【2026年8月30日更新】インフルエンザが8月に全国流行入り|製造株決定・高用量ワクチン見送り・接種時期の考え方|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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【2026年8月30日更新】インフルエンザが8月に全国流行入り|製造株決定・高用量ワクチン見送り・接種時期の考え方|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

【2026年8月30日更新】インフルエンザが8月に全国流行入り|製造株決定・高用量ワクチン見送り・接種時期の考え方

【2026年8月30日更新】インフルエンザが8月に全国流行入り|2026-2027シーズンの製造株決定・高用量ワクチン見送り・接種時期の考え方

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
🚨 【速報】2026年8月、インフルエンザが全国で流行入りしました
2026年8月27日:東京都が「都内でインフルエンザが流行開始」と発表(第34週の定点当たり報告数1.49人
2026年8月28日:厚生労働省が全国の流行入りを発表(第34週の定点当たり報告数1.11人、報告患者数4,094人)
▶ 感染症法が施行された1999年以降で、2009年に次ぐ2番目に早い流行入りです
出典:東京都保健医療局 報道発表(2026年8月27日)/厚生労働省 インフルエンザの発生状況について(2026年8月28日発表・第34週)
こんにちは。五良会クリニック白金高輪の五藤良将です。まだ残暑が厳しいこの時期に、外来で「熱が出たけれど、まさか夏にインフルエンザなんてことはないですよね?」というご質問をいただくことが増えてきました。結論から申し上げますと、2026年8月時点で、インフルエンザはすでに東京都でも全国でも「流行期」に入っています。決して「まさか」ではありません。
当院では2026年5月に「【2026-2027シーズン版】インフルエンザワクチンはいつ打つのがベストか」という記事を公開し、多くの方にお読みいただきました。ただしその時点では、日本国内の製造株はまだ決定しておらず、また高用量ワクチンの取り扱いも流動的でした。その後の約4か月で、状況は大きく動いています。
本記事は2026年8月30日時点の最新情報にもとづく「追補版」です。① 8月に流行入りした現在の疫学状況、② 2026-2027シーズンの日本の製造株(決定済み)、③ 高用量インフルエンザワクチンの今シーズン見送り、④ そのうえで接種時期をどう考えるか——を、公的機関の一次情報にもとづいて整理いたします。
📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)

1. 何が起きているのか──8月に全国流行入り

インフルエンザの「流行入り」は、全国約3,000か所の定点医療機関から報告される1医療機関あたりの週間患者数が1.0人を超えたときに発表されます。この基準を、2026年は8月の時点で超えました。
項目 2026年 第34週(8月17日〜23日)
全国の定点当たり報告数 1.11人(前週 第33週は0.69人)
全国の報告患者数 4,094人
東京都の定点当たり報告数 1.49人
昨シーズンの流行入り時期 2025年 第39週(9月22日〜28日)→ 今年は1か月以上早い
過去との比較 1999年の感染症法施行以降、2009年に次いで2番目に早い
都道府県別に見ると、第34週の定点当たり報告数は沖縄県4.43人が最多で、岩手県2.10人、青森県2.08人、神奈川県1.99人、埼玉県1.83人、千葉県1.80人、茨城県1.76人、新潟県1.65人と続いています。首都圏では神奈川・埼玉・千葉がすでに全国平均を上回っており、関東は流行の中心の一つになりつつあります。
💡 「定点当たり1.0人」とはどういう意味?
決められた医療機関1施設あたり、1週間に平均1人のインフルエンザ患者さんが受診した、という意味です。実際の感染者数はこの何十倍・何百倍にもなります。なお注意報の基準は10人、警報の基準は30人です。

2. 東京都の状況(学級閉鎖は前年同期の約4倍)

