乾癬(かんせん)は皮膚だけの病気ではありません|メタボリックシンドローム・糖尿病・心筋梗塞リスクと「乾癬マーチ」を内科医が解説
医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
ひじ・ひざ・頭皮などに、銀白色のフケのようなものを伴う赤い盛り上がりが出る――そんな症状で皮膚科を受診し、「乾癬(かんせん)」と診断された方は少なくありません。名前の響きから「人にうつるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、乾癬は感染症ではなく、人にうつることはありません。
一方で、最近の研究で明らかになってきたのは、乾癬が「皮膚に症状が出る全身の慢性炎症性疾患」であり、メタボリックシンドローム・糖尿病・脂質異常症・高血圧、そして心筋梗塞や脳梗塞と深く関連しているという事実です。国内の報告では、乾癬の方は糖尿病1.71倍、脂質異常症2.73倍、高血圧2.03倍という高い合併率が示されています(照井正ら.臨床医薬.2014;30:279-85)。この記事では、皮膚科での治療と並行して内科で何を診るべきかを、糖尿病協会登録医・抗加齢医学会専門医の視点から解説します。
1. 乾癬とは|「うつる病気」ではありません
乾癬は、皮膚の細胞(表皮角化細胞)が通常よりはるかに速いスピードで入れ替わってしまうために、赤い盛り上がり(紅斑・浸潤)とフケのような白い付着物(鱗屑:りんせつ)が生じる、慢性の炎症性皮膚疾患です。国内の患者数は約43万人、日本人のおよそ0.3%程度と報告されています。
まず知っておいていただきたい3つのこと
・人にうつりません。「乾癬」は「感染」と同じ読みですが、細菌やウイルスによる感染症ではありません
・プール・温泉・銭湯の利用も、タオルの共用も、他人への感染の心配はありません
・完治させる治療はまだ確立していませんが、皮疹がほぼ消えた状態を長く保つことは、現在の治療で十分に目指せます
発症には、乾癬になりやすい体質(遺伝的素因)に加えて、肥満・喫煙・飲酒・ストレス・感染症・一部の薬剤といった環境因子が重なることが関与すると考えられています。とくに肥満と喫煙は、発症リスクだけでなく、症状の重さや治療の効きにも影響することが知られており、内科的な生活習慣管理が重要になる理由のひとつです。
2. 乾癬の主な病型と、見逃されやすい症状
乾癬にはいくつかの病型があり、全体の約9割は尋常性乾癬です。ただし内科医としてとくに注意していただきたいのは、皮膚症状が軽くても関節の症状が進むことがある乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の存在です。
| 病型 |
特徴 |
頻度の目安 |
| 尋常性乾癬 |
ひじ・ひざ・頭皮・腰・すねなど、刺激を受けやすい部位に境界のはっきりした赤い盛り上がりと銀白色の鱗屑が出る |
乾癬全体の約90% |
乾癬性関節炎 (関節症性乾癬) |
皮膚症状に加えて、指・足趾・手首・膝・背骨などに痛みや腫れ、朝のこわばりが出る。放置すると関節の変形につながることがある |
乾癬の方の約10〜15%(国内報告) |
| 滴状乾癬 |
小さな水滴状の発疹が急に多発する。溶連菌などの上気道感染をきっかけに、若い方に起こることが多い |
比較的まれ |
| 膿疱性乾癬(汎発型) |
発熱・全身倦怠感とともに、無菌性の膿疱が全身に多発する。入院加療を要することがあり、国の指定難病に定められている |
まれ |
| 乾癬性紅皮症 |
全身の皮膚が広範囲に赤くなる。体温調節・水分バランスに影響し、全身管理が必要になることがある |
まれ |
こんな症状があれば早めにご相談ください(関節症状のサイン)
・朝、手足の指がこわばって動かしにくい時間が30分以上続く
