健診で「骨密度が低い」と言われたら|骨粗鬆症の診断基準と、糖尿病で骨折リスクが上がる理由(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版対応)|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

〒108-0074
東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
03-6432-5353
人のアイコンスタッフ募集 WEB問診 オンライン診療 instagtamのアイコン Xのアイコン
ヘッダー画像

ブログ

健診で「骨密度が低い」と言われたら|骨粗鬆症の診断基準と、糖尿病で骨折リスクが上がる理由(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版対応)|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健診で「骨密度が低い」と言われたら|骨粗鬆症の診断基準と、糖尿病で骨折リスクが上がる理由(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版対応)

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症/日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医)

健康診断や人間ドックで「骨密度がやや低めです」「骨量減少があります」と指摘され、そのまま様子を見てしまっている方は少なくありません。糖尿病や脂質異常症のように数値がはっきり異常値になるわけではないため、優先順位が下がりやすいのが実情です。しかし骨粗鬆症は、骨折して初めて気づく「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれ、背骨や太ももの付け根の骨折は寝たきりや要介護状態に直結することがあります。

2025年8月、10年ぶりに『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』が全面改訂され、新しい治療薬や骨折リスク評価の考え方が整理されました。また、糖尿病診療を専門とする立場から強調したいのは、「骨密度の数値が正常でも、糖尿病があると骨折しやすくなる」という、意外に知られていない事実です。この記事では、白金高輪(港区)の当院(五良会クリニック白金高輪・東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分)の理事長・五藤良将が、健診での骨密度の見方から、糖尿病との関係、最新の治療薬までを整理してお伝えします。

📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)
① 結論:骨密度低下=ただちに骨粗鬆症ではありません
② 骨粗鬆症とは? 骨折して初めて気づく「サイレントディジーズ」
③ 診断基準|YAM値・骨密度検査(DXA法)の見方
④ 健診・骨粗鬆症検診で骨密度を測る機会
⑤ 骨粗鬆症の原因とリスク因子
⑥ 見落とされがちな関係|糖尿病があると骨密度が正常でも骨折しやすい
⑦ ステロイド・甲状腺の病気など、ほかの代謝疾患と骨の関係
⑧ 骨折リスク評価ツール「FRAX®」とTBS
⑨ 治療の考え方|骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版(10年ぶり改訂)
⑩ 治療薬の選び方|骨吸収抑制薬・骨形成促進薬
⑪ 生活でできる骨対策|カルシウム・ビタミンD・運動・転倒予防
⑫ 内科でできること|血液検査・骨代謝マーカーからの総合評価
⑬ 理事長コメント
⑭ よくあるご質問(FAQ・8問)
⑮ まとめ
📚 あわせて読みたい関連記事
🏥 ご予約・クリニック案内

1. 結論:骨密度低下=ただちに骨粗鬆症ではありません

この記事の結論

① 健診での「骨密度低下」の多くは骨量減少(骨粗鬆症予備群)の段階で、ただちに骨粗鬆症と診断されるわけではありません
② 診断は骨密度(YAM値)と脆弱性骨折の有無を組み合わせて行います
糖尿病があると、骨密度の数値が正常でも骨折リスクが上がることが知られています
④ 2025年8月に10年ぶり改訂された最新ガイドラインでは、骨折リスクに応じた治療薬の選び方が整理されました

骨粗鬆症は、閉経後の女性や高齢者に多い病気というイメージがありますが、実際には糖尿病・ステロイド治療中・甲状腺の病気など、内科で診ている多くの方に関わる病気です。当院は港区・白金高輪で内科・糖尿病内科・血液内科を診療しており、健診結果の相談の延長として骨の健康もあわせてご案内しています。

2. 骨粗鬆症とは? 骨折して初めて気づく「サイレントディジーズ」

骨粗鬆症は、骨の強度(骨密度と骨質)が低下し、軽い衝撃でも骨折しやすくなる病気です。痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進行するため、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれています。多くの方は、背骨(椎体)がいつのまにか押しつぶれる「いつのまにか骨折」や、転倒による太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折で初めて気づきます。

大腿骨近位部骨折は、そのまま歩行機能が低下し、要介護状態や寝たきりにつながる代表的な原因のひとつです。骨折を防ぐことは、健康寿命を延ばすことに直結します。

⚠️ 「いつのまにか骨折」に注意

背中や腰の軽い痛み、身長が縮んだ、背中が丸くなったといった変化は、気づかないうちに椎体(背骨)が骨折しているサインのことがあります。健診での身長測定の変化も見逃さないようにしましょう。