東京都保健医療局が2026年8月27日に公表した報道発表資料から、白金高輪・港区にお住まいの方に関係が深い数字を抜き出してご紹介します。

■ 集団感染と学級閉鎖が急増しています

第34週に都内の学校や社会福祉施設等で発生したインフルエンザ様疾患の集団感染事例は7件報告されました。さらに深刻なのが、学級閉鎖等の臨時休業の累計数です。
都内の臨時休業(学級閉鎖等)累計 件数
2025〜2026年シーズン(2025年9月1日〜2026年8月23日) 6,377件
2024〜2025年シーズン 同時期(2024年9月2日〜2025年8月24日) 1,537件
前年同期の約4.1倍です。内訳は小学校4,250件、中学校1,477件、高等学校349件、幼稚園290件などで、小学生・中学生を中心に、家庭内へ持ち込まれるルートが太くなっていることがうかがえます。

■ 流行しているウイルスの型

型・亜型 2025〜2026年シーズン累計(2026年第31週まで)
A型 AH3(A香港型) 441件(58.3%)
B型 ビクトリア系統 288件(38.1%)
A型 AH1pdm09 27件(3.6%)
B型 山形系統 0件(0.0%)
前シーズン(2024〜2025年)はAH1pdm09が63.9%を占めていたのに対し、今回はA香港型(AH3)とB型ビクトリア系統が主役に入れ替わりました。B型山形系統は引き続き0件で、これが後述する「3価ワクチン」の根拠になっています。

■ 港区周辺の状況

第34週時点で、定点当たり患者報告数が1.0人を超えた保健所は都内31か所中20か所でした。報告数が高い順に、島しょ(11.00)、渋谷区(5.00)、町田市(4.23)、中野区(2.67)、多摩小平(2.59)、千代田(2.33)と続き、大田区(1.10)までが基準を超えています。
⚠️ 港区が「まだ低い」ことは安心材料ではありません
港区は第34週時点で1.0人を超えた20保健所には含まれていません。ただし隣接する渋谷区は5.00人と都内2番目の高さで、通勤・通学・買い物での往来を考えれば、港区に流行が波及するのは時間の問題と考えるのが自然です。「まだ来ていないうちに備える」ことこそが、いま最も効率のよい対策です。

3. 神奈川県・横浜市の状況

神奈川県は第34週の定点当たり報告数が1.99人で、東京都(1.49人)より高い水準です。横浜市はさらに早く、2026年8月19日の時点で「流行期に入った」と発表しています。
📍 横浜市の発表(2026年8月19日)
市内全体の定点医療機関当たり患者報告数は1.22人となり、流行期入りの目安(1.00人)を超えました。市内11区(神奈川区、港南区、旭区、磯子区、金沢区、港北区、緑区、都筑区、栄区、泉区、瀬谷区)で流行期入りの基準を超えています。年齢別では小児だけでなく、成人を含む幅広い年齢層から報告がありました。
「成人を含む幅広い年齢層」という一文は重要です。学校の流行だから大人は関係ない、という話ではありません。当グループの五良ファミリークリニックセンター南がある都筑区も、基準を超えた11区に含まれています。神奈川方面から白金高輪へ通勤されている方も多く、東京都内の数字だけを見て判断するのは不十分です。

