肝臓病(脂肪肝・肝炎・肝硬変)の人のインフルエンザ|カロナールは飲める?解熱剤・治療薬の注意とワクチン、港区の定期接種を理事長 五藤良将が解説【2026/27 東京都注意報・白金高輪】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

〒108-0074
東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
03-6432-5353
人のアイコンスタッフ募集 WEB問診 オンライン診療 instagtamのアイコン Xのアイコン
ヘッダー画像

ブログ

肝臓病(脂肪肝・肝炎・肝硬変)の人のインフルエンザ|カロナールは飲める?解熱剤・治療薬の注意とワクチン、港区の定期接種を理事長 五藤良将が解説【2026/27 東京都注意報・白金高輪】|五良会クリニック白金高輪|白金高輪の内科

肝臓病(脂肪肝・肝炎・肝硬変)の人のインフルエンザ|カロナールは飲める?解熱剤・治療薬の注意とワクチン、港区の定期接種を理事長 五藤良将が解説【2026/27 東京都注意報・白金高輪】

肝臓病とインフルエンザ治療ガイド

「脂肪肝や肝炎があると言われているけれど、インフルエンザのときにカロナールを飲んでも大丈夫?」「肝硬変で通院中なので、ワクチンを打っていいのか分からない」――肝臓の病気をお持ちの方やそのご家族から、流行期にこうしたご相談をよくいただきます。2026/27シーズンの東京都は9月に注意報基準を超え、10月に入っても高い水準が続いています。

結論から申し上げると、肝臓病の方のインフルエンザ対策は(1) 不活化の注射ワクチンを毎年接種する、(2) 解熱剤は「種類」と「量」を守る(アセトアミノフェンの重複と飲酒に注意し、腹水のある方はロキソニンなどのNSAIDsを避ける)、(3) かかったら早めに受診し、肝臓の病気と飲んでいる薬を伝えるの3つが基本です。この記事では、脂肪肝・ウイルス性肝炎・肝硬変といった病気ごとの注意点、解熱剤と治療薬の選び方、ワクチンと港区の定期接種、すぐ受診すべきサインを、白金高輪(港区)の内科の立場から解説します。

五藤 良将

THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY

医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将

日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医・日本旅行医学会認定医
この記事は五藤良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。

🚨 【東京都】インフルエンザは流行注意報レベルが続いています

「東京都インフルエンザ情報」第6号(2026年10月16日発行・第41週〔10月5日〜11日〕)によると、都内の定点当たり報告数は15.88人(前週15.87人、注意報基準10.00人)で、31保健所のうち27保健所が10.00人を上回りました。みなと保健所管内は12.33人、全国は12.81人です。都内で今シーズン検出されたウイルスはA(H1N1)pdm09が52件、A香港型(H3)が1件、B型は0件で、学級閉鎖などの臨時休業は累計571施設にのぼります。
出典:東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況」(2026年10月15日更新)、「東京都インフルエンザ情報」第6号(2026年10月16日発行)。2026年10月18日確認

📋 この記事の内容(クリックで該当箇所へ)

1. 結論:肝臓病の方のインフルエンザ対策は「3本柱」

米国疾病予防管理センター(CDC)は、インフルエンザで重い合併症を起こしやすい人として「肝臓の病気(liver disorders)のある人」を挙げています。肝臓は栄養や薬の処理だけでなく、体の免疫にも深く関わる臓器だからです。

さらに肝臓病の方には、「解熱剤の多くが肝臓で処理される」「発熱や脱水、食事がとれないことをきっかけに、肝臓の病気そのものが悪化することがある」という特有の注意点があります。インフルエンザそのものだけでなく、薬の選び方や療養の仕方にも気を配る必要があるのです。

✅ 肝臓病の方のインフルエンザ対策 3本柱
柱1:ワクチン 不活化の注射ワクチンを毎年。肝臓の病気は「接種の判断に注意を要する方」に含まれますが、多くの方は主治医と相談のうえ接種できます
柱2:解熱剤の「種類」と「量」 アセトアミノフェン(カロナールなど)は量を守り、市販薬との重複と飲酒を避ける。腹水のある方はNSAIDs(ロキソニンなど)を使わない
柱3:早めの受診と「肝臓の情報」 発症から48時間以内の受診を目安に。病名、お薬手帳、最近の採血結果(AST・ALT・血小板など)を持参

