ピロリ菌除菌療法のすべて|一次・二次除菌の保険適用と成功率|五良会クリニック白金高輪
ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)は、胃がん発症の最大の原因として世界保健機関(WHO)国際がん研究機関(IARC)からグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に分類されている細菌です。日本では3,000万人以上が感染していると推定されており、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんとの因果関係が明確に示されています。
良いニュースは、ピロリ菌は薬で除菌できるということ。除菌に成功すれば、胃がんの発症リスクは大きく低下します。本記事では、ピロリ菌の検査・除菌療法の流れ・保険適用条件・除菌成功率について、最新の『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版』を踏まえてまとめました。
ピロリ菌とは何か
ピロリ菌は胃の中の強酸性環境でも生存できる、らせん状の細菌です。多くは幼少期に経口感染し、いったん胃の粘膜に住み着くと、何十年にもわたって慢性的な胃炎を引き起こします。衛生状態の改善により若年世代の感染率は大きく低下しましたが、50歳以上では今も30〜50%程度が感染していると推定されています。
ピロリ菌の特徴
- ウレアーゼという酵素で胃の尿素を分解し、アンモニアで周囲の胃酸を中和して生き延びる
- 感染しても自覚症状がないことがほとんど(ただし慢性胃炎は確実に進行)
- 長年の感染で萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 胃がんへと進行するリスクが上昇
- 除菌しない限り自然に消えることはほぼない
ピロリ菌が引き起こす病気
| 疾患 | 概要 |
|---|---|
| 慢性胃炎・萎縮性胃炎 | ピロリ菌感染者のほぼ全員に慢性胃炎がある。長年の炎症で胃粘膜が萎縮していく。 |
| 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 | 除菌により潰瘍の再発率が大幅に低下。 |
| 胃がん | 日本の胃がんの大部分はピロリ菌感染が背景。除菌で発がんリスクは低下するがゼロにはならないため、除菌後も定期的な胃カメラが推奨される。 |
| 胃MALTリンパ腫 | 除菌のみで多くが寛解する、ピロリ菌が原因のリンパ腫。 |
| 難治性鉄欠乏性貧血 特発性血小板減少性紫斑病(ITP) |
ピロリ菌感染が一因となるケースがあり、除菌で改善する症例がある。 |
ピロリ菌検査の方法と保険適用条件
ピロリ菌の検査には複数の方法があり、それぞれ特徴があります。重要なのは、保険適用でピロリ菌検査・除菌を受けるには、原則として「内視鏡検査(胃カメラ)」で慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃がん内視鏡治療後のいずれかの診断を受けていることが条件となる点です(厚生労働省通知)。
主なピロリ菌検査の比較
| 検査法 | 特徴 |
|---|---|
| 尿素呼気試験(UBT) | 特殊な薬剤を内服し、呼気を採取。約30分で結果。感度・特異度ともに高く、除菌判定にも標準的。当院の標準検査。 |
| 迅速ウレアーゼ試験 | 胃カメラ時に胃粘膜を採取して検査。短時間で結果が出る。 |
| 鏡検法(組織染色) | 胃カメラ時に採取した粘膜を顕微鏡で観察。確実だが時間がかかる。 |
| 便中抗原測定 | 便を提出する非侵襲検査。除菌前後どちらにも使える。 |
| 血清・尿中抗体測定 | 採血・採尿で実施。除菌成功後も抗体が残るため、除菌判定には不向き。 |
検査前の注意
プロトンポンプ阻害薬(PPI)やボノプラザン(タケキャブ®)などの胃酸を強く抑える薬を内服中の場合、ピロリ菌の検査結果が偽陰性になる可能性があります。検査前に2週間以上、これらの薬剤を中止してから検査を行う必要があります。当院では事前に内服薬を確認のうえ、適切なスケジュールをご案内します。