4. なぜこんなに早いのか

夏のインフルエンザ流行は「異常気象だから」といった単純な話ではなく、いくつかの要因が重なった結果と考えられています。現時点で合理的に説明できる要素を挙げます。
要因 内容
① 抗原変異 A/H3N2亜型では2025年9月以降、サブクレードKのウイルスが世界的に多く検出されました。国立感染症研究所の解析でも、多くの国でK系統が優勢と報告されています。抗原性が変化すると、過去の感染やワクチンで得た免疫が効きにくくなります。
② 南半球シーズンとの接続 日本の夏は南半球の冬にあたります。南半球ではA/H3亜型の抗原変異株(サブクレードK)の出現により、この時期に一時的な増加が認められたことが国立感染症研究所から報告されています。国際的な人の往来が活発な東京では、持ち込みのリスクが相対的に高くなります。
③ B型の同時流行 都内の検出状況ではB型ビクトリア系統が38.1%を占めています。B型は例年、年明け以降に増える傾向がありますが、今シーズンは前シーズン後半から継続して検出されています。
④ 新学期の再開 夏休みが終わり多くの学校で新学期が始まることで、児童・生徒を中心に接触機会が増加します。東京都も「学校や家庭内での感染拡大に十分な注意が必要」と呼びかけています。
前シーズンは「二峰性」でした
2025-2026シーズンの日本の流行は、2025年第39週に流行入りし第47週(11月中旬)に第1のピークを迎え、いったん急速に減少したあと、2026年第6週(2月上旬)に第2のピークを記録しました。前半はA/H3亜型、後半はB/ビクトリア系統が中心でした。今シーズンも「秋に一度、年明けにもう一度」という二峰性の流行を想定しておく必要があります。
出典:厚生科学審議会 製造株検討小委員会(2026年5月26日)国立感染症研究所 参考人資料

5. 【重要更新】2026-2027シーズンの製造株が決定しました

当院の前回記事(2026年5月公開)では、「本記事掲載時点で日本国内の最終的な製造株は未決定です」とご案内していました。その後、2026年5月26日の厚生科学審議会・小委員会での審議を経て、2026年6月4日付の厚生労働省通知(感発0604第1号「令和8年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について」)により、以下の3株が正式に決定しています。
💉 令和8年度(2026/27シーズン)インフルエンザHAワクチン製造株
A型株
● A/スイス/6849/2025(IVR-278)(H1N1)
● A/ミシガン/105/2025(SAN-049A)(H3N2)

B型株
● B/東京/EIS13-175/2025(ビクトリア系統)

⚠️ 前回記事からの訂正・更新ポイント
前回記事ではWHOの推奨株(A/Missouri/11/2025様、A/Darwin/1454/2025様、B/Tokyo/EIS13-175/2025様)をご紹介していましたが、日本が実際に採用した製造株はこれとは一部異なります。WHO推奨株はあくまで「類似株を推奨する」という枠組みであり、日本では推奨の範囲内で、鶏卵での増殖性・タンパク質収量・継代による抗原性の安定性を国内3社が実測したうえで最終決定します。今シーズンは3株すべてが前シーズンから変更となりました。

■ なぜこの3株が選ばれたのか

亜型 採用株と選定理由
A/H1N1 A/スイス/6849/2025(IVR-278)。流行の主体であるサブクレードD.3.1に属します。国内3社の評価で、前シーズン製造株と比べて生産性が平均130%と良好であったことが決め手となりました。
A/H3N2 A/ミシガン/105/2025(SAN-049A)。世界的に優勢となったサブクレードKに属する株です。感染研はK系統の候補株を4株メーカーに分与し評価しましたが、継代による抗原性の変化が認められなかったのはSAN-049Aのみで、これが選定理由となりました。
B/ビクトリア B/東京/EIS13-175/2025。サブクレードC.3.1に属します。日本や韓国で増えているC.3系統は、HA分子の頭頂部(197番目のアミノ酸)に糖鎖が付加する変異を持ち、前シーズンのワクチン株に対する血清では反応性が低いことが確認されたため、株の更新が必要と判断されました。
✅ 「サブクレードK対応」であることの意味
2025-2026シーズンのワクチンを接種した方の血清は、サブクレードKのウイルスとの反応性が良くないことが確認されています。一方で、K系統に対する血清はK系統のウイルスと非常によく反応しました。今シーズンのワクチンは、いま実際に流行しているA香港型(サブクレードK)に合わせて更新されたものです。昨シーズン接種されている方も、今シーズン改めて接種する意義があります。

■ 今シーズンも「3価」です

B型山形系統は2020年3月以降、世界的に検出されていません。東京都の検出状況でも今シーズン累計0件でした。このため2024-25シーズン以降は3価ワクチン(A型2株+B型1株)に移行しており、2026-2027シーズンも3価です。

