蜂窩織炎が繰り返す・治りにくい方へ|背景の”免疫低下”とがん・帯状疱疹・渡航前感染までの総合対策【白金高輪の内科】
- 2026年5月24日
- お知らせ
医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
「蜂窩織炎(ほうかしきえん)と言われ、抗菌薬で一旦は治ったけれど、また同じ場所が腫れた」「数年で2回、3回と繰り返している」「足のむくみと一緒に何度も赤くなる」――こうしたお悩みでご来院になる方が増えています。
蜂窩織炎は、皮膚の傷から細菌が深く侵入して起こる感染症です。多くは抗菌薬で良くなりますが、「繰り返す」「治りが遅い」「全身症状が強い」蜂窩織炎は、背景に”免疫低下”のサインが潜んでいることが少なくありません。糖尿病、悪性腫瘍(がん)、薬剤性免疫抑制、リンパ浮腫、足白癬(水虫)など、皮膚の外の原因を見直す必要があります。
本記事では、白金高輪の内科・内視鏡・血液内科・予防接種・渡航医学・皮膚科を擁する当院が、「蜂窩織炎をきっかけに行うべき総合チェック」を分かりやすく整理します。蜂窩織炎そのものの基礎は、当院の人気記事「蜂窩織炎とは|症状・原因・治療・入院の目安を医師が解説」をご覧ください。
1. 蜂窩織炎を1分でおさらい
蜂窩織炎とは、皮膚の真皮深層〜皮下脂肪織に細菌が入り込んで起こる感染症です。下腿(すね・ふくらはぎ)に最も多く、片側だけが急に赤く・熱く・腫れ・痛みを伴い、発熱や悪寒を伴うこともあります。
主な原因菌と外来での抗菌薬
膿(うみ)を伴わない型では連鎖球菌、膿瘍・膿疱を伴う型では黄色ブドウ球菌が代表的です。軽症外来例ではセファレキシン内服、入院例ではセファゾリン点滴が標準的に用いられます。
出典:日本プライマリ・ケア連合学会 感染症情報サイト、亀田感染症ガイドラインほか
基礎の症状・治療・入院の目安・壊死性筋膜炎との見極めは、すでに公開している人気記事「蜂窩織炎とは」に詳しくまとめていますので、まずはそちらをご一読ください。
2. 「繰り返す蜂窩織炎」は身体からのSOS
蜂窩織炎は一度かかると3年以内の再発率が約30%と報告されています。再発を繰り返す方では、皮膚そのものの問題(白癬・湿疹・乾燥・リンパ浮腫など)に加え、全身の免疫力の低下や、まだ見つかっていない疾患が背景にあることが少なくありません。
こんなときは”単なる皮膚感染”で片づけない
● 同じ部位の蜂窩織炎を1年以内に2回以上繰り返した
● 抗菌薬を飲んでも熱や赤みがすっきり引かない
● 体重減少・倦怠感・貧血・便潜血陽性などを伴う
● 50歳以上で初発、あるいは免疫抑制薬・ステロイドを継続中
● 糖尿病で血糖コントロールが不十分(HbA1c 7%以上が続いている)
こうしたケースでは、皮膚の治療と並行して「なぜ感染を繰り返すのか」を内科で系統的に評価することが大切です。
3. 隠れた免疫低下の主な原因
3-1. 糖尿病(感染リスクは2〜3倍)
高血糖が続くと好中球の機能が低下し、創部の血流も悪くなり感染が成立しやすくなります。蜂窩織炎で来院し、その場で初めて糖尿病と分かる方も珍しくありません。糖尿病内科でHbA1c・血糖・尿検査・足の血流評価まで一度に行うことをおすすめします。
3-2. 悪性腫瘍(とくに消化管がん・血液がん)
胃がん・大腸がんなどの消化管悪性腫瘍は、慢性的な出血による鉄欠乏性貧血を引き起こし、結果として免疫機能や創傷治癒能力を落とします。また、骨髄系の血液疾患(骨髄異形成症候群・白血病・多発性骨髄腫など)は好中球減少や免疫グロブリン低下を介して感染症のリスクを上げます。「繰り返す皮膚感染+貧血」は内視鏡と血液内科で精査すべき重要なサインです。
3-3. 免疫抑制薬・生物学的製剤・ステロイドの長期使用
関節リウマチや膠原病、炎症性腸疾患などで免疫抑制薬・ステロイド・生物学的製剤を内服中の方は、蜂窩織炎を含むあらゆる感染症のリスクが高まります。後述する帯状疱疹ワクチンや肺炎球菌ワクチンの追加接種が重要です。
3-4. リンパ浮腫・慢性むくみ
がん術後(乳がん術後・婦人科がん術後など)、長時間の立ち仕事、慢性静脈不全による下腿浮腫は、リンパ液のうっ滞を介して蜂窩織炎の温床になります。むくみの原因評価と圧迫療法、皮膚の保湿スキンケアまでの一貫したマネジメントが必要です。
