健診で「HbA1cが高め」「血糖値が高い」と言われたら|糖尿病予備群(境界型)は引き返せる最後のチャンス【白金高輪の糖尿病内科】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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健診で「HbA1cが高め」「血糖値が高い」と言われたら|糖尿病予備群(境界型)は引き返せる最後のチャンス【白金高輪の糖尿病内科】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健診で「HbA1cが高め」「血糖値が高い」と言われたら|糖尿病予備群(境界型)は引き返せる最後のチャンス【白金高輪の糖尿病内科】

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)

「健康診断の結果表に『HbA1cが高め』『血糖値要注意』と書かれていたけれど、症状は何もないし、まだ糖尿病ではないと言われたから大丈夫」――そう思って結果表を引き出しにしまっていませんか。夏の健診シーズン、白金高輪駅周辺のオフィスにお勤めの方からも、こうしたご相談が増えています。
結論からお伝えします。糖尿病予備群(境界型)は、生活を変えれば正常型に引き返せる「最後の分岐点」です。一方で放置すれば、年に5〜10%の方が糖尿病へ進行し、糖尿病と診断される前の段階からすでに動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞のリスク)は進み始めることが分かっています。この記事では、健診数値の正しい読み方から、医療機関で受けるべき検査、科学的根拠のある「引き返し方」まで、糖尿病内科の視点で解説します。
📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)

1. 「糖尿病予備群(境界型)」とは?――まだ病気ではない、でも正常でもない

糖尿病予備群とは、血糖値が正常より高いものの、糖尿病と診断される基準にはまだ達していない状態を指します。日本糖尿病学会の分類では「境界型」と呼ばれ、国際的には「前糖尿病(prediabetes)」とも表現されます。厚生労働省の国民健康・栄養調査では、糖尿病が強く疑われる方に加え、「糖尿病の可能性を否定できない方(予備群)」が全国で約1,000万人いると推計されており、決して珍しい状態ではありません。
境界型には大きく2つのタイプがあります。
タイプ どんな状態? 判定基準
空腹時血糖異常(IFG) 朝の空腹時の血糖が高め 空腹時血糖 110〜125mg/dL
耐糖能異常(IGT) 食後に血糖が下がりにくい(血糖値スパイク型) 75gブドウ糖負荷後2時間値 140〜199mg/dL

⚠️ 「食後高血糖型(IGT)」は健診で見逃されやすい

健診の血液検査は多くの場合、空腹の状態で行います。そのため空腹時血糖が正常でも、食後だけ血糖が急上昇するタイプ(IGT)は健診では捕まりません。「HbA1cだけ少し高い」という方はこのタイプが隠れている可能性があり、後述の75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)が診断に有用です。

2. 健診数値の読み方|HbA1c・血糖値はどこからが要注意?【基準値表】

「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」は、過去1〜2か月の血糖の平均を反映する数値です。健診当日の食事に左右されないため、血糖の「通信簿」としてもっとも重視されます。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」に基づく判定の目安は次のとおりです。
判定 HbA1c(NGSP) 空腹時血糖 意味
正常域 〜5.5% 〜99mg/dL 現時点で問題なし
要注意(保健指導域) 5.6〜5.9% 100〜109mg/dL 生活習慣の見直しを始める段階(特定保健指導の判定値)
境界型が強く疑われる 6.0〜6.4% 110〜125mg/dL 将来の糖尿病発症リスクが高い。医療機関での精査を推奨
糖尿病型 6.5%以上 126mg/dL以上 糖尿病の診断基準に該当。速やかに受診を

補足:正式な「境界型」の判定は75gOGTTで行います

日本糖尿病学会の分類上、正常型・境界型・糖尿病型の判定は空腹時血糖と75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の組み合わせで行います。HbA1cはあくまで補助的な指標ですが、6.0〜6.4%は「糖尿病の疑いが否定できない」高リスク群とされており、精査のきっかけとして重要です。
出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第1章、糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)

3. 予備群を放置するとどうなる?――糖尿病になる前から動脈硬化は始まる

「まだ糖尿病ではないのだから、様子を見ればいい」と考えたくなりますが、予備群の段階には2つの大きなリスクが潜んでいます。

リスク1:年5〜10%のペースで糖尿病へ進行する

境界型の方が糖尿病へ移行する割合は、おおむね年間5〜10%、数年間で見ると約20〜30%と報告されています。特に「IFGとIGTの両方を満たす方」「肥満のある方」「ご家族に糖尿病の方がいる方」は進行リスクが高いことが知られています。