■ 供給量の見通し

小委員会の資料によると、製造効率は前シーズン比で全体として1.06倍と、おおむね昨年と同程度でした。ただしB型ビクトリア株のみ0.79倍とやや低く、委員からも供給ひっ迫を懸念する質問が出ています。メーカー側は「3株の生産スケジュールのバランス調整と製造期間の延長で、供給に支障をきたさないよう対応する」と回答しています。定期接種は10月1日開始の方向で準備が進められています。
⚠️ 医療機関ごとに納入時期が異なります
ワクチンの納入時期は医療機関ごとに異なるため、時期によっては予約が取りづらくなることがあります。港区も公式サイトで「事前に医療機関に在庫状況等を確認することをお勧めします」と案内しています。当院は2026年10月1日から接種を開始し、2027年1月31日まで接種可能です。在庫状況はお電話(03-6432-5353)またはLINEでお気軽にお問い合わせください。

6. 【重要更新】高用量ワクチンは今シーズン見送りになりました

高齢者向けの高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ®筋注」について、2026年前半には「2026年10月1日から75歳以上を対象に定期接種化」という方針が示されていました。しかし、この予定は変更されています。ご高齢のご家族の接種を検討されている方は、必ずご確認ください。
🚨 2026/27シーズンは高用量ワクチンを接種できません
サノフィ株式会社は2026年7月21日、エフルエルダ®筋注の国内発売時期を変更(延期)すると発表しました。理由は「国内製造委託先における一部製造プロセスの確立・検証に想定を上回る期間を要しており、当初の計画通りの供給が困難となった」ためです。

これを受けて厚生労働省も同日、事務連絡「令和8年度のインフルエンザに係る定期の予防接種について」を発出し、令和8年度(2026/27シーズン)の定期接種では高用量インフルエンザHAワクチンを使用しないことを周知しました。国内未発売のため、任意接種(自費)としても接種できません

時期 できごと
2024年12月27日 高用量4価インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ®筋注」として国内承認
2026年前半 第64回厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会で、2026年10月1日より75歳以上の成人を対象に定期接種化する方針が了承
2026年6月29日 日本感染症学会が「高齢者に対する高用量不活化インフルエンザワクチンの使用について〜医療機関の皆様へ〜」を公表
2026年7月21日 サノフィが発売延期を発表/厚労省が事務連絡を発出し、2026/27シーズンの定期接種導入は見送りに
✅ では高齢の方はどうすればよいのか
従来の標準用量ワクチンを、例年どおり定期接種で受けていただくのが今シーズンの答えです。高用量ワクチンが使えないことは、標準用量ワクチンの有効性が下がることを意味しません。高齢者では発症予防だけでなく重症化(肺炎・入院・死亡)を防ぐ効果が期待されており、その点は例年どおりです。

また、インフルエンザ罹患後にもっとも警戒すべき合併症は細菌性肺炎です。65歳の方は肺炎球菌ワクチン(定期接種)の対象年度でもあります。当院ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種にも対応しておりますので、この秋にまとめてご相談ください。

7. 結局、いつ打てばよいのか(8月流行入りを踏まえて)

ここが今シーズン最大の悩みどころです。前提となる2つの事実を整理します。
ワクチンの効果が出るまでと、持続する期間
港区の公式案内でも「予防接種を受けた後、免疫力がつくまでに2週間程度かかり、効果が持続するのは約5か月間」とされています。つまり10月中旬に接種すれば、おおむね11月上旬から翌年3月頃までをカバーする計算になります。
一方で、定期接種の開始は10月1日の方向で準備が進んでおり、ワクチンの納入も医療機関ごとに10月前後です。「8月に流行が始まったから今すぐ打ちたい」と思っても、物理的にワクチンがまだ手元にない——これが2026年8月30日時点の現実です。
📌 2026-2027シーズンの接種時期・当院の考え方
① 基本方針は「10月に入ったら、なるべく早く」
前回記事では「10月中〜下旬に開始し、遅くとも12月上旬までに完了」とご案内しました。今シーズンは流行が前倒しになっているため、この幅の中でもできるだけ前半(10月上旬〜中旬)に寄せることをお勧めします。