2. なぜ肝臓病の人は重症化しやすいのか|病気ごとの注意点

肝臓の働きが落ちると、感染と戦うたんぱく質(補体など)や白血球の働きが弱まりやすくなります。特に肝硬変では、脾臓が腫れて血小板や白血球が減ることもあります。そのため、インフルエンザをきっかけに肺炎などの細菌感染を起こしたり、腹水・黄疸・肝性脳症(意識がぼんやりする状態)といった肝臓の病気の悪化につながったりすることがあります。

米国でインフルエンザにより入院した成人30,268人を分析した研究(米国消化器病学会2020年次学術集会での発表)では、慢性肝疾患のある方(全体の1.7%)は病状が重くなるオッズが約2.7倍(オッズ比2.66)で、アルコール性肝硬変の方では死亡のオッズが約4.5倍(同4.54)でした。入院した方のみを対象にした学会発表段階のデータですが、肝臓病がインフルエンザの経過に影響しうることを示しています。

肝臓の病気ごとの、インフルエンザで気をつけたい点

肝臓の病気 気をつけたい点
脂肪肝(MASLD)
健診でALT・γGTP高値
脂肪肝そのものより、合わせ持つことの多い糖尿病・高度肥満が重症化の要因になります(CDCはBMI40以上を高リスクとしています)。血糖の上昇やシックデイ時の薬の扱いにも注意
アルコール性肝障害 療養中の飲酒は脱水を招き、アセトアミノフェンによる肝障害も起こりやすくなります(カロナールの電子添文に記載)。かかっている間は禁酒を
B型・C型慢性肝炎 肝機能が保たれていれば、多くは一般の方と同様に治療できます。治療中の薬(核酸アナログ製剤など)は自己判断で中断せず、受診時にお薬手帳で伝えてください
肝硬変 最も注意が必要です。感染をきっかけに腹水・黄疸・肝性脳症・食道静脈瘤からの出血などが起こることがあります。解熱剤の量や種類も主治医と事前に確認を
肝移植後・自己免疫性肝炎の治療中 免疫抑制薬やステロイドを使っているため、免疫抑制治療中の方としての対策が必要です(免疫抑制治療中のインフルエンザ)

出典:CDC「People at Increased Risk for Flu Complications」、Mago S, et al. 米国消化器病学会(ACG)2020年次学術集会発表(Nationwide Inpatient Sample 2010〜2014年の解析)、カロナール錠 電子添文(2026年8月改訂 第5版)。

3. 解熱剤|カロナールは飲める?量の目安とNSAIDs・飲酒の注意

インフルエンザの解熱には、アセトアミノフェン(商品名カロナールなど)がよく使われます。アセトアミノフェンは肝臓で処理される薬で、量が多すぎると肝臓を傷めることが知られています。とはいえ、肝臓病があると一律に使えないわけではありません。電子添文(医療用の添付文書)の記載は次のとおりです。

項目 カロナール錠 電子添文の記載
かぜ(急性上気道炎)の解熱・鎮痛(成人) 1回300〜500mgを頓用。原則1日2回まで、1日最大1,500mg
使ってはいけない方(禁忌) 重篤な肝障害のある方
注意が必要な方 重篤でない肝障害やその既往のある方(悪化のおそれ)。アルコール多量常飲者(肝障害が起こりやすい)。肝硬変の方は薬が体に残りやすい(半減期が長い)とされる
併用の注意(警告) アセトアミノフェンを含む他の薬(市販薬を含む)との併用は避ける(過量による重篤な肝障害のおそれ)

出典:カロナール錠200・300・500 電子添文(2026年8月改訂 第5版、PMDA)。2026年10月18日確認。

見落としやすい「アセトアミノフェンの重複」と「飲酒」

市販の総合かぜ薬・解熱鎮痛薬の多くにアセトアミノフェンが含まれています。処方のカロナールと市販薬を一緒に飲むと、知らないうちに量が増えてしまいます。また、療養中の飲酒は肝臓の負担を増やし、脱水も招きます。かかっている間はお酒を控え、市販薬を足す前に医師・薬剤師にご相談ください。どのくらいの量なら使えるかは肝臓の状態によって変わるため、肝硬変の方などは「熱が出たときの解熱剤の量」を、元気なうちに主治医と決めておくと安心です。