3. 診断基準|YAM値・骨密度検査(DXA法)の見方

骨密度検査の標準的な方法はDXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)で、腰椎や大腿骨近位部の骨密度を測定します。結果はYAM値(Young Adult Mean:20〜44歳の健康な同性の平均骨密度を100%としたときの割合)で示されます。

原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版・日本骨代謝学会/日本骨粗鬆症学会)では、脆弱性骨折(軽微な外力による骨折)の有無を軸に、以下のように診断します。

状況 骨密度の条件 診断
椎体・大腿骨近位部の脆弱性骨折あり 骨密度の値を問わない 骨粗鬆症
それ以外の部位の脆弱性骨折あり YAM 80%未満 骨粗鬆症
脆弱性骨折なし YAM 70%以下(または-2.5SD以下) 骨粗鬆症
脆弱性骨折なし YAM 70%超〜80%未満 骨量減少(骨粗鬆症予備群)

健診の「骨密度低下」の多くはこの段階

健診・人間ドックのオプション検査で「骨量減少」と記載される場合、多くはYAM 70〜80%の骨粗鬆症予備群にあたります。骨粗鬆症そのものではありませんが、生活習慣の見直しや、リスク因子がある場合の精密検査のタイミングです。

4. 健診・骨粗鬆症検診で骨密度を測る機会

骨密度検査は、40〜74歳を対象とする特定健康診査(特定健診)の標準項目には含まれていません。一方、健康増進法に基づき、多くの自治体が「骨粗鬆症検診」として、年度内に40・45・50・55・60・65・70歳を迎える女性を対象に、問診と骨密度測定(超音波法やMD法など簡易的な方法が中心)を実施しています。自己負担は数百円程度、対象年齢によっては無料となる自治体もあります。

当院のMD法|被ばく量を抑えて手軽に測定できます

当院ではMD法による骨密度測定をご案内しています。手のひらをアルミニウム板とともにX線撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比較して骨密度を評価する方法で、1回の撮影で完結し、DXA法や一般的なX線検査と比べても被ばく量を抑えられるのが利点です。精密さの面ではDXA法に一歩譲りますが、まず骨密度の傾向をつかみ、必要な方にDXA法での精密検査や治療をご案内する「入り口」の検査として、健診の延長で気軽に受けていただけます。

人間ドックのオプション検査としてDXA法での骨密度測定を選べる施設もあります。閉経後の女性、50歳以上の男性、糖尿病・関節リウマチ・ステロイド治療中などリスク因子がある方は、自治体検診や人間ドックのタイミングで一度測定しておくことをおすすめします。

健診で「骨量減少」「骨密度低下」と言われた方へ

健診結果をお持ちいただければ、追加の検査が必要かどうかをご相談いただけます。

WEB予約はこちら

5. 骨粗鬆症の原因とリスク因子

骨粗鬆症の大部分を占める原発性骨粗鬆症は、加齢と閉経(女性ホルモン・エストロゲンの低下)が主な原因です。一方、ほかの病気や薬剤が原因となる続発性骨粗鬆症もあり、原因疾患の治療とあわせて骨の管理が必要になります。

分類 主な原因・危険因子
原発性 加齢、閉経、やせ(低体重)、喫煙、過度な飲酒、運動不足、カルシウム・ビタミンD摂取不足、家族歴
続発性(内分泌・代謝性) 糖尿病、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、性腺機能低下症、クッシング症候群
続発性(薬剤性) ステロイド(グルココルチコイド)の長期使用、一部の抗てんかん薬、性ホルモン低下療法
続発性(消化管・その他) 胃切除後、炎症性腸疾患、関節リウマチ、慢性腎臓病

6. 見落とされがちな関係|糖尿病があると骨密度が正常でも骨折しやすい

当院で糖尿病診療にあたっていて、患者さんにあまり知られていないと感じるのがこの点です。骨の強さ(骨強度)は、骨密度が約7割、骨質が約3割を占めると考えられています。糖尿病、とくに2型糖尿病では、骨密度そのものは正常、あるいはむしろ高めであっても、骨質が低下することで骨折リスクが上がるという、一見矛盾するような現象が知られています。

これは、インスリンが骨をつくる細胞(骨芽細胞)を刺激する働きを持つため、インスリンの作用不足が骨形成の低下につながること、また高血糖により骨のコラーゲン線維に終末糖化産物(AGEs)が蓄積し、骨の「しなり」やねばり強さ(骨質)が損なわれることなどが関係すると考えられています。

