SGLT2阻害薬・利尿薬と夏の脱水|服薬中に低血圧・急性腎障害を起こさないために専門医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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SGLT2阻害薬・利尿薬と夏の脱水|服薬中に低血圧・急性腎障害を起こさないために専門医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

SGLT2阻害薬・利尿薬と夏の脱水|服薬中に低血圧・急性腎障害を起こさないために専門医が解説

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症/日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医)

📰 【関連メディア掲載】FRIDAYデジタル/Yahoo!ニュースに監修記事が掲載されました

2026年5月7日配信のFRIDAYデジタル「【専門医が解説】失神、心筋虚血、腎機能低下…命にかかわる危険な「低血圧」が日本で増加している理由」に当院理事長 五藤良将が監修者として登場。本記事では「低血圧の隠れた原因」となりやすいSGLT2阻害薬・利尿薬・夏場の脱水について解説します。

糖尿病・心不全・慢性腎臓病(CKD)の治療で広く使われるSGLT2阻害薬(ジャディアンス・フォシーガ・カナグル等)と利尿薬。心血管・腎保護効果は確立していますが、両者には共通の落とし穴があります。それが「脱水」と「低血圧」です。
特に気温が上がる5〜9月、私たち内科医が注意するのは、これらの薬を服用中の方が失神・転倒・急性腎障害で救急搬送されるケースが増えること。本記事では、JSH2025や日本腎臓学会の適正使用指針も踏まえて、夏を安全に乗り切るためのコツを整理します。

1. SGLT2阻害薬と利尿薬の働き

薬剤 働き 血圧への影響
SGLT2阻害薬
(ジャディアンス、フォシーガ、カナグル等)
尿に糖を排泄。同時に水・ナトリウムも排出 収縮期血圧を2〜5mmHg程度低下
サイアザイド系利尿薬
(フルイトラン等)
尿量増加で循環血漿量を減らす JSH2025の主要降圧薬の1つ
ループ利尿薬
(ラシックス、ルプラック等)
強力な尿量増加。心不全・浮腫に 体液量減少→血圧低下
いずれも単独で使えば有効・安全ですが、2剤以上の重ね使い夏場の発汗が重なると、想定外の脱水・低血圧を招きます。

2. なぜ夏場に低血圧・脱水が起きやすいのか

夏場は気温・湿度が上がるため、健康な方でも1日に1〜1.5L以上の不感蒸泄+発汗が起こります。これに薬による尿量増加が重なると、循環血漿量が想定以上に減少します。

🚨 高齢者は特に注意

高齢者はのどの渇きを感じにくく、自発的な水分摂取が遅れがちです。発汗・下痢・嘔吐などのイベントが重なると、わずか半日で重度の脱水に陥ることがあります。

3. もっとも危険な「triple whammy(三重苦)」

国際的に最も警戒される組み合わせが、以下の3剤併用+脱水です。これに「SGLT2阻害薬」が加わるとさらに危険度が増します。
⚠️ Triple Whammy(三重苦)
RAS阻害薬(ACE阻害薬・ARB)
利尿薬(サイアザイド・ループ)
NSAIDs(ロキソニン・ボルタレン等の解熱鎮痛薬)
+ 発汗・下痢・嘔吐などの脱水イベント
SGLT2阻害薬が加わると 急性腎障害(AKI)リスクがさらに上昇
夏場の頭痛・腰痛・関節痛で安易にロキソニン等を購入・服用することが、思わぬ腎障害の引き金になる例があります。常用している降圧薬・糖尿病薬がある方は、市販の鎮痛薬を続ける前に必ず医師・薬剤師に相談してください。

4. 服薬中の方の「水分補給」目安

通常時 1日1.5L以上の水・お茶。コーヒー・アルコールは利尿作用があり「飲んだ量」にカウントしない
猛暑日/屋外活動 2L以上。ペットボトル500mLを「コップ4杯」に分けて少しずつ
運動・大量発汗時 経口補水液(OS-1等)またはスポーツドリンクを併用。糖尿病の方は薄めるかOS-1を推奨
心不全・腎不全で水分制限あり 必ず主治医に相談。一律1.5Lではなく個別調整が必要
✅ 飲水のコツ
「のどが渇いた」と感じる前に、時間を決めて少しずつ
● 起床時・各食前・就寝前にコップ1杯がベース
● 尿の色が濃い黄色になったらすでに脱水のサイン

