夏に増える尿路結石(尿管結石)|脱水と生活習慣病の関係・予防法を内科医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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夏に増える尿路結石(尿管結石)|脱水と生活習慣病の関係・予防法を内科医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

夏に増える尿路結石(尿管結石)|脱水と生活習慣病の関係・予防法を内科医が解説

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)

「ある日突然、脇腹から背中にかけて経験したことのない激痛に襲われた」——尿路結石(尿管結石)は、しばしば “人生で最も痛い病気のひとつ” とも言われます。じつはこの尿路結石、1年のうち夏に最も多く発症することをご存じでしょうか。気温が上がり汗をかく季節は、体内の水分が失われて尿が濃くなり、結石ができやすい条件がそろってしまうのです。

尿路結石は決して珍しい病気ではありません。日本では男性の約7人に1人、女性の約15人に1人が一生のうちに経験するとされ、しかも近年増加傾向にあります。さらに、結石は「痛いだけ」の病気ではなく、糖尿病・肥満・高血圧・高尿酸血症といった生活習慣病と深く結びついていることがわかってきました。この記事では、なぜ夏に尿路結石が増えるのか、どんな方が注意すべきか、そして今日から始められる予防法までを、内科の視点も交えてわかりやすく解説します。

1. 尿路結石とは?どこにできる石なのか

尿路結石とは、腎臓でつくられた尿の成分(カルシウム、シュウ酸、尿酸など)が結晶化して固まり、石のような塊(結石)となったものです。結石ができる場所によって呼び名が変わり、腎臓にあるものを腎結石、そこから尿管に落ちてきたものを尿管結石、膀胱にあるものを膀胱結石と呼びます。上部尿路(腎臓・尿管)にできる結石が全体の大半を占めます。

結石の成分で最も多いのはシュウ酸カルシウム結石で、全体のおよそ8割を占めます。ほかに、尿酸結石、リン酸カルシウム結石、感染に関連したリン酸マグネシウムアンモニウム結石などがあります。成分によって予防のポイントが変わるため、排出された結石は可能であれば回収し、成分分析に出すことが再発予防の第一歩になります。

📊 日本人の尿路結石はどのくらい多い?

生涯罹患率(一生のうちに一度は経験する割合)は男性15.1%(約7人に1人)、女性6.8%(約15人に1人)。1965年の全国調査以降、罹患率は約3倍に増加しました。まさに「誰にでも起こりうる、身近な病気」です。
出典:尿路結石症診療ガイドライン 第3版(2023年版)/日本泌尿器科学会・日本尿路結石症学会・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会

2. なぜ夏に増えるのか——脱水と尿の濃縮

尿路結石の発症には季節変動があり、日本では夏(7〜9月)に発作(疝痛発作)が最も多くなることが知られています。理由はシンプルで、暑さと発汗による脱水にあります。汗で水分が失われると尿の量が減り、尿の中の結晶成分の濃度が高まります。濃くなった尿の中では、シュウ酸カルシウムなどの結晶ができやすくなり、それが核となって石へと育っていくのです。

⚠️ 夏に結石が育ちやすい“悪循環”

大量発汗 → 水分不足 → 尿量が減る・尿が濃くなる → 結晶ができやすい → 就寝中に尿が濃縮 → 明け方から午前に疝痛発作、という流れが典型的です。冷たいビールやジュースで水分を摂ったつもりでも、利尿作用や糖分でかえって脱水や結石リスクにつながることがあります。

つまり、夏の尿路結石は「暑い時期にたまたま増える」のではなく、水分バランスという明確な理由があって増えるのです。裏を返せば、水分の摂り方を意識するだけで、夏の発症リスクは大きく下げられるということでもあります。

3. どんな症状が出るのか(受診の目安)

尿管結石の代表的な症状は、突然おそってくる激しい脇腹〜背中〜下腹部の痛み(疝痛発作)です。結石が尿管に詰まって尿の流れがせき止められると、腎臓の内圧が上がり、脈打つような強い痛みが生じます。痛みは数十分から数時間続き、吐き気や嘔吐、冷や汗を伴うことも少なくありません。石の位置が下がるにつれ、痛む場所が脇腹から下腹部・陰部へと移動していくのも特徴です。

また、結石が尿管の粘膜を傷つけることで血尿(目に見える血尿、あるいは検査で判明する顕微鏡的血尿)が出ることもよくあります。一方で、腎臓の中に留まっている腎結石は無症状のことが多く、健康診断の腹部エコーやCTで偶然見つかるケースも珍しくありません。