ロキソニンなどのNSAIDsは、肝硬変の方では特に注意

ロキソプロフェン(ロキソニン)、イブプロフェン、アスピリンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、肝臓ではなく腎臓と胃腸への影響が問題になります。肝硬変の方は腎臓の血流が不安定になりやすく、NSAIDsで腎機能の悪化や、腹水・むくみの増加を招くことがあります。欧州肝臓学会(EASL)の非代償性肝硬変の診療ガイドライン(2018年)は、腹水のある方にはNSAIDsを使用すべきでないとしています。食道静脈瘤のある方では、胃腸からの出血のリスクにも注意が必要です。

肝臓病に限らない解熱剤の基本(子どもに使えない薬、市販薬の選び方など)はインフルエンザの解熱剤は何を飲む?で解説しています。

4. 抗インフルエンザ薬と肝臓|タミフル・ゾフルーザの電子添文

腎臓病では多くの抗インフルエンザ薬で量の調整が必要になりますが、肝臓病については事情が異なります。代表的な内服薬2剤の電子添文の記載は次のとおりです。

薬(一般名) 使い方(成人の治療) 肝機能に関する電子添文の記載
タミフル
(オセルタミビル)
内服 1回75mgを1日2回・5日間 「肝機能障害患者」の項目はなく、肝機能による用量調整の規定はない(腎機能による調整のみ)
ゾフルーザ
(バロキサビル)
内服 1回のみ(体重で量が決まる) 中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)の方での血中濃度は健康な方とほぼ同程度(AUC約1.1倍・外国人データ)。重度の肝機能障害の方では有効性・安全性を確かめた臨床試験は行われていない

出典:タミフルカプセル75 電子添文(2024年10月改訂 第2版)、ゾフルーザ錠 電子添文(2026年9月改訂 第7版)。PMDA 医療用医薬品情報、2026年10月18日確認。

⚠️ 薬は「肝臓の重さ」と「ほかの持病・薬」を合わせて選びます

肝硬変の方は腎機能も落ちていることがあり、その場合はタミフルの量の調整が必要になります。吸入薬(イナビル・リレンザ)や点滴薬(ラピアクタ)を含め、肝臓と腎臓の状態、吸入ができるか、症状の重さを合わせて医師が選びます。各薬の基本的な違いはインフルエンザ治療薬5種類の違いをご覧ください。

家族が発症したときの「予防投与」について

タミフルの電子添文では、予防投与の対象は原則として、患者さんの同居家族・共同生活者のうち65歳以上の方、慢性の呼吸器・心臓の病気、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害のある方とされています。肝臓病だけでは対象に挙げられていませんが、65歳以上の方や糖尿病を合わせ持つ方は対象になります。予防投与は保険適用外(自費)で、ご家族の発症から48時間以内に始める必要があります。迷ったら早めにご相談ください(インフルエンザ予防薬について)。

5. ワクチン|肝臓病でも打てる?港区の定期接種とご家族のフルミスト

インフルエンザの定期予防接種の説明書では、「心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患がある方」は「接種の判断を行うに際し注意を要する方」とされています。これは「打てない」という意味ではなく、体調や病状を医師が確認したうえで接種を判断するという意味です。肝臓病の方こそ重症化を防ぐために接種がすすめられる立場にあり、多くの方は主治医と相談のうえ接種できます。

肝硬変の方を対象とした韓国の前向き研究(311人、うち198人が接種)では、ワクチンを接種した群は検査で確定したインフルエンザが有意に少なかったと報告されています(J Clin Virol. 2007;39(3):159-163)。肝硬変の方は抗体のつき方が弱いこともありますが、それでも毎年の接種が大切です。

2026/27シーズンの注射ワクチンは3価で、A(H1N1)はA/スイス/6849/2025、A(H3N2)はA/ミシガン/105/2025、B型(ビクトリア系統)はB/東京/EIS13-175/2025の3株です。今シーズン都内で多く検出されているA(H1N1)pdm09にも対応しています。

港区の高齢者インフルエンザ定期接種(2026年度)

項目 内容
対象 (1) 65歳以上の区民
(2) 60〜64歳で、心臓・じん臓・呼吸器の機能障害、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害で身体障害者手帳1級をお持ちの区民
接種期間 2026年9月24日〜2027年1月31日
自己負担 無料(期間中1回)。区から届いた予診票と本人確認書類を持参

出典:港区ホームページ「令和8年度高齢者インフルエンザ予防接種」(2026年10月18日確認)。詳細はみなと保健所 保健予防課(03-6400-0081)にご確認ください。

