健診で「ヘモグロビンが高い」と言われたら|夏の脱水による見かけの多血症と、真性多血症の見分け方|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

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健診で「ヘモグロビンが高い」と言われたら|夏の脱水による見かけの多血症と、真性多血症の見分け方|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

健診で「ヘモグロビンが高い」と言われたら|夏の脱水による見かけの多血症と、真性多血症の見分け方

医療法人社団五良会|理事長、竹内内科小児科医院|院長 五藤良将(糖尿病内科・感染症)

健康診断の結果表で、「赤血球数が多い」「ヘモグロビンが高い」「ヘマトクリット高値」と指摘された経験はありませんか。貧血であれば心配するのに、その逆となると「血が濃いなら元気な証拠だろう」と考えて、そのままにしてしまう方が非常に多いのが実情です。

しかし、赤血球が増えすぎた状態=多血症(赤血球増加症)は、血液の粘り気が増して脳梗塞や心筋梗塞といった血栓症のリスクを高めることがあります。とくに夏は、脱水によって「見かけ上の多血症」が起こりやすく、健診の数値が普段より高く出る季節でもあります。この記事では、白金高輪駅徒歩1分の五良会クリニック白金高輪・内科/血液内科の立場から、多血症を指摘されたときに何をどう考えればよいかを整理してお伝えします。

📌 この記事の結論

多血症には「脱水による見かけのもの(相対的)」「別の病気や薬が原因のもの(二次性)」「骨髄そのものの病気(真性多血症)」の3種類があります。まずは時間をおいた再検査で本当に赤血球が増えているのかを確かめ、必要に応じてエリスロポエチン値とJAK2遺伝子検査まで進めます。放置して困るのは、赤血球の数そのものではなく血栓症です。

📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)
① 「多血症」とは何か――貧血の反対だから安心、ではありません
② 夏に増える「見かけの多血症」――脱水と相対的多血症
③ 多血症は3つに分けて考える
④ 二次性多血症の主な原因――喫煙・睡眠時無呼吸・薬剤
⑤ 真性多血症(PV)とは――JAK2遺伝子と国際的な診断基準
⑥ 本当に怖いのは「数値」ではなく血栓症
⑦ 受診の目安――この症状があれば早めにご相談を
⑧ 当院での検査の流れ
⑨ 治療の考え方――瀉血・低用量アスピリン・薬物療法
⑩ 日常生活で気をつけたいこと
⑪ よくあるご質問(FAQ)
⑫ 理事長コメント
⑬ まとめ
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1. 「多血症」とは何か――貧血の反対だから安心、ではありません

多血症(赤血球増加症、polycythemia)とは、血液中の赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリットが基準値を超えて増えている状態を指します。健診では次の3つの項目のいずれか、あるいは複数が高値として現れます。

検査項目 意味 多血症を疑う目安
RBC(赤血球数) 赤血球の個数 男性 約570万/µL 以上
女性 約500万/µL 以上
Hb(ヘモグロビン) 酸素を運ぶ色素の量 男性 16.5 g/dL 超
女性 16.0 g/dL 超
Ht(ヘマトクリット) 血液に占める赤血球の割合 男性 49% 超
女性 48% 超

ここに示したHb・Htの数値は、WHO分類(第5版・2022年)および国際コンセンサス分類(ICC・2022年)が真性多血症を疑う入口の基準として採用している値です。健診の判定基準は施設によって多少異なりますが、男性でHb 16.5 g/dL・Ht 49%、女性でHb 16.0 g/dL・Ht 48%を超えていたら、一度きちんと評価すると覚えておくと実用的です。

大切なのは、「赤血球が多い=体力がある」ではないということです。赤血球が増えると血液の粘度(ねばり)が上がり、細い血管で流れにくくなります。実際に、多血症の方が最初に受診されるきっかけの一つが「めまい」「頭が重い」「顔が赤い」といった、血流の悪化に伴う症状です。

2. 夏に増える「見かけの多血症」――脱水と相対的多血症

8月のこの時期、当院の外来でも「健診でヘモグロビンが高いと言われた」というご相談が増えます。その多くを占めるのが、脱水による相対的多血症(見かけの多血症)です。

赤血球の数そのものは変わっていなくても、汗をかいて血液中の水分(血漿)だけが減ると、濃縮されて赤血球の「割合」が上がります。ちょうど、味噌汁を煮詰めると具の割合が増えるのと同じ理屈です。

