夏に悪化する蕁麻疹(じんましん)|8年ぶり改訂「蕁麻疹診療ガイドライン2026」で治療はこう変わった
夏に悪化する蕁麻疹(じんましん)|8年ぶり改訂「蕁麻疹診療ガイドライン2026」で治療はこう変わった
医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
「汗をかくと体中がチクチクかゆくなり、小さなブツブツが出る」「夜になるとミミズ腫れのような発疹が出て、朝には消えている」——夏になると、こうした蕁麻疹(じんましん)の悪化や新規発症で受診される方が増えます。汗や暑さ、強い日差し、冷房との温度差、夏の疲労や睡眠不足は、いずれも蕁麻疹を悪化させる要因です。
そして2026年は、蕁麻疹診療にとって大きな節目の年になりました。2026年4月、日本皮膚科学会から8年ぶりの改訂版となる「蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版)」が公開され、病名の変更、治療目標の見直し、注射薬(生物学的製剤)の位置付けの明確化など、治療の考え方が大きくアップデートされたのです。本記事では、夏に蕁麻疹が悪化する理由と、最新ガイドラインに基づく診断・治療のポイントを、白金高輪駅徒歩1分の五良会クリニック白金高輪(アレルギー科・内科)が解説します。
② なぜ夏に蕁麻疹が悪化・増加するのか
③ 夏に多い「刺激誘発型」の蕁麻疹——コリン性・温熱・日光
④ 8年ぶり改訂「蕁麻疹診療ガイドライン2026」のポイント
⑤ UCT(蕁麻疹コントロールテスト)で自分の状態を採点してみる[全4問・スコア例つき]
⑥ 検査は必要?——「原因の網羅的検査」は推奨されません
⑦ 最新の治療——3つのステップと新しい注射薬
⑧ 夏の蕁麻疹を悪化させないセルフケア
⑨ 受診の目安——こんな症状はすぐ医療機関へ
⑩ よくあるご質問(FAQ)
⑪ 理事長コメント
⑫ まとめ
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1. 蕁麻疹とはどんな病気?——数時間で消える「膨疹」が特徴
蕁麻疹は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹:ぼうしん)、強いかゆみを伴い、多くは24時間以内に跡を残さず消える病気です。皮膚の中にあるマスト細胞という細胞から、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されることで、皮膚の血管が拡張してむくみ(膨疹)とかゆみが生じます。
「一つひとつの発疹は数時間で消えるのに、場所を変えて毎日出る」というのが典型的な経過です。発症から6週間以内のものを急性特発性蕁麻疹、6週間を超えて症状が続くものを慢性特発性蕁麻疹と呼びます(この病名は2026年の新ガイドラインで整理された最新の呼び方です。詳しくは第4章で解説します)。
💡 実は「原因不明(特発性)」が大多数
「蕁麻疹=食べ物のアレルギー」というイメージをお持ちの方が多いのですが、実際には食物などの明らかな原因(アレルゲン)が特定できる蕁麻疹はごく一部です。大部分は、特定の原因なく症状を繰り返す「特発性の蕁麻疹」であり、疲労・ストレス・感染・気温変化などの複数の因子が悪化に関与します。
2. なぜ夏に蕁麻疹が悪化・増加するのか
夏は蕁麻疹にとって悪化要因が重なりやすい季節です。当院でも7〜8月は「毎年夏になると蕁麻疹が出る」「今年初めて出た」というご相談が目立ちます。主な要因は次のとおりです。
| 夏の悪化要因 | 蕁麻疹への影響 |
|---|---|
| 発汗 | 汗をかく刺激そのものが引き金になる「コリン性蕁麻疹」を誘発。汗の成分に対する反応も関与するとされます |
| 暑さ・温熱刺激 | 入浴・シャワー・炎天下の外出など、皮膚が温まる刺激で出る「温熱蕁麻疹」の誘因に |
| 強い日差し(紫外線・可視光線) | 日光に当たった部位にだけ膨疹が出る「日光蕁麻疹」の誘因に |
| 冷房との温度差 | 急激な温度変化は皮膚への物理的ストレスとなり、症状の変動を招きます |
| 夏バテ・睡眠不足・疲労 | 特発性蕁麻疹の代表的な悪化因子。熱帯夜による睡眠の質の低下も影響します |
| 感染症・体調不良 | 夏かぜなどのウイルス感染・細菌感染に伴って急性の蕁麻疹が出ることがあります |
| 汗疹(あせも)や虫刺されによる掻破 | 掻く・こするなどの機械的刺激で膨疹が出る「機械性蕁麻疹」を悪化させます |