糖尿病の方の骨折リスク

2型糖尿病では骨折リスクがおよそ1.3〜2.8倍、1型糖尿病ではより高く3〜7倍に上昇するとの報告があります。「骨密度検査の数値が正常だから安心」とは言い切れないのが糖尿病の特徴で、血糖コントロールと並行して、転倒予防や骨質を意識したケアが重要になります。

SGLT2阻害薬やチアゾリジン薬など、一部の糖尿病治療薬は骨折リスクへの影響が指摘されているものもあります。自己判断で薬を中止せず、骨の状態が気になる場合は主治医にご相談ください。

DIABETES CLINIC
🩸 当院の糖尿病内科のご案内
五良会クリニック白金高輪では、糖尿病協会登録医による糖尿病・生活習慣病の外来診療を行っております。
血糖・血圧・脂質に加え、骨の健康も含めた包括的な管理をご提案します。
✅ 健診で血糖・HbA1c高値を指摘された方
✅ 骨密度検査の結果についてあわせて相談したい方
✅ インスリン導入・離脱の相談
✅ 転倒予防・フレイル対策を含めた総合的な管理を希望の方
お気軽にご相談ください。

7. ステロイド・甲状腺の病気など、ほかの代謝疾患と骨の関係

糖尿病以外にも、内科で診療する病気や治療の中には、骨密度・骨質に影響するものがあります。

ステロイド(グルココルチコイド)は、関節リウマチ・膠原病・喘息などで長期に使われることがありますが、骨形成を強く抑制し、開始から数か月という比較的早い時期から骨折リスクが上昇することが知られています。ステロイドを一定量・一定期間以上使用する場合は、骨粗鬆症の予防的な治療をあわせて検討します。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)副甲状腺機能亢進症では、骨代謝の回転が速まり骨量が減少しやすくなります。健診でLDLコレステロールや中性脂肪、甲状腺の異常を指摘された方は、骨密度もあわせて確認しておくと安心です。

8. 骨折リスク評価ツール「FRAX®」とTBS

FRAX®(Fracture Risk Assessment Tool:骨折リスク評価ツール)は、年齢・性別・体格に加え、骨折歴、両親の大腿骨近位部骨折歴、喫煙、ステロイド使用、関節リウマチ、過度の飲酒などの危険因子を入力し、今後10年間の骨折確率を推定するツールです。骨密度の数値だけでは見えにくいリスクを補い、治療を開始するかどうかの判断材料になります。

近年は、腰椎DXA画像の骨梁パターンから骨質を評価するTBS(Trabecular Bone Score)をFRAX®と組み合わせることで、骨折の予測精度がさらに高まることが分かってきました。骨密度は正常域でも骨質が低下しやすい糖尿病の方の骨折リスク評価においても、TBSは有用な補助情報とされています。

9. 治療の考え方|骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版(10年ぶり改訂)

📌 2025年8月、10年ぶりの大改訂

日本骨粗鬆症学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団による『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』が発行されました(旧版は2015年版)。Mindsの作成マニュアルに沿ってエビデンスに基づき刷新され、ゾレドロン酸、アバロパラチド、ロモソズマブといった新しい治療薬が新たに位置づけられたほか、米国骨代謝学会(ASBMR)/米国骨粗鬆症財団(NOF)が2024年に発表した治療アルゴリズムを踏まえ、骨折リスクの高さに応じた治療目標と初期治療薬の選び方が整理されました。
出典:日本骨粗鬆症学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』2025年8月1日発表

新しいアルゴリズムでは、骨折歴のない方、2年より前に骨折歴のある方、そして直近の骨折や複数の骨折があり差し迫った骨折リスク(imminent fracture risk)がある方に分類し、椎体・大腿骨近位部の骨折がある場合には、まず骨をつくる働きを持つ薬(骨形成促進薬)を第一選択とする考え方が明確になりました。骨密度の値だけでなく、「これまでに骨折したことがあるか」「今後どれくらい骨折しやすいか」を踏まえて治療薬を選ぶ流れです。