② ただし「早すぎる」不安は過度に持たなくてよい
効果は約5か月持続します。10月上旬に接種すれば、二峰性の第2波(年明け〜2月)にもある程度は届く計算です。「3月まで完璧にカバーしたいから12月まで待つ」という考え方は、その前に罹ってしまうリスクを大きく見積もるべき年です。

③ 13歳未満のお子さんは逆算が必要です
生後6か月以上13歳未満は2回接種で、間隔は2〜4週間(免疫効果を考慮すると4週間が望ましい)とされています。10月上旬に1回目、11月上旬に2回目——というスケジュールを、いまのうちに家族の予定に入れておいてください。

④ 9月中の流行に対しては、ワクチン以外の手段で凌ぐ
9月はワクチンが行き渡るまでの「空白期間」になります。この期間は手洗い・換気・咳エチケットといった基本的対策と、体調変化への早い対応が主戦力です。

📅 当院のインフルエンザワクチン接種スケジュール
接種開始:2026年10月1日(木)
接種終了:2027年1月31日(日)
✅ 定期接種(港区の高齢者インフルエンザ予防接種)・任意接種のいずれも同期間で対応いたします
✅ 火曜日は休診です。土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で接種いただけます

今シーズンは流行の立ち上がりが1か月以上早いため、10月上旬〜中旬でのご予約をお勧めしております。13歳未満のお子さんは2回接種(間隔2〜4週間、免疫効果を考慮すると4週間が望ましい)が必要ですので、10月上旬に1回目、11月上旬に2回目という組み方が、1月末の期限までの余裕も含めて最も安心です。

⚠️ 1月末で終了します
当院の接種期間は2027年1月31日までです。前シーズンは2月上旬に第2のピークがありましたので、「2月に入ってから打とう」と考えていると間に合いません。年明けに接種をお考えの方も、1月中旬までにはご予約をお願いいたします。

8. 対象者別・接種プランの考え方

対象 今シーズンの考え方
65歳以上の方 定期接種で標準用量ワクチンを。高用量は今シーズン使用できません。肺炎球菌ワクチン(65歳の方は定期接種対象)との同時接種もご検討ください。予診票が届いたら早めのご予約を。
13歳未満のお子さん 2回接種が必要です。学級閉鎖が前年の約4倍というデータを踏まえ、10月上旬に1回目を確保できるよう逆算してください。注射が苦手なお子さんには経鼻ワクチンという選択肢もあります(対象年齢・適応の確認が必要です)。
受験生 共通テスト・私大入試・二次試験は1月〜2月に集中します。効果が約5か月であることを考えると、10月中の接種がもっとも合理的です。ご家族全員での接種もあわせてご検討ください。
妊娠中の方 不活化ワクチンは妊娠のどの時期でも接種可能とされています。なお経鼻の生ワクチンは妊娠中・授乳中の方は接種できません。かかりつけの産科の先生ともご相談のうえお決めください。
糖尿病・心疾患・呼吸器疾患などをお持ちの方 重症化リスクが高い方々です。定期の外来受診にあわせて接種予定を組み込むのが確実です。当院では糖尿病内科の通院中の方に、診察と同日の接種をご案内しています。
海外渡航予定の方 渡航先が南半球か北半球かでシーズンが逆転します。当院は日本旅行医学会認定医・日本渡航医学会認定医が在籍する渡航外来を設けており、他の渡航ワクチンとの組み合わせもご相談いただけます。

