大腸がん予防に内視鏡検査が最強な理由【NEJM論文データで解説】五良会クリニック白金高輪
日本において大腸がんは罹患数第1位のがんです。しかし、大腸がんは「予防できるがん」です。その最大の武器が大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された大規模コホート研究では、大腸内視鏡検査を受けた人は受けていない人と比べて、大腸がんによる死亡率が68%も低下したことが示されています。この記事では、そのエビデンスをわかりやすく解説するとともに、なぜ今すぐ大腸カメラを受けるべきかをお伝えします。
目次
大腸がんは日本最多クラスの「身近ながん」
国立がん研究センターのデータによると、大腸がん(結腸がん+直腸がん)は日本人の罹患数において男女合計で最多クラスのがんです。年間15万人以上が新たに診断され、死亡者数は男性で第2位、女性で第1位という深刻な現状があります。「自覚症状がないから大丈夫」と思いがちですが、大腸がんの怖いところはまさにそこです。早期には症状がほとんどなく、血便・便通異常・体重減少などが現れる頃にはすでに進行していることがあります。
大腸がんの現状(国立がん研究センター)
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 罹患数順位 | 第2位 | 第1位 |
| 死亡数順位 | 第2位 | 第1位 |
| 5年相対生存率(全ステージ合計) | 約72%(ステージ1では約97%) | |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス
ステージ1で発見された場合の5年生存率は約97%と非常に高い一方、ステージ4では大きく低下します。つまり、大腸がんは「早期発見・早期治療」によって命を救える可能性が非常に高いがんです。そのために必要なのが、定期的な内視鏡検査です。
大腸がんのリスク因子
大腸がんのリスクを高める要因として、以下が知られています。該当する項目がある方は特に早めの検査をお勧めします。
大腸がんのリスク因子
| カテゴリ | 具体的な因子 |
|---|---|
| 年齢・性別 | 40歳以上、男性(男女比は約1.2:1) |
| 家族歴 | 大腸がん・大腸ポリープの家族歴、遺伝性大腸がん(リンチ症候群・家族性大腸腺腫症) |
| 生活習慣 | 赤身肉・加工肉の多い食事、食物繊維の不足、飲酒、喫煙、運動不足 |
| 既往歴 | 大腸ポリープの既往、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、2型糖尿病、肥満 |
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)とは
大腸内視鏡検査は、先端にカメラのついた細い管(スコープ)を肛門から挿入し、大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸)の全体を直接観察する検査です。大腸がん・大腸ポリープ・炎症性腸疾患などを高精度で診断できます。
大腸内視鏡検査でわかること・できること
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 早期がんの発見 | 症状が出る前の早期がんを粘膜レベルで発見可能 |
| ポリープ切除 | 検査中にポリープを発見した場合、同時に切除(ポリペクトミー)が可能。別日に手術が不要なことが多い |
| 組織採取(生検) | 疑わしい部位から組織を採取して病理検査(がん細胞の有無を確認) |
| 炎症の評価 | 潰瘍性大腸炎・クローン病など炎症性腸疾患の活動性を直接評価 |
他の大腸がん検査(便潜血検査・CTコロノグラフィーなど)は「異常の可能性を示唆する」ものですが、大腸内視鏡は「直接見て、必要なら切除もできる」唯一の検査です。この点で、大腸内視鏡は単なる「診断ツール」を超えた「治療・予防ツール」でもあります。
死亡率68%低下のエビデンス|NEJM論文の解説
「大腸内視鏡が大腸がんを予防する」ことは、世界最高峰の医学誌の一つであるNew England Journal of Medicine(NEJM)に掲載された大規模研究によって明確に示されています。
論文情報
Nishihara R, Wu K, Lochhead P, et al.
Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy.
New England Journal of Medicine. 2013; 369: 1095–1105.
Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy.
New England Journal of Medicine. 2013; 369: 1095–1105.