・指が一本まるごとソーセージのように腫れる(指趾炎)
・かかとやアキレス腱の付着部が痛む
・腰や背中の痛みが、休んでいるときに強く、動くと楽になる
・爪に小さなくぼみ(点状陥凹)や、爪が浮く・厚くなるなどの変化がある
爪の変化は、乾癬性関節炎と関連しやすいことが知られています。「水虫だと思って市販薬を塗っていた」というお話をよく伺いますが、爪白癬(爪の水虫)と乾癬の爪病変は治療がまったく異なります。自己判断で市販薬を続けず、一度は医療機関で確認することをおすすめします。
3. なぜ皮膚だけの病気ではないのか|全身の慢性炎症という視点
かつて乾癬は「皮膚のターンオーバーが速くなる病気」と説明されてきました。しかし現在では、免疫の細胞が出す炎症物質(サイトカイン)が主役である免疫介在性の炎症性疾患として理解されています。とくにTNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)、IL-23(インターロイキン23)、IL-17という一連のサイトカインの流れが、皮膚の炎症を作り出す中心的な経路です。
🔬 ポイント:乾癬の炎症は皮膚で完結しない
乾癬で増えるTNF-αやIL-17といったサイトカインは、皮膚の中だけにとどまるわけではありません。これらはインスリンの効きを悪くする(インスリン抵抗性)、血管の内側の細胞を傷つける、脂質の代謝を乱すといった作用も持っています。つまり、皮膚で起きている炎症と、血糖・血圧・脂質の異常は、同じ「慢性炎症」という土台を共有しているのです。
さらに、内臓脂肪そのものが炎症性のアディポカイン(脂肪組織が出す生理活性物質)を放出するため、肥満があると乾癬の炎症がさらに燃えやすくなるという悪循環が生じます。「皮膚科で塗り薬をもらっているけれど、なかなか良くならない」という背景に、この代謝の問題が隠れていることは決して珍しくありません。
4. 数字で見る、乾癬とメタボリックシンドロームの関係
乾癬と生活習慣病の関連は、国内外の疫学研究で繰り返し示されています。日本人を対象とした報告では、乾癬の方は乾癬以外の皮膚疾患の方と比べて、以下のような合併率の高さが示されました。
| 合併症 |
乾癬の方の合併しやすさ |
内科でのチェック項目 |
| 糖尿病 |
約1.71倍 |
空腹時血糖、HbA1c、必要に応じてOGTT |
| 脂質異常症 |
約2.73倍 |
LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪 |
| 高血圧 |
約2.03倍 |
診察室血圧・家庭血圧、必要に応じて24時間血圧 |
出典:照井正ら.臨床医薬.2014;30:279-85.
⚠️ 注意
メタボリックシンドロームを合併している乾癬の方は、皮膚症状そのものも重症化しやすいことが報告されています。皮膚と代謝は双方向に影響し合うため、「皮膚科で治療しているから内科は不要」とは言えません。
このほか、乾癬では脂肪肝(MASLD)、高尿酸血症・痛風、慢性腎臓病、うつ状態、炎症性腸疾患などの併存も報告されています。乾癬という診断は、皮膚の病名であると同時に、全身の健康リスクを一度点検すべきサインと受け止めていただくのが適切です。
5. 「乾癬マーチ」|慢性炎症から動脈硬化・心筋梗塞まで
乾癬の慢性炎症が、どのようにして心筋梗塞・脳梗塞につながりうるのかを説明する概念が「乾癬マーチ(psoriatic march)」です。アレルギー疾患の「アレルギーマーチ」になぞらえた言葉で、炎症が段階的に進んでいく道筋を示しています。
| STEP 1 |
皮膚と全身の慢性炎症 TNF-α・IL-17などの炎症性サイトカインが持続的に増加します。肥満があると、内臓脂肪由来の炎症物質が加わりさらに増幅されます。 |
| STEP 2 |