3-5. 足白癬(水虫)・湿疹・乾燥肌
指の間や足の裏の白癬・乾燥肌・湿疹は細菌の侵入口になります。一般皮膚科で皮膚科専門医が顕微鏡検査まで含めた正確な診断を行い、抗真菌薬と保湿の組み合わせで根治させることが、蜂窩織炎再発予防の王道です。
4. なぜ”がん”を疑うのか — 1F内視鏡の役割
蜂窩織炎を繰り返す中高年の患者さんで、血液検査をすると鉄欠乏性貧血や炎症反応(CRP)の持続上昇がみつかることがあります。原因の上位に挙がるのが胃・大腸の慢性出血、つまり胃がん・大腸がん・大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎などです。免疫低下の原因疾患を見つける最短ルートが、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)です。
● 静脈麻酔+鎮痛薬併用の鎮静下内視鏡で「気付いたら終わっていた」を実現
● 大腸下剤は飲みやすいサルプレップを採用(少量・分割投与・冷却法)
● 同日に胃・大腸の同日検査も可能
● 大腸ポリープはその場で日帰り切除(保険診療)
蜂窩織炎を繰り返している方、特に50歳以上で大腸カメラを一度も受けていない方、便潜血陽性を放置している方、原因不明の貧血を指摘されたことがある方は、症状が落ち着いたタイミングで内視鏡検査を強くおすすめします。
詳しくは関連記事をご覧ください。
5. 同じ免疫低下が呼ぶ”帯状疱疹”|2025年4月から定期接種化
蜂窩織炎を繰り返す方は、細胞性免疫の低下を背景にしている場合があり、これは帯状疱疹(たいじょうほうしん)が発症しやすい状態と重なります。帯状疱疹は加齢・ストレス・免疫低下で水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで起こり、80歳までに約3人に1人が経験するとされます。発症すると激痛が数週間続き、長引く帯状疱疹後神経痛(PHN)に悩まされる方も少なくありません。
📌 2025年4月から65歳に対する定期接種が開始
2025年4月1日より、原則65歳の方を対象に帯状疱疹ワクチンが予防接種法上の定期接種B類疾病となりました。2025〜2029年度は経過措置として、その年度内に70・75・80・85・90・95・100歳に達する方も対象になります。
使用ワクチンは乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス筋注用)または乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)のいずれかを選択できます。シングリックスは2か月以上7か月未満の間隔で2回筋肉内接種です。
出典:厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」公式ページ、GSKプレスリリース 2024年12月18日
定期接種対象年齢に達していない方や、免疫抑制薬・ステロイド・生物学的製剤を使用中の若い患者さんでも、ご希望に応じて任意接種でシングリックスを接種できます。蜂窩織炎を繰り返している方は、帯状疱疹ワクチンの接種計画も一緒に立てておくと安心です。
港区の助成金や接種の流れについては、当院の過去記事もご参照ください。
6. 旅行・駐在前の蜂窩織炎リスクとトラベルワクチン外来
蜂窩織炎は渡航中・滞在中にこそ起こりやすい感染症です。高温多湿の地域では足白癬や虫刺されからの細菌感染が増え、現地で必要な抗菌薬(とくにペニシリン系・セフェム系)が手に入らないこともあります。海外で皮膚感染を起こすと、その先に破傷風・狂犬病・腸チフス・髄膜炎菌感染症などの重症感染症リスクも控えています。
● A型・B型肝炎、破傷風、狂犬病、腸チフス、髄膜炎菌、Tdap(百日咳)など主要トラベルワクチンを取り扱い
● Twinrix急速接種スケジュールに対応(A型+B型肝炎を最短3週間で完了)
● 高山病予防(ダイアモックス)や常備薬の処方相談まで一括対応
