胃カメラで「早期胃がん」が見つかったら|お腹を切らずに治せるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とは――適応・入院期間・治療後の経過を院長 玉井博修が解説/理事長 五藤良将 監修【白金高輪・港区の内視鏡】
胃カメラで「早期胃がん」が見つかったら|お腹を切らずに治せるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とは――適応・入院期間・治療後の経過を院長 玉井博修が解説/理事長 五藤良将 監修
執筆:五良会クリニック白金高輪|院長 玉井博修(日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 専門医・指導医)
共著・監修:医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)
📋 この記事の結論(先にお伝えします)
早期胃がんのうち、がんが粘膜内にとどまり、リンパ節転移の可能性が極めて低いと判断できる病変は、ESDによる内視鏡治療の対象になります。治療は入院1週間前後で完結することが多く、開腹や腹腔鏡による胃の切除に比べて体への負担が小さいのが特長です。ただし、切除した病変を顕微鏡で調べた結果によっては追加の外科手術が必要になることもあり、「内視鏡で切ったら終わり」ではない点が重要です。
THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY
執筆:五良会クリニック白金高輪 院長 玉井 博修
監修:医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将
玉井博修:日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本消化器病学会 専門医・指導医/日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医/日本肝臓学会 専門医・指導医
五藤良将:日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は玉井博修が執筆し、五藤良将が監修して内容に責任を持っています。
② 早期胃がんとは?進行胃がんとの違い
③ 治療法の比較|内視鏡治療(ESD)と外科手術
④ ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とはどんな治療か
⑤ 【早見表】ESDの適応となる病変の基準
⑥ 治療の流れ|入院から退院まで
⑦ 偶発症(出血・穿孔)とその対応
⑧ 治癒判定「eCura分類」|切除して終わりではありません
⑨ 追加の外科手術が必要になるケース
⑩ 治療後の経過観察|胃カメラの頻度とピロリ菌除菌
⑪ 白金高輪の当院での進め方
⑫ 院長・理事長コメント
⑬ まとめ
⑭ よくある質問(FAQ)
⑮ 参考文献・出典
🏥 白金高輪で診るという選択(当院が選ばれる理由)
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1. 「早期胃がん」と言われたら、まず知ってほしいこと
⚠️ 「早期」でも精密検査は必要です
生検で「早期胃癌」と診断されても、実際の深達度や広がりは拡大内視鏡検査・超音波内視鏡検査(EUS)・CT検査などを追加して初めて確定します。この精密検査の結果によって、内視鏡治療が可能かどうかの方針が決まります。
2. 早期胃がんとは?進行胃がんとの違い
| 深達度 | 分類 | 主な治療の考え方 |
|---|---|---|
| 粘膜内(M) | 早期胃がん(cT1a) | 条件を満たせば内視鏡治療(ESD)の対象 |
| 粘膜下層(SM) | 早期胃がん(cT1b) | 浸潤の深さが浅い一部の病変のみESDの対象。多くは外科手術を検討 |
| 固有筋層以深(MP以深) | 進行胃がん(cT2以深) | 外科手術(腹腔鏡下・開腹)が基本。薬物療法を組み合わせる場合も |
3. 治療法の比較|内視鏡治療(ESD)と外科手術
| 項目 | ESD(内視鏡治療) | 外科手術(胃切除) |
|---|---|---|
| お腹の傷 | なし(口から内視鏡を挿入) | あり(腹腔鏡下は数か所の小さな傷、開腹はより大きな傷) |
| 胃の機能 | 胃をほぼそのまま温存できる | 胃の一部または全部を切除。食事量の変化を伴うことが多い |
| リンパ節郭清 | 行わない | 行う(転移の可能性に応じて範囲を決定) |
| 入院期間の目安 | 1週間前後 | 腹腔鏡下で1〜2週間程度が目安(施設・術式により異なる) |
| 対象となる病変 | リンパ節転移の可能性が極めて低いと判断される早期胃がん | ESDの適応外の早期胃がん、進行胃がん |
胃を残せることのメリット
胃を切除すると、食事量の減少・ダンピング症候群(食後の動悸やめまい)・貧血(鉄やビタミンB12の吸収低下)などが起こりやすくなります。ESDで胃をほぼ温存できれば、こうした術後の生活の変化を最小限に抑えられることが大きな利点です。
4. ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)とはどんな治療か
5. 【早見表】ESDの適応となる病変の基準
| 組織型 | 深達度・潰瘍の有無 | 大きさ |
