便潜血検査「陽性」を放置していませんか?――「もう一度便潜血」ではなく大腸カメラが必要な理由
- 2026年7月18日
- 健康診断・人間ドック,消化器内科,内視鏡,大腸内視鏡,お知らせ
便潜血検査「陽性」を放置していませんか?――「もう一度便潜血」ではなく大腸カメラが必要な理由
執筆(共著):五良会クリニック白金高輪|院長 玉井博修(日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本肝臓学会 専門医・指導医)
医療法人社団五良会|理事長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)※編集担当
健康診断や大腸がん検診で「便潜血陽性(要精密検査)」という結果を受け取ったまま、忙しさや「どうせ痔だろう」という思いから、精密検査を受けずにいる方は少なくありません。実際、便潜血陽性となった方のうち、精密検査(大腸カメラ)を受けているのは約7割にとどまるとされ、およそ3人に1人が陽性結果を放置しています。
2026年7月には、お笑いタレントの松本人志さんが「血便が止まらない」ことをきっかけに大腸がんと診断されたことを公表され、大きな話題となりました。目に見える血便も、便潜血検査で見つかる目に見えない出血も、「大腸から出血している」というサインである点は同じです。この記事では、便潜血陽性の正しい意味と、なぜ「再検査」ではなく「大腸カメラ」が必要なのかを解説します。
1. 便潜血検査とは――何を調べている?
便潜血検査(免疫法)は、目に見えないごく微量の血液が便に混じっていないかを調べる検査です。大腸がんやポリープの表面はもろく、便が通過する際にわずかに出血することがあります。この微量出血をとらえるのが便潜血検査で、厚生労働省の指針では40歳以上の方に年1回・2日法(2回分の便を提出)での大腸がん検診が推奨されています。
便潜血検査は「ふるい分け」の検査です
便潜血検査はあくまで「大腸カメラを受けるべき人を拾い上げるためのスクリーニング検査」です。診断を確定する検査ではありません。だからこそ、陽性が出たら次のステップ(大腸カメラ)に進むことで初めて意味を持ちます。
2. 「陽性」の意味――がんが見つかる確率は?
「陽性=大腸がん」ではありません。陽性になった方の多くは、痔・ポリープ・炎症などが原因です。しかし、精密検査を受けた陽性者のうち数%の方に大腸がんが見つかることが知られており、ポリープ(腺腫)まで含めると、その割合はさらに高くなります。
「数%なら低い」と感じるでしょうか。大腸がんは年間約15万4千人が診断される罹患数第1位のがんであり、女性ではがん死亡原因の第1位です(国立がん研究センター がん統計)。一方で、早期に発見された大腸がんの治療成績は非常に良好で、ステージが進んでから見つかった場合と早期発見とでは、その後の経過が大きく異なります。「数%を引き当てていないか」を確認する検査が、大腸カメラなのです。
出典:厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」、国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024」
3. 「もう一度便潜血検査」がダメな理由
よくある誤解が、「もう一度便潜血検査を受けて、陰性なら大丈夫」というものです。これは明確に誤りです。
「再検査で陰性」は安心材料になりません
大腸がんやポリープからの出血は常に出続けるわけではなく、間欠的(出たり止まったり)です。つまり、がんがあっても便潜血検査が陰性になることは珍しくありません。一度でも陽性が出たという事実は、再検査の陰性では打ち消せないのです。陽性後の正しい次の一手は「便潜血の再検査」ではなく「大腸カメラ」です。
これは日本消化器がん検診学会をはじめとする関連学会・自治体の検診指針でも一貫して示されている原則です。健診機関の結果票に「要精密検査(大腸内視鏡)」と書かれているのはこのためです。
4. 「1回だけ陽性」「痔がある」でも大腸カメラが必要です
精密検査を先延ばしにする理由として多いのが、次の3つです。すべてにお答えします。
| よくある言い訳 | 医学的な答え |
|---|---|
| 「2回のうち1回しか陽性じゃなかった」 | 出血は間欠的なので、2回中1回でも陽性なら精密検査の対象です。「1回だけだから軽い」という解釈は成り立ちません |
| 「痔があるから、それが原因だと思う」 | 痔と大腸がんは併存します。痔があることは、大腸に病変がないことの証明にはなりません。「痔のせい」と確定できるのは、大腸カメラで他に病変がないと確認できたときだけです |
| 「症状が何もないから大丈夫」 | 早期大腸がんはほぼ無症状です。症状が出てからでは進行していることが多く、「無症状のうちに見つける」ことにこそ検診の意味があります |
5. 精密検査=大腸カメラでわかること・できること
便潜血陽性後の精密検査として推奨されるのは大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。大腸全体の粘膜を直接観察でき、病変があればその場で組織検査・切除まで行える、唯一の「診断と治療を兼ねた検査」です。
・その場で予防できる:腺腫性ポリープは日帰りで切除でき、将来の大腸がんを予防できます
・異常なしなら数年間安心:質の高い検査で異常がなければ、次回まで数年の間隔をあけられます
6. 当院の大腸カメラが「受けやすい」理由
「精密検査が必要なのは分かった。でも大腸カメラがつらそうで踏み切れない」――その最後のハードルを下げるのが、五良会クリニック白金高輪の役割です。
🏥 五良会クリニック白金高輪の大腸カメラ
✅ 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医(院長 玉井博修)が検査を担当
✅ 静脈麻酔+鎮痛薬併用――「気付いたら終わっていた」検査を目指します
✅ 下剤は少量・調製不要タイプの「サルプレップ」を採用
✅ 富士フイルム最新システム+AI診断支援(CAD EYE)で病変の見逃しを抑制
✅ 日帰りポリープ切除対応
✅ 土日祝も検査対応・白金高輪駅2番出口徒歩1分
✅ 健診結果票をお持ちいただければ、スムーズに精密検査へご案内します
検査当日までの具体的な流れは「大腸カメラ検査の流れ完全ガイド」を、麻酔の仕組みは「苦痛の少ない鎮静下内視鏡検査」をご覧ください。
7. 理事長コメント
8. まとめ
✅ 「もう一度便潜血で陰性なら安心」は誤解。出血は間欠的で、再検査の陰性は陽性を打ち消せません
✅ 「2回中1回だけ陽性」「痔がある」「無症状」でも精密検査は必要です
✅ 大腸がんは罹患数第1位。しかしポリープ段階で切除すれば予防できるがんです
✅ 当院では静脈麻酔×サルプレップで苦痛の少ない大腸カメラを土日祝も実施しています
静脈麻酔で苦痛の少ない検査を、土日祝も。白金高輪駅2番出口 徒歩1分。
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執筆 院長 玉井 博修/理事長 五藤 良将
編集 理事長 五藤 良将