⚠️ 64歳以下の肝臓病の方は「任意接種」になります

60〜64歳の定期接種の対象は心臓・じん臓・呼吸器・免疫の機能障害の方に限られ、肝臓の病気は対象に含まれていません。64歳以下の肝臓病の方は任意接種(自費)になりますが、重症化しやすい立場であることに変わりはありません。流行が続いている今シーズンは、早めの接種をご検討ください。

ご家族の接種も大切です|お子さん・お孫さんはフルミストも選べます

同居のご家族が接種して、家庭にウイルスを持ち込まないことも重要です。鼻に噴霧する経鼻ワクチン「フルミスト点鼻液」は2歳以上19歳未満が対象のため、成人の肝臓病の方ご本人は注射ワクチンになりますが、同居する健康なお子さん・10代の方は注射でもフルミスト(1回)でも接種できます。港区では生後6か月〜高校3年生相当のお子さんへの費用助成があり、フルミストも対象です。なお、肝移植後などで免疫抑制薬を使っている方と暮らす場合の考え方は免疫抑制治療中のインフルエンザをご覧ください。

VACCINE & FLUMIST

ご本人は注射ワクチン、ご家族は注射かフルミスト。まとめてご相談ください

当院では、注射のインフルエンザワクチン(港区の高齢者定期接種を含む)と、経鼻ワクチン「フルミスト点鼻液」(2歳以上19歳未満・1回)の両方を入荷しており、ご予約を受け付けています。肝臓の病気で通院中の方は、お薬手帳と最近の採血結果をお持ちいただくと、接種前の確認がスムーズです。フルミストについてはフルミストのご案内をご覧ください。

6. かかったら|受診の流れと、すぐ受診すべきサイン

CDCは、重症化しやすい方がインフルエンザにかかった、またはその疑いがある場合には、できるだけ早く抗インフルエンザ薬で治療することをすすめています。抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に始めると効果が高いとされるため、肝臓病の方は「様子を見る」より早めの受診をおすすめします。

STEP 1 発熱したら、来院前に電話または当日WEB予約
ほかの患者さんへの感染を防ぐため、発熱していることを事前にお知らせください。
STEP 2 「肝臓の情報」を持参
病名(脂肪肝・B型/C型肝炎・肝硬変など)、お薬手帳、最近の採血結果(AST・ALT・血小板・アルブミンなど)、飲酒量をお伝えください。
STEP 3 検査と、肝臓・腎臓に合わせた治療薬と解熱剤
インフルエンザ・新型コロナの検査を行い、治療薬と解熱剤の種類・量を決めます。必要に応じて採血で肝機能・腎機能・脱水の程度を確認します。
STEP 4 持病の薬は続け、悪化のサインに注意
肝臓の薬は自己判断で中断しないでください。下のサインがあれば再受診を。肝臓の専門医療機関に通院中の方は、主治医にも連絡しておきましょう。

すぐに受診・救急相談が必要なサイン

息苦しい、意識がもうろうとする・つじつまの合わないことを言う・昼夜逆転(肝性脳症のことがあります)、白目や皮膚が黄色くなった、おなかが急にふくらんだ、吐いたものに血が混じる・黒い便が出た、尿がほとんど出ない、水分や食事がとれない、いったん下がった熱が再び上がって咳や痰が増える――こうした症状があれば、時間外でも医療機関に連絡してください。合併症全般についてはインフルエンザの合併症で解説しています。

CONSULTATION

肝臓の病気で通院中の方の発熱・咳・だるさは、早めにご相談ください

当院では、インフルエンザ・新型コロナの検査、肝臓・腎臓の状態に合わせた治療薬と解熱剤の処方、採血による肝機能・腎機能の確認に対応しています。受診の際はお薬手帳と最近の採血結果をお持ちください。発熱中の方は、ご来院前にお電話または当日WEB予約でお知らせください。

7. 理事長コメント

💬 理事長 五藤良将より
「健診で脂肪肝やALT・γGTPの上昇を指摘されている方は多く、糖尿病の診療でも肝臓の数値を一緒に見ることがよくあります。肝臓の病気をお持ちの方にとってインフルエンザで怖いのは、ウイルスそのものだけでなく、解熱剤の重複や飲酒、脱水が肝臓や腎臓の負担になることです。カロナールは量を守れば多くの方に使える薬ですが、市販のかぜ薬との重ね飲みには気をつけてください。
当院は白金高輪駅から徒歩1分、土日祝も診療しています。消化器内科・内視鏡にも対応しており、肝臓で大きな病院に通院中の方も、主治医の方針に合わせてお近くでワクチンや発熱時の診療を受けていただけます。お薬手帳と採血結果をお持ちいただければ、肝臓の状態をふまえてご説明します。」