インスリン抵抗性の増悪 炎症がインスリンの効きを悪くし、血糖値が上がりやすい状態になります。ここで糖尿病・耐糖能異常が顕在化することがあります。 |
| STEP 3 |
血管内皮機能障害 血管の内側を覆う細胞(内皮細胞)の働きが低下し、血管がしなやかさを失います。自覚症状はほとんどありません。 |
| STEP 4 |
動脈硬化の進展 血管の壁にプラークが蓄積していきます。ここに高血圧・脂質異常症・喫煙が重なると進行が加速します。 |
| STEP 5 |
心血管イベント 心筋梗塞・狭心症・脳梗塞のリスクが高まります。中等症〜重症の乾癬では、このリスク上昇がより明確になると報告されています。 |
重要なのは、この「マーチ」は途中で止められるということです。STEP 1〜2の段階で炎症と代謝の両方に手を打てば、STEP 4・5に進む前にブレーキをかけられます。乾癬と診断されたタイミングは、その介入を始めるのに最も適した時期です。
🩺 乾癬と言われたら、一度は内科で全身のチェックを
血糖・血圧・脂質・肝機能・腎機能をまとめて確認できます。健診結果をお持ちいただければ、その場で一緒に見ながらご説明します。
6. 乾癬の方に内科で受けていただきたい検査
当院では、乾癬と診断されている方・その疑いがある方に対して、年1回は以下の項目を確認することをおすすめしています。いずれも一般的な血液検査・身体計測で評価でき、特別な負担はありません。
| カテゴリー |
具体的な項目 |
見るポイント |
| 糖代謝 |
空腹時血糖、HbA1c |
境界型(糖尿病予備群)の段階で見つけて介入する |
| 脂質 |
LDL-C、HDL-C、中性脂肪、必要に応じてnon-HDL-C |
乾癬では中性脂肪高値・HDL低値のパターンが目立つことがある |
| 血圧・体格 |
診察室血圧、家庭血圧、腹囲、BMI |
腹囲は男性85cm・女性90cmが内臓脂肪蓄積の目安 |
| 肝臓 |
AST、ALT、γ-GTP、腹部エコー |
脂肪肝(MASLD)の有無。乾癬治療薬選択にも影響する |
| 腎臓・尿酸 |
クレアチニン、eGFR、尿蛋白、尿酸値 |
慢性腎臓病・高尿酸血症の併存を確認 |
| 炎症・感染症 |
CRP、血算、B型・C型肝炎、結核(IGRA等) |
将来、生物学的製剤や免疫抑制薬を使う場合の事前評価としても重要 |
生物学的製剤を検討している方は、事前の内科評価が特に大切です
乾癬に用いる生物学的製剤・分子標的薬は免疫に作用するため、投与前に結核(潜在性結核感染症を含む)・B型肝炎ウイルスの既往などを確認しておく必要があります。日本皮膚科学会「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)」でも、投与開始前のスクリーニングと投与中の定期的な安全性評価が求められています。皮膚科での治療開始をスムーズにするうえでも、内科での事前チェックは有用です。
7. 内科からできること|減量・禁煙が皮膚にも効く理由
「生活習慣を整えましょう」という言葉は抽象的に響きますが、乾癬においては皮膚症状そのものの改善につながりうる具体的な治療の一部です。ポイントを整理します。
(1) 減量:体重を減らすと乾癬も落ち着きやすい
肥満を伴う乾癬の方が減量すると、皮膚症状の重症度(PASIスコアなど)が改善し、治療薬の効きも良くなる傾向があることが複数の研究で報告されています。目標は極端なものである必要はなく、現体重の3〜5%程度の減量から始めるのが現実的です。急激な絶食・極端な糖質制限は、体調を崩したりリバウンドを招いたりしやすいため、当院では食事内容と運動量を一緒に確認しながら無理のない計画を立てます。
(2) 禁煙:発症・重症化の両方に関わる