リスク2:糖尿病と診断される前から、心筋梗塞・脳梗塞のリスクは上がっている

より重要なのはこちらです。動脈硬化(大血管障害)は、糖尿病と診断される前の「食後高血糖」の段階からすでに進行することが、日本の疫学研究で示されています。
🔬 エビデンス:舟形町研究(日本・山形県)
山形県舟形町の住民を追跡した研究では、75gOGTTで耐糖能異常(IGT)と判定された方は、正常型の方に比べて心血管疾患による死亡リスクが約2倍に上昇していました。一方、空腹時血糖のみ高いIFGでは有意な上昇を認めず、「食後高血糖」こそが動脈硬化の独立したリスクであることを示した代表的な研究です。
出典:Tominaga M, et al. Diabetes Care. 1999;22(6):920-924.(舟形町研究)

「症状がない」は「進んでいない」ではありません

高血糖は自覚症状のないまま血管を傷つけます。のどの渇き・多尿・体重減少などの症状が出る頃には、血糖値はかなり高くなっています。症状が出てからではなく、健診で指摘された「今」が受診のタイミングです。

💡 健診結果の数値の意味を確認したい方へ:当院では健診結果表をお持ちいただければ、その日のうちにHbA1c迅速検査(約数分で結果判明)と合わせて評価できます。WEB予約はこちら(白金高輪駅2番出口 徒歩1分)

4. 医療機関で受ける検査|75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)とは

健診で血糖高値・HbA1c高値を指摘された方が医療機関で受ける検査の流れは、おおむね次のとおりです。
STEP 1 問診・基本の血液検査
健診結果を確認し、空腹時血糖・HbA1cを再検査。脂質・肝機能・腎機能・尿検査も同時に評価し、メタボリックシンドロームや脂肪肝の併存をチェックします。
STEP 2 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
朝空腹の状態でブドウ糖75gを溶かした検査用飲料を飲み、飲む前・30分後・1時間後・2時間後の血糖値(必要に応じてインスリン値)を測定します。所要約2時間。「正常型・境界型・糖尿病型」を正式に判定できる唯一の検査で、健診では分からない食後高血糖やインスリン分泌の低下も評価できます。
STEP 3 結果説明と方針決定
境界型と判定された場合は、生活習慣の改善計画を一緒に立て、3〜6か月ごとにHbA1cで経過を確認します。必要に応じて持続血糖モニター(CGM)で日常生活の中の血糖変動を「見える化」することも可能です。
✅ 予備群の精査は「絶好の全身チェックの機会」です
血糖が高めの方は、脂質異常症・高血圧・脂肪肝・高尿酸血症を合併していることが多く、これらが重なるほど動脈硬化は加速します。当院では血糖の精査と同時に、これらの生活習慣病を一括で評価できます。

5. 引き返すための生活習慣|「発症58%減」のエビデンス

予備群の最大の希望は、この段階なら生活習慣の改善だけで糖尿病の発症を大幅に減らせることが、質の高い研究で証明されている点です。
🔬 エビデンス:DPP研究(米国・糖尿病予防プログラム)
耐糖能異常(IGT)の3,234人を平均2.8年追跡した大規模臨床試験では、「体重7%の減量+週150分の運動」を行ったグループは、何もしないグループに比べて糖尿病の発症が58%減少しました。この効果は糖尿病治療薬メトホルミン(発症31%減)を上回りました。フィンランドの同様の研究(DPS)でも58%の発症抑制が確認されています。
出典:Knowler WC, et al. N Engl J Med. 2002;346(6):393-403. / Tuomilehto J, et al. N Engl J Med. 2001;344(18):1343-1350.
具体的に取り組んでいただきたいのは、次の4点です。
取り組み 目標の目安 ポイント
減量 まず現体重の3〜5% 80kgの方なら約2.5〜4kg。これだけで血糖・血圧・脂質・肝機能の改善が期待できます
運動 中等度の運動を週150分 早歩き30分×週5回。食後30分以内の軽い運動は食後高血糖対策として特に有効です
食事 「食べる順番」と「飲み物」から 野菜・たんぱく質を先に、主食を後に。甘い飲料をお茶・水に置き換えるだけでも効果的です
睡眠・禁煙 睡眠6〜8時間・禁煙 睡眠不足と喫煙はいずれもインスリンの効きを悪くする(インスリン抵抗性を高める)ことが知られています

6. 夏は予備群の「落とし穴」の季節――清涼飲料水に注意

実は、予備群の方にとって夏はもっとも注意が必要な季節です。熱中症対策として水分をとること自体は正しいのですが、スポーツドリンクや清涼飲料水には想像以上の糖分が含まれています(500mLペットボトル1本に角砂糖5〜15個分)。
予備群の方が糖分入り飲料を大量に飲み続けると、高血糖→のどの渇き→さらに甘い飲料を飲む、という悪循環に陥り、短期間で著しい高血糖・ケトーシスに至る「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)」を起こすことがあります。「まだ予備群だから」と思っていた方が、夏の数週間で糖尿病型の高血糖になって受診されるケースは決して珍しくありません。日常の水分補給は水・麦茶などの無糖飲料を基本にしてください。

