健康診断で「要再検査」「要精密検査」と言われたら ― 数値別の意味と次の一手|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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健康診断で「要再検査」「要精密検査」と言われたら ― 数値別の意味と次の一手|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健康診断で「要再検査」「要精密検査」と言われたら ― 数値別の意味と次の一手

健康診断で「要再検査」「要精密検査」と言われたら ― 数値別の意味と次の一手

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)

春から初夏は、職場や自治体の健康診断(特定健診)の結果が手元に届く時期です。結果表を見て、「要再検査」「要精密検査」「要受診」といった文字が並んでいると、不安になる方も多いと思います。一方で、「毎年なんとなくC判定だけれど、忙しくてそのままにしている」という方も少なくありません。
結論からお伝えすると、健診結果には「すぐ受診すべき数値」と「生活習慣の見直しで様子を見てよい数値」が明確に線引きされています。この記事では、血圧・脂質・血糖・肝機能・腎機能・貧血など主要項目について、厚生労働省の「保健指導判定値・受診勧奨判定値」を基に、数値ごとの意味と次にとるべき行動を整理します。五良会クリニック白金高輪では、健診後の再検査・精密検査から専門外来までを一貫して承っています。

1. 「要再検査」「要精密検査」「要受診」はどう違う?

健診結果に書かれる指示は、似た言葉でも意味が異なります。混同されやすいので、まず整理しておきましょう。
指示 意味 次の一手
要再検査 一度の数値の異常が、一時的なものか確かめる必要がある 後日あらためて同じ検査を受ける(多くは採血・血圧など)
要精密検査 異常の原因を詳しく調べる必要がある 内視鏡・超音波・専門的な血液検査などを追加で行う
要受診(要医療) すでに治療が必要なレベルである可能性が高い 早めに医療機関を受診し、治療方針を相談する
経過観察 今すぐの対応は不要だが、変化を見ていく必要がある 生活習慣を見直し、次回健診で推移を確認する

⚠️ 注意

「要再検査」と「要精密検査」を同じものと考えて、再度同じ採血だけを受けて安心してしまうケースがあります。便潜血陽性のように、再検査では原因がわからず、はじめから精密検査(大腸内視鏡)が必要な項目もあります。指示の文言をよくご確認ください。

2. 結果表の見方の基本 ― 2つの判定値

特定健診の結果には、多くの項目に2段階の「ものさし」が設けられています。厚生労働省が示す保健指導判定値受診勧奨判定値です。

2つの判定値の意味

保健指導判定値……これを超えると、生活習慣の見直しが望ましいレベル。多くは「経過観察」「生活改善」の範囲です。

受診勧奨判定値……これを超えると、医療機関での再検査・管理が必要になり得るレベル。「要受診」に相当します。

つまり、同じ「基準値より高い」でも、保健指導判定値の範囲なのか、受診勧奨判定値を超えているのかで、対応がまったく変わります。以下、主要項目ごとに具体的な数値を見ていきます(数値はいずれも厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」別紙5に基づきます)。

3. 血圧の数値の見方

区分 収縮期(上) 拡張期(下)
保健指導判定値(生活改善) 130 mmHg 以上 85 mmHg 以上
受診勧奨判定値(要受診) 140 mmHg 以上 90 mmHg 以上
上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上は高血圧の範囲です。さらに収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上は、すぐの受診が勧められるレベルとされています。健診は緊張で高めに出ることもあるため、ご家庭で起床後と就寝前に1週間ほど測った家庭血圧の記録があると、診断に役立ちます。受診の際はぜひお持ちください。

4. 脂質(LDL・中性脂肪・HDL)の見方

項目 保健指導判定値 受診勧奨判定値
LDL(悪玉)コレステロール 120 mg/dL 以上 140 mg/dL 以上
中性脂肪(空腹時) 150 mg/dL 以上 300 mg/dL 以上
HDL(善玉)コレステロール 40 mg/dL 未満

早めの受診が望ましいケース

LDLコレステロールが180mg/dL以上、または中性脂肪が500mg/dL以上の場合は、できるだけ早めの受診が勧められます。特に中性脂肪500mg/dL以上は、まれに急性膵炎の原因となることがあります。

脂質異常症は自覚症状がほとんどありませんが、長期的には動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。糖尿病・高血圧・喫煙などが重なると、より注意が必要です。

5. 血糖・HbA1cの見方

項目 保健指導判定値 受診勧奨判定値
空腹時血糖 100 mg/dL 以上 126 mg/dL 以上
HbA1c(NGSP値) 5.6% 以上 6.5% 以上
HbA1cは、過去1〜2か月の血糖の平均的な高さを示す指標です。空腹時血糖126mg/dL以上、またはHbA1c 6.5%以上は糖尿病の診断基準に相当する値で、定期的に医療機関を受診していない場合はすぐの受診が勧められます。HbA1c 6.0〜6.4%や空腹時血糖110〜125mg/dLの範囲(いわゆる糖尿病の境界型)では、ブドウ糖負荷試験などの精密検査を検討します。糖尿病は、早い段階で介入するほど合併症の予防につながります。

6. 肝機能(AST・ALT・γ-GT)の見方

項目 保健指導判定値 受診勧奨判定値
AST(GOT) 31 U/L 以上 51 U/L 以上
ALT(GPT) 31 U/L 以上 51 U/L 以上
γ-GT(γ-GTP) 51 U/L 以上 101 U/L 以上
肝機能の数値が上がる背景には、飲酒によるアルコール性肝障害のほか、肥満や生活習慣に関連した脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害などがあります。ALTがASTより高く、飲酒量が多くない場合は脂肪肝が疑われます。脂肪肝は将来の糖尿病・高血圧の発症とも関連するため、「お酒を飲まないから大丈夫」とは限りません。受診勧奨判定値を超えた場合は、腹部超音波などで原因を確認することが大切です。