喫煙は乾癬の発症リスクを高めるだけでなく、症状を重くし、治療への反応を悪くすることが知られています。さらに、乾癬マーチの終着点である心血管疾患のリスクを直接押し上げる因子でもあります。乾癬の方にとって禁煙は、皮膚のためであり、同時に心臓と血管のための治療です。
(3) 節酒:肝臓と薬剤選択の両面から
過度の飲酒は乾癬の悪化因子であると同時に、脂肪肝・肝機能障害を通じて使える治療薬の選択肢を狭めてしまうことがあります。とくにメトトレキサートなど肝臓に負担のかかる薬剤を検討する場合、飲酒量の見直しが前提になります。
(4) スキンケアと物理的刺激を避ける(ケブネル現象)
乾癬には、引っかいたり擦れたりした部位に新たな皮疹ができる「ケブネル現象」という特徴があります。体を洗うときにナイロンタオルでゴシゴシこする、かゆいところを強く掻く、きつい下着やベルトで擦れる――こうした刺激は症状を広げる原因になります。保湿を十分に行い、刺激を減らすことが基本です。
✅ 今日から始められること
✅ 体重・腹囲を月1回記録する(現体重の3〜5%減が最初の目標)
✅ 家庭血圧を朝晩測って記録する
✅ 入浴時はこすらず、洗い上がりに保湿剤を全身に塗る
✅ 禁煙外来・節酒について、一度内科で相談してみる
✅ 直近の健診結果を保管し、受診時に持参する
8. 乾癬治療の現在地|外用・光線・内服・生物学的製剤
乾癬の皮膚症状に対する治療は、この15年ほどで大きく進歩しました。重症度・関節症状の有無・合併症・生活背景に応じて、以下の選択肢から組み立てていきます。
| 治療 |
内容 |
主な対象 |
| 外用療法 |
ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3外用薬、両者の配合外用薬 |
軽症〜中等症。治療の基本 |
| 光線療法 |
ナローバンドUVB、エキシマライトなど |
外用で不十分な場合、皮疹が広範囲の場合 |
| 内服療法 |
シクロスポリン、エトレチナート、メトトレキサート、アプレミラスト(PDE4阻害薬)、デュークラバシチニブ(TYK2阻害薬) |
中等症以上、関節症状を伴う場合など |
| 生物学的製剤 |
TNF-α阻害薬、IL-17阻害薬、IL-23/IL-12/23阻害薬などの注射薬 |
中等症〜重症、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬など |
内服薬では、日本初のTYK2阻害薬であるデュークラバシチニブ(商品名ソーティクツ錠)が2022年9月26日に製造販売承認を取得し、同年11月16日に発売され、1日1回の経口投与という選択肢が加わりました。注射薬でも抗IL-17A/IL-17F抗体などが順次使用可能となり、皮疹がほぼ消失した状態を目標にできる時代になっています。
⚠️ 生物学的製剤・分子標的薬は「承認施設」での使用が原則です
乾癬に対する生物学的製剤は、日本皮膚科学会が定める基準を満たした承認施設での使用が原則とされています(「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)」日本皮膚科学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会)。中等症〜重症の方、関節症状のある方、膿疱性乾癬が疑われる方は、専門施設での治療が必要になりますので、当院から適切な医療機関へご紹介いたします。
9. 白金高輪での受診の流れ|内科と皮膚科の連携
五良会クリニック白金高輪は、東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口から徒歩1分、プレミストタワー白金高輪の1F(内科・消化器内科・糖尿病内科・血液内科・内視鏡)と2F(皮膚科・美容皮膚科・形成外科)に分かれています。港区・白金・高輪・三田エリアの皆さまに、皮膚と全身を同じ建物の中で並行して診る体制をご用意しています。
