高血圧・糖尿病でも夏に運動していい?安全に続けるための注意点
- 2026年6月27日
- 脂質異常症(コレステロール),高血圧,内科一般,糖尿病内科

高血圧・糖尿病でも夏に運動していい?安全に続けるための注意点
医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・日本医師会認定健康スポーツ医)
「血圧や血糖が高めだから運動したほうがいいのは分かるけれど、こんなに暑い夏に動いて大丈夫だろうか」— そう迷われる方は少なくありません。結論からお伝えすると、持病があっても運動は大きな味方になります。ただし、夏は脱水や熱中症のリスクが加わるため、いくつかの注意点を押さえることが大切です。
本記事では、高血圧・糖尿病をお持ちの方が、夏でも安全に運動を続けるためのポイントを、2025年に改訂された最新の高血圧ガイドラインの内容も交えて解説します。
📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)
1. 「夏は運動を休むべき?」への答え
適度な運動は、血圧を下げ、血糖値を改善し、体重管理にも役立つ、いわば「飲み薬に匹敵する効果」を持つ生活習慣の柱です。2025年8月に発刊された「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」でも、運動は降圧の有効な手段として位置づけられています。
ですから、暑いからといって運動をまったくやめてしまうのはもったいないことです。大切なのは「やめる」ことではなく、夏ならではのリスクを避けながら賢く続けること。そのための具体的な注意点を、疾患別に見ていきましょう。
2. 高血圧の方が夏の運動で注意すること
JSH2025では、降圧目標が見直され、原則として全年齢で診察室血圧130/80mmHg未満(家庭血圧125/75mmHg未満)を目指すこととされました。運動については、ウォーキングなどの有酸素運動に加え、筋力トレーニング(レジスタンス運動)も血圧を下げる方法として明記されています。
出典:日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」(2025年8月発刊)
一方で、夏の運動では高血圧の方ならではの注意点があります。
⚠️ 脱水と「薬の効きすぎ」に注意
夏は発汗で体の水分が失われやすく、脱水になると血圧が下がりすぎてふらつき・立ちくらみが起こることがあります。とくに利尿薬など一部の降圧薬を服用中の方は、脱水の影響を受けやすいため注意が必要です。水分・塩分のとり方や、暑い日の服薬について不安があれば、自己判断で薬を中断せず、必ず主治医にご相談ください。
また、運動直後の急な血圧変動や、力みを伴う運動での一時的な血圧上昇にも配慮が必要です。ウォーミングアップとクールダウンを丁寧に行い、呼吸を止めるような強い力みは避けましょう。
3. 糖尿病の方が夏の運動で注意すること
糖尿病の方にとっても運動は血糖コントロールの要ですが、夏は特有の注意点があります。
🔎 夏の運動で気をつけたい3点
① 低血糖:運動でエネルギーを消費するため、薬やインスリンを使用中の方は低血糖に注意。冷や汗・動悸・手の震えなどは熱中症と症状が紛らわしいこともあります。
② 脱水:高血糖や発汗で脱水が進みやすく、血液が濃縮されやすい状態に。こまめな水分補給を。
③ 足のケア:神経障害があると足の傷や靴ずれに気づきにくいことがあります。運動後は足の状態を確認しましょう。
② 脱水:高血糖や発汗で脱水が進みやすく、血液が濃縮されやすい状態に。こまめな水分補給を。
③ 足のケア:神経障害があると足の傷や靴ずれに気づきにくいことがあります。運動後は足の状態を確認しましょう。
低血糖に備えてブドウ糖などをすぐ取り出せるようにしておく、補水のための飲み物を用意しておく、といった準備が安心につながります。お薬の種類によって低血糖の起こりやすさは異なるため、運動の取り入れ方は主治医と相談して決めるのが理想です。
4. どんな運動を、どのくらい?
生活習慣病の改善には、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどの有酸素運動を中心に、スクワットなどの軽い筋力トレーニングを組み合わせるのが効果的です。「ややきつい」と感じる程度の強度を目安に、無理なく継続できる範囲で行いましょう。
✅ 夏に安全に運動するコツ
・ 涼しい時間帯(早朝・日没後)や、空調の効いた室内を選ぶ
・ のどが渇く前から、こまめに水分・塩分を補給する
・ 暑さに体を慣らす「暑熱順化」を意識し、少しずつ量を増やす
・ 熱中症警戒アラートが出ている日は屋外運動を控える
・ 一人での無理は避け、体調が悪ければすぐに中止する
・ のどが渇く前から、こまめに水分・塩分を補給する
・ 暑さに体を慣らす「暑熱順化」を意識し、少しずつ量を増やす
・ 熱中症警戒アラートが出ている日は屋外運動を控える
・ 一人での無理は避け、体調が悪ければすぐに中止する
5. こんな時は運動を中止・受診を
🛑 ただちに運動を中止すべきサイン
胸の痛みや圧迫感/強い動悸・息切れ/激しい頭痛・めまい/吐き気/冷や汗/意識がもうろうとする — こうした症状があれば、すぐに運動を中止し、涼しい場所で休んでください。改善しない場合や、意識がはっきりしない場合は、ためらわず医療機関を受診し、必要に応じて救急要請を。
「これくらい大丈夫」という自己判断が、持病のある方では思わぬ悪化につながることがあります。運動を新たに始める前に、一度かかりつけ医で体の状態を確認しておくことをおすすめします。
6. 理事長コメント
💬 理事長 五藤良将より
「運動は、持病のある方にとってこそ大きな力を発揮する『薬に匹敵する習慣』です。だからこそ、暑さを理由に完全にやめてしまうのではなく、夏ならではの注意点を知ったうえで、賢く続けていただきたいと思います。
当院では糖尿病内科として、お一人おひとりのお薬や血圧・血糖の状況に合わせた運動の取り入れ方をご提案しています。『夏も運動を続けたいけれど不安』という方は、ぜひ一度ご相談ください。安全に、長く続けられる方法を一緒に考えます。」
7. まとめ
📝 この記事のポイント
✅ 持病があっても運動は大きな味方。夏は「やめる」より「賢く続ける」ことが大切です
✅ JSH2025では降圧目標が原則130/80mmHg未満に。有酸素運動+筋トレが推奨されています
✅ 高血圧の方は脱水と降圧薬の効きすぎに注意。自己判断で薬を中断しないこと
✅ 糖尿病の方は低血糖・脱水・足のケアに注意を
✅ 胸痛・強い動悸・めまいなどは中止のサイン。運動開始前にかかりつけ医で確認を
✅ JSH2025では降圧目標が原則130/80mmHg未満に。有酸素運動+筋トレが推奨されています
✅ 高血圧の方は脱水と降圧薬の効きすぎに注意。自己判断で薬を中断しないこと
✅ 糖尿病の方は低血糖・脱水・足のケアに注意を
✅ 胸痛・強い動悸・めまいなどは中止のサイン。運動開始前にかかりつけ医で確認を
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