除菌療法の実際——一次除菌・二次除菌
ピロリ菌の除菌は、胃酸分泌抑制薬と2種類の抗菌薬の3剤併用療法を1日2回・7日間内服する方法が標準です。一次除菌で不成功となった場合、抗菌薬の組み合わせを変えた二次除菌に進みます。一次・二次までは保険適用です。
除菌療法レジメン(保険診療)
| 区分 | 薬剤の組み合わせ | 除菌成功率の目安 |
|---|---|---|
| 一次除菌 (保険適用) |
ボノプラザン(タケキャブ®) + アモキシシリン(サワシリン®) + クラリスロマイシン(クラリス®) を1日2回、7日間内服 |
約90% |
| 二次除菌 (保険適用) |
ボノプラザン + アモキシシリン + メトロニダゾール(フラジール®) を1日2回、7日間内服 |
約90〜95%(合計で約95%以上) |
| 三次以降 (保険適用外) |
シタフロキサシン、リファブチンなどを用いた自費レジメン。専門施設での実施。 | 70〜90%程度 |
出典:日本ヘリコバクター学会『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版』
除菌中の注意点・主な副作用
- 下痢・軟便:もっとも多い副作用。整腸剤で対応可能なことが多い
- 味覚異常:苦味・金属味を感じることがある(一過性)
- 発疹:軽度の薬疹は内服中止と相談。広範な皮疹・粘膜疹はすぐ受診
- 腹痛・出血性腸炎:稀だが、強い腹痛・血便があればすぐ連絡
- 飲酒禁止:二次除菌のメトロニダゾールは服用中・服用後数日はアルコール厳禁(強い悪心・動悸が出ることがある)
- ペニシリンアレルギーのある方は、保険診療の標準レジメンが使用できないため、自費の代替レジメンを検討
除菌後の注意点とフォローアップ
除菌が成功したかの判定は、内服終了から4〜8週間以上空けて行います(PPI等を併用していない場合)。当院では尿素呼気試験を標準的な判定方法として用いています。
「除菌すれば胃がんにならない」は誤解
除菌に成功すると胃がんの発症リスクは大きく低下しますが、萎縮性胃炎が進行している場合、除菌後も胃がんが発生することがあります。特に高齢で除菌した方や、もともと萎縮の強かった方では、除菌後も定期的な胃カメラによる経過観察が不可欠です。当院では除菌後のフォロー体制も整えています。
また、除菌後は胃酸分泌が回復することで逆流性食道炎(GERD)が出現・悪化することがあります。胸やけや酸の逆流を感じる場合は、PPIやボノプラザンなどで対応可能ですので、ご相談ください。
当院でのピロリ菌診療
五良会クリニック白金高輪のピロリ菌診療
- 消化器内視鏡専門医・指導医による胃カメラ(玉井博修院長ほか)
- 胃カメラと同時にピロリ菌検査を実施可能(迅速ウレアーゼ試験等)
- 除菌前・除菌判定の尿素呼気試験を院内で実施
- 一次・二次除菌を保険診療で対応
- 除菌後の定期フォローアップ体制を整備
- ペニシリンアレルギーの方もご相談ください(自費の代替レジメンを検討)
- 家族歴のある方の検査・若年世代の検査もお気軽にご相談を
ピロリ菌は「除菌すれば消える胃がんの原因」です。健康診断の胃バリウム検査で慢性胃炎を指摘された方、ご家族に胃がんの方がいらっしゃる方、原因不明の貧血のある方など、ピロリ菌が気になる方はぜひ一度ご相談ください。胃カメラから検査・除菌・除菌判定・除菌後フォローまで、当院で一貫して対応いたします。
・日本ヘリコバクター学会『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版』
・厚生労働省「ヘリコバクター・ピロリ感染症に係る検査・除菌に関する保医発通知」(平成25年2月21日)
・国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん」
・WHO/IARC モノグラフ(ヘリコバクター・ピロリの発がん性分類)
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