10. 治療薬の選び方|骨吸収抑制薬・骨形成促進薬

骨粗鬆症の治療薬は、大きく「骨が壊れる(吸収される)のを抑える薬」「骨をつくる働きを助ける薬」に分けられます。

分類 主な薬剤(商品名・承認日) 特徴
骨吸収抑制薬(ビスホスホネート・内服) アレンドロン酸(週1回・月1回)、リセドロン酸(週1回・月1回・4週に1回) 治療の基本薬。空腹時に十分な水で服用し、服用後30分は横にならないなどの服薬指導が必要
骨吸収抑制薬(ビスホスホネート・注射) イバンドロン酸(月1回静注)、ゾレドロン酸=リクラスト(年1回点滴静注、2016年9月28日承認) 内服の継続が難しい方に適する。年1回点滴は服薬アドヒアランスの課題を補える
骨吸収抑制薬(抗RANKL抗体) デノスマブ=プラリア(半年に1回皮下注、2013年3月25日承認) 骨吸収を強力に抑制。中止すると急激に骨密度が低下し、椎体骨折のリバウンドが起こり得るため、中止する場合は他剤への切り替えを検討します
骨吸収抑制薬(SERM) ラロキシフェン=エビスタ(2004年1月29日承認)、バゼドキシフェン=ビビアント(2010年7月23日承認) 閉経後女性が対象。乳房・子宮への影響は次項で解説
骨形成促進薬(副甲状腺ホルモン関連) テリパラチド=フォルテオ(1日1回自己注射、2010年7月23日承認)、テリパラチド酢酸塩=テリボン(週1回医療機関で注射、2011年9月26日承認)、アバロパラチド=オスタバロ(1日1回自己注射、2022年8月31日承認) 「骨折の危険性が高い骨粗鬆症」が対象。投与期間に上限あり(フォルテオ・テリボンは24カ月、アバロパラチドは18カ月まで)
骨形成促進+吸収抑制 ロモソズマブ=イベニティ(月1回皮下注を12カ月間、2019年1月8日承認) 骨密度上昇効果が大きい。心血管疾患の既往がある方は慎重投与
骨代謝の調整 活性型ビタミンD3=エルデカルシトール(エディロール、2011年1月21日承認)ほか、ビタミンK2製剤 単独よりも他剤との併用で用いられることが多い

椎体・大腿骨近位部・非椎体、3つの骨折すべてに抑制効果が確認されている薬剤

アレンドロン酸、リセドロン酸、ゾレドロン酸、デノスマブ、ロモソズマブの5種類です。骨折リスクが高い方では、これらが優先的に検討されます。
出典:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版

SERM(エビスタ・ビビアント)と乳がんの関係

ラロキシフェン(エビスタ)は、骨にはエストロゲン様に、乳房・子宮には抗エストロゲン様に作用するSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)です。米国・オーストラリアでは、閉経後で乳がんリスクが高い女性を対象に浸潤性乳がんの発症リスクを低下させる適応も承認されており、乳がん高リスク女性を対象としたSTAR試験(タモキシフェンとの比較試験)では、タモキシフェンとほぼ同程度に浸潤性乳がんの発症を抑制したと報告されています。ただし、日本ではこの乳がんリスク低減の適応は承認されておらず、あくまで「閉経後骨粗鬆症」の治療薬としての位置づけです。乳がんの治療そのものを目的として処方する薬剤ではない点にご注意ください。

11. 生活でできる骨対策|カルシウム・ビタミンD・運動・転倒予防

✅ 薬物治療にあわせて取り組みたいこと
カルシウム:食事から1日700〜800mgを目安に(乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など)
ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。魚類・きのこ類、適度な日光浴も有効
ビタミンK:骨の形成に関わる。納豆や緑黄色野菜に多く含まれる
運動:ウォーキングなどの荷重運動と、片脚立ちやスクワットなどの筋力・バランストレーニングを併用
禁煙・節酒:喫煙、過度な飲酒は骨密度低下の危険因子
転倒予防:室内の段差解消、照明の確保、滑りにくい履物の選択

骨粗鬆症の治療は「薬を飲めば終わり」ではなく、栄養・運動・転倒予防の3本柱と薬物治療を組み合わせることが基本です。とくに高齢の方では、骨密度がそれほど低くなくても、転倒そのものを防ぐ生活環境の整備が骨折予防に直結します。

12. 内科でできること|血液検査・骨代謝マーカーからの総合評価

当院では、健診で骨密度低下や骨量減少を指摘された方に対して、血液検査による続発性骨粗鬆症の原因検索(甲状腺機能、カルシウム・リン、肝機能・腎機能など)や、骨代謝マーカー(骨形成マーカー・骨吸収マーカー)による骨代謝の状態評価、MD法による骨密度測定をご案内しています。糖尿病・脂質異常症など生活習慣病で通院中の方は、通常の診療の中であわせて相談いただくことも可能です。