| STEP 1 |
問診・現在の治療状況の確認 いつからの症状か、これまでの治療内容、関節症状の有無、ご家族の乾癬・生活習慣病の既往などを伺います。 |
| STEP 2 |
身体計測・血圧測定・採血 腹囲・BMI・血圧に加え、血糖・HbA1c・脂質・肝腎機能・尿酸・CRPなどを確認します。健診結果をお持ちであればご持参ください。 |
| STEP 3 |
必要に応じて腹部エコー 脂肪肝の有無や肝臓の状態を評価します。乾癬治療薬の選択にも関わる大切な情報です。 |
| STEP 4 |
結果説明と方針決定 血糖・血圧・脂質の治療、減量・禁煙のサポートを行います。皮膚症状の評価・治療は2Fの皮膚科と連携し、重症例は専門施設へご紹介します。 |
| STEP 5 |
定期フォロー 皮膚の状態と代謝指標の両方を、年単位で追いかけていきます。 |
DERMATOLOGY | 2F
🏥 皮膚の症状は2F 皮膚科・形成外科へ
皮疹の診察、爪の変化の評価、外用薬の選択など、皮膚そのものの治療は同じ建物の2F(皮膚科・美容皮膚科・形成外科)で承っています。1Fの内科で全身の検査を受けたその日のうちに、2Fで皮膚を診てもらうことも可能です。爪白癬との鑑別や、掻き壊しによる二次感染のケアもご相談いただけます。
10. 理事長コメント
💬 理事長 五藤良将より
「乾癬と診断された方から『人にうつしてしまわないか心配で、温泉にも行けません』というご相談をよくいただきます。まずはっきりお伝えしたいのは、乾癬はうつらないということです。そのうえで内科医としてお願いしたいのは、皮膚の治療と並行して、血糖・血圧・脂質を一度きちんと確認していただくことです。乾癬は全身の慢性炎症が皮膚に現れた状態であり、その炎症は血管にも影響します。当院では糖尿病協会登録医・日本抗加齢医学会専門医として、皮膚だけを診るのではなく、10年後20年後の心臓と血管を守る視点でご一緒に取り組んでいきます。皮膚の診察は同じ建物の2Fで承れますので、遠慮なくご相談ください。」
11. まとめ
📝 この記事のポイント
✅ 乾癬は感染症ではなく、人にうつることはありません
✅ 乾癬は皮膚に症状が出る「全身の慢性炎症性疾患」です
✅ 国内報告では糖尿病1.71倍・脂質異常症2.73倍・高血圧2.03倍と合併率が高い
✅ 慢性炎症→インスリン抵抗性→血管内皮障害→動脈硬化という「乾癬マーチ」が知られています
✅ 減量・禁煙・節酒は、皮膚症状の改善と心血管リスク低減の両方に効きます
✅ 年1回は血糖・血圧・脂質・肝腎機能をチェックし、皮膚科と内科の両輪で管理しましょう
12. よくあるご質問(FAQ)
Q. 乾癬は人にうつりますか? 温泉やプールに入っても大丈夫ですか?
A. うつりません。乾癬は細菌やウイルスによる感染症ではなく、免疫の働きの乱れによって起こる慢性の炎症性疾患です。温泉・銭湯・プール・サウナの利用も、タオルや衣類を介した感染の心配もありません。ご家族や職場の方に説明する際は「感染症ではない」とお伝えいただいて差し支えありません。ただし、掻き壊して傷になっている部分がある場合は、細菌の二次感染を防ぐ目的で入浴を控えるなどの配慮が必要なことがありますので、その点は主治医にご確認ください。
Q. 皮膚科に通院していますが、内科も受診する必要がありますか?
A. 皮膚症状が軽い方であっても、年1回は血糖・血圧・脂質・肝機能・腎機能を確認されることをおすすめします。乾癬ではこれらの異常が併存しやすく、しかも初期は自覚症状がありません。健康診断を毎年きちんと受けており、すべての項目に異常がなければ、それで代用していただいても構いません。健診結果に一つでも「要経過観察」「要再検査」がある場合は、内科で内容を確認させてください。
