健診で「便潜血陽性」と言われたら ― 「痔のせい」と放置してはいけない理由と大腸内視鏡検査|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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健診で「便潜血陽性」と言われたら ― 「痔のせい」と放置してはいけない理由と大腸内視鏡検査|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健診で「便潜血陽性」と言われたら ― 「痔のせい」と放置してはいけない理由と大腸内視鏡検査

健診で「便潜血陽性」と言われたら ― 「痔のせい」と放置してはいけない理由と大腸内視鏡検査

執筆:五良会クリニック白金高輪|院長 玉井博修(日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 専門医・指導医)
共著:医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)

皆さま、こんにちは。五良会クリニック白金高輪です。本記事は、消化器・内視鏡・肝臓の専門医である院長・玉井博修と、理事長・五藤良将の共著でお届けします。6月から7月は職場健診・自治体健診の結果が手元に届く季節です。その中で意外に多くの方が受け取るのが、「便潜血陽性(要精密検査)」という判定です。

結論からお伝えします。便潜血が1回でも陽性になったら、「もう一度便潜血検査でやり直す」のではなく、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けてください。「2回のうち1回だけだから」「痔があるから」という自己判断での放置は、早期の大腸がんを見逃す典型的なパターンです。この記事では、便潜血検査の仕組みから、陽性を放置してはいけない理由、大腸内視鏡検査の実際の流れまで、消化器内科・内視鏡を専門とする当院が詳しく解説します。

1. 便潜血検査とは ― 何を調べているのか

便潜血検査は、便の中に混じった目に見えない微量の血液(ヒトヘモグロビン)を検出する検査です。現在の健診で行われているのは「免疫法」と呼ばれる方法で、ヒトの血液だけに反応するため、食事(肉や魚)の影響を受けません。検査前の食事制限が不要なのはこのためです。

大腸がんやポリープの表面は傷つきやすく、便が通過する際にわずかな出血を起こすことがあります。この出血をとらえるのが便潜血検査の目的です。厚生労働省のがん検診指針では、40歳以上の方に年1回、便潜血検査(2日法)を受けることが推奨されています。

「2日法」の意味

大腸がんからの出血は毎日続くとは限らず、出血する日としない日があります。そのため2日分の便を調べて検出率を上げているのです。裏を返せば、「2回のうち1回だけ陽性」でも意味は同じ、ということになります(詳しくは次章)。

2. 「1回だけ陽性」「痔のせい」でも放置してはいけない理由

便潜血陽性の通知を受け取った方から、よくこのような声を伺います。「2回のうち1回だけだったので大丈夫だと思った」「痔があるので、そのせいだと思った」「症状が何もないから急がなくていいと思った」――どれも自然なお気持ちですが、いずれも放置してよい理由にはなりません。

「1回だけ陽性」は「陰性寄り」ではありません

前述のとおり、大腸がんからの出血は間欠的(出たり出なかったり)です。2日のうち1日だけ陽性というのは、「たまたまその日に出血をとらえた」ということであり、1回でも陽性なら精密検査の対象です。「もう一度便潜血検査を受けて陰性なら安心」という考え方は誤りで、再検査で陰性になっても一度陽性が出た事実は消えません。

「痔のせい」という自己判断が最も危険です

痔をお持ちの方でも、便潜血の原因が本当に痔だけなのかは、大腸の中を見ない限り誰にも分かりません。痔と大腸がんは併存し得ます。「痔があるから」と精密検査を受けなかった方の中から進行がんが見つかるケースは、消化器内科の現場で繰り返し経験されています。

では、便潜血陽性の方が大腸内視鏡検査を受けると、実際にはどのくらいの割合で病変が見つかるのでしょうか。目安となる数字をご紹介します。

便潜血検査を1,000人が受けた場合の目安 人数の目安
陽性と判定される方 約50〜80人
そのうち大腸がんが見つかる方 約2〜4人
前がん病変(腺腫性ポリープ)が見つかる方 約10〜30人