⚠️ 夏の健診で数値が高く出やすい状況

・炎天下の移動や運動の直後に採血した
・前夜に飲酒し、当日の朝も水分をほとんど摂っていない
・下痢や嘔吐、発熱のあとだった
・利尿薬やSGLT2阻害薬を服用しており、水分摂取が少なめだった
・サウナ・長風呂のあとだった

このため当院では、初回の高値だけで結論を出さず、体調の良い日に、水分をきちんと摂った状態で再検査することを基本にしています。再検査で正常化すれば、多くは脱水が原因だったと判断できます。逆に複数回にわたって高値が続く場合は、次のステップに進みます。

なお、脱水そのものも夏には見過ごせない問題です。とくに高齢の方や糖尿病をお持ちの方では、自覚のないまま体液が減る「かくれ脱水」が起こりやすく、血液の濃縮は脳梗塞の引き金にもなり得ます。

3. 多血症は3つに分けて考える

多血症の診療は、まず「3つのどれか」を切り分けることから始まります。この分類ができれば、その後に必要な検査も治療方針もおのずと決まります。

分類 起きていること 代表的な原因 対応
相対的多血症
(見かけの多血症)
赤血球は増えていないが、血漿が減って濃縮している 脱水、発熱、下痢・嘔吐、利尿薬、大量飲酒 水分・体調を整えて再検査
二次性多血症 体が低酸素などを感知し、エリスロポエチン(EPO)が増えて赤血球産生が亢進 喫煙、睡眠時無呼吸、慢性肺疾患、心疾患、高地滞在、男性ホルモン製剤、EPO産生腫瘍 原因疾患・原因物質への対応が中心
真性多血症(PV) 骨髄の造血幹細胞に遺伝子変異が生じ、EPOと無関係に赤血球が作られ続ける JAK2遺伝子変異(骨髄増殖性腫瘍の一つ) 血液内科での継続的な管理・治療

切り分けの決め手は「エリスロポエチン(EPO)」

EPOは腎臓から出る「赤血球を作りなさい」という指令ホルモンです。二次性多血症ではEPOが高いか正常であるのに対し、真性多血症ではEPOが基準値より低いという、対照的なパターンをとります。血液検査1本で測定できるため、鑑別の最初の分岐点として非常に有用です。

4. 二次性多血症の主な原因――喫煙・睡眠時無呼吸・薬剤

(1) 喫煙

タバコの煙に含まれる一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合し、酸素を運ぶ能力を奪います。体は「酸素が足りない」と判断してEPOを増やし、赤血球を増産します。喫煙者に多血症が多いのはこのためで、禁煙によって数か月かけて改善する可逆的な変化です。喫煙は同時に血栓症そのもののリスクでもあり、多血症が加われば影響は重なります。

(2) 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に繰り返し呼吸が止まると、夜間に断続的な低酸素状態が生じ、EPOが上昇します。いびきが大きい、日中の強い眠気がある、朝の頭痛がある、肥満や高血圧を指摘されている――こうした背景をお持ちの方でヘモグロビン高値が続く場合、睡眠時無呼吸の検査をおすすめすることがあります。多血症の精査をきっかけにSASが見つかるケースは、決してまれではありません。

(3) 薬剤によるもの

次のような薬剤は、赤血球やヘマトクリットを上げる方向に働くことが知られています。いずれも自己判断で中止せず、処方医にご相談ください。

薬剤 上昇するしくみ
男性ホルモン製剤(テストステロン) EPO産生を刺激し、赤血球産生を促進する
SGLT2阻害薬(糖尿病・心不全・腎臓病の治療薬) 尿量が増えることによる血液濃縮のほか、EPO産生の増加も報告されている
利尿薬 体液量が減ることによる相対的な濃縮
エリスロポエチン製剤・一部のステロイド 直接的または間接的に赤血球産生を促進する

糖尿病内科で日常的にSGLT2阻害薬を処方している立場から申し上げると、この薬を開始した後にヘマトクリットが数%上がるのは想定内の変化です。問題になるのは、そこに夏の脱水が重なったときです。服用中の方は、暑い時期はとくに意識的な水分補給をお願いしています。

🩸 健診の血液検査で指摘を受けた方へ

五良会クリニック白金高輪では、毎週日曜日・木曜日に血液内科専門医の外来を設けています。エリスロポエチン測定やJAK2遺伝子検査を含む精査に対応しておりますので、まずはご相談ください(1F 内科 03-6432-5353)。