3. 夏に多い「刺激誘発型」の蕁麻疹——コリン性・温熱・日光
特定の刺激が加わったときにだけ症状が出るタイプを「刺激誘発型の蕁麻疹」と呼びます。夏に特に問題となる代表的な病型をご紹介します。
コリン性蕁麻疹——汗をかくとチクチク・ブツブツ
運動・入浴・緊張などで汗をかいたとき(あるいは汗をかきそうになったとき)に、直径1〜4mm程度の小さな膨疹が多発し、チクチクとした痛がゆさを伴うのが特徴です。10〜30代の若い方に多く、部活動や通勤で汗をかくたびに症状が出るため、夏は特につらい病型です。多くは数十分以内に自然に消えますが、繰り返す場合は治療の対象になります。
温熱蕁麻疹・日光蕁麻疹
温熱蕁麻疹は、温かいお湯や温風など皮膚が温められた部位に膨疹が出るタイプ、日光蕁麻疹は、日光に当たった部位にだけ数分以内に膨疹が出るタイプです。日光蕁麻疹は頻度こそ高くありませんが、夏の屋外活動で広い範囲に日光を浴びると、まれに全身症状(気分不良・血圧低下)を起こすことがあり、注意が必要です。
⚠️ 「NSAID誘発蕁麻疹」——鎮痛薬で悪化するタイプにもご注意
アスピリンをはじめとするNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の内服で蕁麻疹が誘発・悪化するタイプがあります。従来「アスピリン蕁麻疹」と呼ばれていましたが、アスピリン以外の鎮痛薬でも起こるため、2026年の新ガイドラインで「NSAID誘発蕁麻疹」に名称が変更されました。蕁麻疹が出やすい方が頭痛薬・解熱鎮痛薬を使う際は、お薬の種類について一度ご相談ください。
4. 8年ぶり改訂「蕁麻疹診療ガイドライン2026」のポイント
2026年4月、日本皮膚科学会から「蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版)」が公開されました(日本皮膚科学会雑誌 136巻:375-493, 2026)。2018年版以来8年ぶりの全面改訂で、国際ガイドラインの改訂、病態解明の進展、新しい生物学的製剤の登場を反映した内容です。患者さんに関わりの深い変更点を整理します。
変更点1:病名がより正確に——「慢性蕁麻疹」は「慢性特発性蕁麻疹」へ
| 2018年版まで | 2026年版(第4版) |
|---|---|
| 急性蕁麻疹/慢性蕁麻疹 | 急性特発性蕁麻疹(発症6週間以内)/慢性特発性蕁麻疹(発症6週間超) |
| アスピリン蕁麻疹 | NSAID誘発蕁麻疹 |
| 肥満細胞 | マスト細胞に用語を統一(肥満と関わる脂肪細胞との混同を避けるため) |
変更点2:日本人の疫学データが初めて充実——推定患者数は約200万人
今回の改訂では、医療情報データベースを用いた日本独自の疫学データが追加されました。日本人の慢性特発性蕁麻疹の推定有病率は1.2〜1.6%、全国でおよそ200万人の患者さんがいると推測されます。男女比は2対3で女性にやや多く、継続的な治療を要する患者さんのボリュームゾーンは40〜50代と報告されています。決して珍しい病気ではなく、「体質だから」と諦める必要はありません。
変更点3:治療の第1目標は「生活に支障がない状態」へ
治療目標の考え方も変わりました。2018年版の「治療により症状が現れない状態」に代わり、新ガイドラインでは第1目標を「治療により生活に支障がない状態」と定め、UCT(Urticaria Control Test:蕁麻疹コントロールテスト)という患者さん自身が回答する評価スコアで12点以上を目安としました。第2目標(症状が現れない状態)はUCT16点(満点)です。かゆみの感じ方や生活への影響は患者さんにしか分からないからこそ、患者さん自身の評価を治療の中心に据える——という国際的な流れに沿った変更です。
策定委員会でこのPROMs(患者報告アウトカム尺度)の活用は全員一致で強い推奨が得られた項目です。UCTは実際にどんな質問で、何点だとどう判断するのか——次の第5章で全4問と具体的なスコア例をご紹介します。
5. UCT(蕁麻疹コントロールテスト)で自分の状態を採点してみる
UCT(Urticaria Control Test)は、2014年にWellerらが開発・検証した4つの質問だけで完結する自己評価ツールです(J Allergy Clin Immunol. 2014;133(5):1365-1372.)。過去4週間を振り返り、各質問に0〜4点で答えて合計します。満点は16点で、点数が高いほどコントロールが良好という向きです(かゆみの重症度スコアとは逆向きなので、混同しないようご注意ください)。
