【STEP-1試験で2/3戻る】GLP-1をやめた後のリバウンド対策|減量後の維持療法5原則|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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【STEP-1試験で2/3戻る】GLP-1をやめた後のリバウンド対策|減量後の維持療法5原則|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

【STEP-1試験で2/3戻る】GLP-1をやめた後のリバウンド対策|減量後の維持療法5原則

GLP-1治療で順調に体重が減り、目標達成後に薬をやめた瞬間――「お腹がすく感覚が一気に戻り、3か月で5kg増えてしまった」というご相談が外来で本当に多いのです。これは怠惰でも意志の弱さでもありません。GLP-1の代表的なフォローアップ試験「STEP-1 extension」では、セマグルチド中止1年後に減量分の約2/3がリバウンドしたと報告されています。
肥満は«一度治して終わり»の急性疾患ではなく、慢性疾患です。高血圧や糖尿病と同じく、薬で改善しても薬を切るとリスクが戻ってしまう病気。だからこそ、減量達成後の«維持療法»こそが治療の本番です。本記事では、当院の外来でお伝えしているリバウンド対策の5原則をまとめます。

1. STEP-1 extension試験のデータ ― 中止1年で2/3戻る

🔬 エビデンス:STEP-1 extension(Wilding et al., Diabetes Obes Metab 2022)
セマグルチド2.4mgで68週間治療を行い、その後1年間の追跡(無治療期間)を行った327名の解析結果:
• 治療中の体重減少:平均−17.3%
• 治療中止1年後:体重減少分の約2/3がリバウンドし、最終的に−5.6%にとどまった
• 心血管リスクマーカー(血圧、脂質、HbA1c、CRP)も多くがベースラインへ復帰
«肥満は慢性疾患であり、継続治療が必要»と結論づけられました。

2. なぜGLP-1中止でリバウンドするのか ― 生理学的メカニズム

リバウンドの背景には、人間の体が「失った体重を取り戻す」よう設計されたセットポイント理論代謝適応があります。
メカニズム 内容
レプチン低下 減量により脂肪細胞由来のレプチン(食欲抑制ホルモン)が減り、食欲中枢で「もっと食べろ」シグナルが優位に
グレリン上昇 胃由来の食欲促進ホルモン・グレリンが減量後に上昇し、空腹感が強まる
基礎代謝の低下 減量により基礎代謝が予測値より100〜400kcal/日低下(代謝適応/adaptive thermogenesis)
セットポイントの記憶 視床下部は元の体重を「正常」として記憶し、それより低い体重を「異常」と判断して戻そうとする

3. 原則1:いきなり中止せず「漸減」する

GLP-1製剤を急に中止すると、食欲が一気に戻り、暴食的なリバウンドが起こりやすくなります。一般的には2〜4週間ごとに用量を1段階ずつ下げる漸減プロトコルを取ります(例:ウゴービ2.4mg→1.7mg→1.0mg→0.5mg→中止)。減量幅・期間・代謝指標を見ながら個別調整します。

4. 原則2:維持療法(低用量GLP-1)を継続する選択肢

高血圧や糖尿病の薬を一生継続するように、GLP-1も低用量での維持療法を選択するケースが増えています。減量達成後に最小有効用量(ウゴービ1.7mgなど)まで下げて長期維持する戦略です。長期投与の安全性データはセマグルチドで4年(SELECT試験)、リラグルチドで5年(SCALE試験)まで蓄積されています。

⚠️ 自費継続のコスト感

日本では肥満症適応のウゴービでも、保険適用条件は最長72週です。それ以降の維持療法は保険適用外(自費)となるケースが多く、月額3〜8万円程度のコストが発生します。長期戦略を立てる際は、コスト面も含めて事前にご相談ください。

5. 原則3:体重・腹囲・血液マーカーを月1で記録

減量後のリバウンドは「気づかないうちに2〜3kg増えた」というパターンが最も多いのです。月1回の体重・腹囲測定で、3kg以上のリバウンドが見られた段階で介入することで、5kg・10kgの大幅な戻りを防げます。
毎日 朝起床・排尿後の体重測定(同じ条件で)
月1回 腹囲(へその高さ)測定+スマホでの体型撮影
3か月毎 血液検査(HbA1c・脂質・ALT・尿酸)+体組成測定

6. 原則4:食事・運動の「新しい習慣」を治療中に定着させる

GLP-1治療中は食欲が抑えられているため、行動修正が比較的容易な«ゴールデンタイム»です。この期間にタンパク質中心の食事・週2回のレジスタンス運動・7時間以上の睡眠・1日8,000歩などを無意識のレベルまで習慣化することが、中止後のリバウンド予防に直結します。
✅ 維持期に絶対外せない習慣ベスト5
• タンパク質を1食30g以上(体重×1.2g/日)
• 週2回のレジスタンス運動
• 1日6,000〜8,000歩の歩行
• 7時間以上の睡眠(睡眠不足はグレリンを上げる)
• 加工食品・砂糖入り飲料を週単位で記録