5. 真性多血症(PV)とは――JAK2遺伝子と国際的な診断基準

真性多血症(polycythemia vera:PV)は、骨髄の造血幹細胞に遺伝子の変異が起き、体からの指令とは無関係に赤血球(しばしば白血球・血小板も)が作られ続ける病気です。骨髄増殖性腫瘍(MPN)という血液のがんの一群に分類されますが、進行はゆるやかで、適切に管理すれば長期にわたって日常生活を続けられる方が大半です。

最大の特徴がJAK2遺伝子の変異です。真性多血症の95%前後にJAK2 V617F変異が、さらに数%にJAK2エクソン12変異が認められ、両者を合わせるとほぼ全例で何らかのJAK2変異が見つかります。この変異は親から受け継ぐものではなく、生まれたあとに造血細胞で後天的に生じるもので、お子さんに遺伝する性質のものではありません

🔬 真性多血症の診断基準(WHO分類 第5版・2022年/ICC 2022)
大基準
① ヘモグロビン 男性 >16.5 g/dL・女性 >16.0 g/dL、またはヘマトクリット 男性 >49%・女性 >48%、または赤血球量の増加
② 骨髄生検で年齢相応を超える過形成と三系統の増殖(汎骨髄症)
③ JAK2 V617F変異またはJAK2エクソン12変異を認める

小基準
・血清エリスロポエチン(EPO)が基準値より低い

診断:大基準3つすべて、または大基準①②+小基準を満たす場合
出典:WHO Classification of Haematolymphoid Tumours 第5版(2022年)/International Consensus Classification(2022年)。第5版では診断基準そのものは第4版改訂版から変更されていませんが、鉄欠乏を伴い数値が基準に届かない「マスクドPV」の認識や分子マーカーの重要性が、より強調されています。

⚠️ 骨髄検査は必ず行うのですか?

大基準①③と小基準(EPO低値)がそろい、典型的な経過であれば、骨髄検査を省略できる場合があるとされています。一方で、他の骨髄増殖性腫瘍との鑑別や線維化の評価が必要な場面では、骨髄検査が診断の要になります。当院では血液内科専門医が必要性を判断し、必要な場合は連携する高度医療機関へご紹介しています。

6. 本当に怖いのは「数値」ではなく血栓症

多血症の診療で私たちが最も重視しているのは、赤血球の数字そのものではなく、血栓症をいかに防ぐかという一点です。真性多血症では、診断時にすでに血栓症を発症している方も少なくありません。

日本血液学会の造血器腫瘍診療ガイドラインでも、真性多血症の血栓症リスク因子として「60歳以上」「血栓症の既往」の2つが挙げられ、この有無によって高リスク群・低リスク群に分けて治療方針を決めるのが標準的な考え方です。同ガイドラインは現在第3.1版(2024年版)が公開されており、第4版が2026年に刊行予定として準備が進められています(2026年4月〜5月にパブリックコメントが募集されました)。

多血症に関連して起こりうる血栓症

脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA):突然のろれつが回らない、片側の手足の脱力、視野の異常
心筋梗塞・狭心症:胸の締めつけ感、冷や汗を伴う圧迫感
深部静脈血栓症・肺塞栓症:片脚の腫れと痛み、突然の息切れ
腹腔内の静脈血栓症(門脈・肝静脈など):原因のはっきりしない腹痛・腹水

これらの症状が突然現れた場合は、多血症の有無にかかわらずただちに救急要請(119番)をしてください。

7. 受診の目安――この症状があれば早めにご相談を

多血症は無症状のまま健診で見つかることが最も多い一方で、以下のような特徴的な症状が手がかりになることがあります。

🔎 多血症で見られやすい症状
・顔や手のひらが赤黒い、目の充血が続く
・頭重感、めまい、耳鳴り、集中しにくい
入浴後やシャワーのあとに全身がかゆくなる(水源性掻痒。真性多血症に比較的特徴的です)
・手足の先が焼けるように痛む、赤くなる(肢端紅痛症)
・左上腹部の張り・違和感(脾臓の腫大)
・痛風発作を繰り返す(細胞の代謝が亢進し尿酸値が上がるため)

