「酷暑の24時間マラソンは医学的に無謀」— 当院理事長が『女性自身』で熱中症リスクに警鐘を鳴らしました|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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「酷暑の24時間マラソンは医学的に無謀」— 当院理事長が『女性自身』で熱中症リスクに警鐘を鳴らしました|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

「酷暑の24時間マラソンは医学的に無謀」— 当院理事長が『女性自身』で熱中症リスクに警鐘を鳴らしました

「酷暑の24時間マラソンは医学的に無謀」— 当院理事長が『女性自身』で熱中症リスクに警鐘を鳴らしました

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症/日本医師会認定健康スポーツ医・日本旅行医学会認定医)
このたび、当院理事長の五藤良将が、光文社「女性自身」(WEB版)の取材にスポーツドクターとして協力し、2026年6月27日に記事が配信されましたので、ご報告いたします。テーマは、今夏放送予定の『24時間テレビ』チャリティーマラソンに代表される、酷暑下での長時間ランニングの医学的リスクです。
五藤理事長は2026年の東京マラソンを完走したランナーでもあり、「走ること」そのものを否定する立場ではありません。そのうえで、気温35度を超える炎天下で長時間走り続けることは、医学的な知見からは無謀で非常識であり、熱中症をはじめ命に関わる病態を招きうると、強い言葉で注意を呼びかけています。本ブログでは、記事でお伝えしきれなかった医学的背景を、最新のガイドラインとあわせて改めて整理します。

📰 掲載メディア
「医学的知見からは無謀で非常識」と医師が警鐘…“酷暑の24時間マラソン”に賛否 今年は星野真里がランナーに
光文社「女性自身」(WEB女性自身)2026年6月27日配信
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1. 『女性自身』で警鐘を鳴らしました

『24時間テレビ』恒例のチャリティーマラソンは、毎年、感動とともに「真夏に長時間走らせることへの是非」が議論されてきた企画です。記事では、こうした番組企画に対する賛否の声を紹介したうえで、医学的な観点からのコメントを五藤理事長が寄せました。
ランナーの挑戦する気持ちは応援したい — その思いは、自らもフルマラソンを走る五藤理事長も同じです。しかし、「応援したい気持ち」と「医学的な安全性」は別の問題です。とくに近年の日本の夏は、35度を超える「猛暑日」が連日続き、地域によっては40度に迫る危険な暑さも珍しくありません。こうした環境下で24時間走り続けることのリスクを、医師として正確にお伝えすることが大切だと考えています。
記事での五藤理事長のコメント(要旨)
日中35度を超える猛暑下で長時間走り続けることは、医学的に次元の異なる過酷な負荷であり、熱中症をはじめとする“命に関わる病態”を招く危険性があります。挑戦する気持ちは応援したいものの、酷暑下で24時間マラソンを行うことは、医学的知見からは無謀で非常識だと言わざるを得ません。

2. なぜ酷暑下の長時間ランニングは「次元が違う」のか

運動をすると、筋肉が大量の熱を生み出します。涼しい環境であれば、体はその熱を発汗や皮膚血流の増加によって外へ逃がし、体温を一定に保とうとします。ところが気温が体温に迫るほど高く、湿度も高い環境では、この「熱を逃がす仕組み」が追いつかなくなります。汗が蒸発しにくくなり、体内に熱がこもり続けるのです。
そこに「長時間」「睡眠なし」という条件が重なるのが24時間マラソンです。短時間のランニングであれば回復のチャンスがありますが、丸一日にわたって熱負荷・脱水・睡眠不足が積み重なると、体の防御機能そのものが破綻していきます。これが、ふだんのジョギングとは「次元の異なる過酷な負荷」である理由です。

3. 熱中症 — 軽症から命に関わる「熱射病」まで

炎天下のマラソンで最も注意すべきは、やはり熱中症です。熱中症は「めまい」程度の軽いものから、命に関わる重篤な状態まで連続しており、その境目は意外なほど短時間で越えてしまいます。
日本救急医学会は2024年7月、約9年ぶりに「熱中症診療ガイドライン2024」を改訂しました。従来のI〜III度の3段階に加え、III度のなかでも特に重篤な最重症群を「IV度」として新たに定義したのが大きな変更点です。
重症度 主な症状 対応の目安
I度
(軽症)
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、こむら返り(筋肉のけいれん・痛み) 涼しい場所で休み、水分・塩分を補給。改善しなければ受診
II度
(中等症)
頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感、集中力・判断力の低下 医療機関の受診が必要
III度
(重症)
意識障害・けいれんなどの中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常 ただちに救急要請。入院・集中治療を要する
IV度
(最重症)
深部体温40.0℃以上、かつ深い意識障害(GCS8以下)を伴う状態(2024年新設) 救命のため、速やかな積極的冷却を含む集学的治療が必要
出典:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」(2024年7月公表)
最も危険なのが「熱射病(重症の熱中症)」です
重症化すると、意識障害、40度を超える高体温、肝臓や腎臓の障害などが起こり、短時間で命に関わる状態になることがあります。「ただの夏バテ」「水を飲めば治る」という感覚は通用しません。応答がおかしい・呼びかけに反応しないといった様子があれば、迷わず救急要請が必要です。