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 肝臓が悪くてもインフルエンザのときにカロナールを飲めますか?
A. 多くの場合、量を守れば使えます。カロナールの電子添文では、かぜの解熱・鎮痛は成人で1回300〜500mg、原則1日2回まで・1日最大1,500mgとされ、「重篤な肝障害のある方」は使えません。肝障害のある方は悪化のおそれがあるため、どのくらいの量なら使えるかを医師に確認してください。市販薬との重ね飲みと飲酒は避けましょう。
Q2. 肝硬変ですが、ロキソニンを飲んでもいいですか?
A. 自己判断での使用は避けてください。ロキソプロフェンなどのNSAIDsは、肝硬変の方では腎機能の悪化や腹水の増加につながることがあり、欧州肝臓学会のガイドラインは腹水のある方には使用すべきでないとしています。食道静脈瘤のある方では消化管出血にも注意が必要です。解熱剤は主治医と相談して選びましょう。
Q3. 肝臓病でもインフルエンザワクチンは打てますか?
A. はい、多くの方が接種できます。定期接種の説明書では肝臓疾患のある方は「接種の判断に注意を要する方」とされていますが、これは医師が体調を確認したうえで判断するという意味です。肝臓病の方は重症化しやすいため、不活化の注射ワクチンを毎年接種することがすすめられます。
Q4. 63歳で肝硬変があります。港区の無料の定期接種を受けられますか?
A. 港区の定期接種の対象は65歳以上の方と、60〜64歳で心臓・じん臓・呼吸器・免疫の機能障害により身体障害者手帳1級をお持ちの方です。肝臓の病気は60〜64歳の対象に含まれていないため、任意接種(自費)になります。65歳以上の方は2026年9月24日〜2027年1月31日の期間中1回、無料で接種できます。
Q5. 肝臓病があるとタミフルやゾフルーザの量は変わりますか?
A. タミフルの電子添文には肝機能による用量調整の規定はありません(腎機能が落ちている場合は調整します)。ゾフルーザは中等度の肝機能障害の方で血中濃度がほぼ変わらないとされる一方、重度の肝機能障害の方では臨床試験が行われていません。肝臓と腎臓の状態を合わせて、医師が薬と量を選びます。
Q6. 脂肪肝と言われていますが、インフルエンザで重症化しやすいですか?
A. 脂肪肝だけで大きくリスクが上がるかは、はっきりしていません。ただ、脂肪肝の方は糖尿病や肥満を合わせ持つことが多く、CDCは糖尿病やBMI40以上の高度肥満を重症化しやすい条件に挙げています。ワクチン接種と、血糖・体重の管理をあわせて進めることをおすすめします。
Q7. インフルエンザにかかっている間、お酒を飲んでもいいですか?
A. 控えてください。飲酒は脱水を招き、肝臓の負担を増やします。カロナールの電子添文でも、アルコールを多量に常飲している方は肝障害が起こりやすいとされています。特にアルコール性の肝臓病がある方は、回復するまで禁酒しましょう。
医療法人社団 五良会・正友会 理事長 五藤 良将

AUTHOR / SUPERVISOR

医療法人社団 五良会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)

  • 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
  • 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
  • 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
  • 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
  • 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
  • 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数

執筆・監修責任について

本記事は、五藤良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良会クリニック白金高輪(03-6432-5353)までお知らせください。

9. まとめ

📝 この記事のポイント
✅ CDCは肝臓の病気のある人をインフルエンザの重症化リスクが高い人に挙げている。特に肝硬変は感染をきっかけに腹水・黄疸・肝性脳症などが起こりうる
✅ カロナールは量を守れば多くの方に使える(かぜでは原則1日2回・最大1,500mg)。重篤な肝障害では禁忌。市販薬との重複と飲酒は避ける
✅ 腹水のある肝硬変の方はNSAIDs(ロキソニンなど)を使わない
✅ タミフルには肝機能による用量調整の規定はない。腎機能や病状とあわせて医師が選ぶ
✅ ワクチンは不活化の注射を毎年。港区の無料定期接種は65歳以上(2027年1月31日まで)。60〜64歳の肝臓病は対象外で任意接種

