胃カメラ・大腸カメラ×腹部エコー—40代からの『丸ごと検査』のすすめ【理事長×玉井院長コラボ】
執筆・監修
医療法人社団五良会 理事長 五藤良将 × 五良会クリニック白金高輪 院長 玉井博修(たまい ひろなお)
理事長:日本抗加齢医学会専門医・日本内科学会認定内科医/院長:消化器内科・肝臓内科・消化器内視鏡(慶應義塾大学医学部卒業、川崎市立川崎病院 肝臓内科部長2008年〜・消化器内科部長2012年〜、久里浜医療センター勤務歴、4学会で専門医・指導医)
五良会クリニック白金高輪 理事長の五藤良将と、院長の玉井博修(たまい ひろなお)です。脂肪肝・メタボ・アルコールをテーマにお届けしてきたシリーズも、いよいよ最終回。本記事は二人の共同企画で、「40代からのからだを丸ごとチェックする検査」についてお話しします。
これまでのシリーズで繰り返しお伝えしてきたように、メタボ・脂肪肝・お酒の問題は、肝臓だけにとどまりません。食道・胃・大腸・膵臓・心血管・代謝——多くの臓器が連鎖的に影響を受けます。だからこそ、「一度、丸ごと調べてみる」という発想が、忙しい大人世代にこそフィットするのです。
本記事では、胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコーを組み合わせた「丸ごと検査」の意義と、当院が誇る内視鏡担当医6名体制/第1〜第5土曜すべて毎週対応の体制についてご紹介します。
📌 院長プロフィール詳細はこちら
【新院長就任】川崎市立川崎病院 元・消化器内科部長 玉井博修医師が就任しました
慶應義塾大学医学部卒業後、川崎市立川崎病院で肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)を歴任し、2026年4月に五良会クリニック白金高輪 院長に就任。久里浜医療センター勤務歴あり。詳しい経歴・専門医資格・担当外来情報は院長就任ブログをご覧ください。
目次
『メタボ+お酒』の方こそ内視鏡を受けるべき理由
これまでのシリーズで、メタボリックシンドロームと飲酒が肝臓に与える影響について詳しく解説してきました。しかし「メタボ+お酒」のリスクは、肝臓だけに留まりません。この組み合わせは、消化管全体——特に食道・胃・大腸——のがんリスクも大きく押し上げます。
『メタボ+お酒』が高めるがんリスク(主なもの)
| 部位 | 関連メカニズム | 推奨検査 |
|---|---|---|
| 食道がん(扁平上皮がん) | 飲酒・喫煙・アセトアルデヒド(特にALDH2活性低下者) | 胃カメラ(NBI観察) |
| 食道がん(腺がん) | 逆流性食道炎、肥満(バレット食道経由) | 胃カメラ |
| 胃がん | ピロリ菌、塩分摂取、喫煙 | 胃カメラ |
| 大腸がん | 飲酒、肥満、糖尿病、運動不足、加工肉摂取 | 大腸カメラ |
| 肝がん(HCC) | 脂肪肝・肝硬変(MASH/ALD/MetALD) | 腹部エコー+FibroScan |
| 膵がん | 糖尿病、肥満、飲酒、喫煙 | 腹部エコー(+必要時CT/MRI) |
出典:国立がん研究センター「がん種別がんリスク要因評価」、IARC(国際がん研究機関)アルコール関連がん報告
日本人特有の遺伝的リスク:ALDH2活性低下
日本人の約40〜50%は、アセトアルデヒド分解酵素(ALDH2)の活性が遺伝的に低下しています。お酒を飲んで「すぐ顔が赤くなる」「動悸がする」タイプです。この遺伝的素因がある方が習慣的に飲酒すると、食道がん・上気道がんのリスクが大きく上昇することが多くの疫学研究で示されています。「お酒に弱いけど飲んでしまう」方こそ、定期的な胃カメラが重要です。
食道がん・大腸がん・脂肪肝—リスクは連鎖する
脂肪肝の方は、肝臓以外のがんリスクも高いことが報告されています。これは単なる偶然ではなく、「メタボ+飲酒」という共通の背景因子が、複数の臓器に同時にダメージを与えているからです。
『メタボ+お酒』のリスク連鎖モデル
①肝臓:脂肪肝 → MASH/MetALD → 肝硬変 → 肝がん
代謝異常+アルコールで線維化が加速。FibroScan・腹部エコーで評価。
②食道:逆流性食道炎・食道がん
肥満による逆流性食道炎リスク増、飲酒・ALDH2活性低下による扁平上皮がんリスク増。胃カメラ(NBI観察)で評価。
③大腸:大腸がん・大腸ポリープ
肥満・糖尿病・飲酒で発生リスクが大きく上昇。大腸カメラでポリープ段階での切除が可能(がんを未然に防げる)。
④膵臓:膵がん・慢性膵炎
糖尿病・肥満・飲酒・喫煙が複合的にリスク要因。腹部エコーで初期スクリーニング可能。
⑤心血管:動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞
メタボ自体が心血管疾患の最大のリスク。採血・血圧・心電図で総合評価。