7. 薬は必要?――予備群段階の治療の考え方

日本では、境界型(予備群)の段階での治療の基本はあくまで食事・運動などの生活習慣改善であり、糖尿病治療薬による薬物療法は原則として行いません(糖尿病と診断されていない段階では、多くの糖尿病治療薬は保険適用外です)。
ただし、予備群の方には高血圧・脂質異常症・肥満症・脂肪肝などの「治療すべき併存症」が見つかることが多く、これらはそれぞれ適切な治療の対象になります。血糖だけを見るのではなく、心筋梗塞・脳梗塞を防ぐという最終目標から逆算して、全体をまとめて管理することが大切です。当院ではこうした包括的な生活習慣病管理を糖尿病内科で行っています。

8. よくあるご質問(FAQ)

Q. HbA1c 5.8%でした。病院に行くべきですか?
A. 5.6〜5.9%は特定保健指導の判定値にあたる「要注意域」です。直ちに受診が必須というわけではありませんが、肥満・高血圧・脂質異常・ご家族に糖尿病の方がいる場合は、一度受診して精査を受けることをおすすめします。少なくとも来年の健診まで放置せず、生活習慣の見直しを始めてください。
Q. 糖尿病予備群は治りますか?
A. 予備群は「治る・治らない」というより「正常型に戻れる可能性が十分にある状態」です。体重3〜5%の減量と週150分の運動で、多くの方がHbA1c・血糖値の改善を実感されます。研究レベルでは生活習慣介入により糖尿病発症が58%減少したという確かなデータがあります。
Q. 痩せているのに血糖値が高いと言われました。なぜですか?
A. 日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べてインスリンを分泌する力がもともと弱い傾向があり、痩せていても糖尿病・予備群になる方が少なくありません。筋肉量の少なさや脂肪肝(非肥満でも起こります)が背景にあることも多く、痩せ型の方こそ75gOGTTなどでの精査が有用です。
Q. 75gOGTT(ブドウ糖負荷試験)はつらい検査ですか?
A. 甘いサイダーのような検査用飲料を飲み、2時間の間に数回採血するだけの検査で、痛みは採血のみです。前日の夜から絶食(水・お茶は可)で朝に来院いただきます。検査中は院内でお待ちいただくため、読書などの時間つぶしをお持ちいただくのがおすすめです。
Q. 予備群と言われたら、どのくらいの頻度で検査を受ければいいですか?
A. 目安として3〜6か月に1回のHbA1c測定をおすすめしています。生活改善の効果が数値で見えるとモチベーションの維持にもつながります。当院はHbA1c迅速測定器を備えており、受診当日に結果をご説明できます。
Q. 平日は仕事で受診できません。土日でも検査できますか?
A. はい。五良会クリニック白金高輪は土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療しています(火曜休診)。白金高輪駅2番出口から徒歩1分ですので、お仕事帰りやお休みの日にご利用ください。

9. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「糖尿病内科医として、『予備群のうちに来てくださっていたら』と感じる場面に数え切れないほど出会ってきました。逆に言えば、予備群の段階で受診してくださった方は、それだけで大きな一歩を踏み出しています。私自身、糖尿病診療では『数値を叱る』のではなく『引き返すための作戦を一緒に立てる』ことを大切にしています。当院では健診結果の評価から75gOGTT、CGMによる血糖の見える化、脂肪肝が心配な方への腹部エコー・内視鏡検査まで、白金高輪駅徒歩1分・土日祝も対応しています。健診結果表を1枚お持ちいただくだけで結構です。どうぞお気軽にご相談ください。」
医療法人社団五良会 理事長 五藤良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医)

10. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ HbA1c 6.0〜6.4%・空腹時血糖110〜125mg/dLは「境界型(糖尿病予備群)」が強く疑われる域
✅ 予備群からは年5〜10%が糖尿病へ進行し、診断前から動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞リスク)は始まっている
✅ 健診の空腹時採血では「食後高血糖型(IGT)」は見逃される。正式判定は75gOGTTで
✅ 体重3〜5%の減量+週150分の運動で、糖尿病発症は58%減らせる(DPP研究)
✅ 夏はスポーツドリンク・清涼飲料水による「ペットボトル症候群」に要注意。水分補給は無糖飲料で
✅ 五良会クリニック白金高輪はHbA1c迅速検査・75gOGTT・CGMに対応。土日祝も診療、白金高輪駅徒歩1分
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