とくに「お風呂上がりのかゆみ」は、皮膚科で乾燥肌として治療されていた方が、血液検査をきっかけに真性多血症と診断されることがある症状です。ヘモグロビン高値を指摘されていて、このかゆみに心当たりがある方は、ぜひ受診時にお伝えください。

8. 当院での検査の流れ

STEP 1 問診・診察
健診結果の推移、喫煙歴、いびきや眠気、服用中の薬、飲酒量、症状を確認します。過去の健診結果をお持ちいただけると、いつから高値なのかが分かり非常に有用です。
STEP 2 血液検査(再検査)
血算(RBC・Hb・Ht・白血球・血小板)に加え、生化学・尿酸・LDH・鉄関連の項目を確認します。脱水の影響を避けるため、体調の良い日に、水分を摂ったうえで採血します。
STEP 3 原因の切り分け
高値が続く場合、血清エリスロポエチン(EPO)を測定します。低酸素の背景を探るため、酸素飽和度の測定、必要に応じて胸部X線や睡眠時無呼吸の検査も行います。
STEP 4 JAK2遺伝子検査
EPOが低値で真性多血症が疑われる場合、JAK2 V617F変異の検査を行います。採血のみで実施でき、結果は後日ご説明します。
STEP 5 診断確定と方針決定
血液内科専門医が結果を総合して判断します。骨髄検査や高度な治療が必要と判断した場合は、連携医療機関へ速やかにご紹介します。

9. 治療の考え方――瀉血・低用量アスピリン・薬物療法

相対的多血症であれば水分管理、二次性多血症であれば原因への対応(禁煙、睡眠時無呼吸の治療、原因薬剤の見直しなど)が治療の中心になります。真性多血症と診断された場合の治療は、血栓症の予防を目的に、次のように組み立てられます。

治療 内容と目的
瀉血(しゃけつ) 献血のように血液を抜き、ヘマトクリットを45%未満に保つことを目標とします。血液の粘度を下げ、血栓症リスクを減らす基本の治療です。
低用量アスピリン 出血リスクなどの禁忌がなければ、血小板の働きを抑えて血栓を予防します。
細胞減少療法
(ヒドロキシカルバミド等)
60歳以上、血栓症の既往があるなど高リスク群で、瀉血だけでは管理が難しい場合に用います。
ロペグインターフェロン アルファ-2b
(ベスレミ皮下注)
2023年3月27日に国内承認、同年6月1日発売。適応は「真性多血症(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)」で、2週間に1回の皮下注射から開始します。2026年2月には新たな用法・用量が追加承認されています。
心血管リスクの管理 高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙といったもともとの血栓リスクを並行して管理することが、実際には非常に重要です。

補足:治療の選択は個別に判断します

ここに挙げた治療は一般的な考え方の紹介であり、実際の選択は年齢、血栓症の既往、合併症、妊娠の希望、副作用の許容度などによって一人ひとり異なります。必ず主治医とご相談ください。

10. 日常生活で気をつけたいこと

✅ 今日からできる5つのこと
1. 脱水を避ける:夏はのどが渇く前にこまめに水分を。利尿薬・SGLT2阻害薬を服用中の方はとくに意識してください。
2. 禁煙する:二次性多血症の最も多い原因であり、血栓症リスクそのものでもあります。
3. 長時間同じ姿勢を避ける:長距離のフライトやデスクワークでは、1〜2時間ごとに足を動かしましょう。
4. サウナ・熱い長風呂を控えめに:発汗による血液濃縮を招きます。入浴後のかゆみが強い方は、ぬるめの湯に短時間が無難です。
5. 血圧・血糖・脂質を整える:血栓症の総合的なリスクを下げることが、最も確実な対策です。

なお、真性多血症の方は鉄剤の自己判断での服用は避けてください。瀉血を続けると鉄が不足しますが、これは治療上ある程度意図されたもので、鉄を補うと赤血球産生が再び進んでしまうことがあります。市販のサプリメントも含め、必ず主治医にご確認ください。

11. よくあるご質問(FAQ)