これらは別々のリスクではなく、同じ生活習慣から派生する『同根のリスク群』です。だからこそ、肝機能の数値が引っかかった方には、胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコーを併せて受けていただきたいのです。
40代から内視鏡を始める医学的根拠
「内視鏡検査は何歳から始めるべきか」というご質問をよくいただきます。一般的な目安として、40歳前後から定期的に始めることをお勧めしています。
年齢別・推奨される内視鏡検査の目安
| 年齢 | 胃カメラ | 大腸カメラ |
|---|---|---|
| 30代 | ピロリ菌検査・除菌歴があれば1回は | 家族歴・血便ありなら検討 |
| 40代前半 | 基本的に1度は受ける(特に飲酒・喫煙者) | 家族歴・症状ありなら受ける |
| 40代後半〜50代 | 2〜3年に1回程度(リスク次第) | 1度は必ず受ける(推奨) |
| 60代以降 | 2〜3年に1回 | 3〜5年に1回(前回所見次第) |
※あくまで目安。個別のリスク要因(家族歴、生活習慣、既往歴等)により頻度は調整します。最終的な間隔は内視鏡医とご相談ください。
関連記事:健康診断と内視鏡を組み合わせる意義
会社の健康診断や人間ドックでは見つかりにくい、食道・胃・大腸の病変を早期発見するためには内視鏡検査が不可欠です。健診結果の「異常なし」は、内視鏡を受けたうえでの「異常なし」ではない——詳しくは過去記事「健康診断・人間ドックと内視鏡検査|胃カメラ・大腸カメラを組み合わせる意義」をご覧ください。便潜血陽性と言われた方には「便潜血陽性と言われたら——『痔のせい』と決めつけずに必ず大腸カメラを」もあわせてご一読ください。
『丸ごと検査』の組み合わせ方
「忙しくて、何度もクリニックに通えない」という方には、同日または近い日程に複数検査をまとめて受ける『丸ごと検査』という選択肢があります。
五良会クリニック白金高輪『丸ごと検査』推奨パッケージ
| パッケージ | 推奨対象 | 内容 |
|---|---|---|
| A. 入門編 | 初めての方/40代前半 | 採血+腹部エコー+胃カメラ(鎮静) |
| B. 標準編 | 40代後半/メタボあり | 採血+腹部エコー+胃カメラ+大腸カメラ(鎮静・別日も可) |
| C. 完全編 | 脂肪肝指摘あり/飲酒量多め | B+FibroScan(センター南)+AUDIT/KASTスクリーニング |
| D. 同日内視鏡 | 時間を有効活用したい方 | 胃カメラ+大腸カメラ同日実施(鎮静下・約2時間で完了) |
※具体的なご提案は診察時に体調・既往歴・ご都合に合わせてカスタマイズします。
当院の内視鏡担当医6名体制・土曜毎週対応
五良会クリニック白金高輪の大きな特徴の一つが、消化器・肝臓・内視鏡専門の医師6名による充実した体制です。それぞれが大学病院・基幹病院での豊富な経験を持つベテランで、第1〜第5土曜のすべてで内視鏡検査を実施しています。
内視鏡担当医6名体制
| 医師 | 専門・経歴 | 主な担当 |
|---|---|---|
| 玉井 博修 (院長/たまい ひろなお) |
消化器内科・肝臓内科・消化器内視鏡/慶應義塾大学医学部卒業/久里浜医療センター勤務歴/川崎市立川崎病院 肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)/日本内科学会・日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本肝臓学会の4学会で専門医・指導医 | 月午前午後・木午前・金午前午後・第2第4土 |
| 坂田 真紀子 | 消化器外科・内視鏡/日本外科学会専門医・日本消化器外科学会専門医・指導医・日本消化器内視鏡学会上部消化管内視鏡スクリーニング認定医 | 水曜・日曜 |
| 井田 智則 | 消化器内科/大森赤十字病院 消化器内科長 | 第1土曜 |
| 山田 医師 | 消化器内科・肝臓内科・上部下部内視鏡/日本内科学会総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・日本消化器病学会専門医・指導医・日本消化管学会専門医・日本肝臓学会専門医・指導医 | 第3・第5土曜 |
| 石丸 神矢 | 外科専門医・内視鏡 | 不定期(応援勤務) |
| 阿部 靖彦 | 消化器内科・内視鏡・心療内科/日本消化器内視鏡学会専門医・日本消化器病学会専門医・日本心身医学会専門医・日本心療内科学会専門医 | 不定期(応援勤務) |
第1〜第5土曜すべてで内視鏡対応
多くのクリニックでは「土曜は第◯週のみ」という体制が一般的ですが、当院では第1〜第5土曜すべてで内視鏡検査を実施しています。「平日は仕事で休めない」という働き世代の方も、月のどの土曜日でも検査を受けられる体制です。日曜日も坂田医師による内視鏡対応あり。
鎮静・サルプレップ・関連記事のご案内
内視鏡検査をご検討の方に、ぜひ併せて読んでいただきたい関連記事をご紹介します。