所要時間はわずか1〜2分。それにもかかわらず、蕁麻疹診療ガイドライン2026では、このUCTを用いた客観的評価が策定委員会の全員一致で強く推奨されました。以下が実際の4問です。
UCTの全4問と配点(日本語版)
| この4週間について | 0点 | 1点 | 2点 | 3点 | 4点 |
|---|---|---|---|---|---|
| Q1 じんましんによる症状(かゆみ、膨疹※、腫れ)がどのぐらいありましたか? | 非常に強い | 強い | ある程度 | わずか | 全くない |
| Q2 じんましんによってあなたの生活の質がどのぐらい損なわれましたか? | 非常に強い | 強い | ある程度 | わずか | 全くない |
| Q3 じんましんの治療が症状を抑えるのに十分でなかったことがどのぐらいありましたか? | 非常に頻繁 | 頻繁 | 時々 | まれに | 全くない |
| Q4 全体として、じんましんはどのぐらい良い状態に保たれていましたか? | 全く 保たれて いない |
わずかに | ある程度 | よく | 完全に 保たれて いる |
※膨疹=蚊に刺されたような赤いふくらみ。出典:Weller K, et al. J Allergy Clin Immunol. 2014;133:1365-1372. / Urticaria Control Test-Scoring Template, Version 2014, MOXIE GmbH, Germany.
合計点の判定——12点が分かれ目
| 合計スコア | コントロール状態 | ガイドライン2026での位置付け |
|---|---|---|
| 16点 | 完全にコントロールできている | 第2目標を達成(治療により症状が現れない状態) |
| 12〜15点 | よくコントロールできている | 第1目標を達成(治療により生活に支障がない状態)。まずここを確実に目指します |
| 12点未満 | コントロールできていない | 治療内容の見直し(STEP 1の増量・変更、STEP 2の生物学的製剤の追加など)を検討する目安になります |
具体的なスコア例——同じ「まだ出ています」でも中身は違います
実際に点数をつけてみると、「なんとなく良くない」という漠然とした感覚が、治療判断に直結する情報に変わります。以下は理解を助けるために作成した典型的なパターンの例(仮想例)です。実在の患者さんの記録ではありません。
回答:Q1「ある程度」=2点/Q2「強い」=1点/Q3「頻繁」=1点/Q4「ある程度」=2点
合計6点 → コントロールできていない
判断の例:STEP 1の第2世代抗ヒスタミン薬の増量や薬剤変更から検討します。まずは第1目標の12点を目指す段階です。
回答:Q1「わずか」=3点/Q2「わずか」=3点/Q3「時々」=2点/Q4「よく」=3点
合計11点 → あと1点で第1目標。ただし現時点では「コントロールできていない」
判断の例:診察室では「だいぶ良いです」と表現されがちな状態ですが、点数にすると基準をわずかに下回っていることが見えます。増量の余地・併用薬の調整、それでも届かなければSTEP 2(オマリズマブまたはデュピルマブ)まで含めて相談する価値がある段階です。UCTの最大の利点は、この「惜しい11点」を取りこぼさないことにあります。
回答:Q1「全くない」=4点/Q2「全くない」=4点/Q3「まれに」=3点/Q4「よく」=3点
合計14点 → よくコントロールできている(第1目標を達成)
判断の例:治療を継続しながら、満点16点(第2目標)を目指します。安定が続けば、将来的に減量・中止のタイミングを相談していく段階です。
回答(1月):Q1・Q2・Q3・Q4すべて4点 → 合計16点
回答(7月):Q1「ある程度」=2点/Q2「ある程度」=2点/Q3「時々」=2点/Q4「よく」=3点 → 合計9点
判断の例:同じ患者さんでも季節で7点の差が生じています。数値で可視化することで「夏だけ治療を強化し、涼しくなったら減らす」という季節に応じた計画が立てやすくなります。夏の蕁麻疹においてUCTが特に有用なのは、この変動を客観的に追えるためです。
⚠️ UCTを使うときの注意