9. 港区の助成制度について

⚠️ 令和8年度の制度内容は、本記事作成時点で未発表です
港区の公式サイトでは、高齢者・子どもいずれのインフルエンザ予防接種事業についても「次年度の事業については、詳細が決まり次第お知らせします」と記載されています(2026年8月30日時点)。以下は令和7年度の実績です。令和8年度の対象・期間・金額は必ず港区の最新発表をご確認ください。

■ 高齢者インフルエンザ予防接種(令和7年度実績)

項目 内容(令和7年度)
接種期間 令和7年10月1日〜令和8年1月31日
対象 満65歳以上の区民の方/満60〜64歳で心臓・じん臓・呼吸器・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害が1級の身体障害者手帳をお持ちの方
費用 無料(接種期間中1回まで)
予診票 9月下旬に対象者へ個別発送

■ 子どものインフルエンザ予防接種(令和7年度実績)

項目 内容(令和7年度)
対象 生後6か月〜高校3年生相当年齢の区民のお子さん
助成額 接種1回あたり4,500円(差額は自己負担)
助成回数 注射(HAワクチン):生後6か月以上13歳未満は2回/13歳以上高3相当までは1回
経鼻ワクチン:2歳以上高3相当まで1回
注意 注射・経鼻のいずれか1種類のみが助成対象(同一年度内に2種類の助成は不可)

10. ワクチンを待つ間にできること・発熱したときは

■ いまできる基本的な感染対策

東京都が呼びかけている対策は、こまめな手洗い・手指消毒、着用が効果的な場面でのマスク着用、休養と栄養・水分補給、換気、咳エチケットの5点です。地味ですが、ワクチンが行き渡るまでの9月を乗り切るうえでは、これが最も確実な手段です。
⚠️ 残暑の時期ならではの落とし穴
冷房のために窓を閉め切ると、換気が不十分になりがちです。また高温多湿で体力を消耗しやすく、睡眠不足や脱水があると感染に対する抵抗力も落ちます。「熱中症対策」と「感染対策」を同時に成立させる工夫——たとえば冷房を使いつつ定期的に換気する、水分と睡眠をしっかり確保する——が、この時期は特に大切です。

■ 発熱したときの受診と検査のタイミング

「夏だからインフルエンザではないだろう」という先入観は、今シーズンは捨ててください。発熱・のどの痛み・関節痛・強い倦怠感が急に出た場合は、季節を問わずインフルエンザの可能性を考える必要があります。
STEP 1 受診前にご連絡を
発熱がある場合は、来院前にお電話(03-6432-5353)またはWEB問診でご一報ください。他の患者さんとの動線を分けてご案内します。
STEP 2 検査のタイミングに注意
迅速抗原検査は発熱してすぐでは陰性に出ることがあります。受診が早すぎた場合は、時間をおいての再検査や、症状・経過・周囲の流行状況をあわせた臨床判断を行います。自己判断で「陰性だったから大丈夫」と考えないことが大切です。
STEP 3 治療と療養
抗インフルエンザ薬は発症から時間が経つほど効果が限られます。診断がついた場合の治療方針、学校・職場の出席停止期間についてもご説明します。
STEP 4 ご家族への波及を防ぐ
ご家庭内に受験生・ご高齢の方・妊娠中の方・基礎疾患をお持ちの方がいる場合は、予防投与という選択肢もあります。適応の有無を含めてご相談ください。

■ 当院の診療体制

五良会クリニック白金高輪は土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療しております(火曜休診)。平日はお仕事や学校で受診が難しい方、週末に急に発熱したお子さんにも対応できる体制です。白金高輪駅2番出口から徒歩1分という立地もあり、体調がすぐれないときでも来院いただきやすいかと思います。インフルエンザワクチンの接種も、2026年10月1日から2027年1月31日まで、同じ診療時間内で承ります。

11. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「8月にインフルエンザの流行入り、と聞いて驚かれた方も多いと思います。私自身、外来で『まだ夏なのに』というお声を毎日のように伺っています。ただ、ウイルスは暦を見て動いてくれるわけではありません。学級閉鎖が前年の4倍という数字は、それだけご家庭に持ち込まれる機会が増えているということです。

一方で、慌てて9月に何かを探し回る必要はありません。当院も10月1日から接種を開始します。いま大切なのは、ご家族全員の接種予定を9月のうちに決めておくことです。お子さんの2回接種、ご両親の定期接種の予診票、受験生の入試日程——この3つを一枚の紙に書き出すだけで、10月以降の動きが驚くほどスムーズになります。

当院は火曜以外は土日祝も診療しており、内科・小児科・糖尿病内科がひとつの場所にあります。ご家族まとめての接種のご相談も歓迎です。この秋冬を、どうか穏やかにお過ごしいただけますように。」

12. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 2026年8月27日に東京都、8月28日に全国でインフルエンザが流行入り。1999年以降で2番目に早いスタートです
✅ 都内の学級閉鎖等は前年同期の約4.1倍(6,377件 対 1,537件)。小中学校が中心です
✅ 検出されているのはA香港型(58.3%)とB型ビクトリア系統(38.1%)が中心です
✅ 横浜市は8月19日に流行期入り。神奈川県は定点1.99人で東京都より高い水準です
✅ 2026-2027シーズンの日本の製造株は2026年6月4日付通知で決定。3株すべて変更、引き続き3価です
✅ A/H3N2株は世界的に優勢なサブクレードKに対応した株に更新されました
✅ 高用量ワクチン「エフルエルダ®」は発売延期のため、今シーズンは定期接種・任意接種とも使用できません
✅ 接種時期は「10月に入ったらなるべく早く」。13歳未満の2回接種は10月上旬スタートで逆算を
✅ 9月はワクチンの空白期間。手洗い・換気・咳エチケットと、発熱時の早めの受診が主戦力です
当院の接種期間は2026年10月1日〜2027年1月31日。土日祝も接種いただけます(火曜休診)

