健診で『脂肪肝』『γGTP・ALT高め』と言われたら—メタボから始まる肝臓のサイン【理事長解説】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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健診で『脂肪肝』『γGTP・ALT高め』と言われたら—メタボから始まる肝臓のサイン【理事長解説】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健診で『脂肪肝』『γGTP・ALT高め』と言われたら—メタボから始まる肝臓のサイン【理事長解説】

この記事の執筆

医療法人社団五良会 理事長 五藤良将

五良会クリニック白金高輪 理事長/竹内内科小児科医院 院長/日本抗加齢医学会専門医・日本内科学会認定内科医・日本旅行医学会認定医

こんにちは。五良会クリニック白金高輪 理事長の五藤良将です。

健康診断や人間ドックの結果を見て、「脂肪肝の疑い」「γGTP(ガンマGTP)が高い」「ALT・ASTが基準値を超えている」と書かれていて、ドキッとした経験はありませんか?「お酒は控えているのに、なぜ?」「忙しくて再検査に行く時間がない」と先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。痛みや黄疸といった症状が出るころには、病気はかなり進んでいることも珍しくありません。今回は、内科・糖尿病内科を専門とする理事長の視点から、健診で『脂肪肝・肝機能異常』を指摘された方に、最初に知っていただきたい基本をお話しします。

そして本記事は、消化器内科・肝臓内科のスペシャリストである玉井博修院長が解説する詳細編(MASLD/MASH、アルコール性脂肪肝、減酒治療など)の入り口でもあります。シリーズ全5回でお届けしますので、気になる回からお読みください。

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【新院長就任】川崎市立川崎病院 元・消化器内科部長 玉井博修医師が就任しました

慶應義塾大学医学部卒業後、川崎市立川崎病院で肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)を歴任し、2026年4月に五良会クリニック白金高輪 院長に就任。久里浜医療センター勤務歴あり。詳しい経歴・専門医資格・担当外来情報は院長就任ブログをご覧ください。

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健診結果のどこを見ればよいか

健康診断の結果表は項目が多く、どこに注目すればよいか迷いますよね。「肝臓・脂肪肝・メタボ」の観点で最低限チェックしていただきたい指標を整理しました。

健診結果で必ずチェックしたい主な項目

項目 基準値の目安 何を意味するか
AST(GOT) 概ね30 U/L以下 肝細胞の障害の指標。心筋・骨格筋にも含まれる
ALT(GPT) 概ね30 U/L以下(男性)/23 U/L以下(女性) 肝臓に最も特異的。脂肪肝・肝炎で上昇
γGTP 概ね50 U/L以下(男性)/30 U/L以下(女性) アルコール・薬剤・脂肪肝で上昇しやすい
血小板数 15万〜35万/μL 減少すると肝硬変の可能性。FIB-4計算に必須
中性脂肪(TG) 150 mg/dL未満 脂質異常の指標。脂肪肝と密接に関連
HDLコレステロール 40 mg/dL以上 「善玉」。低いとメタボ基準の一つ
空腹時血糖/HbA1c 110 mg/dL未満/5.6%未満 糖代謝異常。脂肪肝の重要な背景因子
腹囲 男性85 cm未満/女性90 cm未満 内臓脂肪の指標。メタボ診断の起点

※基準値は施設・学会ガイドラインにより若干異なります。最終的な判定は主治医にご相談ください。

こんなパターンは要注意

  • ALT>ASTで両方が軽度上昇 → 脂肪肝(MASLD)が最も疑われるパターン
  • AST>ALTで γGTPも高い → アルコール性肝障害が疑われるパターン
  • γGTPだけが高い → アルコール・薬剤性・胆道系疾患を確認する必要あり
  • 血小板が15万以下 → 肝硬変の可能性。FIB-4計算と専門医受診を強く推奨

メタボリックシンドロームの診断基準

脂肪肝の最大の背景にあるのがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)です。日本における診断基準は以下のとおりです。

日本のメタボリックシンドローム診断基準(必須項目+2項目以上)

【必須】内臓脂肪蓄積

ウエスト周囲径:男性85 cm以上/女性90 cm以上
(内臓脂肪面積100 cm²以上に相当)