🚨 すぐに受診・救急を検討すべきサイン

発熱(38℃以上)を伴う背部痛は要注意です。結石で流れがせき止められた尿路に細菌感染が加わる「結石性腎盂腎炎」を起こすと、放置すれば敗血症に進展する危険があります。強い痛みに加えて高熱・悪寒・ぐったり感がある場合は、我慢せず速やかに医療機関を受診してください。

4. 結石ができやすい人・リスク要因

尿路結石はどなたにも起こりえますが、次のような要因がある方は特にできやすいと考えられています。

分類 主なリスク要因
体質・背景 結石の既往(一度できた人は再発しやすい)、家族歴、男性、中高年
水分・環境 水分摂取不足、多量の発汗、暑熱環境での労働・運動
食生活 動物性たんぱく・塩分・糖分の摂りすぎ、シュウ酸の多い食品の過剰摂取、清涼飲料の飲みすぎ
代謝・持病 肥満・メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、高尿酸血症・痛風

特に見落とされがちなのが「一度結石を経験した方」です。尿路結石は再発率が高く、5年以内に約半数が再発するとも言われます。過去に石が出た経験のある方は、症状がなくても夏場の水分対策を徹底することが大切です。

5. 見逃せない生活習慣病との関係

近年、尿路結石は「メタボリックシンドロームの一症状」とも捉えられるようになってきました。肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病がある方は、尿路結石のリスクも高まることが数多くの研究で報告されています。

🔬 メタボと結石をつなぐメカニズム
肥満や糖尿病があると、インスリン抵抗性によって尿が酸性に傾きやすくなり、尿酸結石ができやすくなります。また、内臓脂肪の増加は尿中へのカルシウム・シュウ酸・尿酸の排泄を増やし、結石形成を後押しします。高尿酸血症・痛風のある方は尿酸結石だけでなくシュウ酸カルシウム結石のリスクも上がることが知られています。

この関係は、裏を返せば大きなチャンスでもあります。尿路結石をきっかけに生活習慣を見直すことは、糖尿病・高血圧・痛風といった病気の予防・改善にもそのままつながるからです。「石が出た」ことを、体からの生活習慣見直しのサインとして前向きに受け止めていただければと思います。当院では糖尿病内科・生活習慣病診療の視点から、結石の再発予防と全身の健康管理をあわせてサポートしています。

6. 診断——検査の流れ

尿路結石が疑われる場合、問診で痛みの部位や経過を確認したうえで、次のような検査を組み合わせて診断します。

尿検査 血尿の有無を確認
結石で尿路の粘膜が傷つくと血尿が出ます。感染の有無もあわせて調べます。
腹部エコー 被ばくなく手軽に確認
腎臓の腫れ(水腎症)や結石の有無を、体に負担なく評価できます。当院でも実施可能です。
血液検査 腎機能・炎症・尿酸値を評価
感染の程度や腎機能、結石の背景にある尿酸値・代謝異常を調べます。
CT検査 結石の大きさ・位置を正確に把握
診断の精度が高く、治療方針の決定に重要です。必要と判断した場合は連携医療機関へご紹介します。

当院では、まず尿検査・腹部エコー・血液検査で結石の可能性を評価し、生活習慣病の背景まで含めて診断します。手術やより精密な画像検査が必要な場合は、泌尿器科の専門医療機関へ速やかにご紹介する体制を整えています。

💧 「脇腹が痛い」「健診で腎臓に石があると言われた」——気になる方はご相談ください。当院では尿検査・腹部エコー・血液検査で結石の評価と生活習慣病のチェックを一度に行えます。→ 診療のご予約はこちら

7. 治療の選択肢(保存的治療と積極的治療)

治療方針は、結石の大きさ・位置・症状・感染の有無によって決まります。大きく分けて、自然排石を待つ「保存的治療」と、石を積極的に砕く・取り出す「積極的治療」があります。

保存的治療(自然排石を待つ)

目安として直径5mm以下の小さな結石は、多くが自然に尿とともに排出されます。十分な水分摂取で尿量を増やし、痛みは鎮痛薬でコントロールしながら排石を待ちます。必要に応じて、尿管をゆるめて石を通りやすくする薬が用いられることもあります。

積極的治療(石を砕く・取り出す)

自然排石が難しい大きさの結石や、痛みが強い・感染を伴う・腎機能に影響が出ている場合には、専門医療機関で積極的治療を行います。体外から衝撃波を当てて石を砕く体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や、内視鏡で石にアプローチして砕く経尿道的尿路結石除去術(TUL)などが代表的です。いずれも身体への負担が比較的少ない方法として広く行われています。