5. シックデイ(体調不良の日)の対処

発熱・嘔吐・下痢・食欲不振などで通常の飲食ができない日を「シックデイ」と呼びます。SGLT2阻害薬と利尿薬は、シックデイには原則休薬がルールです。

🚨 シックデイのルール(SGLT2阻害薬・利尿薬)

食事・飲水ができない日は休薬(通常1〜2日)
● 経口補水液で水分・電解質を補給
● 嘔吐・下痢が続く/意識低下があれば救急受診
● 再開のタイミングは主治医に確認
● 普段から「シックデイカード」を携帯し、家族にも共有を

6. JSH2025・SPRINT試験から見たリスク管理

🔬 SPRINT試験で示された「強化降圧」の副作用
強化降圧群(収縮期120未満目標)では標準群と比べ、低血圧(3.4% vs 2.0%)、失神(3.5% vs 2.4%)、急性腎障害(3.8% vs 2.3%)、電解質異常が有意に増加。
出典:SPRINT Research Group. N Engl J Med. 2015;373:2103-2116.
SPRINTで示された副作用は、ほとんどが「降圧薬+利尿薬」併用群で多発しました。SGLT2阻害薬を併用するこれからの患者さんでは、同様のリスクをさらに丁寧にモニタリングする必要があります。

JSH2025の指摘

JSH2025は「降圧目標を厳しくする」と同時に「過降圧による有害事象(症候性低血圧、急性腎障害、電解質異常)への注意」を明記しました。SGLT2阻害薬・利尿薬服用中はとくに、家庭血圧と症状の両方で評価することが大切です。

7. 受診の目安と医師への相談ポイント

🚨 こんな症状はすぐ相談を

● 立ちくらみ・ふらつき・倦怠感が新たに出現
● 失神・転倒、頭部打撲
● 急に尿が出にくい、足のむくみが急に増えた
● 強い口渇・体重急減(脱水サイン)
● 嘔吐・下痢が1日以上続く(シックデイ)

⚠️ 自己判断での休薬・中止はしない

SGLT2阻害薬・利尿薬は心不全・腎保護・糖尿病管理に欠かせない薬剤です。調子が悪いときの一時休薬は正解ですが、勝手な永続中止は心不全悪化のリスクがあります。判断は医師と一緒に。

8. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「SGLT2阻害薬は糖尿病・心不全・CKDの予後を変える素晴らしい薬剤です。一方で、利尿薬や降圧薬と重ねた状態で夏を迎えると、わずかな脱水で失神や急性腎障害を起こすことがあります。FRIDAYの取材でも繰り返しお伝えしましたが、『多剤併用+夏+発汗』の組み合わせが現代の盲点です。

当院では糖尿病協会登録医として、家庭血圧・体重・尿量を一緒に確認しながら、季節に応じた服薬調整を行っています。『暑い時期だけ飲み方を変える』こともしばしばあります。気になる症状があれば、躊躇せずご相談ください。」

9. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ SGLT2阻害薬・利尿薬は単独では有用、しかし夏場の脱水で低血圧・急性腎障害を起こしやすい
✅ RAS阻害薬+利尿薬+NSAIDsの三重苦に注意。市販の鎮痛薬は事前相談を
✅ 通常1.5L、猛暑日2L、運動時はOS-1。のどが渇く前に少しずつ
✅ シックデイ(食事・飲水困難)はSGLT2阻害薬・利尿薬を原則休薬
✅ SPRINT試験・JSH2025は「下げすぎの副作用」を強く警告。家庭血圧と症状を医師と共有を

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季節に応じた服薬調整、シックデイ対応までサポートします。
✅ SGLT2阻害薬・利尿薬を内服中で立ちくらみのある方
✅ 夏場の服薬調整・水分指導を希望の方
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