7. 原則5:再開のタイミングを医師と決めておく

中止後に「何kg戻ったら再開するか」を事前に医師と決めておくことが大切です。例として「中止時体重から5kg以上、または腹囲5cm以上のリバウンドで外来受診」をマイルールにする方が多いです。手遅れになる前の再介入が、長期成功のカギです。

8. 当院での維持療法プロトコル

五良会クリニック白金高輪では、減量達成後の維持療法も含めた5段階プロトコルで長期サポートしています。
STEP 1 導入期(0〜4週):GLP-1製剤の選択・少量から開始
STEP 2 減量期(4〜52週):標準用量で目標減量達成。食事・運動指導の並行
STEP 3 安定期(52〜72週):体重維持できる最小用量へ漸減
STEP 4 離脱期(72週〜):医師判断で離脱orミニマム維持療法を選択
STEP 5 長期フォロー:年2〜4回の定期受診で体重・代謝指標をチェック

9. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「『減って嬉しい』と『戻ってショック』を繰り返すヨーヨーダイエットは、心理的にも代謝的にも体を疲弊させます。当院ではGLP-1治療を始める前に必ず«出口戦略»―どこで・どうやって・何kgを目標に維持するか―を一緒に決めます。«3か月で何kg痩せたか»よりも«3年後にその体重を維持できているか»こそが本物の成功。土日祝も診療していますので、平日仕事で通えない方も継続フォローしやすい体制を整えています。」

10. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ GLP-1中止1年で減量分の約2/3がリバウンド(STEP-1 extension)
✅ リバウンドはレプチン低下・グレリン上昇・基礎代謝低下による生理現象
✅ 中止は急にせず2〜4週間ごとに漸減
✅ 低用量GLP-1の維持療法を選択肢として検討
✅ 月1回の体重・腹囲記録で早期介入
✅ 治療中の«新しい習慣»定着が長期成功のカギ
✅ 再開基準を事前に医師と合意しておく

11. よくあるご質問

Q1. GLP-1は何年継続して大丈夫ですか?
A. SELECT試験ではセマグルチド2.4mgが平均3.3年(最長4年強)まで安全性が確認されています。リラグルチドは5年データあり。糖尿病領域ではさらに長期使用例が蓄積されています。
Q2. 中止後に増えてしまったらまた始めても効きますか?
A. 再投与でも初回とほぼ同等の減量効果が得られると報告されています(再導入時は少量からゆっくり増量)。ただし副作用(消化器症状)もやり直しになるため、計画的な再開が望ましいです。
Q3. 自費でGLP-1を続けるなら月いくら?
A. 製剤と用量により異なります。リベルサス7mg自費なら月2〜4万円、ウゴービ2.4mg自費なら月4〜8万円が目安です。詳細は受診時にご案内します。
Q4. レタトルチド(トリプルG)でもリバウンドしますか?
A. レタトルチドのフォローアップ試験はまだ少数ですが、メカニズム上はGLP-1と同様にリバウンドが予想されます。減量幅が大きい分(最大28.7%)、リバウンド絶対量も大きくなる可能性があり、維持戦略の重要性はさらに増します。
Q5. リバウンド時は再開以外の選択肢ありますか?
A. 軽度のリバウンド(3kg以内)であれば、食事・運動の見直しで戻すことも可能です。中等度以上であればGLP-1再開、または当院2F美容皮膚科の医療痩身メニュー(ピュアフロー、脂肪燃焼注射)を併用する選択肢もご提案しています。
Q6. 維持療法中も副作用は出ますか?
A. 低用量維持期は副作用がほぼ落ち着いている方が大半です。ただし悪心・便秘などが残る場合は、用量調整や対症療法で対応します。
Q7. 子どもを希望する場合、GLP-1はいつまでに中止すべき?
A. 妊娠を計画する場合は少なくとも2か月前に中止することが推奨されます。妊娠中はGLP-1禁忌のため、ライフプランに合わせた治療計画を相談しましょう。

参考文献

1. Wilding JPH, et al. Weight regain and cardiometabolic effects after withdrawal of semaglutide (STEP-1 extension). Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1553-1564.
2. Rubino D, et al. Effect of Continued Weekly Subcutaneous Semaglutide vs Placebo on Weight Loss Maintenance (STEP-4). JAMA. 2021;325(14):1414-1425.
3. Lincoff AM, et al. Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity (SELECT). N Engl J Med. 2023;389:2221-2232.
4. ノボ ノルディスク ファーマ. ウゴービ®皮下注 添付文書(最新改訂版). PMDA医療用医薬品情報.
5. 厚生労働省. セマグルチド製剤の最適使用推進ガイドライン(肥満症). 令和7年5月20日.
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