⚠️ 「痛みが消えた=治った」ではありません

石が膀胱側へ移動すると一時的に痛みが和らぐことがありますが、それは排石とは限りません。腎臓に石が残っていたり再発したりすることも多いため、痛みがおさまっても必ず経過を確認し、再発予防に取り組むことが重要です。

8. 今日からできる再発予防

尿路結石は再発しやすい病気ですが、生活習慣の工夫で再発リスクを確実に下げられます。特に夏はこの数点を意識してください。

✅ 予防の柱
① 水分をしっかり摂る
食事以外に1日2L程度の水分(水・麦茶など)を目安に。1日尿量2L以上を保つと再発リスクが約61%低下すると報告されています。

② 食事のバランス
塩分・動物性たんぱく・糖分の摂りすぎを避け、野菜・海藻・カルシウムを適度に。カルシウムは控えすぎるとかえって結石リスクが上がるため、食事からしっかり摂るのがコツです。

③ シュウ酸の摂り方を工夫
ほうれん草・たけのこ・紅茶・コーヒー・チョコレートなどシュウ酸の多い食品は、茹でる・カルシウムと一緒に摂ると吸収が抑えられます。

④ 夜の水分と生活リズム
就寝中は尿が濃縮しやすいため、寝る前にコップ1杯の水を。適度な運動と減量も結石予防に有効です。

❌ 清涼飲料水・アルコールでの水分補給に注意

糖分の多いジュースや清涼飲料水は結石リスクを高めることが知られています。ビールも「尿酸が排出される」というイメージがありますが、アルコールの利尿作用でむしろ脱水を招き、尿酸も増やすため予防にはなりません。水分補給の基本は水・麦茶です。

9. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「尿路結石はあの激痛から泌尿器科の病気と思われがちですが、その背景には糖尿病や肥満、高尿酸血症といった生活習慣病が隠れていることが少なくありません。石が出たことは、体からの大切なサインです。当院では糖尿病内科・生活習慣病診療の視点も交えて、結石の評価から再発予防、全身の健康管理までを一緒に考えます。この夏、脇腹の痛みや健診での指摘が気になる方は、どうか我慢せずご相談ください。」

10. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 尿路結石は夏(7〜9月)に最も多い。脱水で尿が濃くなることが主因
✅ 日本人の生涯罹患率は男性7人に1人、女性15人に1人と身近な病気
✅ 突然の激しい脇腹〜背中の痛み・血尿が典型。発熱を伴う場合は速やかに受診
✅ 糖尿病・肥満・高尿酸血症など生活習慣病と深く関係している
✅ 予防の基本は水分(1日2L目安)。清涼飲料・アルコールは逆効果
✅ 一度できた方は再発しやすいので、夏の水分対策と生活習慣の見直しを

11. よくあるご質問(FAQ)

Q. 石は自然に出ますか?
A. 直径5mm以下の小さな結石は、多くが水分摂取とともに自然排出されます。大きな石や痛み・感染が強い場合は積極的治療を検討します。
Q. 1日にどれくらい水を飲めばよいですか?
A. 食事以外に1日2L程度の水分が目安です。1日尿量2L以上を保つと再発リスクが下がると報告されています。ただし心臓・腎臓の持病がある方は主治医にご相談ください。
Q. カルシウムは控えたほうがよいのでは?
A. 逆です。食事からのカルシウムを極端に減らすと、腸でシュウ酸の吸収が増えてかえって結石ができやすくなります。食事から適度に摂るのが大切です。
Q. ビールを飲むと石が出やすくなるって本当ですか?
A. 「ビールで石が流れる」は誤解です。アルコールの利尿作用で脱水を招き、尿酸も増えるため、むしろ結石のリスクを高めます。予防には水・麦茶が適しています。
Q. 健診で「腎臓に石がある」と言われました。症状はないのですが?
A. 腎臓の中にとどまる結石は無症状のことが多いですが、尿管に落ちると激痛につながります。大きさや数の確認と、水分・生活習慣の見直しをおすすめします。一度ご相談ください。
Q. 一度石が出たら、また再発しますか?
A. 尿路結石は再発しやすく、5年以内に約半数が再発するとされます。だからこそ、水分摂取と食生活・体重管理といった再発予防が重要になります。
Q. 尿路結石はどの科を受診すればよいですか?
A. 内科でも尿検査・腹部エコー・血液検査で評価が可能で、背景にある生活習慣病もあわせて診られます。当院で評価し、手術が必要な場合は泌尿器科専門機関へご紹介します。

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