|---|---|---|
| 分化型がん | 粘膜内(cT1a)・潰瘍なし(UL0) | 大きさを問わない |
| 分化型がん | 粘膜内(cT1a)・潰瘍あり(UL1) | 3cm以下 |
| 未分化型がん | 粘膜内(cT1a)・潰瘍なし(UL0) | 2cm以下 |
✅ 「未分化型」もESDの対象になった経緯
かつて未分化型(低分化腺癌・印環細胞癌など)の早期胃がんはESDの適応外とされていました。しかし国内多施設共同のJCOG1009/1010試験(対象275例)で、この基準を満たす未分化型早期胃がんにESDを行ったところ5年生存率99.3%という良好な成績が得られ、あらかじめ設定された判定基準(閾値89.9%)を大きく上回りました。この結果を受けて2021年7月改訂(第6版)で未分化型粘膜内がん(2cm以下・潰瘍なし)がESDの絶対適応に加わり、現行の第7版にも引き継がれています。
6. 治療の流れ|入院から退院まで
| 入院前 | 拡大内視鏡・超音波内視鏡(EUS)・CT検査 病変の広がりと深達度を評価し、ESDの適応かどうかを確定します。抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)を内服中の方は、休薬・継続の方針を事前に相談します。 |
| 入院1日目 | 入院・治療前日の絶食 翌日の治療に向けて食事を調整します。 |
| 治療当日 | ESD施行(鎮静下・1〜2時間程度) 治療後は数時間の絶飲食としたうえで、状態を確認しながら安静に過ごします。 |
| 治療後2〜4日目 | 段階的な食事再開 絶食→飲水→重湯・お粥へと、胃への負担が少ない食事から段階的に戻していきます。出血や腹痛がないかを継続的に確認します。 |
| 退院前 | 病理検査結果の説明(多くは退院後の外来で) 切除した病変を顕微鏡で調べる病理検査には数日〜1週間程度かかるため、結果の詳しい説明は退院後の外来で行うのが一般的です。 |
| 退院 | 入院期間の目安は1週間前後 施設や病変の大きさ・部位によって前後します。 |
7. 偶発症(出血・穿孔)とその対応
代表的な偶発症
出血:治療中の出血は内視鏡的な止血処置でそのほとんどに対応できます。退院後に起こる遅発性出血は、黒っぽい便やタール便として自覚されることがあります。
穿孔:頻度は病変の部位や大きさによって幅がありますが、多くは治療中に気づかれ、内視鏡的にクリップで縫縮することで外科手術を回避できることがほとんどです。ごくまれに、緊急の外科手術が必要になることがあります。
8. 治癒判定「eCura分類」|切除して終わりではありません
| 判定区分 | 意味 | その後の方針 |
|---|---|---|
| eCura A | 治癒切除。リンパ節転移の可能性が極めて低い | 追加治療は不要。定期的な胃カメラでの経過観察へ |
| eCura B | 粘膜下層のごく浅い部分まで及ぶが、リンパ節転移のリスクは低い | 追加治療は必須ではないが、より慎重な経過観察を継続 |
| eCura C-1 | 分化型で、一括切除はできたが大きさなど一部の基準を超えている | 経過観察、または病変の状況に応じて追加治療を相談 |
| eCura C-2 | 分割切除・脈管侵襲あり・深い浸潤など、治癒切除の基準を満たさない | 追加の外科的切除(リンパ節郭清を伴う胃切除)が標準的に推奨される |
9. 追加の外科手術が必要になるケース
⚠️ 「ESDを受けた=すべて終わり」ではありません
ESD後に追加手術が必要と判定される方は少なくありません。病理検査の結果説明を必ず受け、eCuraの判定区分を主治医から確認することが、その後の方針を正しく理解するうえで欠かせません。「内視鏡で切除してもらったから安心」と自己判断せず、必ず外来でのフォローを受けてください。
10. 治療後の経過観察|胃カメラの頻度とピロリ菌除菌
11. 白金高輪の当院での進め方
平日にお休みが取りづらい方へ
当院は土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療しています(火曜休診)。胃カメラや生検結果のご相談を、平日のお休みが取りにくい方でも受けていただけるようにしています。
12. 院長・理事長コメント
13. まとめ
✅ ESDの絶対適応は「分化型・潰瘍なしなら大きさ問わず」「分化型・潰瘍ありなら3cm以下」「未分化型・潰瘍なしなら2cm以下」
✅ 入院期間の目安は1週間前後。全身麻酔ではなく鎮静下で行う
✅ 切除後は病理検査でeCura分類による治癒判定を行い、eCura C-2では追加の外科手術が必要になることがある
✅ 治療後も年1回程度の胃カメラと、必要に応じたピロリ菌除菌による経過観察が重要
14. よくある質問(FAQ)
15. 参考文献・出典
2. 日本胃癌学会(編)『胃癌治療ガイドライン』2021年7月改訂 第6版 金原出版(未分化型粘膜内がんのESD絶対適応への追加を規定)。
3. Hatta W, Gotoda T, Oyama T, et al. A Scoring System to Stratify Curability after Endoscopic Submucosal Dissection for Early Gastric Cancer: “eCura system”. Am J Gastroenterol. 2017;112(6):874-881.