UCTはコントロール状態を評価するツールであり、蕁麻疹を診断するものではありません。点数が低いこと自体が特定の治療を決めるわけではなく、病型・合併症・お薬の内容と併せて医師が総合的に判断します。また、上記の例はあくまで理解のための仮想例です。点数だけで自己判断せず、記録を診察の場に持参してご相談ください。
UAS7との使い分け
もう一つよく使われる指標がUAS7(Urticaria Activity Score over 7 days)です。こちらは毎日、「膨疹の数」(0:なし/1:20個未満/2:20〜50個/3:50個以上)と「かゆみの強さ」(0〜3)を記録し、7日分を合計するもので、満点は42点、こちらは点数が高いほど症状が重いという逆向きのスコアです。
つまり、UAS7は「毎日の症状の重さ」を細かく追う日記型、UCTは「この4週間うまくコントロールできていたか」を1回で振り返る通信簿型と考えると分かりやすいでしょう。日常の外来では手軽なUCTが使いやすく、生物学的製剤の導入判断や効果判定ではUAS7の記録も併せて活用されます。当院ではご希望に応じてUCTの記録用紙をお渡ししています。
6. 検査は必要?——「原因の網羅的検査」は推奨されません
「蕁麻疹が出たので、アレルギー検査を一通りやってほしい」というご要望をよくいただきます。お気持ちはよく分かるのですが、新ガイドラインでは2018年版に引き続き、原因検索のための網羅的な検査は推奨しない方針がより明確に示されました。
理由は、特発性の蕁麻疹では網羅的な血液検査を行っても原因が見つかることがほとんどなく、検査結果がかえって誤解や不要な食事制限につながりうるためです。一方で、次のような場合には的を絞った検査が有用です。
検査を検討するケース(新ガイドラインの考え方)
・特定の食物や薬剤の摂取後に毎回症状が出るなど、I型アレルギーを疑う具体的な病歴がある場合 → 疑わしい抗原に絞った個別の検査
・急性特発性蕁麻疹で発熱など感染症を疑う症状を伴う場合 → 血算・生化学などの一般検査
・慢性特発性蕁麻疹のうち非定型的・難治性の症例 → 血清総IgE値・甲状腺自己抗体・CRPなど、治療反応性の予測や背景疾患の評価に役立つ検査
7. 最新の治療——3つのステップと新しい注射薬
新ガイドラインでは、慢性特発性蕁麻疹の薬物治療が次の3ステップに整理されました。
| STEP 1 | 第2世代抗ヒスタミン薬 眠気の少ない飲み薬で、治療の基本です。効果不十分な場合は増量や変更を検討します。従来STEP 2に位置付けられていたH2拮抗薬・抗ロイコトリエン薬・トラネキサム酸は、今回の改訂で「STEP 1の補助的治療」に整理されました |
| STEP 2 | STEP 1に追加して、オマリズマブまたはデュピルマブ(生物学的製剤・注射薬) 抗ヒスタミン薬で効果不十分な場合の選択肢です。詳細は下記をご覧ください |
| STEP 3 | STEP 1に追加して、シクロスポリン(免疫抑制薬)または試行的治療 STEP 2でもコントロール困難な難治例に、専門施設で検討されます |
難治性の蕁麻疹に使える2つの注射薬(生物学的製剤)
抗ヒスタミン薬を十分使っても症状が続く「既存治療で効果不十分」な患者さんには、現在、日本で承認された注射薬が2種類あります。
オマリズマブ(商品名:ゾレア)は抗IgE抗体で、日本では2017年3月に「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な場合)」への適応追加が承認されました(PMDA)。4週間ごとの皮下注射で使用します。
デュピルマブ(商品名:デュピクセント)は抗IL-4受容体α抗体で、2024年2月に「既存治療で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹」への適応追加が日本で承認されました。もともとアトピー性皮膚炎や喘息で広く使われてきた薬剤です。新ガイドラインでは、この2剤がいずれもSTEP 2の選択肢として明記されました。
ステロイドの飲み薬は「急性増悪時のみ・短期間」に限定
新ガイドラインでは、副腎皮質ステロイドの内服は急性増悪時のみ、プレドニゾロン換算0.2mg/kg/日未満・2週間以内の使用に限定することが明記されました。蕁麻疹に対してステロイド内服を長期間続けることは推奨されません。「ずっとステロイドを飲んでいる」という方は、一度治療の見直しをご相談ください。
8. 夏の蕁麻疹を悪化させないセルフケア
薬物治療と並んで大切なのが、夏特有の悪化因子を減らす生活の工夫です。