留学・駐在・長期出張を控えている方は、出発の6〜8週間前までにご相談ください。蜂窩織炎を繰り返している方や免疫抑制中の方は、現地で必要な追加ワクチン・予備抗菌薬の処方判断にも時間がかかります。
詳細:【医師監修】高山病予防・トラベルワクチン|Twinrix急速接種で最短3週間対応
7. 2Fの一般皮膚科+皮膚科専門医で原因疾患まで精査
当院は同じビルの2階に美容皮膚科・形成外科を併設していますが、自由診療メニューだけでなく保険診療の一般皮膚科も行っています。日本皮膚科学会の皮膚科専門医が在籍しており、蜂窩織炎の原因となる皮膚疾患を専門の視点で精査できます。
| 蜂窩織炎の隠れた原因疾患 | 2F一般皮膚科でできること |
|---|---|
| 足白癬(水虫)・爪白癬 | 顕微鏡検査による確定診断、外用・内服抗真菌薬の処方 |
| アトピー性皮膚炎・湿疹・乾皮症 | ガイドラインに沿った外用ステロイド・タクロリムス・保湿の使い分け |
| 粉瘤(アテローム)・毛嚢炎・癤(せつ) | 切開排膿・くりぬき法による粉瘤摘出(保険診療) |
| 虫刺され・接触皮膚炎 | 原因究明とパッチテスト、予防指導 |
| リンパ浮腫・慢性下腿浮腫 | スキンケア指導、圧迫療法、1F内科との連携で原因評価 |
| 帯状疱疹(皮疹の急性期) | 皮膚科専門医による早期診断、抗ヘルペスウイルス薬投与 |
「内科で蜂窩織炎の点滴・内服治療を受けたあと、原因評価のため2F皮膚科で精査」「2F皮膚科で水虫を治しつつ、1F内科で糖尿病・がん検診まで一気通貫」――こうした院内連携が可能なのは、同じビル内で1Fと2Fが連動している五良会クリニック白金高輪ならではの強みです。
関連記事:【粉瘤(アテローム)治療をお考えの方へ】
8. 当院で受けられる総合チェック一覧
蜂窩織炎を機に整理すべき検査・予防接種を、当院でワンストップで行える項目に絞ってまとめます。
| STEP 1 | 1F内科で全身評価 血液検査(血算・CRP・HbA1c・肝腎機能・鉄・フェリチン)、尿検査、必要に応じて胸腹部の身体診察と下肢血流評価 |
| STEP 2 | 原因疾患の精査 貧血や便潜血陽性があれば胃カメラ・大腸カメラを予約。50歳以上で未受診の方は症状が落ち着いた段階で大腸カメラを検討 |
| STEP 3 | 2F一般皮膚科で皮膚原因の根治 白癬・湿疹・粉瘤・リンパ浮腫など、感染の侵入口になっている皮膚疾患を皮膚科専門医が治療 |
| STEP 4 | 感染予防のワクチン整備 帯状疱疹ワクチン(シングリックス/ビケン)、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザ、新型コロナ、Tdap(破傷風)を年齢・基礎疾患・渡航予定に合わせて選定 |
| STEP 5 | 渡航予定があればトラベルクリニック A/B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎菌、ダイアモックスなど、行き先・滞在期間に合わせて認定医が処方 |
| STEP 6 | 再発予防の生活指導と継続フォロー 糖尿病・むくみ・スキンケア・足の保湿・体重管理を、内科+皮膚科で継続フォロー |
⚠️ 注意
急性期で発熱や強い痛み・赤みの拡大・水疱形成・全身倦怠感が強い場合は、内視鏡や予防接種より先に抗菌薬治療と入院適応の判断を優先します。まずは内科を受診してください。
9. よくあるご質問(FAQ)
10. 理事長コメント
11. まとめ
✅ 背景には糖尿病・悪性腫瘍・免疫抑制薬・リンパ浮腫・足白癬が潜んでいる可能性
✅ 鉄欠乏性貧血や慢性炎症があるなら、1F内視鏡で胃がん・大腸がんを一度確認
✅ 同じ免疫低下が呼ぶ帯状疱疹は、2025年4月から65歳に定期接種化(シングリックスまたはビケン)
✅ 海外渡航・駐在予定の方は認定医2名体制のトラベルクリニックを出発6〜8週間前までに
✅ 反復蜂窩織炎の根本原因(白癬・湿疹・粉瘤・リンパ浮腫など)は2F一般皮膚科+皮膚科専門医で精査
✅ 同じビルの1Fと2Fで内科×内視鏡×血液内科×予防接種×渡航×皮膚科をワンストップ
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