便潜血陽性の方のうち大腸がんが見つかるのはおおよそ2〜4%です。「思ったより低い」と感じるかもしれませんが、これは約30人に1人という決して無視できない確率です。さらに、がんの手前の段階である腺腫性ポリープまで含めると、陽性者のかなりの割合に何らかの病変が見つかります。腺腫は内視鏡検査の場でその場で切除でき、それが将来の大腸がんの予防に直結します。

3. 陽性のときの精密検査は「大腸内視鏡」一択です

便潜血陽性のあとに受けるべき精密検査は、大腸内視鏡検査(全大腸内視鏡検査)です。肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体(盲腸から直腸まで)の粘膜を直接観察します。大腸内視鏡が精密検査の第一選択とされる理由は明確です。

✅ 大腸内視鏡検査の強み
1. 精度が最も高い ― 粘膜を直接観察するため、小さな病変や平坦な病変も発見できます。
2. その場で組織検査ができる ― 疑わしい部分から組織を採取(生検)し、確定診断につなげられます。
3. その場で治療(ポリープ切除)ができる ― 前がん病変の腺腫を切除することで、大腸がんの「予防」までできる唯一の検査です。

⚠️ 精密検査を受けていない方が約3割います

自治体の大腸がん検診では、便潜血陽性となった方のうち精密検査を受けた割合(精検受診率)は70.2%(2019年度)にとどまります。つまり約3割の方が、陽性と分かっていながら精密検査を受けていません。早期発見の機会をみすみす手放してしまう、非常にもったいない数字です。

4. 大腸がんの現状 ― 罹患数は日本一多いがん

国立がん研究センターがん情報サービスの統計によると、大腸がんは年間約15万人以上が新たに診断される、日本で最も罹患数の多いがんです。死亡数も年間約5万3千人にのぼり、女性のがん死亡原因の第1位、男性でも第2位となっています(人口動態統計 2022年確定数)。

一方で、大腸がんには大きな特徴があります。それは早期に発見すれば治る可能性が非常に高いということです。粘膜内にとどまる早期の大腸がんであれば、内視鏡治療だけで完結できる場合も少なくありません。逆に進行してから見つかると、手術や抗がん剤治療が必要になり、体への負担も治療期間も大きく変わります。

早期の大腸がんには自覚症状がほとんどありません。「症状がないのに検査を受ける」ことに抵抗を感じる方は多いのですが、症状がない今こそが、最も治しやすいタイミングなのです。

5. 大腸内視鏡検査の流れ(前日〜当日)

「大腸カメラはつらそう」「準備が大変そう」というイメージをお持ちの方も多いと思います。実際の流れを知っていただくと、不安はかなり軽くなるはずです。

STEP 1 事前診察・検査予約
まず外来を受診いただき、健診結果の確認、服用中のお薬(特に抗血栓薬)のチェック、検査の説明を行います。
STEP 2 検査前日
消化の良い食事(検査食)をとり、就寝前に下剤を服用します。アルコールは控えていただきます。
STEP 3 検査当日の朝
腸管洗浄液(約1〜2リットル)を数時間かけて飲み、腸の中をきれいにします。便が透明になったら準備完了です。
STEP 4 検査(約15〜30分)
鎮静剤を使用し、ウトウトと眠ったような状態で受けていただけます。ポリープが見つかった場合は、大きさ・形により、その場で切除できることがあります。
STEP 5 検査後
リカバリースペースで休憩後、当日中に画像を見ながら結果をご説明します。鎮静剤使用時は当日の車・自転車の運転はできません。

6. よくあるご質問(FAQ)