+ 以下のうち2つ以上に該当

① 脂質異常 中性脂肪 150 mg/dL以上 かつ/または HDL 40 mg/dL未満
② 高血圧 収縮期 130 mmHg以上 かつ/または 拡張期 85 mmHg以上
③ 高血糖 空腹時血糖 110 mg/dL以上

出典:日本内科学会「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」報告(2005)

ポイントは「内臓脂肪が悪さの起点」になっていることです。皮下脂肪と違い、内臓脂肪はインスリン抵抗性を引き起こし、脂質代謝・血糖・血圧・そして肝臓に総合的な悪影響を及ぼします。

脂肪肝とは何か—『フォアグラ状態』の肝臓

脂肪肝とは、肝細胞の5%以上に脂肪(中性脂肪)が蓄積した状態です。フランス料理で珍重される「フォアグラ」は、ガチョウやアヒルに大量の餌を与えて意図的に作る脂肪肝そのもの。私たちの肝臓も、暴飲暴食・運動不足・お酒の飲み過ぎなどでフォアグラ化していきます。

脂肪肝の主な分類(2023年新名称)

名称(略号) 何が原因か
MASLD
(旧NAFLD)
代謝(メタボ)関連の脂肪肝。肥満・糖尿病・脂質異常症などが背景
MASH
(旧NASH)
MASLDのうち肝細胞の炎症・線維化を伴うもの。肝硬変・肝がんへ進む
MetALD
(新概念)
代謝因子+アルコール(中等量)の複合型。日本人男性に多い
ALD アルコール関連肝疾患。多量飲酒が主因

2023年、AASLD(米国肝臓学会)等が国際的Delphi合意により名称を一新しました。詳細は第2回・玉井院長監修『MASLD・MASH』専門編で解説します。

かつて脂肪肝は「お酒の飲み過ぎ=NAFLD(非アルコール性)」と「アルコール性=ALD」の2つで考えられていました。しかし日本人の場合、「メタボもあるし、お酒も毎日飲む」という方が圧倒的に多い。この『複合型』を扱うために生まれたのが MetALD という新しい概念です。

『ただの脂肪肝』が将来こうなる—放置のリスク

「脂肪肝くらい、誰でも持っているでしょう」とおっしゃる方がいます。確かに日本人成人の約3〜4人に1人は脂肪肝を持つと推計されています(出典:日本消化器病学会・日本肝臓学会『NAFLD/NASH診療ガイドライン2020』)。しかし「ただの脂肪肝」のうち一定割合が、確実に進行していきます。

脂肪肝が進行していく流れ

STEP 1
単純性脂肪肝
肝細胞に脂肪が溜まっただけの状態。自覚症状なし。
ALT軽度上昇程度
STEP 2
脂肪性肝炎
(MASH/ASH)
肝細胞に炎症と線維化が始まる。
このStepから引き返しにくくなる。痛みなどの自覚症状はほぼなし
STEP 3
肝硬変
線維化が進行し、肝臓が硬くなる。
むくみ・腹水・黄疸・食道静脈瘤などが出現
STEP 4
肝がん
(HCC)
肝硬変を背景に発生。近年MASH由来の肝がんが増加。B型・C型肝炎ウイルスが治療で減った今、最大の肝がん予備群

重要なのは、STEP 1から2に進む段階で気づくこと。STEP 3(肝硬変)まで来てしまうと完全には元に戻せません。「早く気づけば、脂肪肝は治せる病気」です。

なぜ専門医(消化器・肝臓内科)への受診が大事か

脂肪肝は内科の領域で対応できることも多いのですが、「線維化が進んでいるのか/いないのか」の判定には肝臓専門医の評価が欠かせません。

当院の玉井博修院長(たまい ひろなお)は、慶應義塾大学医学部を卒業後、川崎市立川崎病院で肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)を歴任した、消化器内科・肝臓内科のスペシャリストです。日本内科学会・日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本肝臓学会の4学会すべてで専門医・指導医の資格を持っています。さらに、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター(旧・久里浜アルコール症センター)での勤務歴があり、アルコール関連肝疾患の臨床にも精通しています。詳しい経歴は院長就任ブログをご覧ください。

五良会クリニック白金高輪 院長

玉井 博修(たまい ひろなお)