Q. 体重を減らすと、本当に乾癬の皮膚症状は良くなりますか?
A. 肥満を伴う乾癬の方では、減量によって皮膚症状の重症度スコアが改善し、治療薬への反応も良くなる傾向が複数の研究で報告されています。内臓脂肪が炎症性の物質を出し、乾癬の炎症を後押ししているためと考えられます。ただし効果の程度には個人差があり、減量だけで乾癬が消えるわけではありません。皮膚科の治療を続けながら、並行して取り組んでいただくのが現実的です。まずは現体重の3〜5%を目標に、無理のない範囲から始めましょう。
Q. 皮膚の症状は軽いのですが、指や腰が痛みます。関係ありますか?
A. 乾癬性関節炎の可能性があります。国内報告では乾癬の方の約10〜15%に関節炎が生じるとされ、皮膚症状の広さと関節症状の強さは必ずしも一致しません。朝のこわばりが30分以上続く、指が一本まるごと腫れる、かかとやアキレス腱の付着部が痛む、安静時にかえって腰背部が痛む、といった症状は受診の目安です。関節炎は早期に治療を始めるほど関節の変形を防ぎやすいため、思い当たる場合は様子を見ずにご相談ください。
Q. 爪が白く分厚くなってきました。水虫の市販薬を塗っていますが問題ありませんか?
A. 一度、皮膚科で確認されることをおすすめします。乾癬では爪に点状のくぼみ、爪が浮く(爪甲剥離)、厚くなるといった変化が起こり、爪白癬(爪の水虫)とよく似た見た目になります。両者は治療法が異なり、顕微鏡検査などで真菌の有無を確認しないと区別がつきません。また、乾癬の爪病変は乾癬性関節炎と関連しやすいことも知られています。当院2Fの皮膚科で鑑別が可能です。
Q. 乾癬の治療薬は内科でも処方してもらえますか?
A. 皮膚症状に対する外用薬の処方や皮疹の評価は、同じ建物の2F(皮膚科・美容皮膚科・形成外科)で承っています。1Fの内科では、乾癬に併存する糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝などの治療と、減量・禁煙のサポートを担当します。生物学的製剤など日本皮膚科学会の承認施設で行う治療が必要と判断された場合は、適切な専門医療機関へご紹介いたします。
Q. 受診の際、何を持っていけばよいですか?
A. 直近および過去数年分の健康診断・人間ドックの結果、お薬手帳(皮膚科で処方されている外用薬・内服薬を含む)、他院からの紹介状がある場合はそちらもご持参ください。皮疹の状態がよいときと悪いときの写真をスマートフォンで撮っておいていただくと、経過の把握にたいへん役立ちます。白金高輪駅2番出口から徒歩1分、土・日・祝も10:00〜15:00に診療しております。
DIABETES CLINIC
🩸 当院の糖尿病内科のご案内
五良会クリニック白金高輪では、糖尿病協会登録医による糖尿病・生活習慣病の外来診療を行っております。
最新の経口薬・GLP-1製剤・持続血糖モニター(CGM)にも対応。
✅ 乾癬・慢性の皮膚疾患があり、血糖や脂質が気になる方
✅ 健診で血糖・HbA1c高値を指摘された方
✅ 体重・血圧・脂質も含めた包括的管理を希望の方
✅ 減量・禁煙のサポートを受けたい方
健診結果をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。
参考文献・出典
1. 照井正ら.乾癬患者における併存疾患の検討.臨床医薬.2014;30:279-85.
2. 日本皮膚科学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会.乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版).
3. 日本皮膚科学会乾癬性関節炎診療ガイドライン作成委員会.乾癬性関節炎診療ガイドライン2019.
4. Boehncke WH, et al. The ‘psoriatic march’: a concept of how severe psoriasis may drive cardiovascular comorbidity. Exp Dermatol. 2011;20(4):303-307.
5. ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社.ソーティクツ錠6mg(デュークラバシチニブ)製造販売承認取得(2022年9月26日)・発売(2022年11月16日)に関する公表情報.
6. 厚生労働省.特定健康診査・特定保健指導の実施に関する基準(メタボリックシンドロームの腹囲基準).
⚠️ 本記事について
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個々の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についてのご判断は、必ず主治医にご相談ください。
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