マーカー 反映する働き 主に効果判定で使う治療薬
P1NP(I型プロコラーゲンN-プロペプチド) 骨形成(骨をつくる働き) テリパラチド、アバロパラチドなど骨形成促進薬
TRACP-5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b) 骨吸収(骨が壊される働き) ビスホスホネート、デノスマブなど骨吸収抑制薬

骨密度(DXA法・MD法)の変化としてあらわれるまでには数カ月〜数年かかることがありますが、骨代謝マーカーは治療開始からおおむね3〜6カ月という早い段階で変化が確認できるため、服薬の効果や継続の必要性を早期に判断する材料として活用しています。当院では、日本骨粗鬆症学会 骨代謝マーカー検討委員会編『骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイド2018年版』に基づき、治療開始前後の数値を比較して評価しています。

骨密度測定(DXA法)自体は骨密度測定装置のある医療機関での実施となるため、必要に応じて連携医療機関をご紹介します。

13. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「糖尿病診療をしていると、血糖値やコレステロールには気を配っていても、骨の健康まで意識されている方はまだ多くないと感じます。『骨密度が正常だから大丈夫』とは言い切れないのが糖尿病の怖いところで、骨質という見えにくい部分にも目を向ける必要があります。健診で骨密度の低下を指摘された方はもちろん、糖尿病やステロイド治療中の方も、一度骨の健康について相談する機会を持っていただければと思います。」

日本抗加齢医学会専門医/日本糖尿病協会登録医/日本旅行医学会認定医

14. よくあるご質問(FAQ・8問)

Q. 健診で「骨量減少」と言われましたが、すぐに治療が必要ですか?
A. 骨量減少(YAM 70〜80%)の段階では、多くの場合すぐに薬物治療が必要になるわけではありません。ただし、糖尿病やステロイド使用などのリスク因子がある方、過去に骨折歴がある方は、FRAX®などを用いた評価をおすすめします。
Q. 骨密度検査は痛みがありますか? 健診で毎回受けるべきですか?
A. DXA法は痛みのないX線検査で、数分で終わります。毎年の健診で必須というわけではありませんが、閉経後の女性やリスク因子がある方は、数年に一度を目安に測定することが推奨されています。
Q. 糖尿病の治療をしていれば、骨折リスクの心配はいりませんか?
A. 血糖コントロールは骨の健康にとっても重要ですが、それだけで骨折リスクがゼロになるわけではありません。骨密度検査や、転倒予防を含めた生活面のケアもあわせて意識していただくことをおすすめします。
Q. 男性も骨粗鬆症検診の対象になりますか?
A. 自治体の骨粗鬆症検診は女性の節目年齢(40・45・50・55・60・65・70歳など)を対象とすることが一般的です。男性でも、ステロイド使用や糖尿病、性腺機能低下などのリスク因子がある場合は、人間ドックのオプション検査や医療機関での測定をご検討ください。
Q. サプリメントだけで骨粗鬆症は予防できますか?
A. カルシウム・ビタミンD・ビタミンKの摂取は大切ですが、すでに骨粗鬆症と診断された方や骨折リスクが高い方では、サプリメントだけでは不十分なことが多く、薬物治療の併用が検討されます。
Q. ステロイドを長く使っています。どのタイミングで骨の相談をすればよいですか?
A. ステロイドは開始から比較的早い時期に骨折リスクが上がるため、一定量・一定期間以上の使用が見込まれる時点で、骨密度検査や予防的な治療の検討を主治医と相談することをおすすめします。
Q. 骨粗鬆症の治療薬に副作用はありますか?
A. 薬剤ごとに異なりますが、ビスホスホネート製剤では顎骨壊死や非定型大腿骨骨折、注射薬では投与部位反応などが知られています。頻度は高くありませんが、歯科治療の予定がある場合は事前に主治医・歯科医の双方にお伝えください。
Q. 骨密度検査の結果を持っていない場合、当院で対応できますか?
A. 健診結果がお手元になくても、問診と血液検査からリスク評価を行い、当院のMD法での骨密度測定や、必要に応じてDXA法での測定が可能な医療機関のご紹介ができます。まずはお気軽にご相談ください。
Q. エビスタ(ラロキシフェン)には乳がんを予防する効果もあるのですか?
A. 米国・オーストラリアでは、閉経後で乳がんリスクが高い女性を対象に浸潤性乳がんの発症リスクを低下させる適応が承認されており、STAR試験ではタモキシフェンとほぼ同程度の抑制効果が報告されています。ただし日本ではこの適応は承認されておらず、あくまで「閉経後骨粗鬆症」の治療薬としての位置づけです。

15. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行し、骨折して初めて気づくことが多い病気です
✅ 診断はYAM値(骨密度)と脆弱性骨折の有無を組み合わせて行います。健診の「骨量減少」の多くは予備群の段階です
糖尿病があると、骨密度の数値が正常でも骨折リスクが上がることがあります(骨質の低下)
✅ ステロイド使用や甲状腺の病気なども、骨粗鬆症の原因になり得ます
FRAX®やTBSを用いることで、骨密度だけでは見えにくい骨折リスクを評価できます
✅ 2025年8月、10年ぶりに骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインが改訂され、骨折リスクに応じた薬剤選択が整理されました
✅ 治療薬はビスホスホネート・デノスマブ・SERM・テリパラチド関連薬・ロモソズマブなど作用機序ごとに使い分けます。エビスタの乳がんリスク低減適応は日本未承認です
P1NP(骨形成)・TRACP-5b(骨吸収)の血液検査で、骨密度の変化より早く治療効果を確認できます
✅ 当院のMD法は被ばく量を抑えて手軽に測定できる入り口の検査です
✅ 治療は薬物治療+カルシウム・ビタミンD・運動・転倒予防の組み合わせが基本です
✅ 健診結果をお持ちいただければ、当院で追加検査の必要性をご相談いただけます
参考文献・出典
1. 日本骨粗鬆症学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』2025年8月1日発表(10年ぶりの全面改訂。旧版は2015年版であることをweb検索で確認)
2. 日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)」Osteoporosis Japan 21巻1号、2013年
3. 米国骨代謝学会(ASBMR)/米国骨粗鬆症財団(NOF)2024年治療アルゴリズム
4. リクラスト点滴静注液5mg(ゾレドロン酸水和物)添付文書、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認情報(2016年9月28日承認)
5. イベニティ皮下注(ロモソズマブ)添付文書、PMDA承認情報(2019年1月8日承認)
6. オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg(アバロパラチド酢酸塩)添付文書、PMDA承認情報(2022年8月31日承認、2022年11月16日薬価収載)
7. プラリア皮下注60mgシリンジ(デノスマブ)添付文書、PMDA承認情報(2013年3月25日承認)
8. ビビアント錠20mg(バゼドキシフェン酢酸塩)添付文書、PMDA承認情報(2010年7月23日承認)
9. フォルテオ皮下注キット600μg(テリパラチド[遺伝子組換え])添付文書、PMDA承認情報(2010年7月23日承認、当初投与期間上限18カ月・2011年5月に24カ月へ変更)
10. テリボン皮下注用56.5μg(テリパラチド酢酸塩)添付文書、PMDA承認情報(2011年9月26日承認)
11. エディロールカプセル0.5μg(エルデカルシトール)添付文書、PMDA承認情報(2011年1月21日承認)
12. エビスタ錠60mg(塩酸ラロキシフェン)添付文書、PMDA承認情報(2004年1月29日承認・国内適応は閉経後骨粗鬆症のみ)。米国・オーストラリアでの乳がんリスク低減適応およびSTAR試験(The Journal of the American Medical Association, 2006)は日本未承認である旨を明記
13. 日本骨粗鬆症学会 骨代謝マーカー検討委員会編『骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイド2018年版』
14. 厚生労働省「健康増進事業(骨粗鬆症検診)」に関する資料
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個々の診断・治療方針を示すものではありません。骨密度・骨折リスクの評価や治療薬の選択は、必ず医師にご相談のうえ判断してください。
GORYOKAI CLINIC SHIROKANE-TAKANAWA
五良会クリニック白金高輪
内科・小児科・消化器内科・血液内科・内視鏡検査・糖尿病内科・アレルギー科
内科 小児科 消化器内科 血液内科 内視鏡
糖尿病内科 アレルギー科 予防接種 健康診断 渡航医学
〒108-0074 東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分
診療時間 日・祝
10:00〜13:00 10:00

15:00
10:00

15:00
14:30〜19:00

休診日:火曜日/土・日・祝は10:00〜15:00(最終受付14:30)


WEB予約
前日まで

当日WEB予約
CLINICS(当日順番)

WEB問診
事前入力でスムーズ

LINE
公式アカウント

Instagram
1F公式

電話
03-6432-5353

理事長 五藤 良将