Q. 便潜血陽性でしたが、症状は何もありません。それでも検査が必要ですか?
A. 必要です。早期の大腸がんや腺腫性ポリープはほとんど無症状です。症状が出てからでは進行していることが多く、無症状の今が最も良いタイミングです。
Q. もう一度便潜血検査を受けて、陰性なら様子を見てもいいですか?
A. おすすめできません。出血は間欠的なため、再検査で陰性になっても病変がないことの証明にはなりません。一度でも陽性が出たら大腸内視鏡検査が原則です。
Q. 検査は痛くありませんか?
A. 当院では鎮静剤を使用し、ウトウトと眠ったような状態で検査を受けていただけます。「気づいたら終わっていた」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。腹部手術歴などで挿入が難しい場合も、体位変換などで負担を減らす工夫をしています。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 便潜血陽性後の大腸内視鏡検査は保険診療です。3割負担の方で、観察のみならおおよそ7,000〜9,000円前後、組織検査やポリープ切除を行った場合は内容により2〜3万円程度が目安です(薬剤費等により変動します)。詳しくは事前診察時にご説明します。
Q. 平日は仕事があり、なかなか受けられません。
A. 当院では土曜・日曜・祝日も内視鏡検査を行っています。平日にお休みが取りにくい方こそ、週末の検査をご活用ください。夏休みなど長期休暇の時期は、検査後の予定を立てやすいのでおすすめです。

7. 当院の内視鏡検査体制 ― 土・日・祝日も検査可能

五良会クリニック白金高輪では、消化器内科・内視鏡検査を診療の柱の一つとして、便潜血陽性後の精密検査を積極的に受け入れています。

当院の内視鏡検査の特徴

土・日・祝日も内視鏡検査に対応(火曜休診)
✅ 鎮静剤を用いた、負担の少ない検査
✅ ポリープはその場で切除可能な場合あり(日帰り)
✅ 白金高輪駅2番出口 徒歩1分でアクセス良好
✅ 健診結果(要精密検査)の相談から検査後のフォローまで一貫対応

健診結果の用紙をお持ちいただければ、便潜血以外の項目(貧血、肝機能、血糖など)もあわせて内科で確認できます。「何科に相談すればいいか分からない」という段階でも、まずは1F内科外来にお気軽にご相談ください。

8. 院長・理事長コメント

💬 院長 玉井博修より
日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 専門医・指導医
「便潜血検査で2回のうち1回でも陽性なら、必ず大腸内視鏡を受けてください。『痔のせいだろう』と自己判断して精密検査を受けず、進行がんで見つかるケースを何度も経験してきました。大腸がんは早期に見つければ内視鏡治療だけで完結することも多い病気です。当院では土・日・祝日も大腸内視鏡に対応しています。」
💬 理事長 五藤良将より
「便潜血陽性は、体が出してくれた貴重なサインです。診察室で『あのとき受けておけばよかった』という言葉を聞くたびに、精密検査への一歩の重さを実感します。大腸がんは、早く見つければ治せる病気であり、腺腫の段階で切除すれば予防すらできる病気です。当院は土日祝も内視鏡検査を行っており、お仕事がお忙しい方にも受けていただきやすい体制を整えています。健診結果を手に、どうか先送りせずにご相談ください。」

9. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 便潜血検査は40歳以上で年1回(2日法)が推奨される大腸がん検診です
「2回のうち1回だけ陽性」でも精密検査の対象。便潜血の再検査で様子を見るのは誤りです
✅ 「痔のせい」という自己判断は危険。痔と大腸がんは併存し得ます
✅ 陽性者のうち大腸がんが見つかるのは約2〜4%。腺腫性ポリープまで含めると病変の発見率はさらに高くなります
✅ 精密検査は大腸内視鏡検査が第一選択。診断と同時にポリープ切除(=がん予防)まで可能です
✅ 当院は土・日・祝日も内視鏡検査に対応。健診結果をお持ちの上、お気軽にご相談ください

参考文献・出典

・国立がん研究センター がん情報サービス「がんの統計 2025」「大腸がん検診について」
・厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(便潜血検査・40歳以上・年1回)
・厚生労働省 人口動態統計(2022年確定数)
・国立がん研究センター「大腸がんファクトシート」(2025年3月公開)
・自治体大腸がん検診 精検受診率 70.2%(2019年度)

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