4. 見落とされがちな「脱水」と心臓への負担

熱中症と並んで警戒すべきなのが脱水症です。高温下での運動では、発汗量が1時間あたり1〜1.5リットルに達することもあります。これは、補給が追いつかなければあっという間に体の水分が失われる量です。
脱水が進むと血液が濃縮されてドロドロになり、心臓はより速く拍動して全身に血液を送ろうとします。その結果、心臓への負担が増し、不整脈、まれに心停止や突然死につながる可能性もあります。マラソンのような持久運動中の突然死は、まさにこの心臓への過剰な負荷が一因となって起こり得ます。
⚠️ 「のどが渇いてから飲む」では遅い
のどの渇きを感じた時点で、すでに体は脱水傾向にあります。暑い時期の運動では、のどが渇く前から、こまめに水分と塩分(電解質)を補給することが基本です。

5. 夜も終わらない暑さと、睡眠不足という落とし穴

24時間マラソンの怖さは、日中の暑さだけではありません。猛暑日が続くと、都市部では夜間も気温や湿度が下がりにくく、体に熱がこもり続けます。本来であれば夜間に体を回復させたいところが、ヒートアイランド現象によってその回復のチャンスが奪われてしまうのです。
さらに、24時間という時間そのものが大きな負担になります。睡眠不足によって判断力や注意力が低下すると、自分自身の体の異変にも気づきにくくなります。「少しおかしい」というサインを見逃したまま走り続けてしまうと、転倒事故や、熱中症の重症化を早めることにもつながりかねません。

6. WBGT(暑さ指数)と熱中症警戒アラートを行動の目安に

「今日は運動して大丈夫な暑さか」を判断するうえで役立つのが、WBGT(暑さ指数)です。これは気温だけでなく、湿度・日射や輻射熱までを取り入れた指標で、熱中症のリスクをより正確に反映します。環境省は、このWBGTをもとに「熱中症警戒アラート」を発表しています。
2026年(令和8年度)も、4月22日から10月21日までこの仕組みが運用されています。さらに、2024年に創設された「熱中症特別警戒アラート」は、都道府県内のすべての地点で翌日のWBGTが35以上になると予測される場合に発表される、過去に例のない危険な暑さを知らせる最上位の警報です(これまで発表された実績はなく、それだけ異例の事態を意味します)。
アラート 発表の目安(WBGT) 求められる行動
熱中症
警戒アラート
予報区内のいずれかの地点で日最高WBGT33以上の予測 涼しい環境で過ごし、こまめに休憩・水分補給。屋外の運動は原則控える
熱中症特別
警戒アラート
都道府県内の全地点で翌日のWBGT35以上の予測 過去に例のない危険な暑さ。イベント・運動の中止や延期を主催者が判断すべき水準
出典:環境省「令和8年度 熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用について」
💡 ポイント
環境省は、特別警戒アラートが出るような状況では、イベント主催者や管理者に対し、運動・外出・イベントの「中止・延期・変更」を判断するよう求めています。つまり、「がんばって続ける」のではなく「やめる勇気」が、医学的にも公的指針の上でも正しい場面があるということです。

7. この夏、運動するときの実践ポイント

ここまで読むと「夏は運動しないほうがいいのか」と感じるかもしれませんが、そうではありません。条件を整えれば、運動は健康の大きな味方です。一般の方が暑い時期に体を動かすときに、押さえておきたいポイントを挙げます。
✅ 夏の運動・5つの基本
① 時間帯を選ぶ:日中の最も暑い時間(10〜16時頃)を避け、早朝や日没後に。
② 暑さに体を慣らす(暑熱順化):いきなり長時間ではなく、数日〜2週間かけて徐々に。
③ こまめな水分・塩分補給:のどが渇く前から。大量の発汗時は電解質も忘れずに。
④ WBGT・アラートを確認:警戒アラート発表時は屋外運動を控える勇気を。
⑤ 体調が少しでも悪ければ中止:めまい・頭痛・吐き気は中止のサインです。
とくに、高血圧・糖尿病・心臓病などの持病がある方、ご高齢の方、ふだん運動習慣のない方は、脱水や心臓への負担の影響を受けやすくなります。「夏から運動を始めたい」「持病があるが運動しても大丈夫か知りたい」という方は、無理に独力で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。

8. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「私自身もフルマラソンを走るランナーですから、挑戦する方々の気持ちは痛いほど分かります。だからこそ、医師としては安全を最優先にお伝えしたいのです。酷暑下の長時間ランニングは、軽い体調不良が一気に命の危険へと変わりうる、特別な負荷です。

当院では、夏の体調管理や熱中症のご相談はもちろん、生活習慣病をお持ちの方の運動の可否、海外マラソンや登山など渡航・スポーツ前の健康チェックまで、内科・旅行医学の両面からサポートしています。『この暑さで動いて大丈夫だろうか』と迷ったら、どうぞお気軽にご相談ください。」

9. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 35度超の酷暑下で長時間走り続けるのは、ふだんの運動とは次元の異なる過酷な負荷です
✅ 熱中症は軽症から命に関わる熱射病まで連続し、2024年改訂のガイドラインではI〜IV度に分類されます
✅ 高温下では発汗が1時間1〜1.5Lに達し、脱水・血液濃縮が不整脈や突然死のリスクを高めます
✅ 都市部は夜も暑さが続き、睡眠不足が体の異変への気づきを鈍らせます
✅ WBGT(暑さ指数)と熱中症警戒アラートを行動の目安にし、危険な日は「やめる勇気」を
✅ 夏の運動や持病をお持ちの方の運動の可否は、かかりつけ医にご相談を
今回の取材にご協力くださった光文社「女性自身」編集部の皆さまに、心より御礼申し上げます。当院では、今後も信頼できる医療情報を、メディアやブログを通じて発信してまいります。

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