専門:消化器内科・肝臓内科・消化器内視鏡
経歴:慶應義塾大学医学部卒業/久里浜医療センター(旧久里浜アルコール症センター)勤務歴/川崎市立川崎病院 肝臓内科部長(2008年〜)・消化器内科部長(2012年〜)/2026年4月 五良会クリニック白金高輪 院長 就任
資格:日本内科学会総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会専門医・指導医/日本肝臓学会専門医・指導医

担当:月曜午前午後/木曜午前/金曜午前午後/第2・第4土曜(火曜・水曜は同グループの竹内内科小児科医院・大田区田園調布)

当院でできる検査・グループ内連携

五良会クリニック白金高輪では、脂肪肝・メタボに対して以下の検査・対応が可能です。

脂肪肝・メタボに対する当院の対応

検査・対応 内容
採血検査
(保険適用)
AST・ALT・γGTP・血小板・脂質・血糖・HbA1c等を一式評価
FIB-4 index計算 採血結果から肝線維化リスクを計算(簡便)
腹部エコー
(保険適用)
脂肪肝の有無・脂肪化の程度を画像で確認
FibroScan
(肝硬度測定)
同じ医療法人グループの五良ファミリークリニックセンター南で実施可能。線維化の客観的評価
胃カメラ・大腸カメラ 食道静脈瘤・がんスクリーニング。玉井院長を含む内視鏡医6名体制・土曜毎週対応
糖尿病・脂質異常症の管理 理事長(糖尿病内科)が継続的にフォロー
飲酒に関する相談・減酒指導 玉井院長によるAUDIT・KASTスクリーニング、減酒治療(セリンクロ処方も可能)

※費用は保険診療3割負担の場合の目安となります。詳細は受診時にご確認ください。

医療法人グループのシームレスな連携

五良会クリニック白金高輪では、専門度が高い検査が必要な場合に同じ医療法人グループの五良ファミリークリニックセンター南(医療法人社団正友会・理事長:五藤良将)と密接に連携しています。FibroScan(肝硬度測定)はセンター南で対応可能。白金高輪での診察 → センター南でのFibroScan → 結果フォローまで、一貫した医療を提供できる体制を整えています。

理事長から、忙しいビジネスパーソンの皆さまへ

白金高輪・港区エリアにお勤めの方、また港区周辺にお住まいの方は、本当にお忙しい方が多い印象です。「健診で引っかかったけど、再検査の時間が取れない」「会食が多くてお酒は減らせない」「運動する時間も気力もない」——これは私自身、内科医として日々お聞きしている言葉でもあります。

だからこそお伝えしたいのは、「気づいた今が、人生で一番若い日」だということです。脂肪肝・メタボはSTEP 1の段階なら、生活習慣の見直しで十分にリセットできます。STEP 2(脂肪性肝炎)まで進んでも、専門医のもとで適切な治療を受ければ進行を止められます。

当院は白金高輪駅2番出口から徒歩1分平日の19:00まで、土日祝も診療しています。健診結果を持ってお気軽にご相談ください。次回シリーズでは、玉井院長による専門編をお届けします。

📚 脂肪肝・メタボ・内視鏡・アルコール シリーズ(全5回)

本シリーズは五藤良将理事長と玉井博修院長の共同企画です。「メタボから脂肪肝、そしてアルコール」までを横断的に解説しています。

👨‍⚕️ 玉井院長 就任ブログ(プロフィール・経歴詳細)

本シリーズの監修者・玉井博修院長の詳しいプロフィール、川崎市立川崎病院での経歴、専門医・指導医資格、担当スケジュール、内視鏡検査の流れなどをご覧いただけます。

▶ 【新院長就任】川崎市立川崎病院 元・消化器内科部長 玉井博修医師が就任しました

参考情報・出典
・日本消化器病学会・日本肝臓学会『NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)』
・日本内科学会「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」報告(2005)
・Rinella ME, et al. A multisociety Delphi consensus statement on new fatty liver disease nomenclature. Hepatology. 2023;78(6):1966-1986. PMID: 37363821
・厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」

医療法人社団五良会
理事長 五藤良将
(五良会クリニック白金高輪/竹内内科小児科医院)


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