Q. 健診で「要経過観察」でした。すぐ受診すべきですか?
A. 急を要するものではありませんが、放置は避けてください。とくに、過去の健診と比べて年々上がってきている場合、白血球や血小板も一緒に高い場合、症状がある場合は、早めのご相談をおすすめします。
Q. 献血をすれば治りますか?
A. 治療としての瀉血と献血は、目的も管理方法も異なります。診断がついていない段階で献血を治療代わりにするのは適切ではありません。また、血液疾患と診断された方は献血の対象外となります。まずは原因の評価を優先してください。
Q. 水をたくさん飲めば数値は下がりますか?
A. 脱水による相対的多血症であれば改善します。ただし真性多血症では、水分摂取で赤血球そのものが減るわけではありません。なお、極端な大量飲水は低ナトリウム血症を招く危険があり、適量を守ることが大切です。
Q. JAK2遺伝子検査は子どもに遺伝しますか?
A. 真性多血症のJAK2変異は、生後に造血細胞で生じる後天的な体細胞変異です。生殖細胞の変異ではないため、お子さんに受け継がれるものではありません。
Q. 真性多血症と言われたら、寿命は短くなりますか?
A. 骨髄増殖性腫瘍のなかでも進行はゆるやかで、血栓症を予防しながら管理を続けることで、長期にわたり日常生活を送れる方が多い疾患です。一方で、長い経過のなかで骨髄線維症や急性白血病へ移行する場合があり、定期的な受診と検査が欠かせません。
Q. 検査は保険が使えますか?費用はどのくらいですか?
A. 健診で異常を指摘された方の精査は保険診療の対象です。血算・生化学・エリスロポエチン測定・JAK2遺伝子検査はいずれも保険適用で実施できます(各検査の適応条件があります)。詳細は受診時にご説明します。
Q. 平日は仕事で受診できません。
A. 当院は土曜・日曜・祝日も10:00〜15:00で診療しております(休診日は火曜日)。血液内科専門外来は毎週日曜日・木曜日ですので、お仕事帰りや休日にご相談いただけます。

12. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「貧血だと心配して受診されるのに、その反対の『血が濃い』はご相談が遅れがちです。実際には、夏の脱水による一時的なものから、禁煙や睡眠時無呼吸の治療で改善するもの、そして血液内科での継続管理が必要な真性多血症まで、原因は幅広く分かれます。切り分けの多くは、外来の採血1〜2回で見当がつきます。

当院では毎週日曜日・木曜日に血液内科専門医が診療しており、エリスロポエチンやJAK2遺伝子の検査まで一貫して対応できます。糖尿病内科でSGLT2阻害薬を使っている方の数値の変化も、同じ院内で一緒に評価できるのが強みです。健診結果を封筒に入れたままにせず、どうぞお持ちください。」

日本抗加齢医学会専門医/日本糖尿病協会登録医/日本旅行医学会認定医

13. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ 多血症を疑う目安は、男性でHb 16.5 g/dL・Ht 49%超、女性でHb 16.0 g/dL・Ht 48%超
✅ 夏は脱水による「見かけの多血症(相対的多血症)」が増えるため、まず条件を整えて再検査する
✅ 高値が続くなら、喫煙・睡眠時無呼吸・薬剤(テストステロン、SGLT2阻害薬など)といった二次性の原因を確認する
✅ 切り分けの鍵はエリスロポエチン(EPO)。低ければ真性多血症を疑い、JAK2遺伝子検査へ進む
✅ 真性多血症は95%前後でJAK2 V617F変異を認め、後天的な変異のため子どもに遺伝しない
✅ 治療の目的は血栓症の予防。瀉血でヘマトクリット45%未満を目指し、低用量アスピリンなどを併用する
✅ 突然のろれつ困難・片麻痺・強い胸痛・急な息切れは、ためらわず救急要請を
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参考文献・出典

1. WHO Classification of Haematolymphoid Tumours, 5th edition(2022年)/International Consensus Classification of Myeloid Neoplasms and Acute Leukemias(2022年):真性多血症の診断基準
2. 日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)」(Web版)。第4版は2026年刊行予定で、2026年4月21日〜5月15日にパブリックコメントが募集されました。
3. ファーマエッセンシアジャパン株式会社 ニュースリリース(2023年3月27日 承認取得、2023年6月1日発売):ベスレミ皮下注(ロペグインターフェロン アルファ-2b)
4. MSDマニュアル プロフェッショナル版「二次性赤血球増多症」
5. Tefferi A, Barbui T. Polycythemia vera: 2024 update on diagnosis, risk-stratification, and management. Am J Hematol. 2024.

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個々の診断・治療を代替するものではありません。症状や検査結果についてのご判断は、必ず医療機関にご相談ください。

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