養で2週間装着し、自分の食事パターンを「見える化」 |
「数か月だけ装着する」が選定療養の使い方の王道
選定療養で長期にずっと装着し続けると、年単位では数十万円のコストになります。学会の示す「良い適応」を踏まえると、「2〜4週の集中装着 → AGPで振り返り → 改善プラン実行 → 数か月後に再装着」というスポット使用がもっとも費用対効果に優れた使い方です。
10. 理事長コメント
当院では、健診で予備群を指摘された方、薬を飲み始めたばかりで効果を見てみたい方、ラーメンや夕食パターンを変える前後で血糖がどう変わるのかをデータで確認したい方を中心に、『目的のあるスポット装着』を推奨しています。料金・同意書・領収書区分など制度上の手続きはすべて当院でお引き受けしますので、『興味はあるけれど仕組みがよく分からない』段階で一度ご相談ください。」
11. よくあるご質問(FAQ)
12. まとめ
✅ 2024年4月新設の「選定療養」制度で、上記要件を満たさない患者でもリブレ2を自費購入可能に
✅ 保険適用が原則禁止としている「混合診療」の例外として整備された制度(差額ベッド代と同じ枠組み)
✅ 学会が示す「良い適応」は4つ:食事運動評価/内服薬評価/薬剤切り替え時/健診後の食後高血糖評価
✅ 選定療養の標準額は1,250点相当=約12,500円/月(C150-7基準)
✅ 医療機関側は施設要件・院内掲示・行政報告・領収書区分などの厳格な運用ルールを遵守
✅ 患者側には「自由意思による同意」と「目的のあるスポット装着」が望ましい
✅ 五良会クリニック白金高輪は施設要件を満たし、糖尿病協会登録医(理事長・五藤良将)が責任をもって運用
選定療養制度に基づくFreeStyleリブレ2の運用にも対応しています。
✅ インスリンを使っていないがCGMで血糖変動を可視化したい方
✅ 内服薬の効果を「数値」で確認したい方
✅ ラーメン・夕食パターンの見直しをデータで進めたい方
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