・熱いお風呂・長風呂を避ける:温熱刺激は膨疹を誘発します。入浴はぬるめ・短時間に
・掻かない・こすらない:掻破は機械性蕁麻疹の悪化因子。かゆい部位は冷たいタオルなどで冷やすと楽になります(寒冷刺激で出るタイプの方は冷やしすぎに注意)
・睡眠と疲労回復を優先する:熱帯夜は冷房を適切に使い、睡眠環境を整えましょう
・アルコール・香辛料の摂りすぎに注意:血管拡張によりかゆみが強まることがあります
・処方された抗ヒスタミン薬は自己判断で中断しない:症状が出ていなくても、医師の指示どおり継続することがコントロールの鍵です
9. 受診の目安——こんな症状はすぐ医療機関へ
🚨 緊急受診(救急要請)が必要なサイン——アナフィラキシーの可能性
蕁麻疹に加えて、唇・まぶた・喉の腫れ、声のかすれ、息苦しさ・ゼーゼーする呼吸、腹痛・嘔吐、ふらつき・意識がもうろうとする——これらを伴う場合はアナフィラキシー(全身性の重いアレルギー反応)の可能性があります。ためらわず救急要請(119番)してください。
緊急性がない場合でも、次に当てはまる方は一度受診をおすすめします。
・膨疹が毎日のように出て1週間以上続いている
・市販の抗ヒスタミン薬(かゆみ止めの飲み薬)で改善しない
・6週間を超えて症状を繰り返している(慢性特発性蕁麻疹の可能性)
・特定の食物・薬・運動のあとに毎回出る
・かゆみで眠れない、仕事や学業に支障が出ている
・一つひとつの発疹が24時間以上同じ場所に残る、または消えた後に色素沈着や紫斑が残る(蕁麻疹以外の病気の可能性があり、精査が必要です)
10. よくあるご質問(FAQ)
11. 理事長コメント
12. まとめ
✅ 汗で誘発されるコリン性蕁麻疹、温熱蕁麻疹、日光蕁麻疹など「刺激誘発型」に注意
✅ 2026年4月、8年ぶりに「蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版)」が公開。慢性特発性蕁麻疹の国内患者は約200万人と推定
✅ 治療の第1目標は「生活に支障がない状態」=UCT12点以上、第2目標はUCT16点(満点)。網羅的なアレルギー検査は推奨されない
✅ UCTは4問・各0〜4点・満点16点の自己評価ツール。12点未満は治療見直しの目安——「だいぶ良い」と感じる11点を取りこぼさないことが大切
✅ 治療は第2世代抗ヒスタミン薬が基本。効果不十分ならオマリズマブ(2017年3月承認)またはデュピルマブ(2024年2月承認)の追加が新たな標準に
✅ ステロイド内服は急性増悪時のみ・2週間以内に限定。長期内服は推奨されない
✅ 喉の腫れ・息苦しさ・ふらつきを伴う蕁麻疹はアナフィラキシーの可能性——迷わず救急要請
1. 蕁麻疹診療ガイドライン策定委員会(編). 蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版). 日本皮膚科学会雑誌. 2026;136(4):375-493.(2026年4月公開)
2. PMDA(医薬品医療機器総合機構). ゾレア皮下注用(オマリズマブ)審査報告書・添付文書(特発性の慢性蕁麻疹への適応追加:2017年3月承認)
3. PMDA・サノフィ株式会社. デュピクセント皮下注(デュピルマブ)添付文書・製品情報(既存治療で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹への適応追加:2024年2月承認)
4. Weller K, Groffik A, Church MK, et al. Development and validation of the Urticaria Control Test: A patient-reported outcome instrument for assessing urticaria control. J Allergy Clin Immunol. 2014;133(5):1365-1372.
5. Urticaria Control Test-Scoring Template. Version 2014. MOXIE GmbH, Germany, 2014.(日本語版:サノフィ株式会社 患者向け情報サイト)
6. 第125回日本皮膚科学会総会 教育講演(蕁麻疹診療ガイドライン2026改訂の解説、2026年6月報道)
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