4. Kadota T, Fujisaki J, Ono H, et al.(JCOG1009/1010試験)Endoscopic submucosal dissection for undifferentiated-type early gastric cancer. 国内多施設共同非ランダム化検証的試験(対象275例、5年生存率99.3%、事前設定閾値89.9%を上回る成績を確認)。
5. 日本消化器内視鏡学会『胃癌に対するESD/EMRガイドライン(第2版)』Gastroenterological Endoscopy. 2020;62(2):273-.
6. 日本ヘリコバクター学会「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断と治療のガイドライン」(早期胃癌内視鏡治療後の除菌による異時性多発胃がん抑制効果について記載)。
7. Gotoda T, Yanagisawa A, Sasako M, et al. Incidence of lymph node metastasis from early gastric cancer: estimation with a large number of cases at two large centers. Gastric Cancer. 2000;3(4):219-225.
AUTHOR / SUPERVISOR
監修:医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)
- 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
- 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
- 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
- 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
- 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
- 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数
執筆:五良会クリニック白金高輪 院長 玉井 博修
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本消化器病学会 専門医・指導医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
- 日本肝臓学会 専門医・指導医
執筆・監修責任について
本記事は、玉井博修が執筆し、五藤良将が監修しています。公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで作成しており、内容は公開時点の情報に基づくものです。新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良会クリニック白金高輪(03-6432-5353)までお知らせください。
🏥 白金高輪で診るという選択(当院が選ばれる理由)
早期胃がんの治療方針は、精密な内視鏡評価と、治療後の長期的な経過観察の両方があって初めて安心につながります。当院では、その両方を同じ場所で継続してご相談いただける体制を整えています。
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理由① 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医が内視鏡を担当 院長 玉井博修が、日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本肝臓学会の専門医・指導医として、胃カメラによる精密な評価を担当します。 |
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理由② 鎮静剤を用いた、苦痛の少ない胃カメラに対応 「精密検査が不安」という方こそご相談ください。鎮静下での検査に対応しています(当日の運転はできません)。 |
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理由③ 土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療 平日にお休みが取りにくい方でも、健診異常の精密検査や治療後の経過観察の時期を逃さずに受けていただけます(火曜休診)。 |
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理由④ 糖尿病内科・血液内科を併設 生活習慣病で定期通院されている方は、内科のカルテで胃カメラの受診時期まで一緒に管理できます。 |
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理由⑤ 専門医療機関との連携体制 入院を伴うESDや追加の外科手術が必要と判断した場合は、連携する医療機関へ責任をもってご紹介し、治療後の経過観察は当院で継続して担当します。 |
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理由⑥ 白金高輪駅2番出口から徒歩1分 東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口すぐ、プレミストタワー白金高輪1F。港区にお勤め・お住まいの方が通いやすい立地です。 |
健診結果や胃カメラの生検結果をお持ちください。治療方針の考え方を、根拠とあわせてお伝えします。
消化器内視鏡専門医・指導医による胃カメラ・大腸カメラを実施しています。
✅ 「早期胃がん」の診断で今後の方針を相談したい方
✅ 検査が不安で鎮静剤を使った胃カメラを希望する方
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東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分
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