研究の概要
| 研究デザイン | 大規模前向きコホート研究(ナースヘルス研究・医療従事者追跡研究) |
| 追跡期間 | 最長22年間 |
| 対象者 | 米国の医療従事者・看護師など76,000人以上 |
| 比較 | 大腸内視鏡検査を受けた群 vs 受けていない群 |
主な結果
| アウトカム | ハザード比(HR) | リスク低下率 |
|---|---|---|
| 大腸がんによる死亡(大腸内視鏡検査) | 0.32 | 68%低下 |
| 大腸がんの発症(大腸内視鏡検査) | 0.44 | 56%低下 |
HRは年齢・性別・BMI・家族歴・生活習慣などを調整した多変量解析結果。HR 0.32とは「内視鏡を受けた群の死亡率が、受けなかった群の32%に過ぎない」ことを意味します。
この研究の特筆すべき点は、22年間という超長期の追跡データによって示された「持続的な予防効果」です。大腸内視鏡検査のメリットは検査直後だけではなく、10年・20年という長いスパンにわたって続くことがこのデータから読み取れます。また「死亡率の68%低下」という数字は、多くの生活習慣改善やがん検診の効果と比較しても、際立って大きな効果です。
なぜ「死亡率」がこれほど下がるのか
大腸内視鏡には2つの予防メカニズムがあります。第一に「早期がんの発見と治療」、第二に「がんになる前のポリープ切除」です。特に後者の「ポリープ切除による一次予防」が、死亡率の大幅低下に大きく貢献していると考えられています。つまり内視鏡は「がんを見つける検査」であると同時に、「がんにならないための治療」でもあるのです。
ポリープ切除=がんになる前に防ぐ
大腸がんの多くは「腺腫」と呼ばれるポリープ(良性腫瘍)から発生します。この「腺腫→がん」への悪性化には、一般的に数年から10年程度の時間がかかるとされています。
大腸がん発生のメカニズム(腺腫-がん連関)
|
正常粘膜
|
→ |
小さなポリープ
(腺腫) |
→ |
大きなポリープ
|
→ |
大腸がん
|
|
この過程に数年〜10年以上かかる → 内視鏡でポリープ段階で切除すれば「がんにならない」
|
||||||
大腸内視鏡検査中にポリープを発見した場合、多くの場合は同日中に内視鏡的切除(ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術など)を行うことができます。これにより、「がんになる前に取り除く」ことが可能です。便潜血検査はがん化した後の出血を検知する検査ですが、内視鏡はがん化する前のポリープ段階で対処できる点で本質的に異なります。
こんな方に特にお勧めします
大腸内視鏡検査をお勧めする方
- 40歳以上の方(特に男性)で、まだ一度も大腸カメラを受けたことがない
- 血縁に大腸がん・大腸ポリープがいる方
- 便潜血検査で陽性(要精検)と言われた方
- 血便・残便感・便通の変化(便秘・下痢・細い便)が続く方
- 以前ポリープを切除したことがある方(定期的なフォローアップが必要)
- 潰瘍性大腸炎・クローン病と診断されている方
- 肥満・飲酒・喫煙・運動不足・高脂肪食など生活習慣リスクが高い方
- 健康診断を受けてきたが、大腸の検査は受けたことがない方
特に「家族の誰かが大腸がんになったことがある」方は、一般集団よりもリスクが高い傾向があるとされています。症状がなくても、まずは一度検査を受けることをご検討ください。
当院の大腸内視鏡検査について
五良会クリニック白金高輪では、消化器専門医による大腸内視鏡検査を行っています。鎮静剤(静脈麻酔)を使用して眠った状態で検査を受けることができるため、苦痛を最小限に抑えた検査が可能です。
担当医師のご紹介
| 氏名 | 玉井 博修(たまい ひろなお) |
| 肩書き | 五良会クリニック白金高輪 院長(2026年4月就任) |
| 出身 | 慶應義塾大学医学部 卒業 |
| 専門・資格 |
消化器内視鏡専門医・指導医 肝臓専門医 消化器病専門医 総合内科専門医・指導医 |
| 得意分野 | 大腸内視鏡・上部消化管内視鏡(胃カメラ)、肝臓疾患、消化器全般 |
消化器内視鏡専門医・指導医の資格を有する玉井院長が、患者さんお一人おひとりの状態に合わせた丁寧な検査を行います。専門医による高精度な内視鏡検査で、見落としのない大腸がん予防をご提供します。
女性担当医師のご希望もお気軽にご相談ください
当院では、消化器外科での豊富な内視鏡経験を持つベテランの女性医師が水曜・日曜も担当しております。「担当医師について希望がある」「検査に不安がある」という方も、予約時にお気軽にお申し付けください。ご希望に合わせた担当枠でご案内いたします。
当院の大腸内視鏡検査の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当医師 | 玉井博修院長(消化器内視鏡専門医・指導医)をはじめ、消化器専門医が担当 |
| 鎮静剤の使用 | ご希望の方には鎮静剤を使用し、苦痛の少ない検査が可能(要相談) |
| ポリープ切除 | 検査中にポリープが発見された場合、状況に応じて同日切除が可能 |
| 保険適用 | 健康保険適用(症状がある場合・スクリーニング検査など) |
| アクセス | 白金高輪駅(南北線・三田線)2番出口より徒歩1分 |
検査前の腸管洗浄(下剤の服用)が必要となりますので、受診の際に詳しい流れをご説明します。まずはお気軽にご相談ください。
参考文献
Nishihara R, Wu K, Lochhead P, et al. Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy. New England Journal of Medicine. 2013; 369: 1095–1105.
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
Nishihara R, Wu K, Lochhead P, et al. Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy. New England Journal of Medicine. 2013; 369: 1095–1105.
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
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五良会クリニック白金高輪
内科・小児科・消化器内科・血液内科・内視鏡検査
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白金高輪駅(東京メトロ南北線・都営三田線)2番出口 徒歩1分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
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| 10:00〜13:00 | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | 10:00 〜15:00 |
10:00 〜15:00 |
| 14:30〜19:00 | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | / | / |
※火曜休診(祝日の場合は10:00〜15:00) ※内視鏡検査は予約制
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