JSH2025で何が変わった?家庭血圧の正しい測り方と「130/80」の本当の意味|専門医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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JSH2025で何が変わった?家庭血圧の正しい測り方と「130/80」の本当の意味|専門医が解説|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

JSH2025で何が変わった?家庭血圧の正しい測り方と「130/80」の本当の意味|専門医が解説

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症/日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医)

📰 【関連メディア掲載】FRIDAYデジタル/Yahoo!ニュースに監修記事が掲載されました

2026年5月7日配信のFRIDAYデジタル「【専門医が解説】失神、心筋虚血、腎機能低下…命にかかわる危険な「低血圧」が日本で増加している理由」に当院理事長 五藤良将が監修者として登場。本記事はその姉妹解説記事として、JSH2025の改訂点と家庭血圧の正しい測り方を解説します。

2025年8月、日本高血圧学会から『高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)』が6年ぶりに発刊されました。最大の話題は「全年齢で原則130/80mmHg未満を目標」という統一です。しかし、この数字を「診察室の1回測定」だけで判断するのは大きな誤り。本当の主役は家庭血圧です。
本記事では、JSH2025で明確化された家庭血圧の正しい測り方・タイミング・回数と、「130/80」という目標値の本当の意味を、SPRINT試験・INTERSTROKE研究のエビデンスを交えて解説します。

1. JSH2025の3行サマリー

📌 一言でいうと

● 名称が「治療」→「管理・治療」へ ― 治療前の管理を重視
● 降圧目標は全年齢で診察室130/80未満/家庭血圧125/75未満に統一
β遮断薬が第一選択に復活、治療早期介入と治療アプリの活用が明文化

「130/80」という数字だけが独り歩きしがちですが、ガイドラインの本質は「家庭血圧で平時の状態を把握し、症状と合併症と一緒に個別最適化する」ことにあります。

2. なぜ「家庭血圧」のほうが重要なのか

診察室で測る血圧は緊張で高めに出やすく(白衣高血圧)、逆に診察室では正常でも普段は高い「仮面高血圧」も少なくありません。多くの研究で、家庭血圧のほうが脳卒中・心筋梗塞のリスクをよりよく予測することが分かっています。
✅ 家庭血圧のメリット
● 白衣高血圧/仮面高血圧の鑑別ができる
● 朝高血圧・夜間高血圧などの血圧パターンがわかる
● 治療効果と過降圧の早期発見ができる
● 服薬アドヒアランスの向上につながる

3. 診察室血圧と家庭血圧の目標値の違い

対象 診察室血圧 家庭血圧
高血圧の診断 140/90以上 135/85以上
JSH2025の降圧目標
(原則・全年齢)
< 130/80 < 125/75
高齢者・フレイル等の
個別配慮例
<140/90を許容することも <135/85を許容することも

⚠️ 注意

家庭血圧の目標は診察室より5mmHg低く設定されています。診察室130/80を目指すなら、家庭で125/75を狙うのが原則です。

4. JSH2025推奨の家庭血圧測定法

起床後1時間以内/排尿後/朝食前・服薬前。座位1〜2分安静の後、2回測定して平均をとる
就寝前。座位1〜2分安静後、2回測定。入浴・飲酒直後は避ける
血圧計 上腕式を推奨(手首式は誤差が大きい)。カフを心臓の高さに
頻度 少なくとも週5日以上記録し、受診時に持参
姿勢 背もたれのある椅子、足を組まず床につける、会話・テレビは控える

5. 朝の血圧が大切な理由(モーニングサージ)

心筋梗塞・脳卒中は朝6〜10時に発症が集中することが知られています。これは、起床に伴う交感神経の活性化で血圧が一気に上がる「モーニングサージ」が関与しています。

朝の家庭血圧が135/85以上は要注意

家庭血圧135/85以上は、診察室で正常でも脳卒中・心筋梗塞リスクを2〜3倍に高めると報告されています。「朝の数字」を可視化することが、隠れたリスクの発見につながります。

6. 「130/80」の数字をどう活かすか(SPRINT・INTERSTROKE)

🔬 SPRINT試験(NEJM 2015 / 2021)
心血管リスクのある50歳以上9,361名で、収縮期血圧目標120未満(強化群)vs 140未満(標準群)を比較。強化群で主要心血管イベント24%減少・全死亡27%減少。一方、低血圧・失神・急性腎障害・電解質異常も増加。
🔬 INTERSTROKE研究(Lancet 2016)
32か国・約27,000人の症例対照研究。脳卒中の約9割が10の修正可能な危険因子で説明可能、第1位は高血圧(人口寄与危険割合47.9%)。脳卒中予防には血圧管理が圧倒的に重要。
この2つの研究を統合的に読み解くと、「下げる意義は確かにある/しかし下げすぎの副作用も明確にある」という当たり前の結論に行き着きます。JSH2025の「130/80」は追求すべき方向性であって、無条件に達成すべきゴールではないのです。

7. 下げすぎを防ぐためのチェックポイント

🚨 主治医に必ず相談したい症状・所見

● 家庭血圧の収縮期が100mmHg未満が頻発
立ちくらみ・倦怠感・ふらつき・転倒
● 食後の強い眠気・脱力感(食後低血圧)
● 健診でクレアチニン上昇・eGFR低下を新たに指摘された
● 多剤併用中(降圧薬3剤以上、SGLT2阻害薬・利尿薬の追加など)

8. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「JSH2025の最大のメッセージは『血圧は治療の前に管理せよ』です。診察室で年に数回測るだけでは、本当の血圧像はわかりません。当院ではご自宅の血圧表を必ず一緒に確認し、朝・夜のパターンや生活との関係まで踏み込んで治療を組み立てます。

『目標は厳しくなった、でも数字に縛られない』 ― このバランスを取れるかどうかが、脳卒中・心筋梗塞も低血圧合併症も両方防ぐカギです。家庭血圧手帳をぜひお持ちください。」

9. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ JSH2025は全年齢で診察室130/80・家庭血圧125/75未満を原則化
✅ 家庭血圧135/85以上は脳卒中・心筋梗塞リスクを2〜3倍に高める
✅ 朝は起床1時間以内・排尿後・服薬前、夜は就寝前に上腕式で測定
✅ SPRINTは強化降圧の効果と副作用、INTERSTROKEは血圧管理の重要性を裏付け
✅ 「130/80」は方向性であって絶対ゴールではない。下げすぎサインを見逃さない

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✅ 健診で血圧・血糖・脂質異常を指摘された方
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