10. 参考文献・出典

  1. 東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況」(2026年10月15日更新・第41週まで) https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/
  2. 東京都感染症情報センター「東京都インフルエンザ情報」第6号(2026年10月16日発行・第41週)
  3. 東京都感染症情報センター「2026〜2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株」(厚生労働省通知に基づく)
  4. CDC. People at Increased Risk for Flu Complications.
  5. Mago S, et al. Chronic liver disease and influenza hospitalization outcomes(Nationwide Inpatient Sample 2010–2014). American College of Gastroenterology Annual Scientific Meeting 2020(学会発表)
  6. Song JY, Cheong HJ, Ha SH, et al. Clinical impact of influenza immunization in patients with liver cirrhosis. J Clin Virol. 2007;39(3):159-163.
  7. カロナール錠200・300・500 電子添文(2026年8月改訂 第5版)。PMDA 医療用医薬品情報
  8. タミフルカプセル75 電子添文(2024年10月改訂 第2版)。PMDA 医療用医薬品情報
  9. ゾフルーザ錠 電子添文(2026年9月改訂 第7版)。PMDA 医療用医薬品情報
  10. European Association for the Study of the Liver. EASL Clinical Practice Guidelines for the management of patients with decompensated cirrhosis. J Hepatol. 2018;69(2):406-460.
  11. インフルエンザ定期予防接種 説明書「接種の判断を行うに際し注意を要する者」(自治体配布資料)
  12. 港区ホームページ「令和8年度高齢者インフルエンザ予防接種」

🏥 白金高輪で診るという選択(当院が選ばれる理由)

肝臓の状態をふまえたワクチン接種や発熱時の診療を、通院先の病院と並行して身近な場所で受けたい――そうした方のために、白金高輪の当院では次のような体制を整えています。

理由① 消化器内科・内視鏡に対応

健診で脂肪肝や肝機能の異常を指摘された方のご相談、胃カメラ・大腸カメラに対応しています。インフルエンザの治療後に、肝臓の状態をあらためて確認することもできます。

理由② 糖尿病・メタボなど脂肪肝に関わる持病の診療

糖尿病内科を理事長が担当しています。脂肪肝と糖尿病を合わせ持つ方の、発熱時の血糖や薬の扱いもふまえて治療を考えます。

理由③ 検査・採血・治療薬を一度の受診で

インフルエンザ・新型コロナの検査に対応し、必要に応じて採血で肝機能・腎機能を確認します。予防薬は院内処方でお渡ししています。

理由④ 注射ワクチンとフルミストの両方に対応

ご本人は注射ワクチン(港区の高齢者定期接種を含む)、ご家族は注射かフルミスト(2歳以上19歳未満・1回)を選べます。フルミストは入荷しており、ご予約を受け付けています。

理由⑤ 土曜・日曜・祝日も診療、専門医療機関とも連携

土・日・祝も10:00〜15:00で診療しています(火曜休診)。入院や肝臓の専門的な治療が必要と判断した場合は、専門の医療機関へご紹介します。

理由⑥ 白金高輪駅2番出口から徒歩1分

東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口から徒歩1分、港区高輪のプレミストタワー白金高輪1Fです。体調がすぐれないときも移動の負担を抑えられます。

肝臓の病気で通院中の方のワクチン接種や体調のご相談は、お気軽にどうぞ。

ワクチンはWEB予約から。発熱や急な症状でお急ぎの方はお電話でご相談ください。

GORYOKAI CLINIC SHIROKANE-TAKANAWA
五良会クリニック白金高輪
内科・小児科・消化器内科・血液内科・内視鏡検査・糖尿病内科・アレルギー科

内科 小児科 消化器内科 血液内科 内視鏡
糖尿病内科 アレルギー科 予防接種 健康診断 渡航医学

〒108-0074 東京都港区高輪1丁目3-1 プレミストタワー白金高輪 1F
東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪駅」2番出口 徒歩1分

診療時間 月 火 水 木 金 土 日・祝
10:00〜13:00 ○ 休 ○ ○ ○ 10:00
〜
15:00
10:00
〜
15:00
14:30〜19:00 ○ ○ ○ ○

休診日:火曜日/土・日・祝は10:00〜15:00(最終受付14:30)


メディカル革命 byGMO
WEB予約
前日まで

CLINICS
当日WEB予約
CLINICS(当日順番)

melmo
WEB問診
事前入力でスムーズ


LINE
公式アカウント

Instagram
1F公式

電話
03-6432-5353

理事長 五藤 良将