13. よくあるご質問

Q1. 8月に流行が始まったなら、今すぐワクチンを打てますか?
A. 2026年8月30日時点では、今シーズンのワクチンはまだ流通していません。当院の接種開始は2026年10月1日、接種期間は2027年1月31日までです。9月はワクチンが行き渡るまでの空白期間になりますので、その間は手洗い・換気・咳エチケットといった基本的な対策で凌いでいただき、10月に入りましたら早めのご予約をお願いいたします。
Q2. 昨シーズンも接種しました。今シーズンも必要ですか?
A. 必要です。理由は2つあります。1つは効果の持続が約5か月とされていること。もう1つは、今シーズンは3株すべてが前シーズンから変更されていることです。特にA/H3N2は、いま流行しているサブクレードKに合わせて更新されています。昨シーズンのワクチン接種者の血清はサブクレードKのウイルスとの反応性が良くないことが確認されており、改めての接種に意義があります。
Q3. 高用量ワクチンを打ちたいのですが、どこかで受けられますか?
A. 2026/27シーズンは、国内のどの医療機関でも接種できません。エフルエルダ®筋注は国内承認は取得しているものの、発売が延期されており、市場に製品自体が存在しないためです。定期接種・任意接種のいずれも対象外となります。今シーズンは従来の標準用量ワクチンをお受けください。
Q4. すでに8月にインフルエンザにかかりました。ワクチンは打つべきですか?
A. 打つ意義があります。今シーズンはA香港型とB型ビクトリア系統の両方が流行しており、片方に罹っても、もう片方には改めて罹る可能性があります。前シーズンも前半がA/H3亜型、後半がB型という二峰性の流行でした。接種の時期については、回復してからの体調を見ながら決めますので、ご相談ください。
Q5. 10月に打つと、2月・3月まで効果がもたないのではないですか?
A. 効果の持続は約5か月とされているため、10月上旬の接種でおおむね3月上旬まではカバーできる計算になります。ただし個人差はあります。今シーズンは流行が前倒しになっているため、「後半を確実にカバーするために遅く打つ」という戦略は、その前に罹患するリスクが大きくなります。10月早期の接種をお勧めしています。
Q6. 今シーズンのワクチンは何価ですか?
A. 3価(A型2株+B型1株)です。B型山形系統は2020年3月以降、世界的に検出されておらず、東京都の検出状況でも今シーズン累計0件でした。そのため2024-25シーズン以降は3価に移行しており、2026-2027シーズンも同様です。
Q7. ワクチンの供給は足りますか?
A. 厚生科学審議会の資料では、製造効率は前シーズン比で全体1.06倍と、おおむね昨年並みでした。ただしB型ビクトリア株のみ0.79倍とやや低く、メーカー側は生産スケジュールの調整と製造期間の延長で対応するとしています。医療機関ごとの納入時期には差がありますので、早めのご予約をお勧めします。
Q8. 子どもが2回接種です。1回だけでもよいですか?
A. 生後6か月以上13歳未満は2回接種が標準です。1回のみでは十分な免疫が得られないことがあります。間隔は2〜4週間、免疫効果を考慮すると4週間が望ましいとされています。今シーズンは流行開始が早いため、10月上旬に1回目を確保できるよう、いまのうちにご予定をお組みください。
Q9. インフルエンザと新型コロナ、肺炎球菌のワクチンは同時に受けられますか?
A. 不活化ワクチン同士は同時接種が可能です。当院ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種にも対応しています。接種部位や本数、当日の体調を診たうえで組み合わせを決めますので、受診時に「まとめて相談したい」とお伝えください。
Q10. 港区の助成は今年もありますか?
A. 令和8年度の詳細は、2026年8月30日時点で港区から発表されていません(公式サイトには「詳細が決まり次第お知らせします」と記載)。令和7年度は高齢者が無料、お子さんが1回あたり4,500円の助成でした。例年、高齢者向けの予診票は9月下旬に個別発送されます。発表があり次第、当院からもご案内します。

14. 参考文献・出典

1. 東京都保健医療局.報道発表資料「東京都内でインフルエンザが流行開始 手洗い、咳エチケットなど、感染予防の徹底を」.2026年8月27日.
2. 厚生労働省.インフルエンザの発生状況について(令和8年第34週:2026年8月17日〜8月23日).2026年8月28日発表.
3. 横浜市.「インフルエンザ流行中」(令和8年8月19日 流行期入り).横浜市感染症情報センター.
4. 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長通知.感発0604第1号「令和8年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について(通知)」.令和8年6月4日.
5. 厚生労働省.第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会(第二部)議事録.令和8年5月26日開催.
6. World Health Organization. Recommendations for influenza vaccine composition for the 2026-2027 northern hemisphere influenza season. 2026年2月27日.
7. サノフィ株式会社.プレスリリース「高用量インフルエンザHAワクチン『エフルエルダ®筋注』発売時期の変更」.2026年7月21日.
8. 厚生労働省.事務連絡「令和8年度のインフルエンザに係る定期の予防接種について」.2026年7月21日.
9. 日本感染症学会.「高齢者に対する高用量不活化インフルエンザワクチンの使用について〜医療機関の皆様へ〜」.2026年6月29日.
10. 港区.「令和7年度高齢者インフルエンザ予防接種」/「令和7年度子どものインフルエンザ予防接種」.港区みなと保健所保健予防課.
11. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト.インフルエンザワクチン株.
📅 本記事の情報基準日
本記事は2026年8月30日時点で公表されている情報にもとづいています。流行状況は毎週更新され、港区の令和8年度助成制度も今後発表される見込みです。接種の際は、厚生労働省・東京都感染症情報センター・港区の最新情報をあわせてご確認ください。
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