7. 腎機能(eGFR・尿蛋白)の見方

項目 保健指導判定値 受診勧奨判定値
eGFR(推算糸球体濾過量) 60 未満 45 未満
尿蛋白 弱陽性(±) 陽性(1+以上)
eGFRは、腎臓の働きを健康な人の何%にあたるかで示す指標です(単位 mL/分/1.73m²)。eGFR 45未満、または尿蛋白が陽性(1+以上)の場合は、慢性腎臓病(CKD)が疑われ、受診が勧められます。腎臓の病気は自覚症状が乏しく、気づいたときには進行していることが少なくありません。高血圧・糖尿病・脂質異常症がある方は、eGFRや尿蛋白が軽度の異常でも、早めにご相談ください。

8. 貧血(ヘモグロビン)と便潜血陽性

ヘモグロビン(血色素量)

区分 男性 女性
保健指導判定値 13.0 g/dL 以下 12.0 g/dL 以下
受診勧奨判定値 12.0 g/dL 以下 11.0 g/dL 以下
貧血の多くは鉄欠乏によるものですが、特に男性の貧血や、閉経後の女性の貧血では、その背景に胃や腸からの出血が隠れていることがあります。「鉄分をとれば大丈夫」と自己判断せず、原因の確認が重要です。

便潜血陽性は「再検査」ではなく「精密検査」

便潜血が陽性だったら

便潜血検査が1回でも陽性だった場合、もう一度便の検査をするだけでは原因はわかりません。大腸内視鏡検査で、出血の原因(ポリープ・炎症・大腸がんなど)を直接確認することが勧められます。「痔だろう」と自己判断して放置しないことが大切です。

当院では、鎮静剤を用いた負担の少ない大腸内視鏡を土曜・日曜・祝日も含めて毎週実施しています。鉄欠乏性貧血の原因検索や、ピロリ菌検査・除菌も承っています。

9. 放置するとどうなる ― 受診のタイミング

高血圧・脂質異常症・高血糖・慢性腎臓病はいずれも、初期にはほとんど症状がありません。だからこそ「症状がないから大丈夫」と先延ばしにしがちですが、これらは静かに動脈硬化を進め、数年後に心筋梗塞・脳卒中・腎不全といった形で表面化します。健診はその「静かな進行」を早く見つけるための機会です。
✅ 受診のめやす
受診勧奨判定値を超えた項目がある……できるだけ早めに受診を
便潜血陽性・尿蛋白陽性・貧血……原因確認のため受診を
複数の項目が同時に基準を超えている……リスクが重なるため優先的に受診を
・保健指導判定値の範囲……まずは生活習慣を見直し、次回健診で推移を確認
特に複数の項目で異常がある場合は、一つひとつは軽度でも、合わさることで心血管リスクが大きく高まります。「どこから手をつければよいか分からない」というときこそ、結果表をお持ちのうえご相談ください。

10. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「健診結果は、数値の良し悪しを判定するためだけのものではなく、今後どう過ごすかを一緒に考えるための出発点です。『要再検査』の紙を引き出しにしまってしまう前に、ぜひ結果表を持ってお越しください。糖尿病内科・血液内科・内視鏡まで院内で連携し、再検査から治療まで一つの窓口で対応します。土日祝も診療しておりますので、お忙しい方も受診しやすい体制を整えています。」

11. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 「要再検査」と「要精密検査」は別物。便潜血陽性などは最初から精密検査が必要
✅ 健診には保健指導判定値(生活改善)と受診勧奨判定値(要受診)の2つのものさしがある
✅ 血圧140/90、LDL 140、空腹時血糖126、HbA1c 6.5%、eGFR 45未満などが受診の目安
✅ 高血圧・脂質・血糖・腎臓は症状が出にくく、放置すると動脈硬化が進む
✅ 複数項目の異常はリスクが重なるため、結果表を持って早めにご相談を

よくあるご質問(FAQ)

Q. 健診結果は何か月以内に受診すればよいですか?
A. 受診勧奨判定値を超えた項目があれば、できるだけ早め(数週間以内)の受診をおすすめします。便潜血陽性や尿蛋白陽性も同様です。生活改善で様子を見てよい範囲かどうかも含め、判断に迷う場合はご相談ください。
Q. 健診の結果表は受診時に持っていったほうがよいですか?
A. はい、ぜひお持ちください。過去の結果と比べて、悪化傾向か改善傾向かを見ることが、対応を判断するうえでとても役立ちます。家庭で測った血圧の記録があれば、あわせてお持ちください。
Q. 症状が何もないのに受診する必要がありますか?
A. 生活習慣病の多くは初期に症状がありません。症状がないうちに見つけて対処することが、将来の心筋梗塞・脳卒中・腎不全を防ぐことにつながります。数値の異常は、体からの早めのサインとお考えください。
Q. 再検査と精密検査は当院で受けられますか?
A. 採血による再検査から、腹部超音波・胃カメラ・大腸カメラなどの精密検査、糖尿病内科・血液内科の専門外来まで、院内で一貫して対応しています。土日祝も診療しておりますので、お気軽にご相談ください。
参考・出典
厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第4.1版)」別紙5 健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値、フィードバック文例集(2024年3月)/日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」/日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」/日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」/日本腎臓学会「CKD診療ガイド」
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