📚 内視鏡関連の過去記事(玉井院長 × 五藤理事長)
▶ 苦痛の少ない鎮静下内視鏡検査|静脈麻酔×鎮痛薬併用で「気付いたら検査が終わっていた」を実現
「内視鏡は怖い/苦しい」というイメージを払拭する記事。当院の鎮静プロトコル、使用する薬剤、検査後の流れを詳しく解説。
▶ 健康診断・人間ドックと内視鏡検査|胃カメラ・大腸カメラを組み合わせる意義
会社の健康診断だけでは見つけられない疾患があります。内視鏡を組み合わせることでなぜ早期発見につながるのか、徹底解説。
▶ 便潜血陽性と言われたら——「痔のせい」と決めつけずに必ず大腸カメラを
便潜血陽性を「痔のせい」と自己判断して放置するのが最も危険です。必ず大腸カメラを受ける理由を解説。
▶ ピロリ菌除菌療法のすべて|一次・二次除菌の保険適用と成功率
胃がんの最大原因であるピロリ菌について。除菌治療の流れ、成功率、注意点を玉井院長が解説。
メタボと密接に関係する睡眠時無呼吸症候群。脂肪肝シリーズと併せて読みたい一本。
理事長×院長から、最後のメッセージ
理事長 五藤良将より
本シリーズを企画したのは、私が日々の内科診療で「メタボ・脂肪肝・お酒」の問題を抱える方々と接する中で、「肝臓の問題は、その人の人生全体と関わっている」と痛感したからです。「お酒をやめなさい」「痩せなさい」と言うのは簡単ですが、それでは何も解決しません。患者さんの暮らしと価値観に寄り添いながら、持続可能な選択肢を一緒に探す——そんなクリニックでありたいと考えています。玉井院長と二人三脚で、これからも皆さまの健康をお守りしていきます。
院長 玉井博修より
川崎市立川崎病院で肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)を歴任した経験、そして久里浜医療センターでアルコール医療の最前線に触れた経験を、五良会クリニック白金高輪というプライマリケアの場で活かしていきたい——それが私がこのクリニックに来た理由です。「忙しくて病院に行けない」「専門病院は敷居が高い」という方にこそ、専門レベルの医療を身近に。それが私の使命だと思っています。お気軽にご相談ください。
全5回のシリーズにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。脂肪肝・メタボ・お酒・内視鏡——どこか一つでも「自分のことかもしれない」と思った方は、ぜひ当院にご相談ください。白金高輪駅2番出口から徒歩1分。第1〜第5土曜・日曜・祝日も診療しています。
📚 脂肪肝・メタボ・内視鏡・アルコール シリーズ(全5回)
本シリーズは五藤良将理事長と玉井博修院長の共同企画です。「メタボから脂肪肝、そしてアルコール」までを横断的に解説しています。
👨⚕️ 玉井院長 就任ブログ(プロフィール・経歴詳細)
本シリーズの監修者・玉井博修院長の詳しいプロフィール、川崎市立川崎病院での経歴、専門医・指導医資格、担当スケジュール、内視鏡検査の流れなどをご覧いただけます。
🔗 関連する過去記事
・国立がん研究センター「がん種別がんリスク要因評価」
・国際がん研究機関(IARC)「Personal Habits and Indoor Combustions: A Review of Human Carcinogens」
・日本消化器内視鏡学会「上部消化管内視鏡スクリーニング・サーベイランスガイドライン」
・日本消化器がん検診学会「大腸がん検診ガイドライン」
・日本消化器病学会・日本肝臓学会『NAFLD/NASH診療ガイドライン2020』
・厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(最新改正版)
・Yokoyama A, et al. ALDH2 deficiency, drinking habit and esophageal cancer in Japanese males. Carcinogenesis関連報告
五良会クリニック白金高輪
院長 玉井博修(たまい ひろなお) × 理事長 五藤良将
| 内科 | 小児科 | 消化器内科 | 血液内科 | 内視鏡 |
| 糖尿病内科 | アレルギー科 | 予防接種 | 健康診断 | 渡航医学 |
東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00〜13:00 | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ | 10:00 〜 15:00 |
10:00 〜 15:00 |
| 14:30〜19:00 | ○ | ○ | ○ | ○ |
休診日:火曜日/土・日・祝は10:00〜15:00(最終受付14:30)
|
WEB予約 前日まで |
|
|
|
LINE 公式アカウント |
1F公式 |
電話 03-6432-5353 |
理事長 五藤 良将